黒百合ヒュッテでのテント泊ガイド
黒百合ヒュッテは、長野県の八ヶ岳連峰の北側にある北八ヶ岳にある山小屋です。北八ヶ岳の中で最も高い標高2,646mの天狗岳に位置していて、通年営業しています。山小屋泊まりの他にテント泊も可能なため、北八ヶ岳を訪れる登山者に人気の山小屋です。
この記事では黒百合ヒュッテでのテント泊について、料金や予約を詳しく解説していきます。おいしい食事で有名な山小屋でもあるので、食事についても参考にしてみてください。
北八ヶ岳の最高峰、天狗岳
天狗岳は八ヶ岳連峰の北側を意味する北八ヶ岳の最高峰で、標高は2,646mあります。登山口に唐沢鉱泉や稲子湯などの温泉地が多いのが特徴で、登山と温泉が楽しめる山です。
特徴的な「天狗の鼻」という岩や日本で最も標高の高い露天風呂である「本沢温泉 雲上の湯」など見どころがたくさんあり、歩きやすい登山道になっているため初心者にもおすすめの山になっています。
注意事項
この記事は2022年4月10日現在の情報を元にまとめられています。予約方法や営業時間、料金は変動する可能性があるため、計画を立てる前に必ず公式サイトを確認してください。
また、黒百合ヒュッテまでの登山道は天候や天災によって通行不能になることがあります。事前に登山道の様子を確認し、安全なテント泊の登山を心がけましょう。
黒百合ヒュッテ
- 住所〒391-0013
長野県茅野市宮川8065-1 - 電話番号0266-72-3613
黒百合ヒュッテまでの登山道
唐沢鉱泉の登山口からスタート
天狗岳の登山口は西側の唐沢鉱泉と東側の稲子湯の2ヶ所が有名ですが、黒百合ヒュッテに近いのは西側の唐沢鉱泉からの登山になります。唐沢鉱泉から直接黒百合ヒュッテに向かうこともできますが、おすすめは天狗岳の2つのピークを登って一周するルートです。
唐沢鉱泉から1時間ほど歩くと「第一展望台」と呼ばれる場所に到着します。ここからは八ヶ岳連峰がよく見えるため、休憩スポットとして好まれている場所です。
2つの山頂からの眺めを堪能
第1展望台から1時間ほど歩くと、天狗岳の2つの山頂の1つである西天狗岳に到着します。西天狗岳から東天狗岳に向かう道からは「天狗の鼻」などの奇岩や、遠くに日本アルプスも見られる絶景の道です。
西天狗岳から20分ほど歩くと2つ目の山頂である東天狗岳に到着します。晴れた日は八ヶ岳連峰の山々や日本アルプスの山がよく見えるため、眺望のいい山頂として人気です。
黒百合平にある黒百合ヒュッテへ
東天狗岳からは中山峠を目指して下山を開始します。道中はアップダウンが激しい登山道なので、足元に注意しましょう。1時間5分で中山峠に到着すると、池のある傾斜の穏やかな黒百合平に到着します。黒百合ヒュッテはこの黒百合平にある山小屋です。
唐沢鉱泉から直接黒百合ヒュッテに向かう場合は、1時間25分ほど登ると到着します。テント泊を試してみたい人は、唐沢鉱泉から直接黒百合ヒュッテへ行ってみるといいでしょう。
黒百合ヒュッテの基本情報
黒百合ヒュッテの利用料金
黒百合ヒュッテは宿泊とテント泊で料金が変わります。宿泊料金は一泊二食付きで8,800円、素泊まりで5,500円になっていますが、冬期は700円が加算されることに注意してください。
テント泊は1名あたり1,000円、テント1張りあたり500円で宿泊できます。50張りほどという制限があるため、なるべく早く到着するようにしましょう。場所による料金の変動はないため、出費を抑えるにはテント泊が最適です。
予約方法
黒百合ヒュッテの宿泊の予約方法は電話か公式ホームページの予約フォームからになります。その際は、必ず山行中でも繋がる携帯電話の番号も伝えておいてください。悪天候や遭難など万が一のときに役立ちます。また、キャンセルの際にも必ず連絡が必要です。
テント泊の場合は予約は必要ありませんが、キャンプを張る場所に限りがあるため注意しましょう。場所の予約などもできませんので、到着時間に気をつけましょう。
テント泊の方法を解説!
テント泊の受付方法
テントで泊まりたい場合は、まず黒百合ヒュッテの受付で料金を支払い、受付済を示すプレートを受け取ります。このプレートはテントを張る際に、見える場所に掛けておきましょう。その後、泊まりたい場所にテントを張ります。
場所の予約はできないため、好きな場所にテントを張りましょう。テントの下に敷くパレットやすのこは無料で貸し出してもらえるため、地面がぬかるんでいるときは活用してください。
水場やトイレは使える?
黒百合ヒュッテのテント場では、小屋の入口にあるポリタンクの天水が水場として利用可能です。冬場は水場がないため雪を溶かして水を作るか、2リットル1,000円ほどで販売される水を使います。燃料も売っているためどちらを選ぶか考えておきましょう。
トイレは黒百合ヒュッテの隣にあり、テント泊代の料金に含まれているため自由に使用できます。きれいで個数も多いため、あまり並ばないで使用できるのがポイントです。
テントを張るのにおすすめな場所
テントを張る場所で最も人気なのは、カフェやトイレが近い黒百合ヒュッテの正面付近です。この付近に泊まりたい場合は早めの到着を心がけましょう。黒百合ヒュッテは樹林帯のため風はそこまで強くなく、小屋の周辺が人気なのは主に利便性が重視されているためです。
冬場は風を避けるために雪を掘って壁を作る人もいますが、テントが飛ばされるほどの強風はめずらしい場所です。不安な人は樹林帯の近くにテントを張るといいでしょう。
テント泊での注意事項
テント泊では夜間の騒音に注意しましょう。黒百合ヒュッテは20時半消灯のため、消灯後のテント内での食事や会話は極力控えてください。また、ライトをほかのテントに向けて照射するなどの迷惑行為も慎みましょう。
夜間にクッカーなどを使ったり会話をしていたりすると、翌日の早朝出発のパーティーに迷惑がかかります。宿泊者もテント泊の利用者も、誰もが心地よく使えるようにルールを守ることを心がけることが必要です。
カフェで食事を楽しもう!
黒百合ヒュッテのカフェはメニューが豊富
黒百合ヒュッテの名物といえば、豊富なメニューのカフェです。カフェは9時から14時まで営業していて、うどんや蕎麦などの定番メニューからコケモモケーキやコケモモティーなどユニークなメニューがあります。
カレーライスやビーフシチューなどもあるため、黒百合ヒュッテで昼食をとる縦走登山者もいるほどの人気です。軽食やソフトドリンクも用意されているため休憩地点として利用もできます。
テント泊でもカフェの利用は可能
カフェはテント泊のみの利用者でも利用できます。黒百合ヒュッテの中の休憩スペースは350円の追加料金がかかりますが、カフェの利用は自由です。朝は9時からなので行動開始時間としては遅くなってしまいますが、唐沢鉱泉に下山するだけならば問題ありません。
テントを片付けた後にゆっくりとカフェで朝食を取って下山するコースがおすすめです。周辺は黒百合が咲くため、軽食を食べて散策してから下山するのも良いでしょう。
黒百合ヒュッテでテント泊をしてみよう!
黒百合ヒュッテへの行き方や営業時間、テント泊の受付方法、水場の使い方や食事などを詳しく解説してきました。黒百合ヒュッテは通年営業のため、四季を通じてさまざまな風景が見られる山小屋です。
テント泊は小屋泊まりと違って自由度が高いですが、それだけに他の宿泊者への配慮や山小屋のルール遵守が必要な方法になります。黒百合ヒュッテが定めたルールを守って、楽しく快適な登山にしましょう。
黒百合ヒュッテが気になる方はこちらもチェック!
黒百合ヒュッテの他にテント泊が可能な山小屋はいくつかあります。山小屋でのテント泊が気になる方は以下の記事も参考にしてみてください。
それぞれの山小屋では黒百合ヒュッテにはない魅力もありますが、それぞれのルールも存在します。また、登山口からの距離が遠いものもあり、天候次第ではたどり着けないなどのアクシデントも起きるため、訪れる際にはよく確認して計画を立てましょう。
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