検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

意外と知らない?ソフトボールの基本的なルールを攻撃・守備別に詳しくご紹介!

世界トップクラスの実力がある日本の女子ソフトボール。中、高でも人気の部活です。また、手軽なレクレーションスポーツとしても人気が高く、職場対抗の試合なども行われます。野球と似ているようですがルールは違うのです。そんなソフトボールのルールについて詳しく紹介します。
2021年7月19日
ユリノフ
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

ソフトボールは誰でも簡単に楽しめる!

Photo byKeithJJ

日本では気軽にできることから老若男女が親しむソフトボール。職場対抗やクラス対抗の試合もあり、ゲーム感覚のレジャーとして楽しむ方が多いスポーツです。

そして、北京オリンピックでエース上野由岐子選手が413球の熱闘の末、日本代表が金メダルを獲得して競技としても人気になったスポーツでもあります。

知っているようで意外と知らない、スポーツ競技としてのソフトボールについて基本ルールや競技の特徴などの詳しい紹介です。

ソフトボールの基本的ルール

ソフトボールのルールは極めて細かい細則があり、大変複雑でアウトカウントや塁上の走者の人数など、ケースバイケースでルールの適用が異なる場合が出てくるのです。

今回はソフトボールの試合で、通常多く適用される基本的なルールをピックアップして詳しく紹介します。

基本ルール①:ファーストピッチとスローピッチ

ソフトボールは9人で行う「ファーストピッチ」と、10人の「スローピッチ」がありますが、ここではオリンピック競技でもあるファーストピッチを紹介します。

オリンピックのソフトボールは女子の種目です。男子は野球になります。ソフトボールはグラウンドの大きさにも決まりがあるのです。

ソフトボールのグラウンドは投手(ピッチャー)と捕手(キャッチャー)の間が13.11m、ベースとベースの塁間は18.29m、本塁から外野フェンスまでの距離は67.06m以上となっています。

基本ルール②:ボールとバットの規定

ソフトボールで使用されるボールもバットも規定があります。バットは86.4cm(34インチ)以内で、重量は1077g(38オンス)以内、太い部分の直径は5.7cmになっています。

材質は木、竹、カーボン、合金、セラミックなどが認められていますが、最近は金属バットやカーボンが主流です。

グリップエンドから25.4~38.1cmの範囲で滑り止めのためにテープを巻くことが決められています。

ボールは黄色

ボールの大きさは円周が12インチ(30.2~30.8cm)、重さは6.5~7オンス(177.5~198.8g)で、国際大会では、革の部分が黄色で縫い目が赤色のイエローボールが使用されます。日本でも公式大会では男女ともにイエローボールが使用されているのです。

基本ルール③:一度に試合に出られるのは9人

野球と同じように1チーム9人(DH制を採用する場合は10名)に監督1名です。ポジションの位置は投手(ピッチャー)、捕手(キャッチャー)、1塁手、2塁手、3塁手、遊撃手、左翼手、中堅手、右翼手の9つのポジションです。

7イニング制で先攻、後攻はコイントスで決め、先攻チームが表になり、後攻チームが裏になります。

ソフトボール独自のリエントリー制

ソフトボールは1979年のルール改正で、「リエントリー(再出場)」が採用されています。スターティングプレーヤーが交替して試合から退いても、一度に限り再出場が認められています。

再出場は、元の打順を引き継いだプレーヤーと交代しなければなりません。日本でもリエントリーのルールが1980年に採用されています。

基本ルール④:7イニングで勝敗

3アウト制で、3アウトごとに攻守が代わります。得点は打者が出塁し、ホームに生還すれば得点になり、得点の多いチームが勝ちになるルールです。

ソフトボールは7イニング終了した時点で得点が多いチームの勝ちになりますが、7イニングの表を終了した時点で後攻チームの得点が多い場合は後攻チームの勝ちです。

基本ルール⑤:タイブレーク制

ソフトボールは得点が入りにくい競技で、特に強豪チーム同士の試合になるとその傾向が強まり延長戦になりがちです。

ソフトボールの延長戦では、促進ルールが採用され8回からは攻撃のスター時点で、無死2塁走者の状態でプレーをスタートさせるタイブレーク制が採用されます。

基本ルール⑥:1塁はダブルベースを使用


ソフトボールは塁間が18.29mと短いため、一塁ベース上でのクロスプレーが多く、守備側の選手と打者走者が接触してケガをすることがありました。

そこで、1987年の国際ルールの改正で、一塁だけベースラインの内側と外側にベースがあるダブルベースを置くルールになり現在も採用されています。

2つの1塁ベースの使い分けが特徴

ダブルベースは38.1×76.2cmの大きさで、白色ベースがフェア地域に、オレンジベースをファウル地域に固定します。基本的には打者走者はオレンジベースを走り抜け、守備側は白色ベースを踏むのです。

一塁をオーバーランしたり、長打の場合に一塁を回るときは白ベースを使い、走者となった場合も白色ベースに着塁します。

基本ルール⑦:離塁アウト

ソフトボールではベース上の走者は、投手がボールを手から離すまでベースから離れることが禁止され、ボールが手から離れる前にベースを離れるとアウトです。

盗塁する場合は投手がボールを離してからスタートを切るので盗塁は難しくなっています。ただし、三塁手が前進守備を取る場合はベースに戻る時間もあり、三盗を狙うことはあるのです。

ソフトボールの基本的なルール:攻撃側

ソフトボールのルールは文言で説明すると、わかりにくい表現や場合によれば簡単にわからない内容もあります。基本的には野球のルールと似ていますが、ソフトボールならではのルールがあり、最初に、攻撃側のソフトボールならではのルールの紹介です。

攻撃側ルール①:バッターズボックス内で打つ

打者はバッターズボックス内に入り構えます。ボールを打つときは両足や片足をボックスから出して打つことは禁止です。また、踏み出してホームベースを踏むと不正打球になりアウトになります。

打者は審判が「プレイボール」を宣告したのち、10秒以内に攻撃姿勢をとらなければなりません。また、打者は規定外のバットを使用することは不正打球です。

攻撃側ルール②:打者がアウトになる場合

ソフトボールで打者がアウトになる場合は、打者が空振りして3球目のストライクが、打者の体の一部に触れたときはアウトになります。また、3球目のストライクを捕手が正しくキャッチしたときもアウトです。

無死または1アウトで一塁上に走者がいる場合はストライクが3つになった時点でアウトになります。2ストライク後にバントを試みファウルとなったときも打者はアウトです。

バットを手から離して打つとアウト!

ソフトボールでは打者がバットを手から離してボールを打ったときはアウトです。また、投手が投球体制に入った後に右ボックスから左ボックスへ、またその逆にバッターボックスを代えたときもアウトになります。

さらに、打者が捕手の捕球、送球などの動作を妨害したときは守備妨害となり、打者がアウトになります。

攻撃側ルール③:打者が打者走者になる場合

バッターが打者走者になる場合は、フェアボールを打ったとき、四球となったとき、死球となったとき、捕手が打撃妨害を起こしたときです。

振り逃げといわれる、無死、または1アウトで1塁上に走者がいないとき、走者が1塁にいても2アウトの場合、捕手が3つめの投球を捕球できなかったときは1塁へ走り触球を免れれば走者になります。

また、フェアボールがフェア地域の審判や走者の体やユニフォームにふれたときにはセーフになります。

攻撃側ルール④:打ったら1塁まで全力疾走

打者走者がアウトになる場合は、打球がフライになりが捕球されたときやフェアボールを打った打者が1塁ベースに触れる前に、ボールで体にタッチされるか、打者走者よりも守備側が一塁に先に触れるとアウトになります。

振り逃げした打者走者が1塁ベースに触れる前に、タッチされるか守備側が一塁に触れた(触球)ときです。さらには、インフィールドフライが宣告された場合や野手の守備妨害したり、故意に送球を妨害したときはアウトになります。

ソフトボールの基本的なルール:守備側

ソフトボールの守備側のルールとなると、その多くは投手の投球に関係する細かなルールになります。守備側もケースバイケースでルールが微妙に代わることもあり、初心者には文言だけではわからない場合もあり得るのです。ここでは投手に関するルールを中心に詳しく紹介します。


守備側ルール①:ピッチャーズサークルから投球

投手はプレートを中心にした2.44mのピッチャーズサークルの中で投球しなければいけません。

投手はピッチャーズプレートの上に両足を置き、両腰は1塁と3塁を結ぶ線上に合わせます。ボールは体の前か横で両手で持たなければいけません。

この姿勢で投球を始めるまで2秒から5秒以内静止します。また、捕手のサインを見るときはプレートに両足をつけ、両手を離して片手でボールを持たなければいけません。

守備側ルール②:体側線を通過した下手投げ

ソフトボールの投手の最も基本ルールになりますが、打者に対して下手投げで投球します。また、手と手首が必ず体側線を通過しながら球を離さなければなりません。

ソフトボールの投法は「ウインドミル」と「スリングショット」です。ウインドミルは、風車のように腕を大きく1回転させ、遠心力を利用して投げる投法でスピードが加速します。ただし、回転できるのは1回だけです。

100キロ以上のスピードが出る

スリングショットは、オーソドックスなソフトボールの投球フォームで、時計の振り子のように腕を下から後ろに大きく振り上げ、その反動で前方に投げる投法です。

ちなみに、最近のソフトボールのトップクラスの女子選手は、スピードガンで計測すると105~110kmを超える速球が投げられています。

守備側ルール③:ストライクゾーンの定義

ソフトボールのストライクゾーンの高さは、打者が自然に構えた時に打者の脇の下から膝の皿の下までです。また、コースについてはホームベースのどこかを通過すればストライクになり、左右は球の一部が接しているだけでストライクになります。

守備側ルール④:無効投球

ソフトボールはルール違反となる投球は無効投球になります。具体的には、ボールデッド中に投球した場合や、打者が十分に打撃姿勢をとっていないときの投球は無効投球になります。また、走者が離塁アウトになったときの投球も無効投球です。

ソフトボールの歴史

ソフトボールの起源については諸説ありますが、まず、最も古いソフトボールの起源が「インドアベースボール」です。

1887年にアメリカのシカゴのジョージハンコック(G.Hancock)が、クラブの体育館で仲間たちがボクシングのグラブをボールに見立て、ほうきをバットにして野球らしき遊びを楽しんでいるのを見て、冬の運動としてルールを考案したとされています。

ソフトボールの歴史①:アメリカ生まれのスポーツ

「ソフトボール」という名称は1926年にアメリカで生まれています。アメリカのコロラド州デンバーのYMCA主事のウォールター・ハケンソン(W.Hakanson)が名付け親で、コロラド州アマチュア・ソフトボール協会を設立したのが始まりです。

1933年には最初の全米アマチュアソフトボール選手権大会がシカゴで開催されていますが、この大会から名称がソフトボールに統一され、ルールの標準化を行い、1934年にはソフトボールの標準ルールが制定されました。

ソフトボールの歴史②:1965年に世界大会

1951年になると国際ソフトボール連盟が設立され、第1回世界女子選手権大会が1965年にオーストラリアのメルボルンで開催され、翌年の1966年には第1回世界男子選手権大会がメキシコシティで開催されました。

ソフトボールは東京五輪で復活

ソフトボールの国際化は進み、90年代半ばには85カ国以上の国で競技が行われていました。オリンピックには1996年のアトランタ大会から夏季大会の正式種目となっています。

しかし、環太平洋の地域に偏りがあり、2008年北京大会以降の五輪競技から除外され、2021年の東京大会だけ復活しました。

ソフトボールの歴史④:日本の歴史


日本のソフトボールは1921年(大正10年)にアメリカ留学から帰国した東京高等師範学校(現在の筑波大学の前身)の大谷武一教授が、学校体操科の遊戯としてインドアベースボールを紹介したことと伝えられています。1927年(昭和2年)になると正式に学校体育の種目に採用されました。

1949年に「日本ソフトボール協会」が誕生

戦後の1949年(昭和24年)に「日本ソフトボール協会」が誕生し日本体育協会に加盟しました。この年に「第1回全日本高校女子ソフトボール選手権大会」と「第1回全日本一般女子ソフトボール選手権大会」が開催されました。

1950年になると、ソフトボールは国民体育大会の女子の正式種目とされ、1955年(昭和30年)になると「全日本一般男子選手権」が開かれています。また国民体育大会には1957年から一般男子の部が採用されています。

2008年の北京大会で金メダル

日本の女子のソフトボールは強豪国で、オリンピックでは1996年アトランタ大会で4位入賞、2000年シドニー大会で銀メダル、2004年アテネ大会で銅メダルを獲得しています。そして、2008年の北京大会で念願の金メダルを獲得しました。

ソフトボールはバント多用が特徴

ソフトボールではバント多用の攻撃方法が多くなります。ソフトボールは少しでも優れた投手がいるとなかなかヒットが打てず、また、ボールが大きいことから簡単に長打が出ません。

そこで、バントを試みて相手のエラーを誘ったり、塁間が短いだけに俊足走者はセーフになる確率も上がります。

ソフトボールは簡単に点が取れない!

ソフトボールは1点差で勝負がつくことも多く、1点が大事になるだけに少しでも走者を先の塁に進塁させる方法としてバントが多用されます。

また、ソフトボールのバントはバットのグリップエンドで行う方法もあり、バントは特に反復練習されているのです。

ソフトボールのルールを知って楽しく観戦!

ソフトボールのルールを中心に競技の特徴や歴史を採り上げました。細かいルールは数多くありますが、本記事で紹介した範囲のルールだけでも知っておくとソフトボールが楽しくプレイでき、ソフトボールを面白く観戦することができます!

ソフトボールのルールが気になる方はこちらをチェック!

本記事ではソフトボールの基本ルールを採り上げ詳しく紹介しました。ソフトボール競技の選手の人数や特徴や判定方法などが気になった方は、以下の記事のチェックをおすすめします。

オリンピックそのものや他の競技の参加人数やルールや競技の特徴に歴史まで詳しく紹介され、役立つ情報が満載です。