埼玉県ってどんなところ?
埼玉県のイメージって薄い?
埼玉県とはどんなイメージか、答えられない人もいるでしょう。東京への通勤圏で、昼間は東京で過ごし、夜は埼玉へ帰る「埼玉都民」という言葉もあるほどで、愛県心の薄い人が多いとも言われています。47都道府県の魅力度ランキングでもワーストから数えた方が早く、比較的印象の薄い県と思われがちです。
都心からのアクセスがよく暮らしやすい
しかし最近では川口市が本当に住みやすい街大賞を受賞し、単なるベッドタウンではなく暮らしやすい県として注目されています。自然豊かな長瀞や人気の観光地川越など、アクセスのよい観光スポットがあるのも魅力です。
近年では映画「翔んで埼玉」で注目され、ディスられても自虐ネタとして受容する県民性も話題となりました。埼玉といえば〇〇!というものは少ないですが、適度に田舎で都心に出やすい県と言えるでしょう。
埼玉弁とは?
埼玉弁は場所によって異なる
埼玉県は隣接する関東1都6県の影響を受けているため、場所によって方言が異なります。通勤通学で日頃から東京へ往来する人が多いため、埼玉弁があるという意識は低いかもしれませんが、アクセントやイントネーションが場所ごとに異なるのです。
また埼玉弁から全国共通の言葉となった方言もあります。「なにげに」や「よこはいり」は今では全国で聞かれる言葉ですが、実はもとは埼玉弁なのです。
最も歴史があるのは秩父弁
埼玉県で最も歴史の古い埼玉弁は、県西部にある秩父地方で使われている秩父弁です。秩父の隣にある多摩地方の武州弁とも共通点をもっています。
県東部は栃木弁・茨城弁の影響が強く、県北部は群馬弁寄り、県中・南部地域は江戸弁に近い方言です。いわば、埼玉弁は関東各地域の方言をぎゅっと凝縮したような方言と言えます。
埼玉弁の語尾の特徴
語尾の特徴①:「~だんべえ」「~だべえ」
「~だんべえ」「~だべえ」は「~だろう、~でしょう」という意味です。末尾の「え」を除いた「だべ」は群馬県に近い地域でよく使われます。例えば「明日は早いんだんべ」は標準語では「明日は早いんでしょう」という意味です。
語尾の特徴②:「~ん?」
「~ん?」は「~するの?」という意味です。「なにしてるん?」は「なにしてるの?」という意味になります。語尾に「ん」をつけることで、相手への声かけや挨拶のような形で使われることが多いです。標準語よりも軽やかなテンポで会話しているように聞こえますね。
語尾の特徴③:「~じゃね?」
「~じゃね?」は「~じゃない?」という意味です。例えば「あの人、知り合いじゃね?」は標準語では「あの人、知り合いじゃない?」となります。一見、最近の若者言葉のようですが、実は「~じゃね?」は埼玉弁なのです。
語尾の特徴④:「~がな」
「~がな」は「~だろう」という意味です。例えば「今日は気分が悪いがな」は標準語では「今日は気分が悪いだろう」という意味になります。若干気分が落ちこんでいる時など、ややマイナス的な要素として使われることが多い方言です。
語尾の特徴⑤:「~だいねえ」
「~だいねえ」は「~だよねえ」という意味です。例えば「夕飯は鮪だいねえ」は「夕飯は鮪だよねえ」という意味になります。自分の意見に対して相手に同意を求める時などに、語尾につけて使う方言です。
埼玉弁のイントネーション
県東部には埼玉特殊アクセントがある
埼玉弁のイントネーションは、県東部にある埼玉特殊アクセントが特徴的です。埼玉特殊アクセントとは、東北地方などで特徴的な無アクセントと、東京のように音の高低がはっきりした有アクセントの中間のイメージです。
例えば「雨が」という言葉では、東京では「あめ」のように「あ」を高く発音するのに対し、埼玉特殊アクセントでは「あめ」のように「め」を高く発音します。一方、県中・北部・西部・南部地域は東京とほとんど同じイントネーションです。
埼玉弁を例文で見てみよう
例文で見る埼玉弁①:「あーね」
埼玉弁でよく使われる方言に「あーね」があります。「あーね」とは「あー、そうだね」という意味で、相槌をうつ時によく使う方言です。「あーね、今から行くわ」などのように、挨拶代わりとしても使用します。
例文で見る埼玉弁②:「ゆわく」
「ゆわく」は埼玉県以外でも使用されている方言で、「髪を結う」という意味になります。「髪を結う」よりも早く簡易に伝えることができるの便利な方言ですね。髪以外にも「その雑誌、ゆわいといて」のように物を束ねる時にも使います。
例文で見る埼玉弁③:「あいけんち」
「あいけんち」は「じゃんけんぽん」の意味です。「じゃんけんぽん」の掛け声と同じように使います。ちなみに「あいこでしょ」は「まだち」です。「じゃんけんぽん」は全国各地で違いがあり、大勢でじゃんけんをした時に「あれ?」と思った経験のある方もいらっしゃるかもしれませんね。
例文で見る埼玉弁④:「かんま」
「かんま」は「かき混ぜる」という意味です。例えば「お風呂のお湯をかんましておいて」のように使用します。「かんま」は群馬や栃木などでも使用されていて、どの地域でも「かんます」や「かんまする」のように動詞として使われている方言です。
例文で見る埼玉弁⑤:「えんちょ」
「えんちょ」は「座る」という意味です。これは主に小さい子供に対して使う方言で、「おとなしくえんちょしてなさい」のように使われます。幼児言葉の延長線上のような言葉で、同じ意味でも「えんこ」や「えんちゃんこ」などという地域もあります。
実はかわいい埼玉弁もある!
埼玉弁のかわいい言葉①:「そうなん?」
「そうなん?」は「そうなの?」という意味です。同じように「なんなん?」という言葉もありますが、こちらも「なんなの?」という意味になります。語尾に「ん」を使うと柔らかいイメージになりますので、女性が使うと可愛らしく聞こえますね。
埼玉弁のかわいい言葉②:「まっちろ」
「まっちろ」は「真っ白」という意味です。「あーね、外は一面、雪でまっちろだね」のように使います。幼児言葉のようにも聞こえますが、埼玉では方言のひとつです。秩父や県北部など寒い地方で使われることが多いのかもしれません。
埼玉弁のかわいい言葉③:「ああみぃ」
「ああみぃ」は「だめ」「いけない」という意味です。例えば、「ごめん、明日の約束ああみぃ」のように使います。最近ではあまり使われなくなっているようですが、断りづらいお誘いでも「ああみぃ」と可愛く言われたら、つい許してあげたくなりますね。
埼玉弁のかわいい言葉弁④:「ひゃっこい」
「ひゃっこい」は「冷たい」という意味です。北海道や東北地方でもよく使われる方言で、氷や水などの物理的な冷たさに対して使います。冷たい水に触れた時などに「うわ、ひゃっこい」などと使うと可愛らしいですね。
埼玉弁のかわいい言葉⑤:「あよー」
「あよー」は親しい友人などに話しかける時に使う言葉です。標準語では「ねえ」という意味で、挨拶する時や何かをおねだりする時などに使います。語尾を伸ばすと響きが可愛く聞こえますね。お近くに埼玉県の人がいたら、「あよー」と挨拶してみてはいかがでしょうか。
埼玉弁を覚えて、埼玉へ遊びに行こう!
埼玉県は東京に近いので方言はないと思われているかもしれませんが、埼玉県にも埼玉弁があります。隣接する1都6県の影響を受けているため、場所によって多様な言葉があるのが特徴です。
埼玉出身の人もそうでない人も、その土地の方言を知ると自然と愛着が湧きますよね。ぜひ埼玉弁を覚えて、埼玉へ遊びに行ってみてください!
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全国各地にはおもしろい方言がたくさんあります。方言を知ってからその土地を訪れてみると、地元の人と仲良くなれたり、その地域性をより深く理解できたりします。他の都道府県の方言を知りたい方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみて下さい。
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