苔テラリウムについて
ボトル瓶の中で苔を育てるテラリウム
テラリウムは植物の育て方のひとつで、ボトル瓶の中に入れて管理する方法です。ボトル瓶の中だけで完結する育て方になるため、場所を取らずどこへでも移動させられます。
何よりインテリアとして楽しむことがメインです。ボトル瓶ごしに見える植物をお部屋で鑑賞できるというインテリアアイテムになります。中身は植物なので癒しの効果を得ることが可能です。
そしてその植物を苔にしたテラリウムが、苔テラリウムと呼ばれています。
注目されている苔テラリウム
テラリウムはさまざまな種類の植物が使われます。中でも高い人気を持つのは多肉植物ですが、注目度が上がってきている植物は苔です。
苔は盆栽など和の植え方と育て方になることが多く、テラリウムという洋風な方法で観葉植物とするのは意外に思われることでしょう。
でも苔は海外でも親しまれている植物で、決して和の雰囲気がベストというわけではありません。苔テラリウムは、おしゃれでかっこいいインテリアによくマッチします。
苔テラリウムは育て方が簡単
テラリウムはボトル瓶の中での育て方となるため、その環境に適応できる植物でないといけません。苔はたくましく育つ植物なのでテラリウムに最適です。
それに丈夫なことから、手入れなどを含めて簡単な育て方ですみます。今まで植物を育てたことがない初心者でも、問題なく管理可能です。基本的な育て方を知り、水やりやカビの除去など最低限のお手入れをおこなうことは必要になります。
初めての観葉植物としてもおすすめです。
苔テラリウムは簡単な作り方で手作りできる
苔テラリウムに興味を持ちインテリアに加えてみたいと考えた場合、入手する方法は大きく2つあります。1つ目は、完成品としての苔テラリウムをゆずってもらうか購入する方法です。
2つ目は、自分で苔テラリウムを手作りする方法になります。完成品をインテリアにするのもよいですが、せっかくなら手作りしてみましょう。あまり植物に触れる機会のなかった人でも、簡単な作り方で手作りできます。
手作りのメリットも大きいです。
手作りした苔テラリウムのメリット
苔テラリウムの完成品ではなく、自分で手作りすることのメリットは、何といっても自分好みの姿に仕上げられることです。ボトル瓶のデザインやサイズ、中に入れる苔の種類、配置の仕方、そして装飾方法をすべて自由に決められます。
我が家のインテリアに最適な苔テラリウムを飾りたいのであれば、手作りするのがよいでしょう。
それに愛情を込めた作り方をおこなうことで、その苔テラリウムに愛着がわき、お手入れも楽しくなります。
どのインテリアにもあわせられる苔テラリウム
インテリアのテイストはいろいろとあります。一般的な苔テラリウムがマッチするインテリアは、ナチュラル系、ブルックリンスタイルや男前インテリア、アンティーク調やヴィンテージ風といった、おしゃれかっこいいテイストです。
苔テラリウムはボトル瓶を材料としますが、このボトル瓶のデザインによっても印象が大きく変わります。
つまりインテリアのテイストにあったボトル瓶を選べば、どのお部屋にもあわせられるのです。
苔テラリウムをおすすめする理由
苔は悪くいうと地味ですが、落ちついた姿なので鑑賞していて飽きません。
苔ならではの風情や味わい深さは、見ていて癒されるものです。それに苔だけでは強い主張をしないため、まわりの空間によく馴染んでくれます。
他の植物を使ったテラリウムや、普通の観葉植物と並べて飾るのもおすすめです。
また、テラリウムは植物以外の小物などを入れて装飾もおこなえます。苔は装飾表現の自由度が高いので、作り込みも楽しめるはずです。
苔テラリウムの道具
苔テラリウムの道具はすぐに用意できる
苔テラリウムを手作りするにあたり、まずは道具を用意しましょう。ガーデニングやDIYで使うような道具は必要ありません。どの家庭でも普通に置いてある道具で十分です。
もしお家の中で見つからない道具があれば、100均ショップで購入できます。必要になる道具はシャベルかスプーン、ピンセット、割りばし、つまようじか竹串、ハサミ、バケツ、霧吹き、タオルです。
じょうごはなくても大丈夫ですがあると作業がスムーズになります。
各道具の役割について
苔テラリウムの作り方で必要になる道具を解説しました。一部の道具の役割について簡単に説明します。苔の植え方として、苔のサイズ調整でカットするためハサミを使ってください。
ボトル瓶のサイズによりますが、基本的には細かな作業になりますからピンセットでおこないます。材料を洗浄する時に役立つのがバケツです。
それと霧吹きは、苔と用土を湿らせることと、水やりのお手入れに使用します。
タオルは側に置いておきましょう。
苔テラリウムの材料
100均でそろえられる苔テラリウムの材料
苔テラリウムは苔を育てるので用土が必要です。用土などのガーデニング材料は100均で販売されています。
もちろん園芸ショップやホームセンターでも購入できますが、簡単な苔テラリウムなら100均の商品で十分です。
足りない道具とあわせて買いましょう。苔以外でそろえる材料は、ボトル瓶、用土、ろ過材となる乾燥したミズゴケになります。
お家にボトル瓶があるなら、購入する必要はありません。おしゃれなボトル瓶がおすすめです。
苔テラリウムに最適な用土の配合
苔を調達したついでに土を持ち帰り、そのまま用土にすればよいと思うかもしれません。
でも外の土には、虫が住んでいる場合が多いです。苔テラリウムとして虫は適さないので、用土は別に作りましょう。
2種類の土を混ぜて用土にします。ケト土7割、赤玉土3割です。さらにピートモスを混ぜる作り方もあります。
苔の種類によって用土の配合内容をあわせるのがベストなものの、簡単に手作りするならそこまでしなくても大丈夫です。
苔には肥料が必要ない
自分で育てる植物には、肥料をたくさんほどこして元気に成長させたいと思うことでしょう。ですが肥料の与えすぎは植物に悪影響をおよぼしてしまいます。
肥料焼けなどの症状になり枯れる恐れもあるのです。苔の場合は、正しい場所に置いてちゃんとした手入れをおこなっていれば、肥料がなくても元気に育ちます。
肥料を与えると枯れる可能性が高いです。
調子が悪そうに見えても肥料は与えず、日頃のお手入れ方法を見直してください。
苔テラリウムの装飾品
苔以外の材料を使った装飾を考える
苔テラリウムの主役は苔ですが、苔以外の材料を加えてさまざまな演出をほどこすのがおすすめ。その方が苔は引き立ちます。
材料は何でも大丈夫です。よく実践されているのは、物語にそってフィギュアを配置するジオラマになります。
ただの観葉植物としてだけではなく、ひとつの世界観をいつでも鑑賞できるようになる装飾方法です。
特に物語性はなく、インテリアをふまえたデザイン性重視でおしゃれに装飾するのもよいでしょう。
苔テラリウムの苔を調達
苔はネットショップで販売されている
苔は山のいたるところで自生しています。でも初心者が苔テラリウムにマッチする苔を探すのは、なかなか大変です。苔はネットショップで販売されており、購入するのがよいでしょう。
そうすれば、好みの種類をすぐに選べますし、きれいな状態の苔を入手できます。先にどんな苔テラリウムへと仕上げたいのか、よくイメージしてください。
その内容に見あう苔を探していきます。イメージせずに購入すると思い通りに完成させられません。
慣れたら自生の苔もテラリウムにする
ネットショップで販売されている苔を使えば、無駄なくきれいに苔テラリウムを手作りできることでしょう。でも自生している苔を使うのもおすすめです。
偶然見つけた自分好みの苔をお家でいつでも鑑賞できるのが、苔テラリウムの楽しさでもあります。山を散策すると気分をリフレッシュできますが、苔を探すという目的も加われば有意義な時間になるはずです。
ただし、むやみに苔を取ってはいけません。権利者に確認をとってください。
苔テラリウムの材料を処理
自生の苔は処理が必要
自然の中から採取してきた自生の苔は、虫が住み家としている場合があります。まずはこの虫を追い出さないといけません。ビニール袋へ苔を入れて、しっかりとしばり密封してください。
そして日陰に丸1日置いておきます。そうすると虫が苔の外に出てきますので、排除しましょう。
それと自生の苔は汚れているため、虫がいなくなってから水洗いします。自生の苔はここまでの処理をほどこして、苔テラリウムの主役として使えるのです。
他の材料もよく水洗いする
ボトル瓶や装飾品、石など、土以外の材料はすべて水洗いしてきれいにしましょう。材料として使う石はパッケージの袋に入っていますが、石同士がこすれあって削られた粉にまみれています。
鑑賞にたえうる石に変化させる方法は、水洗いすることです。ボトル瓶や装飾品もそのままだと汚れている場合が多いので、使う前に一度よく洗ってください。
完成してからきれいにしようと思っても、バラさない限りは水洗いはできません。
苔テラリウムの作り方①土台作り
ボトル瓶に石を入れる
苔テラリウムの植え方はいくつかの注意点があります。鉢植えとは違うので気をつけましょう。
まず、苔テラリウムが完成した状態で見た時に、ボトル瓶の上から3分の1は何もない空白の状態にしなければいけません。苔が生きるのに必要な空気の問題によるものです。
そのためボトル瓶の3分の2のスペースに作っていきます。植え方は、最初に石を敷いてください。石が土台になることで水はけと通気性がよくなります。
くん炭をまいてミズゴケを敷く
苔テラリウムの植え方でぜひ使用したいのが、くん炭です。この炭はもみ殻が原料で、水はけと通気性がさらによくなります。それに苔の臭みを調和してくれる効果を持つ優れものです。
しかも用土に少しだけ加えると、苔の発色がよくなります。ボトル瓶の底は先に石を敷いているはずです。その上へくん炭を適量まいてください。
その後、水に濡らしてしぼったミズゴケを石の上に軽くまんべんなく敷けば、土台の完成です。
苔テラリウムの作り方②用土を入れる
苔テラリウムに最適な用土を作る
先項で解説した配合の通りに用土を作ります。ケト土7割、赤玉土3割です。2種類の土を混ぜたら、水を加えてあわせていきましょう。水を少量入れつつ手でこねてください。
手で力を入れて土を固めた時に、崩れないぐらいが目安です。この用土は苔テラリウムの基本になります。
基本の用土だけでも十分ですが、苔の種類にあわせた用土を使った場合、どう成長していくのか実験することも楽しいです。慣れたら挑戦してみてください。
ボトル瓶に用土を入れる
用土が完成したら、苔テラリウムの植え方に戻ります。ボトル瓶の底は、くん炭とミズゴケをかぶせた石が敷かれています。その上へ用土を入れてください。
まずは真ん中あたりに土を盛ってから、フラットな状態になるよう割りばしでまんべんなく広げていき、用土のベースとします。
高さを出して凹凸のある地面にしたい場合は、用土のベースへさらに土を加えて山を作りましょう。高さに変化をつけた方が、動きが出るのでおすすめです。
苔テラリウムの作り方③苔を入れる
テラリウムへの苔の植え方
テラリウムの中に土台を作り用土を入れたら、苔の植え方へと移ります。用土をおおうようにする植え方で大丈夫ですが、その前に苔は少し手入れしましょう。
茶色に変色している部分は、ハサミでカットしてください。それと苔の種類と場所によっては、うすくカットする必要があります。状況に応じて整えないといけません。
苔の植え方として、細かい部分にはピンセットを使うと作業がスムーズです。つまようじなどもあわせて使います。
苔以外の小物をテラリウムに飾る
苔の植え方について加えると、変色部分のほかにカビがついていたらカットしてください。カビがついたままだと、そのカビはどんどん増殖していきます。
そしてきれいな苔をテラリウムに植えたら、苔以外の小物を飾り付けましょう。
ジオラマを作って物語のワンシーンを演出したり、おしゃれなアイテムを飾ってテラリウムを素敵なインテリアアイテムにしたりできます。苔を活かした装飾がポイントです。
なお苔だけでも悪くありません。
苔テラリウムの育て方①置き場所
直射日光を避けた半日陰が基本
苔は直射日光が苦手です。かといって日光がまったく当たらないと成長しません。
そのため直射日光は避けて、1日のうちで数時間だけ日の当たる半日陰か、明るい日陰に置くようにしましょう。
これは苔テラリウムの基本的な置き場所となりますが、苔の種類によって最適な環境は異なります。本当は苔の種類を調べて、ベストな置き場所を見つける必要があるのです。
でも多くの種類は、基本的な置き場所でも普通に育ってくれます。
直射日光に注意する
苔に直射日光を当てると、焼けて枯れる恐れがあります。それに苔テラリウムは特殊な育て方です。なのでその注意点を理解しておかないといけません。
苔に直射日光が当たらなくても、テラリウムのボトル瓶に日光が当たっていると、中身の温度と湿度が上昇し、苔が生きられない環境になってしまいます。
テラリウムは構造上、温度や湿度が上がりやすいので注意してください。上記の基本的な置き場所に置くのが安心です。
苔テラリウムの育て方②湿度管理
高めの湿度をキープする
苔は湿度の高い環境が適しています。ボトル瓶を使ったテラリウムはフタをしめられる場合が多く、湿度を逃さないためにフタをするのがおすすめです。
フタをすることで湿気をテラリウム内にとじこめられます。
この手入れだけで、苔が苦手とする乾燥対策になるのです。ただし夏場など気温の高い時期には注意が必要になります。
高温による蒸れには弱いため、夏場はフタをせずに涼しい場所へ置くなどの配慮をしてあげてください。
苔テラリウムの育て方③水やり
水のやりすぎに注意する
時期によっても変わってきますが苔テラリウムの水やりは、フタをして乾燥を防いでいる場合なら、2週間に1度が目安です。フタをせず乾燥しがちな場合でも、1週間に1度程度でよいでしょう。
水やりは大切なお手入れですが、水を与えすぎると苔はくさって枯れてしまいかねません。
ちょっと乾燥してきたぐらいで、霧吹きを使って水やりすれば十分です。
乾燥よりも水分過多で枯れることの方が多いため、水やりには気をつけましょう。
苔テラリウムの育て方④トリミング
苔をカットするお手入れ
苔の種類によっては成長していくと、自分が求めていない見栄えになる場合があります。そういった苔はハサミでカットする、トリミングというお手入れをおこないましょう。
苔はカットしたからといって、ダメージが加わるわけではありません。茶色に変色した部分はカビが発生しやすいので、見つけしだいカットしてください。
変色していなくてもカットしたきれいな苔は、ほかの場所で育てられます。そうして増やすことが可能です。
苔テラリウムの育て方⑤カビの除去
カビは完全に除去する
カビが発生しやすい変色部分をカットしたり、置き場所に気をつけたりしていても、カビは生えてきやすいです。
カビはそのままにしておくと増殖してしまうので、見つけしだい取り除いていきましょう。
苔以外の部分にカビがついている場合は、ボトル瓶から一旦取り出して全てを洗った方が早いです。
カビのほかにもキノコが生えてくることもあります。キノコも苔に悪影響を与えるため、早い段階で除去してください。
まとめ
苔テラリウムの魅力と、簡単な作り方やお手入れ方法を解説してきました。苔にはさまざまな種類があり、ボトル瓶のデザインや装飾用小物などの組み合わせによって、無限のバリエーションで仕上げることが可能です。
インテリアに最適な自分だけの苔テラリウムを手作りしてみてください。
お手入れも簡単で、置き場所、水やり、カビの除去を特に気をつければ、長く楽しめます。
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今回は苔テラリウムについて解説しましたが、テラリウムについてもっと詳しく知りたいという方は、下記のリンク記事を読んでみてください。
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