成人式の髪飾り、どの花がおすすめ?
ハレの日に似合う、花の種類
成人式の季節がきましたね。子どもたちが20歳まで大きく育って成人を迎えられるというハレの日は親や親戚にとっては嬉しいもの。華やかな衣装を身に纏い、家族に感謝し、親しい友人たちと近況報告しあって、また新たな気持ちにもなれる行事です。今回はそんな晴れ着に似合う、髪飾りにぴったりなお花の種類をご紹介します。
髪飾り、どこでどうやってどんなものを?
振袖を用意した後に悩むのがヘアセット。最近ではいろんな髪型があって、種類が多くて悩みます。髪型を決めきれない場合は、着物に合わせた髪飾りから髪型を決めるのもおすすめ。この記事では髪飾りの種類や、どこで買えるのか、どこで相談すればいいのかなども解説していきます。ぜひご参考にしてみてくださいね。
成人式の髪飾りにはどんな種類がある?
1:生花
成人式の髪飾りにはいろんな種類があります。まずは華やかでフレッシュな生花。生花の髪飾りをつける機会は成人式か結婚式くらいなもので、ちょっとした憧れがある人も少なくないかも。生花は季節によって出回る種類が違うので、前撮りや本番で違ったお花にするという楽しみもあります。
2:造花
管理も楽でお値段も手頃なものが多く、雑貨店や100円ショップでも買えるのも魅力の造花。近年はクオリティも素晴らしく、さまざまな色や形を楽しめるのが特徴です。単体で買った造花をパーツにしてつけたり、すぐに付けられるコサージュ状のものなどがあります。ハンドメイドしやすいのも人気のポイントです。
3:ドライフラワー
ここ数年人気なのが、ドライフラワーの髪飾り。シックな色合いとナチュラルな風合いがかわいいと人気です。ドライフラワーショップや花屋で1本1本買ったものをパーツにしたり、ハンドメイドのネットショップなどでもたくさん出品されています。ドライフラワーにするところから手作りすることも。
4:プリザーブドフラワー
プリザーブドフラワーとは、生花に特殊な加工をしたもの。枯れることなく、長い間楽しめるという加工花です。生花より長持ちし、ドライフラワーや造花よりもみずみずしく、生花よりも発色がはっきりとしています。ドライフラワーや造花と組み合わせて使うことも多い花材です。加工の手間もあり、値段は生花よりも少し高め。
5:かんざし
日本の伝統的な髪飾り、かんざし。縄文時代頃からあり、魔除の意味合いもあったといいます。江戸時代には庶民の間でもかんざし文化が盛んになり、つまみ細工などが流行しました。現在はモダンなものから伝統的なものまで、デザインもお値段もさまざま。古風な雰囲気はもちろん、個性的にも仕上がります。
生花と造花、どっちにしよう…
生花のメリット・デメリット
生花のメリットは、生花ならではのみずみずしさ。ほかには代えがたい華やかさと美しさがあります。また自然の色は発色も美しく、顔色も映えます。対してデメリットは長持ちしないこと。また注文すると実物を見られるのは前日か当日なので、前もって用意できないのも難点です。
生花のメリット・デメリット
- みずみずしい美しさ
- 顔色が映える自然色
- 長持ちしない
- 直前にしか用意できない
造花のメリット・デメリット
造花のメリットは扱いが楽なこと。多少ズレても自分で直しやすく、散ってしまったり傷ついてしまう心配がありません。成人式の後も何度でも使え、結婚式に参加するときなど1つあると重宝します。また着物に合わせた色合いを探しやすいのもメリット。デメリットは物によっては安っぽく見えてしまうところでしょうか。
造花のメリット・デメリット
- 長持ちする
- 扱いやすく、自分でも手直ししやすい
- 成人式後も使える
- 安っぽく見えることも
ドライフラワーのメリット・デメリット
アンティークな雰囲気にしたい人にはおすすめのドライフラワー。式から同窓会までつけても萎れたりする心配がありません。また生花より軽いのも、付け心地としては◎。デメリットは、生花と同じくらい繊細な点。ものによってはパラパラと崩れてしまうこともあり、意外と扱いが難しい髪飾りでもあります。
ドライフラワーのメリット・デメリット
- 長持ちする
- 軽い
- 意外と繊細で扱いが難しい
プリザーブドフラワーのメリット・デメリット
プリザーブドフラワーはしおれることがなく、長持ちします。またドライフラワーより色がはっきりしているので明るく華やかです。デメリットは、こちらも繊細な点。花びらがぼろぼろと落ちることもあり、扱いには気をつけます。また、水に濡れると染料が滲み出て色移りすることもあります。
プリザのメリット・デメリット
- 長持ちする
- 軽い
- 色合いがはっきりしていて華やか
- 繊細で扱いが難しい
- 水に濡れると色移りすることも
生花と造花、迷うときの選び方
1:花のイメージが決まっている
「バラをつけたい」などとしっかりお花のイメージがある人は、生花がおすすめです。具体的な花の種類が決まっている場合、生花にしたほうがしっくりくるといったケースが多いように思います。ただ季節的に生花ではない花もあります。またクオリティの高い造花も多いので、お気に入りが見つかれば造花もおすすめ。
2:色合いが決まっている
色のイメージが決まっている場合、色合いで探しやすいのは造花です。特にアンティークカラーやニュアンスカラーは造花ならではの美しさを出しているものがあります。ただ生花でも自然のニュアンスが美しい品種もあるので、一度花屋で相談してから希望の色がなければ造花にする、という手もおすすめです。
3:成人式から同窓会まで付けたい
どこで楽しみたいかも重要なポイントです。式から同窓会まで、そのままのヘアセットで楽しみたい場合には断然造花をおすすめ。生花では夜まできれいな状態を保つのが難しく、動きにも制限が出ます。生花にするなら成人式や記念写真まで、前撮りのときなど、時間が短く動かないでいられるときにつけるのがおすすめです。
どこでどうやって頼む?
1:美容院で相談
まずは成人式のヘアセットをする美容院に相談してみるのがベスト。したい髪型に似合うのはどんな髪飾りか、生花を使うときにはどこでどうすればよいかなどを聞いてみましょう。提携の花屋を紹介してくれたり、レンタルの髪飾りがある場合もあります。お花を自分で手配する場合、どれくらいの量を用意するべきかも聞いておくのが重要です。
2:花屋で頼む
美容院に相談して、お花は自分で手配するように言われた場合はお花屋さんに注文しに行きます。「成人式の髪飾り用のお花が欲しい」と伝えれば、たいていどこでも対応してくれます。実際にお花を見ながら相談して決められ、具体的なイメージをつかみやすくなります。1週間前には注文しておくとよいでしょう。
3:ネットなどで購入
ドライフラワーや造花の場合は、インターネットでも買えます。専門店はもちろん、ハンドメイトサイトなどでも個性的なものがたくさん出品されています。生花のネット販売はほとんどありません。届くまでに時間がかかる場合もあるので、トラブルを避けるためにも余裕を持って注文しましょう。
値段の相場は?
生花で作る髪飾りの値段の相場は、お花の数や種類にもよりますがだいたい2000〜5000円くらい。ドライフラワーやプリザーブドフラワーは生花に比べるとどうしてもボリュームが少なく見えるので、量に対して値段は少し高めです。そして美容院でヘアセットする場合、セット代が別途かかる場合があります。
生花の髪飾りってどうやってつける?
1本1本ワイヤリングして作る
生花の髪飾りは、1本1本パーツに仕上げます。お花の茎を1〜2cmほどで切り、茎にワイヤーを挿してワイヤリングし、切り口を濡れたティッシュなどで保水した上からテープで固定します。簡単なお花なら初心者でも手作りできます。作り方の動画などもたくさん上がってるので、参考にしてみてもよいかも。
ピンなどで固定しながらつける
つけるときは、ワイヤーを髪の毛にピンで固定してつけます。花の位置を調整しやすく髪型に合わせやすいため、造花やドライフラワー、プリザーブドフラワーもパーツで販売されているものもあります。ドライフラワーやプリザーブドフラワーは崩れやすいためお花には触らず、必ずワイヤーの部分を持つようにしましょう。
成人式の髪飾り向き!おすすめの生花:定番5選
1:コチョウラン
シンプルに上品に決めたいならコチョウランがおすすめ。ラン類はしおれにくく長持ちしやすいので、髪飾りにはおすすめの花材です。生花の相場は1輪1000〜2500円くらいでちょっと高価なのがネックですが、華やかさは抜群です。また、造花でも生花に近い見た目のものが探しやすい種類でもあります。
2:ダリア
大きくて華やかな印象のダリア。色や花の大きさ、形や咲き方のバリエーションも非常に豊富で、振袖に合わせたものを選びやすいお花です。白や濃い赤、ニュアンスカラーなどもあります。値段は1輪500〜1000円くらいが相場。花びらが散りやすいので、花屋ではたいてい花びらを1枚1枚透明な接着液で固定しています。
3:キク
キクも非常にバリエーションが豊富で、メインにも脇役にも使えるスグレモノ。和装にとっても似合う、和の雰囲気のお花です。特にまんまるのピンポンマムという品種が人気。茶色や渋いピンク、パステルカラーなど花色も豊富で、安定して手に入りやすいのもおすすめポイントです。値段は品種によりさまざまで、1輪200〜1500円ほど。
4:トルコキキョウ
トルコキキョウにはすっきりした印象の一重咲きと、豪華でフリフリの花びらが美しい八重咲きの品種があります。繊細ながら長持ちし、扱いやすいので髪飾り向き。白・ピンク・紫・緑など色数も多めです。柔らかい雰囲気にしたい人におすすめ。値段は1輪400円から、大きい品種であれば1500円ほどが相場です。
5:ラナンキュラス
花屋では、年末頃から春のお花がたくさん並び始めます。春の花は香りもよく、明るくてフレッシュで振袖にはぴったり。中でも髪飾り向きなのはラナンキュラスです。幾重にも重なり合う花びらは、ダリアやバラとはまた違った優しい雰囲気です。値段は300〜500円ほど。花の大きさはやや小さめです。
成人式の髪飾り向き!個性的な生花:3選
1:ラン類
コチョウラン以外にもランの仲間の切り花はしおれにくく長持ちして使いやすい花材です。ちょっと個性的なお花をつけたいなら、パフィオやバンダ、シンビジュームなどといった種類がおすすめ。和モダンやオリエンタルな雰囲気が出てかっこよく決まります。詳しい種類はこちらの記事も参考にしてみてくださいね。

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2:ワイルドフラワー類
ワイルドフラワーとは、オーストラリアや南アフリカ原産のちょっと個性的な植物たちの総称です。そのままドライフラワーにもなるので長持ちし、インパクトもあります。おすすめはシックな色合いがかっこいいリューカデンドロン。ただし重すぎて髪飾りには向かないものもあるので、花屋さんに相談してみましょう。

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3:葉っぱ類や多肉植物
お花だけでなく葉っぱも上手に使うと、ちょっと他の人とは違った雰囲気に仕上がります。ナチュラルな雰囲気が好きな人は、つる性のアイビーなどを長めに使ったり、ユーカリなどのシルバーグリーンもかわいくておすすめ。実ものを入れるとアクセントにもなり、多肉植物などを入れてもおしゃれ。

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さいごに
実際にお花を見にいってみて
成人式の髪飾りは生花でないと、なんていうことはまったくありませんが、生花の質感や香りは非日常感と特別感があって個人的にはおすすめ。思い出のお花になるかもしれません。悩んでいる人はぜひ、実際にお花屋さんを覗いて検討してみてくださいね。
過去の連載はこちらから
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