樹皮培養土 (パーライト入り)
スギゴケミニパック
スギゴケの育て方や増やし方
まるで木の杉のように1本1本が集まってコロニーを作る、美しいスギゴケ。日陰の庭や優美な鉢植えの株元にこんもりと群生している姿も風情があるもので、和の心を感じますね。他の草木の副役だけでなく、スギゴケだけを育てる人も増えています。
今日はこちらのスギゴケという苔について、植え方だけではなく枯れる理由などのお悩みも解説します。
スギゴケについて
スギゴケの基本情報
科・属:スギゴケ科スギゴケ属
原産地:日本
学名/英語名:Polytrichum juniperinum/Hair cap moss
日本人から見たら杉の木。英語圏の方々からは髪の毛と形容される名前からわかるように、針に似たごくごく細い葉を持つ苔類です。木に見えると言っても背の高さは伸びて10mm程度と小さな植物。他の苔と同様に地面を覆いつつ育っていきます。
スギゴケはひとつ苔の名前ではない
この苔の名前はとても有名で、よく耳にするので「そんな苔があるのだ」と誤解しがち。実はこの名称はひとつの苔の固有のものではなく、苔の種類の中の複数の品種を指している言葉です。
スギゴケの仲間だけでも非常に多く、およそ400種類以上あります。それだけあると簡単に同じ呼び名の苔を持っている、育てていると言う人がいても全てが同じ苔であるとは限りませんね。
スギゴケの花
ここで苔類の花について。この植物は花を咲かせません。花が咲いているのを見たことがある!という人もいますね。それはたぶん花ではなく雄株のことでしょう。まるで花が咲いたように美しく開くときがあります。
花と勘違いしても仕方ないでしょう。このような花のないスギゴケでも、ちゃんと花言葉があります。これはとてもおもしろいことですね。実際に花ではなくても花に見えるものには、花言葉が付けられることも時々あるのです。
スギゴケの花言葉は「母性愛」
この苔の花言葉には母性愛や信頼などといった良い意味が付けられている一方で、孤独というあまり良くないものもあります。母性愛には石や他の木の株元を包み込む姿が、子供を優しくかばう姿に見えるから付けられたものです。
スギゴケの特徴
育てたい植物の特徴を知っておくことで、その育て方が頭にすんなりと入ってきやすくなります。栽培方法を読む前に、まずはどんな植物なのか知ることからはじめましょう。
特徴①復活するスギゴケ
スギゴケだけでなく苔類全般がじめじめとしたところに生えていて乾燥にはあまり強くありません。そんな中でスギゴケは少しだけ乾燥にも強い特徴があります。庭などに植えられていて少し雨が降らないと、葉がすぼんでチリチリとした見た目になります。
それでも水をあげるとすぐに葉が開きパッと復活するのがスギゴケです。ちなみに乾燥が進んで茶色く変色したものは戻りません。復活するのにも程度があるのです。
特徴②スギゴケは枯れる
水不足でチリチリとしている姿を枯れると思っている場合があるでしょう。しかし、実際にスギゴケは枯れることが多い栽培が難しい植物です。その理由のひとつが風にあります。
他の植物では風にあたることでホルモン分泌も促され丈夫になるものですが、苔に関しては風は乾燥を招く危険な自然現象です。風通しが良すぎる場所は苔にとっては居心地がよいところではありません。
スギゴケ栽培のコツ①植え方
苔を育てるときにどこかから採取してきて植えるという方が多いでしょう。はじめて苔栽培をするなら、まず知っておきたいのは大切な置き場所と用土。ここからスギゴケの育て方に対する知識を広げていきましょう。
スギゴケの管理場所
スギゴケの管理はちょっとむずかしいです。一番注意したいのが管理する場所。光合成のために光は必要ですが直射日光は厳禁。庭に植えるなら明るい日かげが良いでしょう。日当たりだけでなく風通しも重要。
スギゴケは枯れるの項目で紹介したように風通しが良いと管理の難易度が急に上がります。初心者の方は風がほとんどない場所で管理しましょう。
スギゴケの土壌管理
樹皮培養土 (パーライト入り)
スギゴケ用の土の種類は特にこだわりませんが、保湿力があることが大前提です。培養土でも黒土と川砂をブレンドして自分で作る場合でも保水力がありある程度の排水もする土がベスト。難しいと感じるなら市販のブレンド土を買いましょう。苔用とあればどんなものでも構いません。
スギゴケ栽培のコツ②育て方
ここまで読まれた方は苔を育てるには水分が重要なのだと感じているでしょう。絶対にやってはいけないのが水切れです。ここでは水分管理の方法を中心に育て方のコツを解説します。
スギゴケの水分管理
スギゴケは少しは乾燥に強い種類なのですが、それでも乾いた状態を長く続けるのは危険です。水やりの基本は1日1回。苔の土へは水分を忘れないようにしましょう。庭植えで日かげで湿っている場所ならば、これほど気にする必要はありません。
雨などで潤っているようであれば特に水やりはしません。土の状況を見て行うようにしましょう。
季節によるスギゴケの育て方
水やりには季節による配慮も必要です。植物が水をたくさん必要とする春~秋には必ず水やりを。特に夏場は水分が蒸発しやすいので朝と夕方の2回与えてもOKです。逆に冬場は苔も休眠期になるので水分も控えつつ管理します。
小さなスギゴケの敵は雑草
植え付けたばかりでまだまだ小さな集落(コロニー)のうちは空いている土に雑草が生えることがよくあります。見つけ次第取ってしまうのは良いのですが、苔の根は浅くて特に小さなうちは雑草と一緒に抜けてしまうことも。スギゴケが抜けないように手を添えつつ草取りをするなど注意深く行いましょう。
スギゴケ栽培のコツ③増やし方
スギゴケといえば美しいコロニーですね。そのためには増やす方法も覚えておくと自分の思うような株に作りあげるられます。苔の方法には大きく分けて3通りあって、そのどれもが新しく作るというよりも集落(コロニー)を大きくすることに重点を置いた苔特有のやり方です。
スギゴケの増やし方①撒きゴケ
放置しておいたとしても周りに少しずつ増えていくのが苔の特徴ですが、株分けの容量で分けてあげることで効率よく増やすことができます。それが撒きゴケの増やし方です。適当な大きさに手でバラして、培養土などに植えていくだけです。植え方は苔の上から土を軽くまくように行い、その後の管理は水を切らさないように注意します。
スギゴケの増やし方②はりゴケ
スギゴケミニパック
はりゴケは集落(コロニー)を大きくするという意味の増やし方です。今あるものに別のところから苔を持ってきて植え付けます。その際、土ごと持ってくると移植が楽ですよ。軽く手で抑えて、さらに培養土も軽くふるいかけて置きます。根付くまで流れないようにやさしく水やりをして管理すると良いでしょう。
スギゴケの増やし方③種まき
枯れたりしてコロニーに隙間ができた場所には、種まきで行う増やし方がおすすめです。まいた場所の土は、しっかり押し付けて固めるようにしておきましょう。これが苔の種まきで一番重要なポイントです。乾燥は厳禁で回数を気にせず乾燥したらすぐに水やりを心がけてください。
まとめ
スギゴケは栽培が難しい苔しっかり育てよう
スギゴケは苔の中でも一番育てるのが難しいと言われています。日光が好きなのに乾燥を極端に嫌うので土の水分管理にとても気を使います。日当たりと共に風通しの悪い置き場所にも注意すると良いですね。
上手に管理すればとても美しい植物で、きれいに管理できている株は眺めているだけで小さな密林がそこにあるかのようで飽きません。難しいだけに思い通りに仕上がったときの達成感もひとしおです。
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