美味しすぎて釜借りという名前の付いた魚
安くて美味しいクログチを料理しよう
関西から九州にかけてよく食べられていますが、関東ではあまり見かけない魚にクログチがいます。知名度が低い関東でも相模湾がクログチの生息場所になっていので、釣りで見かけた方もいるかもしれません。スーパーであまり見かけない魚だからといって、捨ててしまうのはもったいない美味な魚です。
このようなポピュラーでないという経緯から、市場では安い値段でやり取りされるため小売価格も高級魚と比較するととてもお手頃価格なのも魅力です。
クログチの食べ方・料理方法をご紹介
今回はそんなクログチのいろいろな食べ方をご紹介いたします。関東の小売店では手に入りにくい魚ですが、味は高級魚並の美味しさがある魚です。
刺身はもちろんのこと炙りにしたり、フライ・ムニエルでも美味しくお召し上がりいただけます。釣りや小売店で手に入れたクログチの食べ方が気になる方は、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
クログチについて
クログチの基本情報
名称・和名 | 黒愚痴 |
分類 | ニベ科クログチ属 |
学名 | Atrobucca nibe |
分布 | 相模湾から土佐湾までの太平洋沿岸 朝鮮半島、中国、台湾、フィリピン、南アフリカ東岸 |
クログチの名前の由来とシログチとの違い
クログチは口の中が黒いことからクログチと呼ばれます。一方、よく似たグチの中でも口の中が白いものはシログチです。シルエットの違いは、ややシログチの方が頭部が丸みを帯びていて、クログチの方がシャープな印象を受ける魚となっています。
クログチ特徴と旬!おすすめの可食部は
クログチは皮が薄くやや弱いのが特徴で、ウロコは小さくて取りやすく血合いは赤く濃い色をしています。その肉質は白身で透明感があり上質な魚で、刺身にすると高級魚にもひけを取らない美しい身をしており、食欲をそそると食べたことがある人からの口コミ人気は高いです。
クログチの旬は初夏から冬にかけてと長い時期楽しめる魚となっています。身だけでなくアラからよい出汁が出るので、アラ汁もおすすめの料理です。真子や白子も美味なので、鍋に入れたり煮付けにするのもよいでしょう。
クログチとの違いは?シログチの特徴や美味しい部位
シログチは旬の時期がクログチとは違い、春から夏・秋までが食べ頃となっています。身はクログチより水分が多く、味は癖がなくやや淡白で、刺身も食べられますが卵巣が美味といわれています。
クログチの和風レシピ2選
1.刺身の炙りの食べ方
クログチの捌き方は基本的な魚の3枚おろしの方法でおこないます。刺身の炙りにする場合は、クログチの薄い皮は引かずに付けたままサク取りしましょう。この状態でバーナーで炙ってから刺身に切り分けると、パリッとした皮の食感も楽しめるためおすすめです。
この時皮が炙られて縮まないよう、サクにした後の皮に何本か包丁で切り込みを入れておくと、上手に炙り刺身にすることができますよ。
捌き方のコツは真子と白子も捨てないこと
捌き方に関しては通常の魚のおろしかたと同じ手順で、特に難しかったりする部分はありません。しかしクログチは卵が美味しい魚なので、内臓を取り出すときに真子と白子に注意してきれいに取り出し、美味しく召し上がっていただくことをおすすめします。真子と白子の食べ方もいろいろありますが、みりんと醤油で煮付ける方法が簡単でおすすめです。リンク先のレシピもご参照ください。
2.クログチの酒蒸し
こちらはさっぱりとお召し上がりいただける酒蒸しの作り方をご紹介します。クログチはシログチと比べて水っぽさがない魚ですので、シンプルな酒蒸しにしても美味しく食べることができます。
クログチの酒蒸しの作り方ポイント・コツ
こちらは3枚おろしにせずにウロコを取り内臓を出したら、流水できれいにお腹の中も掃除してその姿で料理します。身に切り込み包丁を入れることで、中まで火が通りやすく出汁や野菜の味も染みやすくなりおすすめです。
酒蒸しの材料と詳しいレシピはこちら
クログチ酒蒸しにした😊
— しいちゃん🎣 (@turisukishichan) January 25, 2021
シンプル!美味しい!!! pic.twitter.com/QFPmQnNDXy
レシピはイシモチとなっていますが、イシモチもクログチも同じ仲間ですのでクログチでも同様に作ることができます。作り方レシピでは魚とアサリ・アスパラガスや赤ピーマンなどカラフルな食材を使っています。
しかし、一緒に使う食材は蒸して美味しく食べられる野菜であればほかの野菜でも代用が可能ですので、お好みの野菜で試してみてはいかがでしょうか。画像のようなえのき茸・動画のような白菜・ニンジン・長ネギなど、蒸して甘みが出る野菜は特におすすめです。
イシモチ(クログチ) 3匹
アサリ 1パック
塩 小さじ1×3
酒 大さじ3
バター 大さじ1
アスパラガス 3本
赤ピーマン 1/2個
しめじ 1パック
クログチの美味しい洋風レシピ2選
1.クログチのフライレシピ
クログチは白身の魚なので、フライにしておかずやおつまみとして美味しくいただけます。シログチは少し身が水っぽくてフライにはあまり適していないといわれますが、クログチの身は、その水っぽさがないのがおすすめの理由です。
そのためフライにすると、淡白なクログチの白身の身とフライの油、タレやソースの塩分がうまくマッチするでしょう。
クログチのフライの作り方ポイント・コツ
通常のフライの作り方と同様に、小麦粉・卵・パン粉の順番で付けていきます。小麦粉は無いと魚の身にパン粉が付きませんが付け過ぎるとその部分がねっちょりとして食感が悪くなるため、付けたら軽くはたいて余分な粉を落とすとよいでしょう。
揚げ油の温度は180度でやや高温です。きつね色の色と油のパチパチと上がる泡の大きさが小さくなったのが、フライの揚げ上がり目安となります。
材料と詳しい作り方のリンクはこちら
クログチとアジを食す🙏
— kusawake (@kksswwkk) June 1, 2022
・クログチのフライ
→黒瀬スパイスで味付けして、ジャンクフード感をアップ。安定して旨い
・アジキズシ
→また×②締めすぎた+昆布多かった。漬け置き時間測らないとダメ
平日釣行行きたいけど、やる事満載過ぎるので今週は我慢の子… pic.twitter.com/e7uLZr6SvS
クログチとフライの衣になる小麦粉・卵・パン粉以外の特別な食材は使っていません。クログチのサイズによりますが、1尾を1人前または2人前としてお召し上がりいただくことができます。
レシピでは身に下味を付けていませんが、お好みで塩コショウをしてからフライにしてももちろんOKです。お好みに合わせてアレンジしてみてはいかがでしょうか。
クログチ(イシモチ) 1尾
小麦粉、卵、パン粉 適量
サラダ油(揚げ用) 適量
2.グチのムニエル
今日はグチ(イシモチ)のムニエル
— 琳譜bot 𓆝(りんふbot) (@minalela) May 4, 2020
さっと済ませてまた〝おやき〟作ります(先日の母のおやきが足りなかった) pic.twitter.com/QSUkDnRxTn
淡白な白身魚の美味しい食べ方といえば、バター香るムニエルも人気です。クログチもムニエルにして美味しく召し上がっていただけます。こちらの料理もフライ同様に、3枚おろしにした身を使っておこなう料理です。身は注意深く手にひっかかる小骨を取り除いてそのまま、または大きなものは食べやすい大きさにカットしてから使うことをおすすめいたします。
グチのムニエルの作り方ポイント・コツ
こちらもフライ同様、身に塩コショウで下味をつけたあとに小麦粉をまぶします。この小麦粉の量もさきほどと同じで、手ではたいて余分なものを落とすことでパリッと香ばしく仕上がるだけでなく、衣に含まれる油の量も減りヘルシーに仕上がるでしょう。
ソテーにするオリーブオイルには予めバターを溶かして混ぜてから、魚の皮目を下にして入れます。両面きつね色になり、身に火が通ったら完成です。
材料や詳しい作り方リンクはこちら
こちらのレシピでは、ムニエルの付け合せはふかした里芋です。好みに合わせて一般的によく使われる、茹でたじゃがいも(粉吹き芋でも)の付け合せと合わせてもよいでしょう。葉野菜やニンジンのグラッセなど、別のお好きなボイル野菜を添えても美味しくお召し上がりいただけます。
グチ(または白身魚) 小5尾
里芋 小10~15個
塩・胡椒 少々
小麦粉 大さじ1
オリーブオイル 小さじ1
バター 5g
イタリアンパセリ 少々
黒胡椒 少々
和食洋食こだわらず釜借りを美味しく食べる
今回は釜ごと飯を借りたいほど味が美味しいという別名を持つクログチの料理方法をご紹介いたしました。洋風な料理から酒蒸しなど和食など、いろいろな料理で高級感のある美味しい身を堪能することができる魚です。手に入った時にはぜひお好みのレシピでクログチ料理を作ってみてはいかがでしょうか。
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