東京オリンピックミュージアムとは?
東京オリンピック2020を見据えたミュージアム
東京オリンピックミュージアムは、東京で2度目の開催となる東京2020に向けて建設された新国立競技場の目の前のビルの1・2階を改装してできた新しいミュージアムです。
このミュージアムは東京オリ・パラ2020を見据えて2019年にオープンし、五輪にまつわる魅力ある映像やパネルで見どころ満載のミュージアムになっています。(当記事は2020年3月時点の情報をもとに作成したものです)
東京オリンピックミュージアムは新しい観光スポット
東京オリンピックミュージアムは、東京2020に向けて五輪を楽しく体感する東京の新しい観光スポットとして人気急上昇しているミュージアムです。
東京オリンピックミュージアムは、ミュージアムというと堅苦しさがなく、ミュージアムのなかにある大型モニターや体験型のコーナーで、大人から子供まで楽しみながら五輪を理解する人気の東京観光ミュージアムになっています。
東京オリンピックミュージアムへのアクセス
東京オリンピックミュージアムは、JR千駄ヶ谷駅や信濃町駅から徒歩12分、東京メトロの外苑前駅からは徒歩5分とアクセスがよい東京観光として注目されています。
目の前には新国立競技場があり、周辺には神宮球場や神宮外苑、東京の人気スポット青山や六本木も近くミュージアムと合わせて東京観光ができると評判です。大人・子供を問わず訪れた人に感動を与える東京の人気ミュージアムになっています。
東京オリンピックミュージアムの見どころ
東京オリンピックミュージアムの正式名称は「日本オリンピックミュージアム」と言い、1階の「WELCOMEエリア」と2階の「EXHIBITIONエリア」、スクエア(広場)の「MONUMENTエリア」の3つのエリアがあるミュージアムです。それではミュージアム内の見どころを紹介します。
1F WELCOMEエリア
ミュージアムの顔にあたるWELCOMEエリアは、誰でも自由に出入りできる無料フロアです。ミュージアムのエントランスを入ると最初に大型モニターの「WELCOME VISION」が出迎えてくれます。
アスリートの迫力ある美しいフォームや動きにスポットをあてた映像で、東京2020に向けたミュージアムのコンセプトとオリンピックの魅力が感じられるエリアです。
開放的な空間と高揚感を演出する天井
ミュージアム1Fの開放的な天井に描かれた五輪マークには思わず見とれてしまいます。さらに天井には1964年の東京オリンピックのレガシーが使われています。
天井は、東京五輪で各国の参加選手が持ち寄った母国の木のタネを、北海道遠軽町で約60年かけて育てた樹木です。温かさが伝わる伝統的な木材と近代的なデザインが織りなす天井は感動的で東京オリンピックミュージアムの象徴になります。
WELCOMEサロンとSTUDYセンター
「WELCOME VISION」のすぐ横には、オリンピックアスリートが参加した「がんばれ!ニッポン!」イベントで小・中学生が作った五輪オブジェが並んで東京2020を盛り上げています。
また隣のSTUDYセンターは、オリンピック関連の書籍で歴史を学ぶことができ、東京2020に向けたミュージアムのイベントも開催されるコーナーです。
1Fは入場無料・カフェやショップもある
東京オリンピックミュージアムの1Fは入場無料なので、気軽に楽しむことができます。また一休みしたくなったらコーヒーが飲めるカフェがは嬉しいです。
またショップもあり、東京オリンピックのロゴ入りのTシャツやキーホルダー、マスコットまで販売しています。ミュージアムを訪れた記念に五輪グッズが買えるのは魅力です。
2F EXHIBITIONエリア
東京オリンピックミュージアムの2Fは有料(大人500円・高校生以下は無料)ですが、見応えがあり入場料500円払っても惜しくない魅力満載のフロアです。
このミュージアムにはオリンピックを「知る」「学ぶ」「感じる」「挑戦する」「考える」の5つのテーマがあります。東京オリンピックミュージアムの各コーナーの見どころを紹介していきましょう。
①イントロダクション
「オリンピックってなんだろう?」の問いかけで始まり、オリンピックの起源から現在の「人類最大の祭典」になるまでを大画面の映像と音でわかりやすく伝える東京オリンピックミュージアムのイントロダクションです。
古代五輪から近代五輪への変遷や、次第に参加国が増え女性アスリートが参加するに至る歴史など、時代を超えてきたオリンピックを改めて感じます。
②世界とオリンピック「知る」
オリンピックと世界との関わりを展示物を通して知る歴史コーナーです。歴代のメダルが展示されていて、開催地ごとのデザインの違いや、聖火トーチが時代ごとに変化する過程などオリンピックの変遷の歴史が見て取れます。
長野五輪で伊藤みどりさんが使った和風の印象的なトーチや、リオ五輪の閉会式の衣装など展示物に魅了され時を忘れてしまうミュージアムのコーナーです。
【番外】世界とオリンピックコーナーでわかる意外な真実
第1回アテネ大会では、金メダルがなかったことをご存知ですか?第1位は銀メダル、第2位は銅メダル、第3位にはメダルがなかったのです。
第3回セントルイス大会から金銀銅のメダルが揃いました。またメダルは丸いのですが、過去には1度だけ四角いメダルが使用されたことがあります。そんな意外な真実がわかるのもミュージアムの魅力です。
③オリンピックシアター「感じる」
円形のシアターなので、マルチスクリーンに映し出される開会式やアスリートたちが躍動する映像は、その場にいるような臨場感を体感できるシアターです。
円形にカーブする映像とコラボする迫力満点の音響にも圧倒されます。オリンピック開会式の壮大な演出はテレビで見るのとは大違い、まさに体に直接伝わるコーナーです。
④日本とオリンピック「学ぶ」
ここは日本人アスリートがオリンピックに挑戦した記録や、日本がオリンピックに与えた影響を資料を通して学ぶコーナーです。馬術競技の西村選手が使った乗馬靴や1968年メキシコ大会で銅メダルを獲得したサッカーボールなど貴重な品が展示されています。中でも印象に残るの銀と銅を半分に継ぎ合わせたメダルです。
友情のメダル
展示されているめずらしメダルは「友情のメダル」と呼ばれています。1936年のベルリン大会棒高跳びで銀と銅を獲得した西田選手と大江選手のメダルを半分に切って合わせたものです。
このメダルの意義は大きく、以後のオリンピック競技の規約を変更させるほどセンセーショナルなものでした。なぜこのメダルが友情のメダルと呼ばれるのでしょう。
「友情のメダル」と呼ばれる理由
ベルリン大会の棒高跳び決勝は、日本人2人を含む5人で競われ金は米国の選手がとり、銀と銅をかけて同記録の日本人2人が争う状況にりました。そのとき西田選手と大江選手は相談して2位3位決定戦をパスしたのです。
当時のルールで同記録の場合は順位も同じはずなのに、西田選手が銀メダル大江選手は銅メダルになりました。のちに西田選手の提案でメダルを半分に切り合わせたのがこの友情のメダルです。
友情のメダルがもたらしたもの
当時は試技の回数で優劣を決めるというルールがなかったのが、この友情のメダルがきっかけとなり以後ルールが改正されました。
棒高跳びなどバーの高さで競う競技で、先にバーをクリアした選手、試技の回数で優劣をつけるという現在のルールは友情のメダルが残したレガシーです。世界を感動させた「友情のメダル」が展示されているこのコーナーから日本とオリンピックの関わりをたくさん学べます。
⑤オリンピックゲームス「挑戦する」
大人も子供も夢中になってオリンピアンの身体能力を実体験するブースです。100mのウサイン・ボルトや一流アスリートの歩幅やスピード、実際にコースを走っているような疑似体験ができます。
跳躍に挑戦するコーナーや、制限時間内に正確に的を外さずに挑むゲーム感覚のコーナー、2人の動きがどこまで合うかシンクロ率を競うなど実体験コーナーが盛りだくさんで、時間を忘れること間違いありません。
⑥オリンピズムストーリー「考える」
東京オリンピックミュージアム5つ目のテーマ、オリンピックを考えるコーナーです。オリンピアンのインタビューやエピソードから、考え方や挑戦する生き方に触れることができます。
またパラリンピックの歴史や理念、競技を紹介することでパラリンピックの理解を深め、選手が滞在する選手村や大会ボランティアも紹介し、オリンピックの意義をあらためて考えるコーナーです。
スクエアMONUMENTエリア
ミュージアム敷地内のスクエアには、さまざまなMONUMENT(モニュメント)があり周辺の緑とともに目を楽しませてくれます。建物を一歩出たところにある高さ2mの五輪シンボルは、最高の人気写真スポットです。
スクエア内には1964年の東京オリンピックで使われた聖火台レプリカ(3/4スケール)や札幌大会、長野大会の聖火台レプリカも並び、周辺の緑の中で際立っています。
歩道に刻まれたオリンピック
歩道には1928年のアムステルダム大会で、日本人初の金メダリスト、三段跳びの織田幹雄選手の記録15.21mの足跡が刻まれ、その跳躍の歩幅に驚かされます。
しかし、そのとき会場のポールに日の丸が掲揚されなかったのをご存知ですか?日本人が金メダルを取るのを運営側が予想してなかったのが原因です。そのまさかを実現した織田幹雄選手の偉大な功績がミュージアムに展示されています。
オリンピックに貢献した人の銅像と五輪のモットー
エリアの入り口付近には、近代オリンピックの提唱者として有名なピエール・ド・クーベルタン男爵(仏)の銅像と、日本のスポーツ発展に多大な功績を残した、講道館柔道の嘉納治五郎氏の銅像が建てられています。
またミュージアムの建物前のステップには、オリンピックの基本「より速く」「より高く」「より強く」の3つの言葉がさりげなく刻まれているのが印象的です。
日本オリンピックミュージアムのイベント
日本オリンピックミュージアムではさまざまなイベントが開催されています。ほとんどのイベントは1FのWELCOMEエリアで開催されますが、中にはインターネット発信のイベントもあるので案内をよく見てください。それではイベントの内容や主旨、会期などを紹介します。
①Tokyo 2020 Olympic and Paralympic ART展
世界の文化を知り平和な世界をという願いから「オリンピックと芸術」という視点で東京2020大会を見すえた国内と世界のアーティストの作品や、子供達が描いた作品、さらにアスリートによる作品まで展示します。その作品を通して「みんなが描くオリンピック、パラリンピック」というメッセージを伝えるイベントです。
会期と会場
会期は【前期】2021年6月23日(水)~7月18日(日)【後期】2021年8月11日(水)~10月3日(日)で後期は展示内容を一部変更して開催されます。会場はミュジーアム内の1F「WELCOMEサロン」なので、入場見学は無料です。
②東日本大震災から10年間の活動の軌跡
東日本大震災以降10年間にわたり、被災地のみなさんと延べ867名のオリンピアン・パラリンピアンが触れあってきた活動を振り返るイベントです。
これはJOCの「がんばれ!ニッポン!」プロジェクトの一環で「オリンピックデー・フェスタ〜スポーツから生まれる笑顔がある〜」の活動記録で、東京オリンピックを復興五輪と位置付けた意義がここにあります。
会期と会場
会期は【前期】2021年6月23日(水)~7月18日(日)【後期】2021年8月11日(水)~10月3日(日)で「ART展」と同時期になります。会場はミュジーアム内の1F「STUDYセンター」でWELCOMEサロンのすぐ隣です。もちろん1Fなので入場見学は無料になります。
③1920→2020 アントワープ大会から100年 復興と再生への挑戦
これは東京オリンピックミュージアムがインターネットを通してオンライン発信しているイベントです。1920年アントワープ大会〜2020年までの復興と再生、挑戦してきた歴史を映像と資料を通して伝えています。ミュージアムに足を運ばずに見れるイベントです。
1920年アントワープ大会が乗り越えたパンデミック
1918〜1920年にかけて人類史上最も死者を出したパンデミック「スペイン風邪」が全世界を震撼させました。
世界中で5億人が感染し、5000万〜1億人の死者を出したこの状況は、現在の「新型コロナウイルス」と非常に似ています。これを乗り越えて開催されたのが1920年のアントワープ大会です。第一次大戦の復興とスペイン風邪を乗り越えたアントワープ大会は世界を元気を与えました。
1920〜2020年は復興の歴史
この100年間は、さまざまな戦災や疫病を乗り越えた歴史といっても過言ではありません。第一次世界大戦とスペイン風邪から復興したのが1920年のアントワープ大会です。
第二次世界大戦から復興した1948年のロンドン大会、1964年の東京大会は朝鮮戦争や、途上国や復興を訴える国が多いアジアで初めて開催された平和の祭典と位置付けられています。
世界が注目する100年目の東京2020
全世界を巻き込んだパンデミック「新型コロナウイルス」の影響で、2020年開催予定が1年延期された東京2020、オリンピック史上で中止はありましたが延期は初めてです。
東京2020がどのように新型コロナウイルスを乗り越えるかを全世界が注目しています。復興と再生への挑戦をテーマにしているのが1920→2020イベントです。
東京の新観光名所を思いっきり楽しもう!
日本オリンピックミュージアムは、東京の新しい観光スポットです。このミュージアムの見どころや魅力を紹介してきました。大人から子供まで楽しめるオリンピックミュージアムを、東京観光スポットの一つにぜひ加えてください。
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出典:photo-ac.com