秋が旬!ダリアの魅力
これからの季節におすすめしたい!
今回の日曜連載は、秋が旬のダリアについて。まずこの写真、中央の白やピンク色のダリア然としたお花はもちろん、中央右にある紅色の丸っぽいシルエットの花も、その右隣にある朱色の花びらが細かい花も、一番左で横を向いたピンク色のひときわ花びらの大きい花も、全部ダリアなんです。
ダリアの魅力をたっぷり紹介
ダリアは切り花でも種類がとっても豊富で、特に旬の秋はダントツおすすめのお花。暑い時期にはどうしても日持ちが悪くなりがちですが、それでもひと昔前に比べ、長く楽しめるようになりました。花束にアレンジにウェディングに、自宅用に、ぜひ手に取ってみてもらいたいダリアをご紹介します。
切り花のダリア
花屋定番の切り花
切り花としては、一年中お花屋さんに並ぶ定番のひとつです。周年出回る品種と初夏〜秋のみ出回る品種があり、それらが揃うのが9〜10月頃。価格は品質や品種、時期によっても変動しますが、小〜中輪で200〜500円、大輪で600〜800円ほどが相場です。巨大輪では1本1000円前後の品種もあります。
日持ちしにくい?
長持ちするお花というほど日持ちしませんが、暑い時期以外で1週間ほど楽しめます。しかし暑さや蒸れには弱く、お花屋さんで買ったけど1〜2日ですぐ枯れてしまった、なんてことも。できるだけ日持ちさせる方法や、長持ちするダリアの見分け方ものちほど解説します。
ダリアの魅力とは
魅力①色の種類が豊富
ダリアは花色の種類がとっても多いのが特徴です。白・赤・ピンク・オレンジ・黄色に加え、グラデーションなどの複色もあります。秋のダリアといえば濃い赤色が人気。また、朱色やオレンジ〜ピンク系の色も秋らしくておすすめです。
魅力②咲き方の種類が豊富
ダリアの咲き方は多種多様で、同じダリアでも咲き方によって印象や魅力が違うのもおもしろいところ。ボールのようにまんまるのもの、フリルのようなものはゴージャスな印象。対して、一重咲きなどシンプルな品種もあります。
魅力③花の大きさが豊富
ダリアは花径のバリエーションも豊富です。巨大輪は人の顔くらいの大きさにもなり、とっても華やか。切り花では20cm強の大輪、10〜15cmの中輪サイズが多く出回っています。5〜10cmほどの小輪もあります。園芸種ではさらに小さい極小輪も人気です。
ダリアの種類と品種とは
多種多様なダリアが美しい
ダリアは非常にたくさんの品種があり、現在も新品種が毎年作出されている人気のお花です。園芸にもとても人気の植物で、花壇や寄せ植えの定番でもあります。園芸種では育てやすくほかの植物とも合わせやすい小輪品種などが人気で、切り花ではより大輪の品種が人気の傾向にあります。
切り花で流通する品種は?
ダリアには花全体のフォルム・花びらのかたち・花の大きさなどで種類分けされており、それぞれの魅力があります。ここでは、主に切り花でよく流通しているダリアの種類をご紹介します。切り花品種も次々と新品種が生まれており、生産者の努力によって美しいダリアが生み出されています。
ダリアの種類1:デコラ咲き
フォーマルデコラ咲き
ダリアといえば、思い浮かぶのがこのフォーマルデコラ咲き。八重咲きで、舟のかたちのような花びらが規則正しく並びます。中〜大輪の品種が多く、華やかで品のある印象です。白品種の定番「かまくら」や、オレンジ「ハミルトンジュニア」など、切り花でもこの種類が多く出回っています。
インフォーマルデコラ咲き
インフォーマルとは「不規則な」の意味。デコラ咲きの中でも、花弁がねじれたように波打ち、先端が反り返っている咲き方のことを挿します。デコラ咲きよりも、装飾的な印象が強い品種が多い咲き方です。花径30cmほどの華やかな「マルコムズホワイト」などがあります。
ダリアの種類2:カクタス咲き
カクタス咲き
花びらが細長く、さらに外側に反り返って筒状に見える咲き方です。サボテン(カクタス)の花のように先が尖っていることから名前がつけられたそう。その中でも花びらがまっすぐなものを特にストレートカクタス咲きと呼びます。切り花としては日持ちしづらく、あまり出回りません。
セミカクタス咲き
セミカクタスとはデコラ咲きとカクタス咲きの中間の咲き方。デコラ咲きのような幅広い舟形の花びらの先端が、カクタス咲きのように外側に反り返っています。しおれにくくダリアの中では一番日持ちするため、切り花の品種が多い咲き方です。ダリア人気に火をつけた黒赤色の「黒蝶」をはじめ、たくさんの品種があります。
そのほか
そのほか、花びらの先端が花の中心に向かってカーブしているインカーブドカクタス咲き、花びらの先に切り込みが入ってフリルのようになるフリルカクタス咲きなどがあります。デコラ咲きと比べると、個性的な印象が強い品種が多い咲き方です。品種は多くありませんが、秋はこのあたりの品種にも出会えるかも。
ダリアの種類3:ボール咲き・ポンポン咲き
ボール咲き
花全体のフォルムが丸いのがボール咲き。花びらが内巻きで丸っぽく、整然と並んだ花びらが印象的な咲き方です。花の直径が5cm以上のものを特にボール咲きと言い、手毬のような和風の印象のある品種が多い種類です。青味のあるピンクが人気の「ミッチャン」などがあります。
ポンポン咲き
同じ球状のダリアの中でも、花の直径が5cm以下のものをポンポン咲きと呼びます。5〜10cmのものをミニチュアボール咲きと分けたりもします。まんまるでかわいらしい印象の品種が多い咲き方です。ポンポン咲きのサックルシリーズは生産量は少なめですが色も豊富で人気があります。
ダリアの種類4:スイレン咲き・そのほか
スイレン咲き
スイレンのように花全体が平べったく、花びらが幅広で先端が丸っぽいのがスイレン咲きです。中輪サイズの品種が多く、まさにスイレンのようなシンプルで凛とした印象の品種が多い咲き方です。白品種の「シベリア」などは、まさにハスのような高貴な花姿です。
シングル咲き
花弁が8枚程度の一重咲きのことを指します。もともとダリアの原種は一重咲きで、品種改良を重ねてデコラ咲きのような八重咲きができました。一重咲きは切り花ではあまり見かけませんが、園芸種ではよく出回ります。コスモスに似た、野趣あふれる素朴な姿が魅力です。
そのほか
切り花では出回りませんがほかにも、花弁が細い一重咲きのオーキッド咲きや、半八重咲きのピオニー咲き、二重咲きのようなコラレット咲き、アネモネ咲きなどがあります。さらにそのほかに、上述に分類されない咲き方の品種もあり、ダリアは本当に多種多様です。
【ダリアを日持ちさせる方法と見分け方】
日持ちさせる方法は?
ダリアは、ちょっと日持ちしにくいのが難点。買ってきたら水の中で茎を切る水揚げをしましょう。葉がついている場合は、切りとるとお花に水が行きやすくなります。またダリアの茎は腐りやすいため、特に暑い時期にはこまめに換えます。切り花延命材も効果が出ます。外側から萎れる花びらをどんどん切り取っていくと、長く楽しめます。
ダリアを日持ちさせるには
- 買ってきたらすぐ水揚げをする
- 葉は切り取る
- 水をこまめに換える
- 切り花延命材が有効
長持ちするダリアの見分け方
切り花のダリアはほとんどが八重咲きで、最初から花の芯が見えている一重咲きと違って、お花が咲き開くと芯が見えてきます。お花の芯がしっかり花びらで覆われているものが新鮮な証拠です。また、茎が硬く太いものを選びます。ダリアの花びらは傷みやすく、傷がついていないものを選ぶのもコツです。
長持ちするのはセミカクタス咲き・ボール咲き
より長持ちさせたいなら、セミカクタス咲きの品種や、ボール咲きの品種がおすすめです。品種改良され日持ちしやすくなったセミカクタス咲きは「黒蝶」「熱唱」をはじめ、定番品種が多いダリアです。花弁が短く詰まっているボール咲きの品種も、デコラ咲きなどに比べて日持ちしやすい傾向にあります。
よいダリアの見分け方は?
- 花の芯がしっかり覆われているもの
- 茎がしっかりしているもの
- セミカクタス咲き・ボール咲きがおすすめ
秋におすすめのダリア1:花束ギフト
華やかなギフトにおすすめ
ダリアの切り花は茎が長いため、花束・アレンジメント・フラワースタンドなどさまざまなフラワーギフトに向いています。豪華な花束をプレゼントするなら、ダリアを入れるのがおすすめ。ダリアをメインにすると、とても華やかな印象になります。
ダリアだけの花束がかわいい!
ダリアの花束でおすすめなのは、ダリアだけの花束。同じ色でまとめても、何色かを使ってグラデーションを作ってもかわいい!ダリアのみの花束は、まとまりがありつつ華やかで、デザイン性があります。10000円でダリア10本程度が相場です。3本ほどまとめたブーケもかわいくておすすめ。
秋におすすめのダリア2:アレンジメントギフト
いろんなシーンのフラワーギフトに
ダリアは華やかで開店祝いや開業祝いなどのギフトにもおすすめ。フラワースタンドなどの大きなアレンジメントにも、小さなアレンジメントにも使えます。また、香りがなく花粉も落ちないので場所を選ばず、法事やお悔やみなどのフラワーギフトにも向いています。
和風アレンジにもぴったり
ダリアは、和テイストにもなれるのがまた魅力的。和テイストには、ボール咲きやポンポン咲きのような丸いフォルムのダリアを使ったアレンジが人気です。また、ダリアには赤と白の複色品種が多く、これが和テイストにぴったり。お正月アレンジや、おめでたい席へのギフトにもおすすめです。
秋におすすめのダリア3:おうちで楽しむ
旬の季節、おうちでも楽しんで
ダリアを自宅で楽しむなら、種類が増える旬の秋がおすすめ。いろんな種類から選べる楽しさがあります。違う品種を1本ずつ選んで花瓶に生けても、ダリア同士ならなんとなくまとまってくれます。和テイストにするならリキュウソウやトクサと合わせたり、洋テイストならドウダンツツジの枝と合わせても爽やかです。
バランスのよいダリアの飾り方は?
花瓶の高さ2:花の長さ1の比率で短めに生けると、ミニブーケのような感じにすると初心者でも上手に飾れます。このとき、同じ花瓶に生ける本数を奇数にするとバランスよく生けられます。少ない本数で生ける時は、デコラ咲きのみ、ボール咲きとポンポン咲きのみなど、咲き方を統一させるとまとめやすくておすすめ。
秋におすすめ!ダリアウェディング
豪華で気品あるウェディングブーケに
ダリアはウェディングドレスにも着物にも合うため、ウェディングでも人気の花材です。ダリアのブーケは白でまとめると王道ウェディングの雰囲気に、パステルカラーでまとめると一気にかわいらしさが増します。クラッチブーケもかわいいですが、ダリアは水下がりしやすいので、特に暑い時期にはおすすめできません。ラウンドブーケやキャスケードブーケがおすすめです。
和装ブーケにもおすすめ
ダリアは和装ブーケにもぴったり。紅白の複色品種はパキッとした印象で、白無垢でも華やかにかっこよく決めてくれます。くすんだピンクの「ミッチャン」という品種も和テイストによく似合います。和装ブーケにはキクなどと合わせやすいボール咲き品種が人気です。スイレン咲きの品種も、凛とした印象を与えてくれます。
会場装花はいろんなテイストに
ダリアは会場装花にもおすすめです。白の大輪品種をバラなどと合わせると、華やかで美しい雰囲気に。和婚には、濃い緑の葉ものと合わせるとモダンテイストにまとまります。また、オレンジやピンクのダリアを組み合わせれば、トロピカルな南国テイストやオリエンタルテイストな会場装花にもぴったり。
ヘアパーツでは節約にも
ダリアは、ウェディングのヘアパーツにもおなじみのお花です。大きいダリアは小顔効果もあって人気の花材。洋風にも和風にも見えるため、お色直しでドレスから和装にチェンジする人はそのまま使えておすすめ。ただ、ヘアパーツにするときは花びらが落ちないように接着剤で止めておいたり工夫されてはいるのですが、それでもやはり暑い時期は避けた方が無難です。
さいごに
新品種や希少品種もおすすめ!
ダリアはご紹介した品種以外にも、毎年新品種が生まれています。生産者さんの努力の詰まった絶妙なカラーリングのダリアを見るのは、毎年わくわくします。日本の品種では秋田県の「NAMAHAGE」シリーズもかわいくっておすすめ。見たことない品種に出会ったら、ぜひ手にとってみてください。
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出典:https://kaboompics.com/photo/13606/a-woman-with-beautiful-colorful-dahlia-flowers