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北海道には梅雨がない?その理由や梅雨前線に影響されない蝦夷梅雨の特徴を解説!

北海道で梅雨が発生しない理由を端的にいうと、「梅雨前線」が北海道まで北上しないからといえます。しかし北海道には「蝦夷梅雨」と呼ばれる似たような現象もあるので、北海道に梅雨が全くないとはいい切れません。北海道と梅雨の不思議な関係や6月の気候についてご紹介します。
更新: 2021年4月24日
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目次

そもそも梅雨とは何?

Photo by june29

北海道の6月は、本州が梅雨で悩まされているなか、湿気が少なくて空気が乾燥しており、とてもすがすがしい気候です。緑が濃くなり夏の花も咲き始めるので「一年で最も過ごしやすい気候」という人も。

しかし梅雨に似たような「蝦夷梅雨」と呼ばれる現象もあります。本州はこれから憂鬱な梅雨の季節を迎えますが、梅雨の仕組みを知ることで、とことん梅雨の季節を楽しんでしまいましょう。(この記事は2021年4月23日時点の情報です)

梅雨が発生する原因

簡単に言うと梅雨は「春の後半から初夏にかけて雨や曇りの日が続く現象」で、その期間を指すこともあります。梅雨前線の発生場所は日本の南側、オホーツク海高気圧と太平洋高気圧の間とされているのです。

梅雨前線がなぜ発生するかというと、ヒマラヤ山脈で南北に分かれる「偏西風」に原因があり、その「蛇行する動き」が理由とされています。蛇行しながら日本に近づく偏西風はオホーツク海高気圧を発生させます。一方の太平洋高気圧の勢いが増えると梅雨前線も北上し、梅雨入りです。

偏西風とは?

偏西風とは、北半球と南半球の中緯度の地域の上空で、いつも強く吹いている西風のこと。蛇行しながら南北を移動し、地球を西から東に向けて一周するように吹いています。

日本付近では、低気圧や高気圧が西から東へ移動するため、西から東に向けて天気や気候が変化するのです。この偏西風が日本に近づいて、梅雨前線の原因となるオホーツク海高気圧を生み出しています。

北海道になぜか梅雨がない理由

出典:ライター撮影

気象現象はまだ解明されていないことが多く、実は北海道に梅雨前線が近づかない理由もはっきり解明されていません。梅雨自体の現象がわからない点が多いため、「蝦夷梅雨」という言葉はあっても、梅雨は北海道にはないといわれているのです。

オホーツク海高気圧と太平洋高気圧の間で生まれた梅雨前線は、ほとんどが北海道付近まで北上することなく、本州で消滅してしまいます。これが「梅雨明け」と呼ばれる現象で、このあと本州は本格的な夏に向かうのです。


梅雨の語源は諸説ある

梅雨の語源の説は、梅の実が熟す時期が理由という説や、カビが生えやすい湿気が多い気候の「黴雨(ばいう)」が転じた説などいろいろあります。雨が「毎」日のように降ることから「梅」という字が付けられたという説も。つまり梅雨の語源は、はっきりしていないのです。

俳句の季語では梅雨入りのことを「入梅」といいますが、梅の実が熟す時期ということは梅製品を作る時期でもあります。梅雨のさなか、梅干しや梅酒づくりに精を出してみてはいかがでしょうか。

梅雨がない6月の北海道の気候

出典:ライター撮影

本州では梅雨入りする6月、北海道はアウトドアに最適な気候を迎えます。札幌の6月の平均日照時間は6時間ほどで、平均気温は約17℃です。東京は湿気が多いですが、札幌は空気中に含まれる水分量が少ないため、とても快適に過ごせるのです。

しかし北海道の気候は日中と夜間の寒暖差が激しいという特徴があります。札幌の6月の日中はシャツなどで過ごせることも多いのですが、冷え込む夜間は上着が必要になります。北海道に行く際は、この点に注意しなければいけません。

「蝦夷梅雨」とは梅雨に似た現象

北海道に梅雨はないといわれていますが、似たような現象で「蝦夷梅雨」というものがあります。蝦夷梅雨とは雨の量が多くなったり湿度が高くなったりして、ジメジメした状態になることを指しています。

しかし本州のように長くは続かず、1週間から2週間ほどのため、本州ほどの大きなストレスはかかりません。蝦夷梅雨は本州の梅雨前線の影響を間接的に受けている現象です。オホーツク海高気圧からの気流が北海道に流れ込むことで、天候が不安定になってしまうのです。

北海道内でも気候は異なる

出典:ライター撮影

日本国内の気候は沖縄や九州と北海道で異なるように、北海道内でも気候が変わります。函館などの北海道南部の6月は、一日をとおして大体過ごしやすいですが、北海道東部の釧路や根室では真夏でも10℃台半ばの寒い日が続きます。

特に釧路は海からの霧が発生しやすく、飛行機が度々欠航になるほどに日照不足に悩まされています。観光地の釧路湿原や摩周湖で晴れている日があれば、とても珍しいので幸運といえるでしょう。


近年の気候は温度上昇が続いている

梅雨で過ごしにくい気候の本州に比べて、北海道の6月は非常に過ごしやすいというのが定説でしたが、ここ数年は6月でも30℃近くになる日があります。

2020年6月の気温は、1日が29.1℃、10日は27.5℃まで上昇し、1か月のうち真夏日が7日もありました。それでも空気中に含まれる水分が少ないため、本州に比べるとカラッとした過ごしやすい気候といえるでしょう。

「リラ冷え」とは北海道特有の気候

出典:ライター撮影

「リラ冷え」とは、リラ(ライラック)が咲く、北海道の5月下旬から6月上旬の気候のことを指しています。いわば本州の「花冷え」に当たります。北海道ではオホーツク海高気圧から流れ込んだ冷たい空気により、20℃台だった気温が10℃台に下がってしまうのです。

過去には1ヶ月の中で20℃もの差が出た日もあり、この時期に北海道を訪問するときは一枚上着を多くするなど服装に気を付けなければいけません。リラ冷えは、北海道の夏の訪れを告げる風物詩ともいえます。

「リラ冷え」は俳句の季語

「リラ冷え」という素敵な言葉を編み出したのは、「リラ冷えや十字架の墓ひとところ」などの作品がある、俳人の榛谷美枝子さんとされています。全国的に有名になった理由は、渡辺淳一のセンセーショナルな小説『リラ冷えの街』によってです。

耐寒性の強いヨーロッパ原産の「リラ」は札幌のシンボルツリーになっており、大通公園以外にも各地で植えられています。5月中旬から下旬にかけて、紫色の小花をつけた花の香りで満たされる大通公園は、輝きを増します。

梅雨明けと梅雨入りはいつ?

出典:ライター撮影

「梅雨入り」は、一般的に5月下旬から6月上旬とされています。偏西風が日本の南側で発生させた梅雨前線は北上し、日本に近づくといよいよ梅雨入りとなります。「梅雨明け」の時期は、一般的に6月下旬から7月上旬です。本州に到来した梅雨前線の勢いが弱まって消滅すると、梅雨明けとなります。

気象庁では、生活にさまざまな影響を与える梅雨入りと梅雨明けに関する速報を発信しています。この時期に天候に左右されるイベントの計画があれば、チェックしておきましょう。


梅雨入りは南と北で1か月の差がある

一般的な梅雨入りの時期は6月上旬とされていますが、沖縄と東北では1か月以上の差があります。気象庁の2020年の記録では、沖縄の梅雨入りは5月11日ころで、東北は6月14日ころでした。梅雨明けは、沖縄が6月12日ころで東北は8月2日ころとなっています。

全国各地へ出かける場合は、この梅雨入りと梅雨明けがいつかということを確認してから、旅行の計画を組み立てるとよいでしょう。

梅雨がない北海道にも「蝦夷梅雨」はある

出典:ライター撮影

北海道には本州のように1か月も続く梅雨はありませんが、6月中旬ころに1週間から2週間ほどの「蝦夷梅雨」と呼ばれる現象があります。蝦夷梅雨は梅雨前線の直接的な影響を受けたものではありませんが、偏西風が発生させたオホーツク海高気圧の影響による現象です。

湿気が少なくてカラッとした、快晴続きの気候を北海道で楽しみたいならば、本州に梅雨前線があるときの旅行は避けたほうが無難といえるでしょう。例年の気候をチェックして北海道旅行をお楽しみくださいね。

梅雨の時期の過ごし方が気になる人はチェック!

梅雨でも楽しく過ごせる工夫をして、悩ましい梅雨の時期を乗り越えましょう!室内では梅干しや梅酒づくりの他に、素敵な壁面制作や折り紙づくりも楽しいですよ。屋外で楽しむならば、梅雨の時期に美しいアジサイを観に出かけましょう!