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「和歌山弁」講座!かわいい方言の特徴や使い方を普段の会話例文でご紹介!

和歌山弁は、謎が多く難しいといわれることがあります。しかし、親しみやすくかわいい方言としても人気の方言の一つでもあるのです。ここでは、和歌山弁の特徴や会話例文を紹介します。旅行や転勤、出張で和歌山へ行く時のために、参考にしてみてください。
更新: 2024年7月30日
希望
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和歌山弁の特徴

和歌山の方がテレビに出演して話題になった和歌山弁。和歌山弁をはじめ、各地方の方言は、その土地の文化や歴史を物語るものでもあります。不思議な表現や面白い表現、かわいい表現などさまざまな特徴があるのです。まずは、和歌山弁の特徴をみていきましょう。

和歌山弁は敬語がない?

和歌山弁には、敬語表現が少ないという特徴があります。特に、田辺や新宮地域では、ほぼ存在しないようです。和歌山では古くから、「みんな平等」という考え方が根付いているためだといわれています。そのため、年長者や上司など目上の人に敬語を使わないのが当たり前で、敬語を使うと失礼と思われる場合もあるのです。

ざ行が苦手?

和歌山の人は、「ざ行」が苦手だといわれますが、苦手なわけではなく、和歌山弁は「ざ行」は「だ行」で発音し、「だ行」は「ざ行」で発音する特徴があるのです。

例えば、「ぞうきん」は「どうきん」、「サラダ」は「サラザ」になります。なぜこうなったかというと、「じとぢ」「ずとづ」の発音が似ているので、この4音だけでなく、「ざ行」と「だ行」合わせて10音を混同して発音するようになったそうです。

ザダラ変換

和歌山弁では、「ざ行」と「だ行」だけではなく、「だ行」と「ら行」も混同して発音されます。これらのことを総称して「ザダラ変換」というのです。「だ行」と「ら行」が混同される理由は、発音が近いからだといわれています。ただ、すべての言葉が変換されるわけではありません。

和歌山弁は関西弁?

和歌山県、大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県を一般的に、関西地方といいます。関西弁というのは、関西で使う方言の総称なので、おおまかにいうと、和歌山も関西弁です。関西以外の地域の方が聞けば区別するのは難しいですが、大阪弁や京都弁というように関西の2府4県でも使う方言は違います。

「~やん」の使い方が違う

和歌山弁では、「~やん」を否定の意味で使います。大阪弁などでは「~よね」「~でしょ」という意味で使うので、同じ関西でも和歌山と大阪では大きく意味が違う使い方をするのです。

例えば、「~しない」「行けない」を大阪弁では「せーへん」「行けへん」といいますが、和歌山弁では「~しやん」「行けやん」といいます。

和歌山弁の特徴的な方言【語尾】

どこの方言かを見極める時に、1番わかりやすいのが語尾の言葉です。「~してけろ」なら東北、「~じゃけ」なら広島、「~やねん」なら大阪、「~けん」なら九州というように、語尾に各地方の方言の特徴がみられます。それでは、和歌山弁はどんな語尾が使われているのでしょうか?

かわいい印象の語尾

方言がかわいいといわれる理由で多いのが、語尾です。語尾の言葉や使い方などが、柔らかい表現になったり、アニメのキャラクターのように聞こえたりすることがあるので、かわいい印象がするのかもしれませんね。和歌山弁の中で「かわいい」と人気の語尾を紹介します。

「~よ」

「~よ」は、「~だよ」「~です」という意味で使います。和歌山弁でよく使う語尾で、覚えやすい和歌山弁の1つです。そして、女性が使うと柔らかい表現になるので、かわいい印象がする和歌山弁の1つでもあります。

「~ら」

和歌山弁で語尾に「~ら」がつく時は、「~しよう」という意味です。例えば、「飲もら」は「飲みましょう」、「いこら」は「行きましょう」になります。こちらも、かわいいといわれる和歌山弁の1つです。

「~ちゃる」

「~ちゃる」の意味は、「~している」「~してあげる」「~しているらしい」です。「~ちゃる」のほかに、「~ちゃあ」「~ちゃある」ということもあります。よく使われる語尾で、かわいい方言の1つでもあるので、覚えておくとよいでしょう。

和歌山弁でよく使う語尾

かわいいといわれる語尾以外に、和歌山弁でよく使い、独特の語尾は、まだまだあります。和歌山に行ったら、耳にすることも多いでしょう。ぜひ、覚えておいてください。

「~け」

「~け」という語尾は、疑問形の時に使われます。「~ですか」が変わったもので、「~かい」と言う地域もあります。また、「~けー」のように語尾を伸ばす時は、「~して」「~してください」という意味です。

「~しかええ」

「~しかええ」は、和歌山弁独特の方言で、「~の方がいい」「~した方がいい」という意味です。例えば、「豚肉より鶏肉しかええ」という言葉は、「豚肉より鶏肉の方がいい」という意味になります。


和歌山弁の特徴的な方言【人】

一人称

語尾と同様、一人称の方言も各地方で違います。特に、鹿児島の「おいどん」は有名な一人称の方言の一つです。では、和歌山弁ではなんと言うのでしょうか?

わい・わえ・あが

和歌山弁で「わい」「わえ」「あが」は、自分のことを表す言葉です。「私たち」など、複数形になると「うら」や「あがら」になります。主に男性が使う方言で、女性は「うち」という方が多いようです。

てき

「てき」の意味は、「あなた」「お前」「あいつ」という意味です。「てきゃ」という場合もあり、複数形では「てきゃら」になります。最近では、若い世代はあまり使わず、主に年配の世代の方が使うようです。

家族

「おかん」や「おとん」という関西弁を聞いたことがある方も多いでしょう。和歌山も関西ですが、この表現は和歌山ではほとんど使われておらず、「お母さん」「お父さん」というようです。ただ、家族を表す方言で、和歌山弁独自のものがあるので紹介します。

いもと・おとと

和歌山弁では、「妹」「弟」のことを「いもと」「おとと」といいます。「姉」「兄」の場合は、「おねやん」「あにやん」というようです。和歌山弁では、「おおきい」を「おきい」、「ちいさい」を「ちさい」というように、母音の音を省略する傾向があります。

おいやん

和歌山弁で「おいやん」は、「おじさん」のことです。叔父(伯父)のことはもちろんですが、身内以外の中年以上の男性に対しても使われます。また、叔母(伯母)や中年の女性に対しては、和歌山弁独自の方言はなく、「おばさん」ということが多いようです。

和歌山弁の特徴的な方言【あ・か行】

和歌山弁の中でも、名詞や動詞などの特徴的な単語を50音順で紹介していきます。英語と同じように、単語を知っていれば、和歌山弁で話す言葉の意味がわかることもあるので、覚えておきましょう。

あ行

◆あいた・・・明日
◆あかい・・・明るい
◆あま・・・ゴキブリ
◆あんじょう・・・しっかり、きちんと
◆いがむ・・・曲がる、歪む
◆えぞる・・・なぞる
◆おいだん・・・花魁(ザダラ変換)
◆おっぱ・・・おんぶ
◆おもしゃい・・・面白い

か行

◆かいだるい・・・かったるい
◆かだら・・・からだ(ザダラ変換)
◆きょうわ・・・今日
◆きんの・・・昨日
◆クリーム・・・アイスクリーム
◆ごし・・・~と共に
◆こまる・・・歯に物が挟まる
◆こらえる・・・許す
◆ころも・・・こども(ザダラ変換)

和歌山弁の特徴的な方言【さ・た行】

さ行

◆さかっちょ・・・逆さま
◆さかばり・・・トゲ
◆さし・・・ものさし
◆ざついじょ・・・脱衣所(ザダラ変換)
◆じゃいけん・・・じゃんけん
◆しゃるく・・・歩く
◆すえる・・・腐る
◆すこい・・・ずるい

た行

◆たいたん・・・煮物
◆たかる・・・上に乗る
◆たつ・・・嫌になる
◆ちょっきし・・・丁度、ぴったり
◆つく・・・押す
◆つめる・・・指を挟む
◆つれもて・・・一緒に
◆でんだい・・・ぜんざい(ザダラ変換)

和歌山弁の特徴的な方言【な・は行】

な行

◆なながつ・・・7月(しちがつ)
◆なるしい・・・穏やかな
◆にゅうにゅう・・・牛乳
◆にんにこ・・・おにぎり
◆ぬがる・・・刺さる
◆ぬくい・・・温かい
◆ねぶる・・・瞼を閉じる
◆のす・・・登りつめる

は行

◆はつ・・・叩く
◆はつる・・・削る、とる
◆ふてる・・・捨てる
◆ふわわり・・・世間体が悪いこと
◆へくる・・・盗む
◆ほたえる・・・ふざける
◆ほんな・・・そのような
◆ほる・・・放置する

和歌山弁の特徴的な方言【ま・や行】

ま行


◆まう・・・目がまわる
◆まくれる・・・転落する
◆みずせった・・・ビーチサンダル
◆むさい・・・汚い
◆めらか・・・めだか(ザダラ変換)
◆もじける・・・壊れる

や行

◆やつす・・・着飾る
◆やぶつ・・・破る
◆ゆんべ・・・昨夜
◆ようさん・・・たくさん

和歌山弁の特徴的な方言【ら・わ行】

ら行

◆らくさげない・・・落ちつかない
◆離合(りごう)・・・車同士がすれ違うこと
◆レイコー・・・アイスコーヒー
◆れいどうこ・・・冷蔵庫(ザダラ変換)
◆ろくすっと・・・ろくに

わ行

◆わく・・・チョコレートや飴がドロドロになること
◆わやくちゃ・・・めちゃくちゃ
◆わりき・・・薪
◆わわく・・・わいわい話す

和歌山弁の会話例文【挨拶】

ここからは、和歌山弁の会話例文を紹介します。まずは、挨拶編です。挨拶は大事なもので、人と交流する時に欠かせないものでもあります。ぜひ覚えておいてください。

「久しぶりやのぉ。いきちゃぁったか?」

意味は、「久しぶりだね。元気にしてたかい?」です。和歌山弁では「元気にしてたかい?」という意味で、「いきちゃうか」といいます。「いきちゃうか」は、「生きていたか?」からきているので、少し大げさな感じもしますが、親しみを込めた言葉でもあり、仲がよい相手によく使うようです。

「よろしおあがり」

「よろしおあがり」は、食事を出して「ごちそうさま」といわれた時に使う言葉です。「お召し上がりくださいましてありがとうございました」という意味になります。大阪など関西地方では、「よろしゅうおあがり」ともいうようです。

「ほな、いんでくら」

「それでは、帰ります」という意味です。「立ち去る」「去る」という意味の古語の「去(い)ぬ」からきています。帰ることを「いぬ」というのは、関西や四国、九州などでも使う地域があるので、覚えておくとよいでしょう。

和歌山弁の会話例文【日常・初級編】

次は、日常で使える会話例文の初級編です。和歌山弁とはいっても、よく耳にする関西弁に近い表現なので、比較的簡単でわかりやすい方言になります。

「それってできやんの?」

意味は、「それ、できないの?」です。和歌山弁では、「~やんやん」と表現することもあり、その時は「~ないじゃないか」「~ないですよ」という意味で使います。

例えば、「工事中で通れやんやん」は、「工事中で通れないじゃないか(通れないですよ)」という意味です。「通れない」の意味で使う時は、もともと通れたけど何かしらの理由で通れない場合に使います。

「わえの車、いごかいてきてよ」

意味は、「私の車を動かしてきてください」です。和歌山弁では、「動く」ことを「いごく」といい、「動かす」ことを「いごかす」といいます。また、「動かない」時は、「いごかん」というようです。

「とわいとこ、行かんときな」

意味は、「遠いところへ行ったらだめだよ」「遠いところへ行かないようにね」です。「とわい」が、「遠い」を意味します。「近く」は、和歌山弁で「はたたい」「はたたし」というようです。

和歌山弁の会話例文【日常・中級編】

日常で使える和歌山弁の会話例文の中級編を紹介します。初級編より少しだけ、独特の和歌山弁が使われている例文です。日常で聞く機会が多く、使える例文ばかりなので、覚えておくと役に立ちますよ。

「あがでしよし」

意味は、「自分でしなさい」です。「あが」は「自分」、「よし」は「~なさい」という意味があります。地域によっては、「~しなさい」を「~さんせ」や「~せぇ」といい、「自分でしなさい」は「あがでせぇ」というようです。

「のとろ道つんじゃーる」

「やたらに道が混んでいる」という意味です。和歌山弁の「つむ」は、「混む」という意味で使います。「たくさんある」という意味の「詰む」が由来のようです。「のとろ」は、「やたらに」や「とても」などの意味で使われます。

「食べすぎでずつないわぁ」


意味は、「食べ過ぎておなかが苦しい」です。「ずつない」は「おなかが苦しい」を意味します。由来は、古語の「術(ずつ)ない」で、「なすすべがない」という意味です。「おなかがいっぱい」のことは、「おなかおっきい」といいます。

和歌山弁の会話例文【日常・上級編】

いよいよ日常で使える会話例文の上級編です。和歌山弁の中でも、最も特徴のある方言を使った例文を紹介します。他の都道府県民の方が聞けば、不思議な表現もあるかもしれません。マスターして、和歌山弁を使いこなしましょう。

「これ重たいし、さげんの手伝って」

「これ重たいから、持つの手伝って」という意味です。和歌山弁では、「持つ」や「持ち上げる」ことを「さげる」といいます。初めて聞く方は、混乱してしまうかもしれませんね。

「じてこでこけて足にえちゃあるんやいしょ」

「自転車でこけて足に青あざができたよ」という意味。「じてこ」は「自転車」、「にえる」は「内出血する」「青あざができる」という意味です。また、野菜や果物などの傷んだ部分のことを「にえる」ということもあります。

「がいな声でひしんな」

意味は、「大きな声でさけぶな」です。「ひしる」は「さけぶ」という意味があります。「がい」は程度が大きいという意味です。程度や量が大きいことは、「やにこう」ともいい、標準語の「とても」と同じように使います。逆に、程度や量が小さいという和歌山弁は、「ちょう」や「まぁ」です。

和歌山弁の会話例文【恋愛】

ここでは、男性と女性それぞれが告白する時などに使える和歌山弁の会話例文を紹介します。男性は男らしく、女性はかわいらしい表現なので、和歌山弁で告白されたら、ときめいてしまうかもしれませんね。

「好きなんよぉ。付き合ってくれやんかな?」

「好きです。付き合ってください」という意味です。主に、女性が男性に告白する時の言葉になります。「好きなんよぉ」や「くれやんかな?」という表現が、柔らかい印象でかわいいと感じる方が多いようです。

「お前のこと好きやっしょ。俺と付き合ってけー。」

意味は、「お前のこと好きだよ。俺と付き合ってください」です。こちらは、男性が女性に告白する時の言葉になります。「やっしょ」は「~だよ」や「~です」という意味です。上記の女性が使う告白の言葉の印象とは逆に、男らしい印象があります。

「うちのこと好いちゃあるとか思いもせんかったわ」

「私のこと好きだったなんて思いもしなかった」という意味。女性が男性から告白された時に使える言葉です。やはり、「ちゃある」がつくとかわいい感じになりますね。

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まとめ

和歌山弁は親しみやすい方言といわれますが、これは和歌山県民が、のんびりしておおらかな性格の方が多いからなのかもしれません。

地域によって使う方言は多少違いますが、和歌山弁を知っておいて損はないので、頭の片隅にでもおいておいてください。和歌山弁を知っていれば、和歌山の方とすぐに親しくなれるでしょう。

和歌山弁講座はいかがでしたか?方言は、他の地方の方からすれば、難しいと感じますが、特徴がわかれば決して難しくはありません。旅行の際などに、参考にしてみてください。

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