検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

センテッドゼラニウムの育て方講座!枯れない正しい栽培方法はコレだ!

センテッドゼラニウムは可愛らしい花と葉の美しさとともに、葉に優しい香りがあり、その香りを楽しむゼラニウムです。寒暖に強く丈夫なので初心者でも容易に育てることが出来ます。ハーブとしても利用されるセンテッドゼラニウムの正しい栽培方法などをご紹介します。
2020年8月28日
kureko
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

センテッドゼラニウムとは

センテッドゼラニウム(Scented geranium)は南アフリカ原産の多年草で、センテッド(Scented)は英語の香ばしいという意味のとおり、葉に芳香をもつハーブの一種です。ヨーロッパでは、古くから香料用として積極的に栽培が行われてきました。ゼラニウム属はぺラルゴニウムというグループに属していて、ぺラルゴニウム(Pelargonium)はギリシャ語で「コウノトリ(pelargo)」を意味しています。果実がコウノトリのとんがったくちばしに似ていることが由来です。

色んな香りを持つセンテッドゼラニウム

ペラルゴニウム属の仲間は葉に香りを持つ「センテッド・ゼラニウム(ニオイゼラニウム)」と、花を観賞する園芸用の「ゼラニウム」に区別されますが、「センテッドゼラニウム」は、荒地や、森のはずれの低木の間に自生し、全草に芳香があり、香料の原料として改良開発されています。代表的なローズゼラニウムのほか、パイナップルや、ミント、アップル、オレンジ、レモン、ジンジャー、シナモンの香りなどを持った種類などがあり香料や香辛料として使用されています。

センテッドゼラニウムの基本情報

学名…Pelargonium(scented-leaved group)

別名…ニオイゼラニウム、ニオイバゼラニウム

科名…フウロソウ科

属名…テンジクアオイ属(ペラルゴニウム属)

原産国…南アフリカ

センテッドゼラニウムの育て方①

センテッドゼラニウムの花の季節は春から初夏にかけて。日当たりの良い場所での育て方でどんどんと大きくなっていきます。魅力的な花の種類もたくさんありますが、葉っぱが香りはもちろんのこと、形も種類によってそれぞれ微妙に違っていて魅力的です。種類や効能、利用方法などの特徴を知ると、ガーデニングでの育て方が楽しみになりますよ。育て方の前に種類や特徴を見ていきましょう。

センテッドゼラニウムの主な品種

センテッドゼラニウムは沢山の種類がありますが代表的な3種類をご紹介します。3種類とも耐寒性もそこそこあり、暖かい地方なら枯れる心配もなく戸外栽培での冬越しも可能です。

ローズ・ゼラニウム

最も代表的な原種です。名前通り葉茎に触れるとバラの香りがします。香水や化粧品の香料、また料理やお菓子の香りづけや、ポプリにも出来ます。

アップル・ゼラニウム

白い小さい花は控えめですが、葉茎は甘いリンゴのような香りがします。這うように横に広がる性質なので、ハンギングバスケットなどに向いています。

ペパーミント・ゼラニウム

葉の表面に柔らかい繊毛が生え、ビロードのような触り心地がします。葉からはさわやかなミントの香りがします。開花の季節には可愛らしい赤やピンク、白の小さな花が咲きます。

センテッドゼラニウムの育て方②

センテッドゼラニウムは丈夫なので育て方がたやすい植物といわれていますが、具体的にどんな環境が育て方にむいているか、栽培環境などを見ていきましょう。

センテッドゼラニウムの栽培:高温多湿と雪に注意

センテッドゼラニウムは日当たりが良い場所を好みますが、さらに風通しの良い場所であれば申し分ありません。逆に高温多湿や、冬の寒さは少々苦手なので夏の高温多湿時は乾燥気味にし、冬の時期は雪が降り積もると枯れることがありますので、室内で鉢植えでの育て方をおすすめします。比較的寒さに強い品種であれば、庭植えの育て方も可能です。


センテッドゼラニウムの栽培:根腐れに注意

生育が早く丈夫とはいえ、多湿には弱い植物なので過湿土壌では根腐れを起こす心配があります。そのため庭植えでの育て方の場合は、水はけのよい栄養豊富な土を盛り土にして植えることをおすすめします。また種が出来ると根がエネルギーをとられて弱くなりやすいのでこまめに花柄摘みをして下さい。

センテッドゼラニウムの植え替え

センテッドゼラニウムは成長が早いので、根が鉢の中にぎっしり詰まりやすいので、1年に1度を目安にひと回り大きな鉢に植え替えしてあげましょう。

センテッドゼラニウム:植え替えの時期や季節は?

センテッドゼラニウムの植え替に適した時期は4月~5月、9月~10月頃といわれていますが、丈夫な植物なのであまり神経質になる必要はなく、基本的には真夏や真冬の季節以外はいつでも可能です。

センテッドゼラニウム:鉢植えの植え替え

土はどちらかというと少々アルカリ性の土を好みますが、こちらもそれほど神経質になることはなく、市販のハーブの土などでも良いと思います。根鉢を軽く崩し、一回り大きな鉢に植え替えますが、センテッドゼラニウムは乾燥ぎみの状態を好むので、あまり深く植えず、根の上の部分が土に隠れる程度に浅く植えます。植え替え後はたっぷりと水やりをして完了です。

センテッドゼラニウム:庭植えの場合の植え替え

庭植えの場合、土壌が酸性なら前もって用土に苦土石灰を混ぜ込んでアルカリ性の土壌に傾けておきます。また水はけの良い土壌にするために腐葉土を混ぜ込み、元肥として緩効性化成肥料を混ぜておきます。

センテッドゼラニウムの剪定

Photo byartursfoto

日当たりの良い環境では元気いっぱいに成長するセンテッドゼラニウムですが、枝葉が混みあい蒸れて株が痛むことがないようにこまめに剪定を行いましょう。剪定した枝葉は挿し木や料理の香りづけにも使えますし、室内に飾って香りを楽しむ事も出来ますよ。

センテッドゼラニウムの剪定の時期は年2回

センテッドゼラニウムの開花の季節は春から初夏ですので花の盛りは避け、梅雨の時期になり、花も一段落した頃に、高温多湿が苦手なゼラニウムが蒸れで株が傷むのを防ぐためにも、風通しを良くする剪定を行います。また季節が秋になり、9月~10月頃の時期にも再度枝葉の形を整えるために剪定を行います。

剪定方法は

まず花柄と株元の枯葉をきれいに取り除きます。つぎは、枝先をカットするだけでは枝が混みあったままで蒸れるので、枝は根元から、また横に張り出した枝も株元からすっきりと剪定します。最後に軽く枝先を切り戻す剪定をして草姿を整えます。

普段も花柄摘みをしましょう

開花の時期には花が咲き終わって枯れる度に花がらを摘み取ります。黄色くなった葉っぱも一緒に取り除きます。水やりの時などに行うことで病気や害虫などに早めに気が付き防ぐことも出来ます。

センテッドゼラニウムの挿し木

ハーブゼラニウムは剪定した枝を挿し木で簡単に増やす事が可能です。まず初めに挿し穂を作ります。

ハーブゼラニウムの挿し穂を作る


ゼラニウムには茎に数センチごとにフシがあり、このフシのところから根が生えるので、挿し木用の挿し穂は、新しく生長した、何フシかある茎を選び、10cm程カットします。土に挿す個所の葉っぱは取り除き、葉を2、3枚付けたかたちで、花がついていれば取り除きます。ゼラニウムの茎は組織が堅くなるので、挿し木には、当年の若い茎を使います。

ゼラニウムの挿し木には肥料は不要

挿し木用の土は、肥料配合の培養土は不向きですので挿し木用の市販の物、もしくは小粒の赤玉や、バーミキュライトと赤玉の混合の土を使います。ポットに土をいれたら水で土を十分にしめらせておきます。ゼラニウムは切り口を数時間乾燥させることで切り口から入る雑菌を防げ、挿し木が成功しやすくなります。

管理は風通しの良い日陰で

2、3週間で根が出ますが、その時期水を与え過ぎると根腐れを起こす場合があるので、土に適度な湿り気がある程度にします。そして最低2、3週間は茎をいじらないように我慢しましょう。3週間経つ頃には新芽が出て来ますよ。

センテッドゼラニウムは日当たりが一番!

栽培に大切なのは日当たりと風通し

挿し木で増やすことが出来たセンテッドゼラニウムは枯れる事などないようにしっかり管理をしていきましょう。先述のようにセンテッドゼラニウムは南アフリカ原産という事もあり、日光が大好きなので、日当たりが良い風通しの良い場所での育て方でぐんぐん成長していきます。また高温多湿が苦手で、長雨が続くと成長に影響を及ぼし、花も咲きにくくなりますので、地植えより鉢植え栽培の方が場所も移動出来、育て方としては枯れるリスクからも守ることが出来ます。

センテッドゼラニウムの枯れる原因は水のやり過ぎ!

Photo by sorarium

ゼラニウムは寒さにあまり強くはありませんが、日当たりの良い窓辺なら冬越しも可能です。冬は空気は乾燥していますが、気温が低いため、鉢の土は夏ほどは乾燥しませんし、冬は生育時期ではないので根もあまり吸水しませんので夏と同じ感覚で水やりをすると根腐れを起こし枯れる原因になりかねません。水やりの回数には充分気を付けて水やりの頻度を抑える事を心掛けて下さい。

センテッドゼラニウム:地植えの冬越し

暖かい地域では日当たりの良い地植えでの越冬も可能ですが、心配なら凍霜害防止対策として寒冷紗をかけてあげましょう。また長雨対策時のように地植えよりは掘り起こして鉢植えにすることで屋内などへの移動もでき、冬場の育て方も楽になります。

センテッドゼラニウムの水やりと肥料

水やりは時期によって配慮が必要

管理の章でもお話しましたが、センテッドゼラニウムは乾燥気味の状態を好むので、水を与えすぎると根が傷み、順調に成長出来なくなりますので水やりは土の表面が乾いてからたっぷりと与えるようにします。一方成長期の春や秋の季節は水不足になると開花しない事もありますので、成長する季節には水が切れないように日頃の注意を心掛けて下さい。

 

より良い栽培のための肥料の与え方

出典: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51IfkQbUUfL._AC_.jpg

前述のように肥料はセンテッドゼラニウムの植え替え時にあらかじめ元肥として緩効性化成肥料をまぜておきます。その後は、春から秋の開花の期間に毎月肥料を与えますが、リン酸の多い液肥なら、1週間に1回のわり合いで与えてください。また窒素分の多い肥料は、花が付きにくくなりますので注意しましょう。

センテッドゼラニウムの病害虫

センテッドゼラニウムは丈夫で育て方もたやすい植物ですが、高温多湿などの環境では病害虫の被害にあう事もあります注意が必要なものを見ていきましょう。

センテッドゼラニウムが罹りやすい病気


灰カビ病

低温で湿度の高い環境、特に梅雨時や多湿時に弱った花や茎、葉っぱなどに発生しやすく溶けたようになり、カビが生えてくる病気です。灰カビ病を発見した場合は、そこから感染が拡大しますので、その部分をすぐに取り除き、ゴミに出すか土の中に深く埋めます。水を与えすぎず、日当たりと風通しのよい場所で管理する事で予防することができます。

モザイク病

モザイク病とは、葉や花びらに濃淡のモザイクの模様ができるウイルスによっておきる病気です。ウイルスは主にアブラムシによって媒介され、一度発病すると治療方法はありませんので見つけ次第葉っぱや花びらを取り除きます。予防方法として薬剤を散布しアブラムシを防除する事ができます。

害虫

ヨトウムシ

センテッドゼラニウムには虫よけ効果があるといわれていますが、ヨトウムシは関係なく卵を産み付けます。卵から生まれた幼虫は夜に出て来て植物の葉脈以外を食害します。ヨトウムシは大きくなると殺虫剤の効き目が低下するので、幼虫のうちに効く薬剤を散布して予防することができます。

ハダニ

ハダニは植物の葉の裏に寄生して、食害し植物を弱らせるので枯れることがあります。放っておくと無数の白い斑点やかすり状の傷をつけ、葉全体へと広がっていきますので、ハダニの数がまだ少ない場合はセロハンテープなどを使って駆除したり、牛乳と水を1:1で割ったものを吹きかけて、窒息死させます。散布後は、牛乳は腐るので洗い流しましょう。

まとめ

ここまでセンテッドゼラニウムについてお話してきましたが、いかがでしたか。ハーブゼラニウムは多年草でいつでも収穫できますが、特に春から秋にかけて良いハーブゼラニウムを取ることが出来ます。また葉がもっとも香る時期は開花前後の4~6月頃で、ローズゼラニウムなどはそばを通るたびにふれることで良い香りを楽しむことが出来ます。そして香りはストレスを和らげ心身のバランスを整える効能があります。

香りのある生活で癒しを!

センテッドゼラニウムはたくさんの種類があり、香りもそれぞれ違います。また、たくさんの効能を持つため一株あれ剪定作業で切り落とした枝で色んな楽しみ方ができます。冬の管理さえ気をつければどなたにでも育てやすい植物です。ぜひセンテッドゼラニウムの栽培にチャレンジして香りのある生活を楽しんでみて下さい。

ハーブゼラニウムが気になる方はこちらもチェック!

ハーブゼラニウムの栽培方法や効能などより深く知りたい方にお勧めです。