八ヶ岳とは
長野と山梨にまたがる自然豊かな山
八ヶ岳は長野県と山梨県の県境にまたがる山岳高原地帯で南北におよそ30km、東西におよそ15kmに渡って広がっています。国定公園や日本百名山にも指定されており、北側は原生林が生い茂っていて自然豊かです。
また、南側には標高約2,899mの主峰・赤岳などの雄大な山々がそびえており、魅力にあふれたエリアとなっています。貴重な動植物も多く生息しており、高原からの素晴らしい景観を臨めるビュースポットです。
八ヶ岳の動植物
八ヶ岳の北側は苔の宝庫で、日本国内で見られる苔の約4分の1にあたる500種類近い苔が自生しています。また、八ヶ岳独自の進化を遂げた植物が多く、ヤツガタケタンポポなど八ヶ岳と名が付くものが多いです。
かつては天然記念物のライチョウが生息していましたが、彼らが好むハイマツが減少したことによって姿が見られなくなりました。登山客が放置したゴミによる自然破壊が一因とも言われているので、自然は大切にしましょう。
八ヶ岳は1つの山ではない
「八ヶ岳」というのはどれか特定の一峰を指して呼ぶ名前ではなく、山梨県と長野県にまたがる山々の総称です。夏沢峠以南のいわゆる南八ヶ岳のみ、蓼科山(たてしなやま)を含めた八ヶ岳連峰全体などその範囲にはさまざまなな定義があります。
ちなみに、蓼科山は個別に選ばれているため、日本百名山でいう八ヶ岳は南八ヶ岳のみです。今回紹介する行者小屋は、八ヶ岳の主峰である赤岳のふもとにある山小屋となっています。
八ヶ岳の主峰・赤岳とは
赤岳は標高2,899mで、八ヶ岳連峰の主峰かつ最高峰です。日本百名山に登ることを目的として八ヶ岳登山をする人の多くは、赤岳を目指しています。山の名前は山肌が赤褐色をしていることに由来しており、山頂は南峰と北峰の2つです。
南峰には標高の基準になる一等三角点があります。ふもとは冬はスキー客で賑わい、夏は避暑地としても人気です。毎年6月の第一日曜日には、山頂で開山祭が盛大に行われています。
- 当記事は2022年4月時点の情報をもとに記載しているため、実際の情報とは異なる場合があります
行者小屋とは
八ヶ岳の山小屋のひとつ
行者小屋は八ヶ岳のふもとにある山小屋で、赤岳鉱泉と並んで夏の赤岳や阿弥陀岳登山へのベースキャンプでもあります。山小屋宿泊のほかテント泊も可能で、快適なテント場は谷の中にありながら山の景色が美しく映える場所です。
行者小屋は標高2,350mのところにあり、周りを山々に囲まれています。の営業期間は4月から10月の間ですが、近年のアウトドア人気により宿泊者が増えてきたため冬季も営業するようになりました。
八ヶ岳 行者小屋
- 住所〒391-0213
長野県茅野市豊平 - 電話番号行者小屋:090-4740-3808
赤岳鉱泉:090-4824-9986
行者小屋の予約・受付
行者小屋を利用する際は、事前の予約は不要です。夏の利用時は行者小屋にて、それ以外の期間に利用する場合は行者小屋を運営する赤岳鉱泉にて到着時またはお帰りになる際に受付してください。受付時間は11時からです。
到着が11時よりも早い場合は、受付する前にテントを張って場所を取っておくことができます。ほかの利用者もいるでしょうから、節度を持ってまわりの方に迷惑にならない場所を選ぶようにしましょう。
行者小屋の利用料金
行者小屋はひとり1泊2,000円で利用できます。また、事前に赤岳鉱泉まで電話での予約が必要ですが、朝食や夕食を付けることが可能です。宿泊の翌日に山頂を目指す方には、お昼のお弁当もあります。
食事を予約した場合は、当日の16時までに料金をお支払いください。支払いがないと食事をご用意できないため、遅れそうな場合は早めに赤岳鉱泉まで連絡しましょう。
夕食 | 2,500円 |
朝食 | 1,000円 |
お弁当 | 1,000円 |
行者小屋利用時の注意点
行者小屋では、宿泊当日に夕食や朝食を予約することはできません。予約していた人数からの1人から2人程度までなら当日の人数の変更は可能ですが、それ以上の大幅な人数の変更は不可能です。
また、宿泊当日の急なキャンセルや無断でキャンセルした場合、キャンセル料として食事の料金を全額請求される場合があります。もし予約した食事をキャンセルしたい場合は早めに連絡をして、きちんと事情を説明しましょう。
行者小屋の設備情報
行者小屋のテント場
行者小屋のテント場はこじんまりとしていて、50~100張ほどのテントを張ることができます。前日から当日にかけての気温や天気によって多少状況が変わりますが、砂地の地面は硬めなのでペグは打ちにくいです。
ただ、手のひらサイズの石がたくさんある場所なので、ペグの代わりや重しとして使うことができます。また、傾斜が緩やかなので不安定になったり、設営後のテントに居心地の悪さを感じることはありません。
行者小屋の水場
行者小屋の水場は、テント場から少し離れた場所にあります。飲み水としてはもちろん、調理に使うことが可能です。自炊する場合は、受付した建物のそばにある自炊場をご利用ください。
山の湧水なので天気がいい日が続いていると一時的に枯れてしまったり、寒い冬には凍結してしまっている場合があります。当日までの現地の天気や気温などから最新情報を確認のうえ、当日水が出ていない場合は赤岳鉱泉で水を貰うことができます。
行者小屋のトイレ
行者小屋のトイレは屋外に2か所、館内に4か所あります。仮設トイレも6つあり、夏は利用できますが冬は凍結などの影響で使用できません。また、入り口に箱があって1回100円と有料になっているので注意してください。
洋式のトイレは隅々まで清掃が行き届いており、トイレットペーパーも常備されています。ただし、朝や混雑する時期は補充が間に合わずに切れてしまうことがあるので、ティッシュなどを持っていくと安心です。
行者小屋のお風呂
行者小屋の施設内にはお風呂がありません。入浴やシャワーを希望する場合は、行者小屋を運営する赤岳鉱泉のお風呂をご利用ください。落ち着いて1日の疲れを癒せる檜風呂で、入浴時間内であれば入り放題です。
日帰りの入浴料金は1,000円です。なお、石鹸やシャンプーなどは使えないのでご注意ください。また、お風呂の営業は5月末から10月末までです。入浴時間や料金は変更される場合があるので最新情報をご確認ください。
八ヶ岳登山するときにおすすめの山小屋
今回は行者小屋について、施設情報や設備情報を最新情報を交えてご紹介しました。行者小屋は自然が豊かで静かなところなので、ゆったりとした時間を過ごすことができます。また、テント泊だけなら予約はいらないので、いきなり行っても大丈夫です。
必要な設備は整っており、清掃もしっかり行き届いているので安心して使うことができるでしょう。今後八ヶ岳連峰の赤岳登山を考えている方は、ぜひ行者小屋でテント泊をしてみてください。
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今回は、八ヶ岳のふもとにある行者小屋についてお話してきました。八ヶ岳の登山道周辺には、行者小屋のほかにもおすすめの山小屋がたくさんあります。いずれの山小屋も、八ヶ岳登山のベースキャンプ地や経由地として最適です。
ほかの山小屋が気になる方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。八ヶ岳登山時の参考になれば幸いです。
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