スケートボードとは
スケートボードとは板状のボードに車輪がついたもので、ジャンプや回転技などを使ったルールで競う競技のことをいいます。スケーターファッションにおいても人気が高いスポーツですが、東京オリンピックを見て興味を持ったという人も多いのではないでしょうか。
今回はスケートボードのルールや見どころ、注目選手なども簡単に紹介しながらスケートボードの面白さをより深く知ってもらえる記事となっております。
スケートボードの競技とルール
パークとは
パークとは、プールをいくつも組み合わせたような形をしたコースのことをいいます。パークを使いスピードをつけて飛び出した瞬間トリックと呼ばれる技を決めて点数を競う競技ルールのことで、姿勢やスケートボードの先端を掴む手の位置までも細かく注目される競技です。
そこからさらに回転をするなど、トリックを組み合わせていくことで得点が高くなっていくパフォーマンス性のある競技が見どころのひとつと言えます。
ストリートとは
ストリートとは階段やレール、ブロックなどの障害物があるコースのことをいい、街中を再現したようなコースはこれぞスケートボードといった世界観です。スピードに乗って走る選手は見てても爽快ですし、スケートボードをいとも簡単にくるくると回しながらトリックを決める姿はストリートの注目すべき見どころと言えるでしょう。
パークのルール
パークのルールは45秒間のランを3本、その3本の中で得点が高かった点数によって順位が決まっていきます。100点満点ある得点の中でジャッジ5人の平均点が得点となり、1回でも転倒すると終了となる厳しいルールです。選手たちの精神力の高さや集中力が勝利の大きなポイントとなる競技となっています。
ストリートのルール
ストリートのルールは2つあります。制限時間45秒の中でコース内を滑る「RUN方式」というルール、得意とする障害物を1つ選びトリックを決める「BEST TRICK方式」というルールです。RUNを2本、BEST TRICKを5本のルールで行います。1回のトリックが豪快であり目が離せない競技です。
パークの見どころとは?
コース内を自由にスケートボードで滑りながらスピードや完成度を競うのはもちろん、安定感や競技全体のクオリティ、オリジナリティも評価のポイントとなります。まるでフィギアスケートのように軽やかに舞う選手たちの大技は見逃せません!
さらに高い技術が求められる回転技は、ルール上高得点が狙えるため下位の選手であっても逆転の可能性があることがパークの見どころと言えるでしょう。
ストリートの見どころは?
こちらも完成度やトリックの安定感を競いますが、1番の見どころはなんといってもトリックを決める瞬間のスケートボードのスピードと高さです!大きくジャンプをしてトリックをしたあとも、スケートボードが足に吸い付くような着地までの流れは最大の見どころでしょう。
選手によっては自分が考えたトリックで勝負することもあり、見事に決まれば高得点が取れるといった他にはないルールも注目すべきポイントです。
転んでも点数が引かれない?
ストリートに関しては転んだとしても点数が引かれることはありません。これはストリートだけに適用されるルールで、パークのルールでは転んでしまうと大きな減点対象となってしまいます。また、ストリートの難しいところは審査員の好みで点数の良し悪しが決まってしまうため点数が出るまでは結果が読めないことが多いです。
細かいルールや採点方法
役立つルール3選
- トリックを決めたあとの着地のときは必ず両足がスケートボードの上に持っていないと点数にならないというルール
- ひとつ前にやったトリックと同じトリックをすると点数が下がるというルール
- トリックを決めて着地をするとき、床に手を付いたら大きく減点されるというルール
以上が競技を見る上で役立つ簡単な3つのルールです。スケートボードのルールはとても細かく採点されるため、選手が大会中に大胆なトリックを決めることがいかに難しいことかというのが分かります。簡単なルールを覚えておくだけでも注目する視点が変わってくるので、さらにスケートボード競技が面白いと感じるはずです。
上位8人が決勝へ行くルール
スケートボード予選のルールはトーナメント方式となっており20人の選手が4つに分かれ、それぞれ3回競技をします。その中で点数が高かった8人のみが決勝へ進出することができ、点数は決勝の時点でリセットされるといった条件があります。
決勝に残った選手に対して順位はつけず、予選でどれだけ高い得点を獲得していても全員が同じスタートを切ることができるように作られたのが予選のルールとなっています。
どこからが高得点というのか?
ルールとしてストリート、パークそれぞれに5人の審査員がいてストリートは10点満点、パークは100点満点の点数で競い合います。高得点とされる点数は男子ストリートで8点台から、女子ストリートは5点から6点台です。男子パークでは70点以上、女子パークは50点以上が高得点というルールになっています。
採点方法やルールは男女で変わらない
オリンピックなどの大きな大会を含め、男女で採点方法やルールは全く変わりません。しかし実際の大会で男女に採点ルールの差があると感じている人も多いと思います。それは、男女の体格の違いなどもあってどうしても女子のほうが点数が低くなってしまうというのが答えです。
女子の5点台でも男子の7点から9点台と同様の高いレベルなのは間違いありません。決して女子のレベルが低いわけではないのです。
オリジナリティのあるトリックは最大の強み
ルールの中で審査員は総合的に得点をつけるため、スケートボードの難易度が高ければ高いほど得点は高くなります。つまり、オリジナリティのあるトリックが使えるということは最大の強みとなるわけです。
人がやらないことを成功させると評価も上がり、その上でさらにトリックを上手く組み合わせることで点数は一気に上がっていく見どころのあるトリックとなります。
簡単な用語やトリックの名前を覚えよう!
ノーズはスケートボードの先端、テールはスケートボードのお尻の部分のことです。トリックの名前で多く出てくるのがインバートという逆立ちをするトリック、インディというスケートボードの先端をつかむトリックなどがあります。
ルール説明などで何度も聞く単語となっているためわりと簡単に覚えることが可能です。これらのルールや用語を知っているだけでも十分に競技を楽しむことができますよ!
人によって審査するポイントが違う
スケートボードの審査員は人によって見どころや注目する場所、高得点をつけるポイントやルールは変わってきます。簡単なトリックを評価するだけであれば分かりやすいですが、表現力やオリジナルを混ぜたトリックは審査員の主観で判断されるところが大きいです。
選手の細かい部分までが評価の対象になっていることから見ても、得点についての明確なルールを作るのは難しいというのが大会の現状と言えるでしょう。
その日のライバルのコンディションでトリックを変える
心のコンディションが大切と言われているスケートボードですが、実は選手たちはライバルのコンディションを見て予定していたトリックを変更するといったこともよくあります。その日の大会で自分のコンディションと比べてみて、どのトリックであれば自分は勝てるのかを常に考えて競技に臨んでいるのです。
実はそのような心理戦があって、競技前から勝負が始まっているというのはあまり知られていないのではないでしょうか。
あいまいなルール設定の理由
パーク、ストリートそれぞれのルールにあいまいな部分が多いと感じた人も多いかもしれません。それは元々が競技スポーツではないことと、オリジナルのトリックが審査されることが大きな理由となっています。
細かいルールを作るとスケートボードのあるべき姿が失われてしまい選手の自由なスタイルやオリジナリティが出せないことから、他のスポーツとは違ったあいまいなルール設定のもとで競技が行われるようになりました。
ルール違反について
基本的にスケートボードの競技で反則行為や、ルール違反というものはありません。そういった部分もスケートボードにしかない見どころであり自由なスタイルで行うスポーツの面白さです。ただしトリックの減点については他のスポーツに比べて特殊であり、審査に関して厳しく評価されていると感じることも多いでしょう。
安全面は?
オリンピックでもヘルメットを付けている選手と、付けていない選手がいますがヘルメットやプロテクターの義務化はありません。しかし現在は競技人口が増えていることもありルールとして義務化していく方針です。事故やケガが多いスケートボードでは救急車で運ばれる選手も多く、安全面については見直していく必要があります。
音楽はルール違反にならない?
競技中、会場に大音量で流れる音楽をオリンピックで聞いた人も多いかと思います。ルール違反ではないのかといった声が寄せられたようですがルール上問題はありません。自由なルールとスタイルで行うスケートボードの大会で音楽は必須とも言われるほど、なくてはならない存在です。
オリンピックでも選手によって変わる音楽が大会を盛り上げる役割を果たしていました。
スケートボードの魅力とは
スケートボードは低価格で始められる!
スケートボードの魅力はボードがあればいつでも簡単に始められることです。さらにスケートボードは30,000円あれば全ての道具が揃ってしまうのもメリットのひとつで、専門店でなくてもスポーツショップやホームセンターで簡単に手に入れることが可能です。子供用のスケートボードも人気が高く、親子で始める方も少なくありません。
案外トリックは簡単にできる!?
一見むずかしそうに見えるスケートボードのトリックも難易度はさまざまで、初心者レベルのものは1日あればできてしまうという人もいるくらい案外と簡単。もちろん上達するにはたくさんの練習が必要ですが、ひとつずつクリアしていく達成感を味わいながら成長を楽しめるというのもスケートボードの面白さと言えます。
年齢、性別関係なし!みんなが仲良くなれる
スケートパークへ行くと、さまざまな年齢の人たちがたくさんいます。初心者からプロレベルの人までが同じ空間でプレイできるというのはスケートボードならではと言えるでしょう。
スケートボードがなかなか上達できない、ルールがよく分からないといったときも仲間がすぐに教えてくれるなど、スケートボードというスポーツを通してたくさんの人とコミュニケーションが取れるようになることも魅力のひとつです。
オリンピックで活躍した注目選手を紹介
今後も注目の日本人選手たち
オリンピック新競技となったスケートボードで、日本人選手たちが大活躍を見せてくれました。平均年齢は17.4歳と他の競技と比べても圧倒的な若さということでも更に注目が集まりましたが、ここまでの道のりは決して簡単なものではなかったはずです。今後も目が離せない注目の選手たちを簡単に紹介していきます。
男子ストリート堀米雄斗選手
東京都出身の22歳で、スケートボードを始めるきっかけは父親の影響が大きく物心がついたときからスケートボードをして遊んでいました。そんな堀米選手は小学生で国内上位にランクインし、この頃からオリジナルの技を作っていたようです。
今回の東京オリンピックでは男子ストリート初代金メダリストに輝きました。完璧なトリックに、普段はおとなしい堀米選手も喜びを爆発させていたのが印象的です。
男子ストリート白井空良選手
今回のオリンピックではメダルを逃してしまいましたが最後まで笑顔が印象的だった白井選手。5歳でスケートボードと出会い、毎日練習の日々を過ごしていました。しかし2020年、左膝前十字靭帯断裂の大けがをして手術をします。
その後も諦めることなくリハビリを続け、2021年のスケートボード世界大会で3位という好成績を収めました。努力家な19歳の今後が楽しみです。
女子ストリート西矢椛(もみじ)選手
元々は家族でスノーボードを楽しんでいた西矢選手ですが、小学生の頃から本格的にスケートボードの競技をするようになり今回の東京オリンピックで日本人史上最年少の金メダリストに輝きました。東京オリンピックで注目選手として大きな期待をされていた西矢選手は2021年のスケートボード世界選手権で2位の成績を収めています。
女子パーク四十住さくら選手
小学6年生の頃から兄の影響でスケートボードを始め、最初は反対していた両親も「あきらめない、本気でやる、日本一になる」という条件のもと全力で四十住選手をサポートしました。朝から晩まで練習していた四十住選手は、いつもとても楽しんでスケートボードをしていたそうです。
その努力もあって数々の大会で優勝を果たし、今回の東京オリンピックのパーク競技で見事金メダルを獲得しました。
スケートボードのルールやマナーは守ろう
ルール違反が大きな問題
実際に日本ではスケートボードが自由に使える施設が少ないため、公園などでスケートボードをする若者のルール違反が問題となっています。公園の遊具が壊されたり、近隣からの苦情によってスケートボードが禁止となっている公園は全国にたくさん存在するのです。
今回のオリンピックをきっかけに有明アーバンパークの活用と、スケートパークが増えていくことで指定の場所のみの使用といったルール化も必要な課題となっています。
禁止の場所では滑らない
当然のことですがスケートボードが禁止されている場所で滑ることはやめましょう。しかしそうは言っても実際はルールを守れていないスケーターもいるのが現実です。多くの人が行き交う街中では当然危険ですし、スポーツをする上でルールは守るということを忘れてはいけません。
1人のマナーの悪さがスケートボード全体のマナーの悪さに繋がってしまうことを覚えておきましょう。
騒音トラブルで通報されるケースも
深夜まで騒いでいたり、住宅街をスケートボードで滑っていて通報されてしまったというケースも過去にはあります。アメリカンストリートの文化があるスケートボードはスポーツの中でもルールに縛られない自由なイメージがありますが、そういった自由なイメージがあるからこそ、それぞれがモラルを守っていくことが必要です。
マナーやルールを守ることによって多くのスケーターの活躍できる場所が作られることにも繋がっていきます。
スケートボードが気になる方はこちらをチェック!
スケートボードを始めたいけれど、どう選べばよいか分からないという方はこちらの記事をぜひ参考にしてみてください!スケートボードだけではなくヘルメット、手やひざをガードするプロテクターを揃えても30,000円前後で購入ができるので、まずは低価格で始めることができます。
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