あの魚も下処理しだいで食べられる
釣ってもリリースしてしまう魚を美味しく料理しよう
スズキはシーバスとも呼ばれる大型の海水魚で、釣りの獲物としても人気がある魚です。しかし食べるために釣りするのではなくあくまでも魚とのやりとりを楽しむ、釣り上げられたら満足と食べない人が多いといわれています。
その理由に「スズキは身が臭い」というものが多いです。スズキは臭いものも多いですが、工夫次第では食べられない魚ではありません。
スズキは臭い?その原因や調理方法をご紹介
スズキの身が臭いのには原因や理由がありますので、それらに合わせて下処理や調理方法、美味しい時期と臭い時期の見極めで対処するのがおすすめの方法です。
今回はスズキを捌いた時に身が臭い原因と、その解消法や臭さを感じにくい調理方法をご紹介いたします。せっかく釣り上げたスズキ(シーバス)は、できるだけ美味しい状態で食べたいという方必見です。
スズキについて
スズキの基本情報
名前・和名 | 鱸 |
分類 | スズキ亜目スズキ科 |
学名 | Lateolabrax japonicus |
分布 | 日本、韓国、中国、ノルウェーからモロッコ、地中海 |
スズキの見た目の特徴
スズキは大きくなる魚で、体長はだいたい1mほどです。口が大きいのが見た目の特徴となります。成体の体の色は銀色で、背に近い方やヒレに斑点が入っているものはスズキの中でも若い個体に見られる模様です。
スズキの釣りポイント・旬の時期と身が臭い時期
スズキ自体は海水魚ですが、エサとなる小魚を求めて河口付近の汽水域から淡水域にいることもあり、それらを狙っておかっぱりから釣る方法が簡単でよく釣れるためポピュラーな釣りポイントとなっています。
スズキが活発に活動する季節は暖かい春から秋にかけてで、美味しいのもこの時期です。秋になると子持ちになるため急激に脂も落ち身の臭みが目立つようになるので、まずいスズキを避けるためには釣り上げる時期も大切となってくるでしょう。
スズキが臭い理由と対処法!寄生虫予防も
スズキ料理がまずいと感じる原因
スズキ料理がまずいのは、そのスズキの身に原因があります。いくらうまく調理をしても、口の中にそれらのまずい身の風味が残るためです。まずいスズキ料理しか食べたことがないという方は、いつも同じ場所で釣ったスズキを食べていることはないでしょうか。
ほかの場所で釣ったり、スーパーで購入したスズキであれば、同じ調理方法でも美味しく感じることがあります。なぜならスズキの身が臭い理由はひとつで、エサにしている物が臭いためです。
スズキの身が臭い理由
河口近くに住んでいるスズキは、小型の淡水魚をエサにしています。そのためその淡水魚の泥臭さがスズキの身にも出てしまい美味しくありません。
もうひとつはスズキが住むそれら河口が、工場や研究施設などから出る臭い水が流れ込むところである場合です。もちろんその付近にいる小魚は不純物により身が臭くなり、それを食べるスズキも臭くなるのは仕方ないですね。釣ったスズキを食べる場合は釣りポイントにも注意しましょう。
まずいスズキの身を美味しくする処理の仕方
スズキを釣り上げた場所が河口に近い場合は、釣り上げたらすぐに活き締めという血抜き作業をすると臭みが身に付きにくく食べやすくなります。活き締めの方法は以下のとおりです。
まずは釣ったスズキの頭をナイフで差します。これはスズキにできるだけストレスを与えないためです。この時気絶させるのが遅れてしまうと、魚のストレスにより身の味が落ちます。出来るだけ流れるようにスピーディに一連の作業済ませましょう。
その後エラを切り海水に突っ込みます。こうすることで臭い血が抜けて身に臭みが移るのを予防してくれるでしょう。
スズキの寄生虫と魚に多い注意したい食中毒菌
スズキはアニサキスがいる率の高い川に住む小魚を食べているため、アニサキスの心配があります。また腸炎ビブリオ菌も保持しているケースも見逃せません。スズキもこれらの食中毒を引き起こす、寄生虫や食中毒菌の対策をして食べることをおすすめいたします。
アニサキス対策には加熱・冷凍・切って殺す・ピンセットで取り除くという4つのやり方があります。腸炎ビブリオは真水で死滅しますので調理前にしっかりと身を洗い、触れた手や使用した包丁・まな板などもしっかり水洗いするのが効果的です。
スズキの刺身の捌き方と食べ方2選
スズキの刺身の捌き方
スズキはウロコ・頭・内臓を取り除き3枚おろしにし、そこからサク取りという刺身などに適した細長い身の状態に切り分けてから、包丁で薄切りにしましょう。スズキを薄切りにすると、前述のアニサキス対策にもなります。3枚おろしは下記のリンク先で詳しく解説していますので、よろしかったらご覧ください。
【基本講座】初心者必見、魚を捌く方法を解説。刺身や3枚おろしもマスターしよう!
魚を釣り上げた時に、せっかく釣った魚は新鮮な内においしく捌きたいものです。ところが、その魚を捌く方法が分からないと困るでしょう。そこで今回、...
スズキの洗いの作り方
薄くスライスしたスズキの刺身は氷水で締めることで洗いという食べ方になります。洗いは身が急激に冷やされるため、締まって食感がコリコリになるスズキを美味しくいただく食べ方です。
画像のようにスズキの洗いに小口ネギやすだちなどの柑橘系を添えるのも、臭みを目立たなくする食べ方としておすすめします。洗いのメリットはそれだけでなく、万が一腸炎ビブリオ菌が付いていた場合でも、この水洗いで死滅するという点でも安心です。
臭みも取れる美味しいスズキの料理方法2選
汽水域や淡水域で釣ったスズキの身はくさい可能性が高い
スズキは釣ってすぐ神経締めや活け締めをして血抜きをし、寄生虫避けに内臓を取り除く下処理をすると血の臭さは身に移りにくいです。そのあとクーラーボックスで冷やして持ち帰ることで、血の臭みが気になるのは防げます。
しかし河口付近や川で釣れた魚は、そもそも泥臭い魚を食べているため身に泥臭さがあり、それらは上記の方法だけでは対処しきれません。そんなケースには、魚の身のにおいが気にならなくなる料理方法をおすすめします。
まずい身のスズキにおすすめの料理方法1.蒸し魚
動画では鯛を使っていますが、同じく白身魚のスズキでも同様な作り方で作れます。内臓まで取り出してお腹の中の掃除が終わっているスズキを食べやすい大きさにぶつ切りにしましょう。
しょうがの輪切りをお腹に詰め込み、身に塩を振っておくことで魚の臭み取りに大きな効果があります。動画では台湾独自の調理器具を使っていますが、蒸し器でも代用可能です。その場合水を中火で沸騰させ、10分ほど蒸すと美味しい蒸し魚が作れます。
白身魚 1匹
生姜スライス 2~3枚
塩、酒(料理酒、日本酒、台湾米酒など)適量
千切り生姜 適量
ねぎ 1本+糸ねぎにする3本
玉ねぎ 1/2
普通醤油 大さじ2
砂糖 小さじ1
ナンプラー 小さじ1/2
色濃いめの醤油 数滴
ごま油 小さじ1
水 小さじ1
まずい身のスズキにおすすめの料理方法2.香草焼き
魚や肉の臭みを取る方法としてハーブもよく使われます。おすすめのハーブはローズマリーで、こちらは消臭剤としても使われるくらいにおい取りには効果がある香草です。
スズキは水分をしっかりと拭き取り塩コショウで下味を付けてから、オリーブオイルでソテーします。この時香り付けのにんにくとローズマリーを入れた油で炒めることで、身の臭みが気にならなくなるので、試してみてはいかがでしょうか。
スズキ(切り身)4切れ
塩コショウ少々
小麦粉少々
ローズマリー4枝
生タイム8枝
ニンニク1片
白ワイン大さじ1.5
しょうゆ少々
エリンギ1本
シシトウ12本
レモン1/2個
オリーブ油大さじ2
ディジョンマスタード適量
釣ったシーバスは活き締めにすると美味しい
スズキを釣り上げたらすぐに活け締めにして血を抜いておくのが臭さを少なくするコツでした。しかし釣り上げた季節によっても身が臭い時期があります。釣る場所・時期を変えることで同じスズキでも美味しくいただけるでしょう。
身のにおいだけでなく、アニサキスだけでなく腸炎ビブリオ菌にも注意して釣り上げた魚を美味しく召し上がってみてくださいね。
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