ストレッチポール
ハムストリングのストレッチで硬い筋肉を伸ばす!
太腿の裏側の筋肉、ハムストリング。アクティブな方、スポーツが好きな方がよく使う筋肉で、疲れやすく、硬くなってしまうことがよくあります。また、プロのアスリートの選手などが肉離れを起こすのもこのハムストリングで、日ごろからストレッチを施して柔軟ケアすることで、下半身の疲労回復、運動中のケガの防止などにつながります。
今回は、そんなハムストリングの効果的なストレッチについてご紹介します。寝たままや座ったままできるやり方のほか、道具を使ったおすすめのストレッチなど、硬くなった筋肉をしっかりと伸ばす方法で、さまざまな症状を改善していきましょう。ハムストリングのストレッチで姿勢までよくなることもあるようです。
ストレッチで柔軟にしたいハムストリングとは?
膝や股関節の動きにかかわる筋肉
太腿裏に位置する筋肉がハムストリングです。内側に位置する半腱様筋と半膜様筋、外側に位置する大腿二頭筋の総称で、膝関節と股関節の動きにかかわります。
このため、ハムストリングを鍛えると、膝や足腰が強くなり、運動能力を高めることができます。反対に、ハムストリングが硬くなってしまうと、膝痛や腰痛などの症状が現れやすくなります。また、スポーツの活動中に肉離れを起こしやすい筋肉でもあります。
ハムストリングのストレッチで期待できる効果
運動のパフォーマンスが上がる
股関節の付け根の柔軟性とかかわりのあるハムストリング。ストレッチで柔らかくなると、股関節が柔軟になることで、身体の動きも柔軟になります。その結果、スポーツ中のケガなどを予防することにつながり、運動のパフォーマンスが向上する可能性が高くなります。
冷えやむくみなどの予防になる
ハムストリングのストレッチによって、膝関節や股関節が柔軟になると、血行がよくなります。このため、下半身の血行不良によって生じる冷えやむくみなどの症状を予防することが可能となります。冷えやむくみなどの症状が起こると、疲れやすくなるなど、日常生活にも影響を与えることになりますので、ストレッチによるケアが大切となります。
効果的に疲労回復される
ハムストリングは膝や股関節の動きにかかわる筋肉であるため、筋肉が硬直していると、下半身の動きに負担がかかります。このため、疲れやすくなるほか、腰痛などの症状が引き起こされやすくなってしまいます。ハムストリングにストレッチを施すことで、筋肉の硬さがほぐれ、下半身の疲労が効果的に回復されていきます。
床で座ったままできるハムストリングの4つのストレッチ
①長座で前屈しながらストレッチ
床に座ってできるストレッチは、テレビを見ながらでもできる簡単ストレッチです。姿勢をただしく長座し、足はしっかりと伸ばしましょう。股関節から前屈しますが、頭の真上が前方に引っ張られるようなイメージで行うようにします。ハムストリングがしっかりと伸びているのを確認し、自然に両腕も前方に伸ばしてしばらくキープ。ゆっくりと元に戻します。
太ももの裏側を伸ばすポイント
前屈の際、体に勢いをつけて屈伸したり、腕を伸ばして行ったりするのはNGです。股関節からしっかりと曲げていくことを意識して行いましょう。バリエーションとして、肩彫膝を曲げて行う方法もあります。同じように股関節から前屈するようにしましょう。
②長座で足を上に上げながら思い切り伸ばすストレッチ
長座の姿勢で行うハムストリングのストレッチがこちらです。片方の膝を立て、足の平を両手で上方へ持ち上げていきます。膝を伸ばして姿勢を正し、呼吸を繰り返しながらゆっくりとハムストリングを伸ばしていきます。しばらくキープしてから、足の重量に従いながら足を床に下していきます。長座の姿勢になり、足を交代して反対側もストレッチしていきましょう。
太ももの裏側を伸ばすポイント
股関節が硬かったり、筋肉が張っていたりする方は、足を持ち上げることができないこともあります。無理をしないで行いましょう。こちらのストレッチでは、ハムストリングだけではなく、足全体を伸ばすことができるため、運動不足で下半身が硬直してらっしゃる方はぜひ取り入れてみましょう。
③開脚してハムストリングを伸ばすストレッチ
ハムストリングや股関節を柔軟にするストレッチがこちらです。床に座り、足を開き、片足の膝を曲げて、太腿の内側にかかとを近づけ、伸ばした足の方へ上体を倒し、10秒ほどキープ、ゆっくりと元に戻します。反対側の足も同じようにストレッチし、片足ずつ筋肉をほぐしていきます。
太ももの裏側を伸ばすポイント
座ったまま行うハムストリングの人気のストレッチです。左右交互に5回ほど繰り返しましょう。股関節が硬い方は無理せずに行い、時間をかけてほぐしていきましょう。習慣的に繰り返していくと、徐々に筋肉や関節が柔らかくなっていきます。
④床に膝をついてはじめるハムストリングのストレッチ
床に膝をついた状態からはじめましょう。姿勢を正し、右足を前に出します。右足は直角に立てるように意識しましょう。左足は後方に引き、つま先を立てた状態になります。体勢を前方に倒しながら、両手を床に着きましょう。足を前後に思い切り開き、深呼吸をしながらしばらくキープ、手足を動かさず、体勢を後方にずらし、ハムストリングをしっかりと伸ばして再びキープします。元に戻したら、足を入れ替えましょう。
太ももの裏側を伸ばすポイント
股関節を柔軟にしながら、ハムストリングの筋肉を伸ばすストレッチです。アクティブに動かれる方、スポーツをやってらっしゃる方は、股関節を柔らかくすることで運動パフォーマンスアップにつながりますので、定期的にこのストレッチを取り入れていきましょう。股関節が硬いと、姿勢が悪くなるほか、血行不良を引き起こすなど、さまざまな症状を引き起こすこともありますので、気になる症状をお持ちの方は、意識して取り組んでいくと症状が改善していくこともあります。
寝たままできるハムストリングの4つのストレッチ
①寝たまま足を上げるストレッチ
寝たままできるハムストリングのストレッチ。朝起きてすぐや、夜寝る前、あるいはテレビを見ながら、気軽に行えるストレッチです。寝たままの状態で片足を垂直に上げていきます。膝の裏側に手を置き、しばらくキープ、ハムストリングを伸ばし、元に戻していきましょう。足を入れ替えて反対側も同じようにストレッチします。
太ももの裏側を伸ばすポイント
ストレッチの際、膝をまっすぐ伸ばし、足首は90度に曲げた状態で伸ばすようにしましょう。ただし、筋肉や関節が硬い方は、無理せずに膝を曲げた状態でストレッチを行っても問題ありません。回数を重ねながら筋肉や関節を柔らかくし、少しずつ体の柔軟性を取り戻していきましょう。
②寝たまま足首を動かすストレッチ
床に仰向けになりながら行うストレッチです。こちらの動画ではさまざまなストレッチが紹介されていますが、とても簡単にできるのが仰向けで足を上げ、足首を動かすというストレッチです。起きてすぐ、寝る前のちょっとしたひとときにできるストレッチです。股関節が硬い方でもはじめられますので、ぜひこのストレッチからはじめてみましょう。
太ももの裏側を伸ばすポイント
床に仰向けに寝たまま、足を垂直に上げます。足首を前後に動かしましょう。なるべく大きく動かして、硬くなった筋肉を柔らかくしていくようにすると効果的です。ハムストリングや股関節が柔軟になってきたら、ほかのストレッチも取り入れていきましょう。
③寝ながらヒップアップも期待できるストレッチ
ヒップアップの筋トレもゆっくりと筋肉を伸ばしながら行うことで、ストレッチと同じように体の柔軟性を取り戻すことができます。床に仰向けになり、膝を立て、ヒップを垂直に上げましょう。上げたところでしばらくキープし、ゆっくりと元に戻します。筋肉や関節を柔軟にすることを意識して取り組んでみましょう。
太ももの裏側を伸ばすポイント
こちらのストレッチでは、膝を立てる際、かかとだけを床につけ、つま先は宙に浮かせるようにします。慣れてきたら、膝を伸ばして行うと、筋トレの効果も期待できます。ヒップや腰回りの筋肉にも刺激を与えることができるので、気になる方は意識して取り入れていきましょう。
④太もものスリムアップも図るストレッチ
床に体を横向きにした上体で行うストレッチです。片手で頭を支え、もう片方の手は床に置いて体を支えます。片足をゆっくりと上げて下してから、膝を曲げて前方に伸ばし、曲げた膝を伸ばしてから元の位置に戻します。この一連のストレッチを5回程度繰り返したら、反対側の足も同じように伸ばしていきましょう。
太ももの裏側を伸ばすポイント
テレビなどを見ながらできるストレッチとなります。ちょっとした隙間の時間に気軽にできますので、ぜひ今日からはじめてみましょう。デスクワークの方や長時間、同じ体勢でいらっしゃる方などは、なかなか体を動かすことがむずかしいこともあります。自宅で簡単にでき、しかも下半身の動きに重要なハムストリングや股関節を伸ばすことができるので、ぜひ取り入れてみてください。
道具を使ったハムストリングの4つのストレッチ
①椅子に座ったままできるストレッチ
このストレッチは、椅子を使った簡単ストレッチです。椅子に腰をかけ、片足を前方に出し、足首を真上に向けます。つま先を手前に引くように、太腿裏の筋肉を伸ばしましょう。20~30秒ほど伸ばしたら、足を交代させましょう。なお、このストレッチは立った状態でももちろん可能です。立ったまま行う際は、ヒップを突き出すような体勢で、上体を倒しながら行いましょう。
道具を使うやり方のポイント
椅子に座りながらできるストレッチは、職場や学校などでも簡単にできるのでおすすめです。とくに、スポーツをやってらっしゃる方は、ハムストリングが硬いことで、肉離れを起こすなどの故障が起きる可能性があります。このストレッチでケガの予防となりますので、スポーツをした日の入浴後、寝る前の隙間時間などに定期的に行うようにしましょう。
②ソファやベンチなどに足をかけて行うストレッチ
自宅にあるソファやベンチなどを使ってできるストレッチがこちらです。ソファやベンチに片足を載せ、正しい姿勢をキープしながら、股関節から上体を前方へと倒していきます。このとき、ハムストリングの筋肉が伸びているのを感じましょう。また、膝を曲げた状態から、膝を伸ばしていく方法もあります。ハムストリングの筋肉が硬くなると、お尻が下がって見えてしまうこともあるのだとか。背中からのシルエットを美しくするにも役立つストレッチです。
道具を使うやり方のポイント
椅子やベンチの高さは膝丈ぐらいのものを選びましょう。上体を倒していく際、姿勢を正しくするのがポイントです。背中が丸まってしまうと、期待した効果が得られないこともあります。上体を前方に倒していく際、お尻の筋肉やハムストリンスを意識しながら、しっかりと伸びていることを確認するようにしましょう。
③ストレッチポールを使ったハムストリングのストレッチ
ストレッチポール
ストレッチポールを持ってらっしゃる方に人気のハムストリングのメニューがこちらです。ストレッチポールは、骨格の矯正をはじめ、肩こりや腰痛といった症状の改善などの効果を狙ったストレッチで使う道具です。さまざまな方法がありますので、今後、ストレッチを日常的に行っていこうという方は、これを機に購入するのもおすすめです。
道具を使うやり方のポイント
ストレッチポールを使ったハムストリングのストレッチでは、仰向けになり、太腿の下にストレッチポールを置きます。両肘をつき、足を組んで宙に置き、ストレッチポールを前後に動かしながら太腿裏のハムストリングをストレッチしていきます。足を組むとうまくできないという方は両足を使って行いましょう。
④タオルを使ったハムストリングストレッチ
タオルを使ってハムストリングを伸ばすストレッチです。体が硬い方でも気軽にはじめられます。片足ずつ、タオルを足にかけ、タオルを引っ張りながら足を上の方に伸ばしていきましょう。この体勢から、太ももの裏側をしっかりと伸ばし、しばらくキープします。可能でしたら、足をリラックスさせ、左右に倒してみましょう。
道具を使うやり方のポイント
股関節やハムストリングの筋肉が硬く、腰痛などの症状がある方は、ストレッチを始めようと思っても、体が思うように動かないこともあります。自宅にあるタオルを使って、横に寝たままの体勢でもできるこちらのストレッチは非常に有効です。慣れてきたら、上半身は動かさないようにして、足の筋肉や関節だけを伸ばすようにするとさらに効果的です。
ハムストリングを伸ばす2つのストレッチ体操
①立ったままできるハムストリング体操
ハムストリングを伸ばす運動も、ストレッチと同じような効果が期待できます。立ったままできるこちらのやり方は、とても簡単にできますのでおすすめです。足を肩幅に開き、しゃがんだ状態で足首をつかみます。そのままヒップを上げていき、ゆっくりと筋肉を伸ばしていきましょう。
太ももの裏側を伸ばすポイント
膝を伸ばす力を使って、太ももの裏側を伸ばす運動となります。頭が下がらないように意識し、呼吸を続けながら、ゆったりと膝を伸ばしましょう。体が硬い方は膝が伸びきらなくても問題ありません。できる範囲でしっかりとハムストリングを伸ばしていきましょう。
②ハムストリングを伸ばすロングストレッチ
こちらのストレッチも立ったまま簡単に行うことができます。両足を交差させ、膝の裏側をしっかりと伸ばし、前屈になります。手は両足の前の方に伸ばし、太ももの裏側の伸びを意識して、そのままの体勢をしばらくキープしましょう。交差させている足を入れ替えて、同じようにストレッチを行います。
太ももの裏側を伸ばすポイント
足を交差させることで、ハムストリングがさらに伸びるストレッチとなります。筋肉や関節が硬い方は無理に行わないようにしましょう。足が不安定となるため、倒れたりしないように注意しながら行いましょう。
ストレッチでハムストリングを柔軟に
ハムストリングの筋肉を柔軟にすると、股関節も柔らかくなり、運動パフォーマンスがアップするほか、疲労回復、腰痛や冷え、むくみといった症状の回復が期待できます。今回ご紹介したメニューは、ちょっとした時間に簡単にできるストレッチのやり方ばかりです。ぜひ時間を見つけてストレッチをはじめましょう。毎日のちょっとした気遣いが将来の健康につながっていきます。
ストレッチが気になる方はこちらもチェック!
ハムストリング以外の部位のストレッチ方法について気になる方はこちらの記事もぜひ参考にしてみてください。さまざまなシチュエーションに応じたストレッチの方法を日々のトレーニングに取り入れることができるはずです。家にいらっしゃる時間が長い方、長時間、同じ体勢でいらっしゃる方、デスクワークの方など、体が硬直してしまいがちなので、ぜひ今日からストレッチをはじめてみましょう。
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