9月が旬の花たち
山野草が美しい季節
日本の秋は、山野草が美しい季節です。秋の山野草は切り花として出回るものが比較的多く、野に咲く上品で凛とした花たちがお花屋さんでも並びます。茶花としても愛されてきたこれらのお花たちは、一輪挿しや素敵な花瓶に生けるのが楽しい。素朴な花束にするのもおすすめです。
深い色合いの切り花が魅力的
加えて秋が近づくにつれ、お花屋さんに並ぶお花はオレンジ、茶色、赤、濃い赤色など深い色合いにも変化します。近年はハロウィンが定着したこともあって、オレンジ~茶色のお花が人気です。夏の爽やかな色合いのフラワーギフトとはまた違った魅力の、シックで落ち着いた雰囲気の花束やアレンジメントが楽しめます。
今花屋で買える、9月が旬の切り花1
ダリア
華やかなダリアの旬は、9月頃から始まります。ガーデニングを始め切り花としても人気があり、今では年中お花屋さんで手に入りますが、旬の秋にはより多くのダリアが並びます。色や花の大きさに加え、ポンポン咲きやカクタス咲きなど咲き方によってもさまざまな品種が楽しめるお花です。
9月10日の誕生花
花言葉は「華麗」「優雅」「感謝」など。顔の大きさほどもある大きなダリアや、まるいフォルムがかわいい品種など、アレンジや花束など多種多様に使いやすいお花です。秋には濃い赤などの深い色合いや、ベージュっぽいニュアンスカラーがよく似合います。
今花屋で買える、9月が旬の切り花2
キク
日本では馴染みの深いキクの旬も、秋です。仏花などとしても定番で年中流通しており、国内で出回るものは国産がほとんど。旬のこの季節には切り花もさまざまな品種が出回ります。キクには一本に一輪の花がつくタイプと枝分かれしてたくさんのお花がつくスプレータイプがあります。
9月2日の誕生花
花言葉は「高貴」「真の愛」「あなたはとても素晴らしい友達」。キクはさまざまな色やかたちが生まれていて、現在人気なのはピンポン球のような見た目のピンポンマムや、ニュアンスカラーの品種。秋にはオレンジや茶色っぽい品種がぴったり。さらにキクは日持ちして、自宅用にもプレゼント用にもおすすめです。
今花屋で買える、9月が旬の切り花3
アスター
アスターはキク科の植物で、日本ではエゾギクとも呼ばれています。枝分かれしてたくさんお花がついているので、1本でもボリュームが良いお花。紫、赤、ピンク、白など色数も豊富です。咲き方もいろいろで、丸いフォルムのマッシュシリーズや、細い花びらが特徴のシャギーシリーズなどがあります。
9月29日の誕生花
花言葉は「変化」「思い出」「信じる恋」「互いに思う」など。花束やアレンジメントのさりげない脇役にもなるし、花瓶にがさっと生けて主役にもなれる、使いやすいお花です。葉っぱが多くて蒸れやすいので、重なり合う葉は取り除いておくのがおすすめ。
今花屋で買える、9月が旬の切り花4
ナデシコ
秋の植物といえば、日本では秋の七草がお馴染み。9月頃から旬を迎えるナデシコも、七草のうちのひとつです。日本では昔から生活の中にあったお花で、江戸時代には品種改良が盛んに行われるほど人気でした。現在は学名のダイアンサスという名前でも流通していることも多くみられます。
9月11日の誕生花
花言葉は「可憐な純情」「純愛」「思慕」など。ピンクや赤、白、白とピンクの複色などの品種があります。お花のひとつひとつが小さくて可憐な印象のナデシコは、一輪挿しに生けると秋の日差しがよく似合います。日持ちもしますが、暑いと茎が腐りやすいので水をこまめに替えるのがおすすめ。
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オミナエシ
生薬としても使われるオミナエシは、7月頃から9月頃までが旬のお花です。秋の七草のうちのひとつで、万葉集ではたびたび登場する馴染みの深いお花です。黄色い小花が特徴的で、秋のいけばなの花材としても定番です。切り花は7月頃から9~10月まで出回り、最初は青っぽい花が、9月頃には黄色っぽい状態で出荷されます。
9月19日の誕生花
花言葉は「親切」「美しさ」「約束を守る」など。枝分かれして使いやすくさらに日持ちもしますが、お花が終わるとぽろぽろと落ちてしまいます。また独特の香りがあるので、プレゼントにする相手によっては気をつけましょう。花束に入れると秋らしい山野草の雰囲気が出ます。
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フジバカマ
晩夏からお花をつけ始めるフジバカマも秋の七草のひとつ。淡い紫~ピンク色の蕾から白っぽいお花が咲く姿が秋らしい風情を感じさせるお花です。切り花としてはお盆前から10月頃まで出回ります。葉に斑が入っている品種などもあります。
9月8日の誕生花
花言葉は「あの日を思い出す」「優しい思い出」「恋のキューピット」など。水が下がって花首が垂れやすいので、こまめに切り戻しするのがおすすめ。切り花延命材を使うと持ちがよく、1週間くらいは日持ちします。一輪挿しなどに生けると季節感の出るお花です。9月頃は1本でもボリュームがあります。
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ホトトギス
紫色の斑点模様が美しいホトトギスは、8月の終わり頃から出回り始め、9月に旬を迎える秋の花です。日本にも自生するお花で、園芸にも人気があります。茶花にもぴったりの趣のある姿が、昔から愛でられてきました。色の濃淡は品種によってさまざまですが、ピンク~紫っぽい色合いが主流です。
9月12日の誕生花
花言葉は「永遠にあなたのもの」「秘めた恋」「永遠の若さ」など。鳥のホトトギスの腹部分の斑点模様と似ていることが名前の由来です。切り花としては1週間ほどとまあまあの日持ちで、下の花から順に終わっていきます。花束に入れてもアレンジメントにも使いやすいお花です。シックな印象にしてくれます。
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ワレモコウ
ワレモコウも日本に自生する、9月頃が旬の秋の花です。赤茶色の小豆のようなお花がかわいらしく、秋らしい雰囲気を作ってくれるお花です。たくさん枝分かれしてお花がついており、1本でもボリューム感があります。脇役にも主役にもなれ、使いやすくておすすめ。
9月24日の誕生花
花言葉は「物思い」「感謝」「憧れ」「明日への期待」。お花が終わっても色が変わらず形も崩れずにそのままドライフラワーになるので、長く鑑賞できます。ただ乾燥したお花は触れるとポロポロと散るので注意。ワレモコウを花瓶にがさっと生けておくだけで秋らしい季節感が出ます。
今花屋で買える、9月が旬の切り花9
シュウメイギク
キクという名前ですがキク科ではなくキンポウゲ科イチリンソウ属で、アネモネなどの仲間です。中国から日本に帰化した植物で、特に京都・貴船でよく見られたため「キブネギク」という別名もあります。赤紫色・白色の品種や、一重咲きに加え八重咲きもあります。切花はお盆の終わり頃から出回り9月が旬です。
9月14日の誕生花
花言葉は「忍耐」「薄れゆく愛」「利益」など。切り花のシュウメイギクは蕾も多く、丸い蕾もかわいいのが特徴。ただ蕾が開花することはあまりなく、水が下がってヘナッとしやすいのが難点でもあります。切り口を叩いたり、切り口に熱湯をかける(お花に湯気が当たらないように注意)などといった水揚げ方法が有効です。
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カンガルーポー
前回のネイティブフラワー・ワイルドフラワー特集でもご紹介したカンガルーポーも9月頃が旬のお花です。カンガルーの前足のようなお花が特徴的なオーストラリア原産の植物。切り花では輸入も多いので、比較的1年中手に入るお花です。日持ちもしてドライフラワーにもなります。
9月9日の誕生花
花言葉は「不思議」「陽気」「かわいい愛」「あなたはみんなを楽しませる」。80年代の輸入花ブームのときに人気が出て以来、町のお花屋さんにも置いてあることも多いカンガルーポー。近年のネイティブフラワーブームによりまた注目されているお花です。黄色が定番ですが、赤やオレンジ、緑や黒色などの品種もあります。
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アマランサス(ヒモゲイトウ)
原産のアフリカなどでは種子を穀物のように食用にするアマランサスは、近年日本でもスーパーフードとして注目されている植物。日本では江戸時代には観賞用として伝わって以来、「ヒモゲイトウ」という名前でも有名です。切り花では赤や緑色の品種があり、8月頃から10月頃まで出回ります。
9月3日の誕生花
花言葉は「粘り強い精神」「不老不死」「心配ご無用」。アマランサスとはギリシャ語のしおれないという言葉が語源で、切り花としてもしおれず長く鑑賞できる日持ちするお花です。ドライフラワーとしても人気の花材です。ヒモのように伸びる不思議な花姿が、ミステリアスでエキゾチックな雰囲気を作ってくれます。
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ローゼル
ハイビスカスの仲間で、真っ赤なハイビスカスティーの材料にもなるのがこのローゼルです。日本ではハイビスカスはブッソウゲとも呼ばれる品種のことのみを指しますが、植物学的には「Hibiscus」はアオイ科フヨウ属の学名。ローゼルはフヨウ属の一種で、「ベニアオイ」という名前でも呼ばれます。
9月22日の誕生花
花言葉は「新しい恋」「常に新しい美」など。切り花としては9月頃から11月頃まで出回ります。まっすぐ伸びる紅色の茎に紅色の実がついていて、おもしろい縦のラインを作るのにおすすめ。ドライフラワーになると紅色の実が弾けます。ハイビスカスティーは実の外側(萼)に熱湯を注いで作ったものです。
さいごに
お花を家に飾って秋を楽しむ
お花屋さんに並ぶお花は、野に咲くお花の旬より少し早めに旬を迎えます。まだ残暑の厳しい9月にも、秋らしいお花を家に飾って秋を先取りしてみてはいかがでしょうか。秋の七草や秋の山野草に似合うお気に入りの花瓶を見つけてみるのもよいかも。
過去の連載はこちらから
この日曜連載では、お花屋さんで手に入る切り花たちをテーマにして、季節ごとにおすすめのお花をご紹介しています。実際に花屋に並ぶ旬のお花をはじめ、今人気のネイティブフラワー ・ワイルドフラワーについてや、日持ちするお花やドライフラワーにおすすめの花たちも。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
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