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プロバンス風住宅ってどんな家?その意味と外観や内装などの特徴を解説!

フランス南東部プロバンス地方の住宅といえば、白い漆喰壁に明るい色の瓦屋根が特徴です。地中海の気候風土に適し、経年美を誇りとするリゾートの香り漂うプロバンス風住宅が、今大人気!住宅例を示しながら、外観および内装の特徴について詳しく解説してまいります。
更新: 2021年3月2日
森川 美月
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プロバンスとは

ブロバンスとは済んだ青空とまぶしい太陽の地中海に面した、フランス南東部ブロバンス地方のこと。ブドウやオリーブ、ラベンダーの産地として有名です。また、古代ローマの水道橋や円形闘技場、遺跡など、歴史的価値のある建造物が多く、観光名所になっています。

プロバンス風住宅ってどんな家?

本場プロバンスの街並み

プロバンス地方を旅した人たちは口をそろえて、「どこを撮影しても絵になる」といいます。建物は、おとぎの国へ迷い込んだかのようにメルヘンチック。プロバンスの家々の見た目の可愛さと、太陽の似合う明るい色彩は、日本人を魅了し続けています。

プロバンスの家の特徴

プロバンス風住宅にはポイントとなる特徴があるため、ひと目でそれと分かります。「なんとなく素敵」と感じるだけで終わらせず、具体的な特徴を知り、その魅力について考えてみましょう。

外観の特徴①明るい色の瓦屋根

半円形のスペイン瓦

スペインの住宅によく用いられている瓦です。赤茶や明るいオレンジなど暖色系のものが多いですが、経年美を表現した複雑なミックスカラーの瓦もあります。退色しにくい丈夫な瓦です。

プレート状のフランス瓦

フランスの瓦はスペイン製に比べ、アンティーク調の繊細な色合いのものが多く、住宅など建物に対して「古ければ古いほどよい」というフランス人の価値観が表れています。日本でも、いかにも新品ですといったピカピカの瓦より、このような独特の味わい深い風合いが人気です。

外観の特徴②明るい色の塗り壁

地中海に面したプロバンスでは、夏の降雨量が少なく、照りつける強い日射しが特徴的です。そのため、陽光をはね返す真っ白な漆喰壁の壁の家がよくみられ、風景画にも好んで描かれています。

外観の特徴③アイアン

アイアン製フラワーボックス出典: https://item.rakuten.co.jp/ex-gstyle/mn15sa-00148/

プロバンス風住宅によく見られるアイアン製フラワーボックス

ベランダの手すりや外壁の妻飾り、門扉に使われているアイアンが、外観上の大きな特徴です。家の中では、階段の手すりや棚受けなどにアイアンデザインが用いられています。

外観の特徴④タイル

テラコッタタイル

プロバンス地方の夏の暑さ対策の一つとして、テラコッタタイルは外構だけでなく、内装にも使われています。プロバンス現地では、リビングや寝室、浴室などにも使われているのです。

テラコッタタイルは土でできた素焼きのタイルで、吸水性にすぐれ、夏でもさらりとした手触り。色合いも自然な土の色が多く、ナチュラル志向の建材として日本でも大変注目されており、キッチンやサンルームに取り入れる方が増えています。

モザイクタイル

プロバンス風インテリアでは、「田舎風の素朴さ」がキーワードです。内装にモザイクタイルを取り入れることで、無機質なシステムキッチンやシステム洗面台とは逆の、手仕事の温もり感が素朴な暮らしを演出します。

モザイクタイルのデザインが似合う所はいろいろあります。例えば洗面所などの水回り、あるいはキッチンカウンターにちょっとした飾り棚を設けて、一面をモザイクタイルで彩るのもおすすめです。

特徴⑤石やレンガの外構

天然素材の石やレンガを使うことで、「田舎風」の雰囲気作りができます。そこにまぶしい白い漆喰壁の外観が加わるので、リゾートムードになるのです。

特徴⑥窓の鎧戸

プロバンスでは、住宅の窓にはたいてい鎧戸がつけられています。フランス南東部では、ミストラルと呼ばれる特有の強い北風が吹くことがあり、それを避けるためのものです。日本では「鎧戸風」、つまり開閉機能のない飾り扉であるケースもあります。

室内に設けられたアーチ型の窓です。プロバンス風デザインとして、雰囲気作りのために飾り扉が採用されています。窓も扉も、プロバンスらしいアーチ型です。

特徴⑦アーチ型の開口

玄関のアーチ型開口

玄関扉や開口部のアーチ型は、石を積んで家を作っていた時代の名残です。このようなアーチ型の形状は、プロバンス地方の礼拝堂や教会の回廊などにもみられます。

室内のアーチ型開口

リビングとダイニングを大きなアーチ型の開口部でゆるやかにつなげることで、プロバンスの雰囲気を出しながら開放感を保っています。ダイニングゾーンだけ、床にテラコッタタイルが使われているのがおしゃれです。

特徴⑧木製ドア

家の外観の、最も重要な顔といえるのが、玄関ドアです。日本の玄関ドアの多くは、断熱材やアルミ、防犯性の高い複層ガラスなどでできています。南仏の家の玄関ドアは、無垢の木材です。持ち手をアイアンにすると、さらに雰囲気が出ます。

プロバンス風住宅はなぜ人気があるの?

自然素材をふんだんに用いた、肩ひじ張らない田舎風の家、それが日本人の心を引き付けています。プロバンスの家は、日本で例えるなら藁ぶき屋根の古民家といった風情でしょうか。味わい深く、自然の中に溶け込む外観でありながら、使いこむほどに価値の上がる住宅なのです。

プロバンス風住宅の外観


地中海を見下ろすプロバンスの街並みには、外観にいくつかの共通した特徴があります。そのひとつひとつを詳しく解説してまいります。

屋根のデザイン

プロバンス住宅の屋根は、切妻屋根のゆるやかな勾配デザインです。屋根瓦は半円形で幾重にも重なり、豊かな表情を生みます。経年美を表現するため単色より複色、いわゆるアンティーク風に塗装されたものが多いです。

壁のデザイン

壁は、職人の手仕事の温もりが感じられる「塗り跡」の残る漆喰壁が定番です。壁面にわざと凹凸をつけ、そこについた汚れさえも味となるように仕上げます。ただ、予算の面から安くて強いサイディング壁を採用する傾向もみられます。その場合は、できるだけ漆喰壁に近いデザインのものを選ぶとよいでしょう。

窓のデザイン

カラフルな鎧戸

窓には寒風除けの鎧戸があり、パステルグリーンやブルーに塗装されているのがプロバンス風デザインです。鎧戸は無垢材を使用したもので、窓はアーチ型が多いです。

アイアン製のフラワーボックス

プロバンスの住人は、窓辺に花を飾り楽しみます。窓に設けられたアイアン製のフラワーボックスが特徴のひとつです。

ドアのデザイン

無垢材(風)

実際に無垢材であるかどうかはともかく、そのデザインを限りなく天然木風に近づけることが、プロバンスらしさをアピールするポイントになります。機能性を優先し、敢えて無垢材にこだわらず、無垢材「風」を選ぶのもひとつの方法です。

アイアン使い

玄関ドアの小さな窓にアイアンの格子をつけたり、ドアハンドルがアイアンのものを選ぶとプロバンス風になります。ドアそのものは、木目を感じさせるデザインがおすすめです。

プロバンス風住宅の内装

では、プロバンスの家の内装はどのようになっているのでしょうか?共通してみられる特徴について、見てまいります。

天井のデザイン

素朴な田舎家の雰囲気を出すために、リビングなどの天井の梁をむき出しにする内装が定番です。梁に使用する木材はできるだけ天然の、自然な形のものがナチュラルに仕上がります。

壁のデザイン

プロバンスでは、経年変化を愛でる文化がありますから、内装にもこだわりたい方は壁を石造りにするとよいです。もちろん本物の石である必要はなく、経済面からモルタル造形で「石風」壁を作るという方法もあります。

窓のデザイン

ステンドグラス

内側から見た時の窓をプロバンス風にコーディネートするには、ステンドグラスの採用がおすすめです。古いものを大切にする文化の中で、アンティークのステンドグラスは非常に重宝されています。

床のデザイン

明るい色の無垢材

無塗装で明るい、無垢のパイン材やメープル材が最適ですが、あまり白みが強いとモダンな印象になってしまいます。経年美を味わうためにも無垢材を選び、塗りなおしや削りなおしでメンテナンスをおこないながら、質感を楽しみましょう。

テラコッタタイル

明るい土の色のテラコッタタイルを床に使用すると、それだけで途端に南仏リゾートムードが漂います。テラコッタタイルは吸水性も高く、冬でもそれほど冷たくならないので、玄関や中庭、あるいは洗面所、キッチンなどの水回りへの使用がおすすめです。

建具のデザイン

特にドアの部分にアーチ型を用いると、それだけでプロバンス風になります。扉の材質は木目が分かる無垢材がよいです。ドアハンドルは、アイアン製のものを選びましょう。

よりナチュラルなインテリアがお好みの方には、明るいパイン材がおすすめです。床とドアを同じ素材にすることによって空間につながりが生まれ、木の呼吸が感じられる気持ちの良い部屋になります。

水回りのデザイン

陶器の洗面ボウルやブルー系のモザイクタイルが、プロバンスの明るい田舎家の雰囲気を出しています。水回りにはタイルや天然木をうまく組み合わせて、ナチュラルな雰囲気を出すとよいです。

ポストのデザイン

家の外観デザインには、細部までこだわりたいものです。玄関の支柱にフランス製の郵便ポストを配して、南仏の家をそのまま持ってきたかのようなシャビーシックな装いに。

プロバンス風住宅のインテリア:玄関

無垢材の建具とアーチ型のニッチ


シューズボックス上にアーチ型のくぼみを設け、間接照明を埋め込みニッチ風に演出しています。家の内装に使われている建具は、玄関ドアの木材と必ずしも一致させる必要はありません。玄関ドアは頑丈なオーク材を用い、室内はパイン材で統一するというハウスデザインも素敵です。

アーチ型開口とモザイクタイル

玄関を入ってすぐのシューズクロークへの通行口を、アーチ型にすると目を引きます。絵画を飾る代わりに、美しいモザイクタイルで玄関の壁を飾ると素敵です。

プロバンス風住宅のインテリア:キッチン

雑貨もプロバンス風に

キッチンにオープン収納があると、来客の目も気になります。調味料ボトルやドレッシング・ソースの類もすべて、おしゃれなものを選ぶか、見た目のおしゃれな容器に詰め替えて並べます。壁の塗り跡や木材の色むらを生かし、フランスの田舎のキッチンのように見せましょう。

照明やアイアン小物にこだわって

キッチンの時計やプランター、タオルバーやフックなどにアイアンを使い、プロバンス風インテリアに仕上げます。雑貨はかごやレトロな缶にいれるなどして、雰囲気を壊さないようにしましょう。

タイルカウンターとレンガ壁

プロバンス風住宅のキーアイテムでもあるタイルとレンガを、キッチンにもコーディネートしましょう。表面がつるつるのタイルではなく、あえてざらっとしたテラコッタタイルやレンガを用いることで、温かみのある田舎の雰囲気が出せます。

DIYでプロバンス風

DIYでプロバンス風キッチンにする場合は、キッチンツールバーなどの小物をアイアン製にします。そしてキッチンで大きな存在感を持つレンジフードを木目調にすることで、ガラリと雰囲気を変えましょう。

フレンチカントリースタイル

プロバンス風住宅のキッチンに似合うのは、爽やかで優しいイメージのフレンチカントリースタイルのコーディネート。ホワイトのタイルや陶器、ナチュラルな木の風合いの家具や雑貨でまとめます。

アーチ型開口カウンター

キッチンをプロバンス風にデザインするなら、カウンターの開口部をアーチ型にします。そこから見えるキッチンの風景が絵のように切り取られて、魅力的です。

プロバンス風住宅のインテリア:リビング

アーチ型の室内窓

玄関から、あるいは隣りの部屋から、リビングをのぞくアーチ型のオープン窓を設けるとドラマチックな演出ができます。家具はシンプルなものを選び、壁や建具に漆喰や無垢材を用いて、自然の中にいるような心地の良い空間に仕上げます。

無垢材の梁、床、建具

リビングには天然木の梁を設け、その材質を床や建具と統一します。ロウソク型のシャンデリアやガラスシェードの吊りランプをコーディネートし、家具に使うファブリックをモノトーンで統一すると洗練された印象に。

プロバンス風住宅のインテリア:寝室

青の壁とスペインタイル

床はテラコッタタイル、壁は一面だけ、地中海を想わせる鮮やかなブルーにペイントされ、アーチ型のくぼみはスペインタイル張り、天井には無垢材の梁…と、部屋全体がまさにプロバンス・リゾートムードの寝室です。

プロバンス風住宅のインテリア:階段

木とアイアンの手すり

プロバンス風住宅の特徴であるアイアンを使う場所として、階段の手すりがあります。リビングから見える位置に階段を配したり、吹き抜けの玄関から階段が見渡せるような間取りにすると凝った手すりのデザインが外観が際立ちます。

無垢材とレンガの階段

プロバンスの家の鍵となる素材、無垢材とレンガを階段に用いた例です。手すりと窓枠に木材を用い、手すりを支える金具をアイアンにしています。

プロバンス風住宅のインテリア:照明

ロウソク型ランプ

中世では照明としてシャンデリアに本物のロウソクを用い、火を灯して使っていました。現在では安全面からも、形だけ模したロウソク型のランプがおススメです。フレームの部分をアイアンか、アンティーク仕上げの真鍮製にするとお部屋と調和します。

ガラスシェードランプ

キッチンやトイレなど小さな空間には、ガラスシェードの小型ランプをコーディネート。繊細な彫刻の入ったガラスがアンティーク風で素敵です。プロバンス風住宅には、モダンで機械的なデザインの照明より、手仕事の温もりが感じられるデザインの方が似合います。

アイアン使いのシーリングライト

天井高が低かったり、シャンデリアはあまり好きでないという方は、天井にぴったりフィットするタイプのシーリングライトがよいでしょう。ホームセンターなどで安売りされているシンプルな円形のものではなく、縁取りにアイアンが使われているものを選び、家具や内装とコーディネートします。

プロバンス風住宅のインテリア:家具

シャビーシック

少し色あせた雰囲気の塗装や、かすれた感じの風合いを持つ家具がプロバンスの田舎には似合います。さびれた中にも格調高さを感じさせるのは、曲線を描く椅子の脚やテーブルに施された彫刻です。

カントリースタイル


無垢材や漆喰壁を内装に用いるプロバンス住宅には、家具もやはり無垢材や木目を生かしたカントリーテイストのものが調和します。家具を選ぶ際は、床や建具の色になるべく近いものを選ぶと失敗しません。

アンティークスタイル

「古いほど価値が上がる」という考え方のプロバンスの家においては、家具もやはり同じ考え方です。英国アンティーク家具など、年月を経てなお愛され続ける、手仕事の美を感じさせる家具をコーディネートすると、空間全体が引き締まります。

モダンスタイル

インテリアは、アンティークやカントリー一辺倒ではなく、ミックススタイルも素敵です。石壁のリビングにアンティークな雰囲気のオーク材のダイニングセットと、モダンな張り地のソファを合わせ、グレーやベージュトーンでまとめるとナチュラルシックな印象になります。

プロバンス風住宅のインテリア:雑貨

レトロテイスト

輸入雑貨をうまく取り入れて、キッチンやリビングをセンスアップさせましょう。プロバンスの家に似合うのは、レトロテイストのアメリカン雑貨やフランス雑貨です。

アンティークテイスト

家具だけでなく雑貨も、アンティークなものにこだわりましょう。本物のアンティークでなくても、落ち着いた風合いや古びたムードを感じさせる雑貨はあります。ミラーや時計、スタンドランプなどに取り入れるとよいです。

ナチュラルテイスト

豊かな自然に恵まれ、ガーデニングにも適したプロバンスの気候。ラベンダーやハーブを栽培したり、室内にインテリアグリーンを取り入れて、家具やお部屋をナチュラルテイストにコーディネートします。

プロバンス風住宅のインテリア:ファブリック

ボーダーや小紋柄を組み合わせた、爽やかなブルー、イエロー、グリーン系の生地が多くみられます。カーテンやテーブルクロス、クッションカバーなどにプロバンス柄を使って、地中海インテリアをコーディネートしましょう。

プロバンス風住宅のエクステリア

石のアプローチ

石材を外構に用いるとプロバンス風になります。門柱や塀を石造りにしたり、玄関へのアプローチをモザイク状の石にするとよいでしょう。

アイアンの門扉

門扉をアイアンにするだけで、中世のお城のような雰囲気になります。スペースが許すなら、大きい方がが迫力が出るのでおすすめです。

オリーブの木

オリーブの産地としても有名なプロバンス。庭のシンボルツリーをオリーブにしたり、鉢植えのオリーブを室内に取り入れましょう。

プロバンス風住宅ってどんな家?まとめ

プロバンスの家の外観の特徴は、明るい色の屋根瓦に真っ白な漆喰壁、アイアン製のフェンスや妻飾りです。外構にはレンガや石、内装には無垢材やテラコッタタイルなどの自然素材がふんだんに使われます。住まう人が温もりに包まれるプロバンス風住宅は、多くの人があこがれる夢の家です。

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