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アジの種類7選!意外に知らない種類ごとの特徴や違いなどの見分け方を解説!

日本でアジといえばマアジのことを指します。それは漁獲量と流通量、食味の良さからマアジが数あるアジの種類の中での代表格だからです。しかしアジはマアジだけではありません。今回はマアジとそっくりで種類の違うアジや、姿や生態までマアジとは異なるアジの仲間の特集です。
更新: 2024年1月5日
kuma10
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アジの種類は約150種類!

マアジに限って言えば日本には「1属1種」です。しかし世界の海には近縁種について約30属150種いるといわれています。この中で日本の近海で漁獲のあるアジの仲間の中で、マアジにそっくりな種類のアジも存在しているのです。

まずは似て非なるアジの紹介と、姿形があきらかにマアジとは違うアジの仲間を何種類か紹介し、その特徴や見分け方なども解説して行きます。

マアジに似た種類①「マルアジ」

言われなければ気付かない

マアジに似たアジの中で飛び抜けて似ているのが「マルアジ」です。大きい物で40cmほどにもなるこのアジは、中型のものはマアジと見分けが付きません。体色が青っぽいことから「アオアジ」と呼ばれることも多いこのアジは、「マアジ属」ではなく「ムロアジ属」に属します。

確かに少し多めの血合いの入り方はムロアジに近いですが、冬場のマルアジはマアジよりも美味しいくらいです。根付きではなく回遊型のため、冬場の脂乗りが良いのでしょう。

マルアジの特徴・見分け方

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そっくりだとはいえ見た目の違いが無いわけではありません。見分け方を幾つか紹介しておきます。まずは稜鱗(ゼイゴ)の入り方ですが、マアジは波線(体側の線)に沿ってすべてにザラザラの稜鱗が入りますが、マルアジは腰までしか入りません。

また尻尾のくびれに小離鰭(ショウリキ)という三角形の小さな鰭(ヒレ)が上下にあるのも一つの見分け方になります。

マアジに似た種類②「アカアジ」

赤い体色がチャーミング

村田 政法さん(@totoyamurata)がシェアした投稿 -

その体色から「アカアジ」と呼ばれるこのアジは、やはりマルアジと同じく「ムロアジ属」に属すアジで、相模湾以南の太平洋から東シナ海まで分布します。マルアジとの違いは血合いの入り方で、血合いは小さく、どちらかといえばマアジに近い身です。

晩春のアカアジの旨さは絶品で、マアジより旨味の強い魚となります。ムロアジ属のオアカムロと混同されることがありますが、オアカムロとは一目で区別が可能です。

アカアジの特徴・見分け方

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大きい物で30cmくらいまでのアカアジは、体全体が赤っぽく、特に尾びれはかなり鮮明に赤が出るのが特徴です。平べったい体型で、お腹から背中までの高さ(体高)が、全長の23.5%以上あります。

ここが「オアカムロ(画像のもの)」とは決定的にちがう特徴になります。マルアジと同じように小離鰭があるのもマアジとは違うところですが、体色を見れば違いは一目瞭然ですよね。

マアジに似た種類③「メアジ」

大きなお目々が可愛い

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沖縄、奄美にはマアジがいません。居るのは沖縄で「ガチュン」、奄美で「ガティン」と呼ばれる「メアジ」だけです。千葉県以南ではマアジと混じりますが、奄美以南ではメアジのみの回遊になります。

これは「メアジ属」として独立した属となり、血合いがマアジに比べ大きいのですが、そのためか旨味の強いアジです。脂乗りはあまりよくありませんが、冬場の大きい物であればマアジにも負けない美味さがあります。


メアジの特徴・見分け方

体全体に対しての目の大きさがマアジより大きいのが特徴で、またそれが命名の元にもなっていますから、見分け方としてはそれが一番手っ取り早いのですが、稜鱗(ゼイゴ)の角度がなだらかで、デコボコも小さいことから見分けることもできます。

他にはウロコが細かく体表がぬるぬるしていることから、触った瞬間「あ、アジと違う」と分かります。掴んで違和感を感じたら目の大きさを確認してみましょう。

マアジから少し離れた種類①「ムロアジ」

加工品の王様

ムロアジは主に暖かい太平洋側の海を回遊しています。そのため基本あまり脂乗りの良い魚ではありません。ムロアジの名前の由来となった和歌山の牟婁(むろ)に近い三重県産の金ムロと呼ばれている脂乗りの良いものですら干物での出荷がほとんどです。

反面、加工品としてのムロアジは絶品になります。ムロ節はうどんの出汁として中部地方では定番ですし、何と言っても伊豆大島周辺から出荷される「クサヤの干物」はムロアジが最高です。

ムロアジの特徴

大きい物では40cmオーバーもいるムロアジは、紡錘形をしておりその泳力の強さがうかがえます。マアジに比べ血合いは多いものの、お刺身でも充分美味しいのですが足が速い(痛みやすい)ため生ではあまり流通しません。

ムロアジ属特有の小離鰭と流線型の形が見分けるポイントになります。加工品で美味しいと書きましたが、新鮮な物が手に入ったら、できれば生食もしていただきたいです。

マアジから少し離れた種類②「シマアジ」

最高級なアジ

アジ科のお魚のお刺身でダントツにお値段の張る「シマアジ」はシマアジ属という固有の「属」に属しています。大きい物では1mをゆうに超え、その獰猛さとシュッとした顔付きから「オオカミ」とあだ名されますが、一番美味いのは2kg前後のものです。

アジ科のお刺身の中ではブリやカンパチよりも高級品に位置づけられています。夏から秋には沿岸部にも回遊して来ますので磯や堤防からのカゴ釣りのターゲットになることも。

シマアジの特徴

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島で釣れるからシマアジだとか、縞があるからシマアジであるとか諸説あるシマアジですが、姿の特徴は「体高の高いアジ」に「イナダの顔」をくっつけたような姿をしています。エラブタの縁にはっきりとした黒い斑点が付き、尾の先はにごりのない黄色をしているのが特徴です。体の割に頭が小さく、取れる身が多いので料理人には喜ばれます。

マアジとは似ていない種類①「ヒラアジ」

南国のスプリンター

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おおむねアジ科カイワリ属のものを総称して「ヒラアジ」と呼びます。平たくゴツい体はパワー充分で、「南海のスプリンター」の異名を持っているのです。生食で美味しいものもあればそうでないものもあります。

また、同じヒラアジでも個体の違いで味の違いがあり、大きいものでも美味しいのはカスミアジ。大きいと身が硬く生食が少し厳しいのがカッポレ。その他メッキやカイワレ、ギンガメなどは中型のものがあっさりした刺身になります。

ヒラアジの特徴


体高が高くゴツい体型が特徴のヒラアジは、「平べったいアジ」の体に「鯛の顔」をくっつけたようなフォルムをしています。もちろん稜鱗(ゼイゴ)もありますが、高くゴツゴツした稜鱗が体の半分ほどの位置にまで「真っ直ぐ」入るのが特徴です。

私見で大変恐縮ですが、「ヒイラギ(画像)」を巨大化させたような姿をしているな、と思います。ほとんどが根付きではなく回遊型です。

マアジとは似ていない種類②「ロウニンアジ」

最大のアジ

アジ科の魚の中で最大級なのが「ロウニンアジ」です。最大で2m近くにまで成長し、体重は80kgを超えるものもいます。小さい個体(幼魚)のうちは根付きのように群れて河口周辺などに現れることはありますが、成魚になるとほとんどが単独回遊となるのです。

その姿が「浪人(武士)」のようであるとしてロウニンアジと呼ばれています。大型のものを何度かお刺身でいただきましたが、脂乗りがあまりなくグニグニと硬い身は生食向きではありません。

ロウニンアジの特徴

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ロウニンアジは顔のフォルムだけを見るとまるで真鯛のようなシルエットが特徴的です。1mを越え成魚になるとオスは黒く変色し始めることから、釣り人の間では「ジャイアント・トレバリー(GT)」と呼ばれるようになります。

稜鱗はヒラアジ系と同じように一直線。また漁獲される場所によってはこの頃から「シガテラ毒」を持ち始める事があるので気を付けましょう。

ブランドアジの種類

最高級ブランド「関アジ」

日本で最初にアジのブランド化に成功したのが「関アジ」です。大分県の佐賀関の潮流の速い豊予海峡に根付きしていたサバが関サバとしてブランド化され、本来回遊性であるアジも近くの「ホゴ瀬」に根付きしていたことから同じようにブランド化されました。

豊富なプランクトンと急流の中で育ったマアジは頭が小さく締った筋肉に上質な脂が乗ります。ぜひお刺身で食べたいブランドアジです。

東京湾周辺に多い「黄金アジ」

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日本中に「ブランドアジ」はいますが、中でも多いのが「黄金」と冠の付くブランドです。千葉の金谷沖で釣れるものが有名ブランドですが、他にも神奈川の「走水」で釣れるブランドアジもやはり黄金アジと呼ばれています。

また、金沢八景や茅ヶ崎などほぼ神奈川全域から千葉の房総アジ、愛知の伊良湖あたりまでは黄金アジと呼ばれることが多いようです。これらの場所に共通していることは、「ほぼ1年中釣れる」こととなります。

黄金アジの正体は「根付きのキアジ」

ほぼ1年中釣れるマアジとは、つまり根付きのマアジのことです。中には全く他の海域に回遊することなく一定の場所に根付き、一生を過ごすマアジもいます。

これらは当然豊富なエサ(プランクトン等)がそこに居る事を知って根付いているわけで、脂の乗りも良くなるのです。これら根付きのアジは体色が黄身掛かり「黄アジ」と呼ばれます。見た目が黄金色になることから「黄金アジ」と呼ばれることが多くなりますが、生物学上の別種ではありません。

その他のブランドアジ

長崎県の五島灘の根付きアジ「ごんアジ」、島根県浜田漁港認定の脂質10%以上の「どんちっちアジ」、静岡県由比漁港で水揚げされる「倉沢アジ」などがあります。

これらはどれも地元漁協が厳しく釣り方や処理の仕方、重さなどを管理し、ブランド化。関アジと同じ海域の愛媛県佐多岬産「岬(はな)アジ」は、以前に巻き網漁のものが混じり、認定ブランド返上されたことがあるほどです(現在は復活)。

アジの釣り方


堤防からの釣り方

アジの釣り方は大きく分けて二つあります。一つは「船釣り」、もう一つが「堤防釣り」です。今回は堤防からの簡単なアジの釣り方を紹介します。一番オーソドックスな堤防からの釣り方は、「サビキ釣り」です。

アジは実は周年回遊している魚となり、特に千葉の外房方面では全く四季に関係なく釣れ続けています。釣具屋さんなどで地元の堤防情報をゲットして釣行してみましょう。釣れたてのアジは格別ですよ。

堤防サビキ仕掛け

堤防の釣り方にも何種類かあります。足元のサビキ釣りと遠投サビキ釣りです。違いはコマセカゴの位置とウキを付けるか付けないかくらいで、基本的に仕掛けに違いはありません。

コマセと呼ばれる誘いエサをカゴから振り出してハリスに何本か付いた針にアジを食わせます。時合いにあたると一荷で何匹も揚がることもありますので、ロッドは2号くらいがいいでしょう。

アジ釣りがもっと気になる方はこちらもチェック!

「暮らし~の」のサイトの中にアジングに詳しい記事がありますので、併載しておきます。興味のある方はこちらもチェックして下さいね。

アジの特徴を見極めてアジ博士になろう!

大まかなアジの種類とその見分け方を紹介させていただきました。釣り物としても食卓に上る魚としてもアジはとても身近な存在です。今回ご紹介させていただいたアジの見分け方くらいの知識があればきっと仲間内では「アジ博士」と呼ばれるでしょう。簡単な釣り方も紹介しておきましたので、ぜひご自分の手で釣ってその引きと味を堪能して下さい。

アジの生態などもっと気になる方はこちらもチェック!

アジの見分け方や特徴をご紹介して参りましたが、その生態や食べ方などもっと突っ込んだアジのことが「暮らし~の」のサイトの中にありますので併載しておきますね。興味のある方はこちらもチェックして下さい。