ナマケモノをペットにしたい!
ゆったり・のそのそと動くナマケモノをテレビや動物園で見たことがあるのではないでしょうか?何があってもペースを変えないナマケモノは私たちが想像もつかない生存戦略で生き残ってきた動物です。性格も穏やかで人になつくナマケモノをペットにしたいという人気が密かに出てきています。
ペットショップでの値段や寿命を解説!
ナマケモノはなかなかペットショップで売られていることはありませんので、「一体いくらくらいするんだろう?」と個体の値段が気になりませんか?ナマケモノがペットショップで取引されている値段の相場と寿命を野生環境・飼育環境と分けて解説します。
ナマケモノの飼い方と注意点を知ろう!
穏やかな性格で人にもなつくナマケモノですが、飼い方を理解していなければ十分な餌を与えても餓死してしまうおそれがあります。ナマケモノの飼い方と注意点を解説しますので、十分理解して自分でもペットにできる環境を整えられるかよく検討してみてください。
ナマケモノについて知ろう
ナマケモノは哺乳類網異節上目有毛目ナマケモノ亜目に分類されている動物の総称です。体長は約40〜75センチ程度、前足の指に鋭く発達した鉤爪を持っています。南アメリカから中央アメリカの熱帯林に分布しており、生まれてから死ぬまでのほとんどを樹上で生活します。
捕食者に見つかると簡単に捕らえられてしまうため、木に張り付いて眠り、擬態して見つからないように生息しています。単独で生息し、生きるのに必要最低限の餌・行動で済むように進化してきた動物です。
ナマケモノの種類
ナマケモノにはいくつかの科が存在し、すでに絶滅している系統もあります。ペットとして飼育されることのあるナマケモノの種類を2つに分けて解説しますので、まずはチェックしておきましょう。
種類1:フタユビナマケモノ
フタユビナマケモノはブラジル北部やコロンビアなどの密林に生息している種類です。名前のとおり前足の指が2本あることが特徴となります。フタユビナマケモノの見分け方は指の数と尻尾がないことです。日本で飼育されているナマケモノのほとんどがこちらの種類となります。
種類2:ミツユビナマケモノ
ミツユビナマケモノはベネズエラやブラジルの一部に生息している種類です。こちらも名前のとおり指が3本あることが特徴となりますが、フタユビナマケモノとは体の構造が異なり、尻尾があることや頸椎の数が多く、首の可動域が広く周囲を見渡す力が優れています。
フタユビナマケモノよりも性格は大人しく、行動範囲も狭いと言われている種類です。
ナマケモノはなぜ生き残れた?
ナマケモノは動きが遅く、どうして生き残れたのか気になる動物ではありませんか?ナマケモノは前述したように捕食者に見つかると逃げることができず、簡単に捕食されてしまいます。
生き残るために敵が少ない樹上で見つからないように擬態し、餌の量が少なくても生存できるように体の機能を働かすためのエネルギー消費が最小で済むようにゆっくり動きます。
他にも体温調節や基礎代謝を低く抑えることで自然のニッチにはまり、生き残る道を選択した動物です。
ナマケモノの性格
ナマケモノは非社会性の動物で群れを作りませんが、先ほど解説したように生きるためのエネルギーを最小に抑えて生きています。そのため争いごとを好まない性格となり、他の動物や同種間でも無用な争いを起こしません。
捕食者に捕まっても抵抗せず、最後は力を抜くと言われるほどですので、ジャングル界における仏のような存在です。
ペットとして人になつく?
ナマケモノは1日のうち20時間は樹上で眠っているためなつく動物なのか気になります。基本的な性格として争いを好まず、他の動物と比べるとおっとりしていると言われていますので、人や同居ペットにもなつくことがある動物です。
ナマケモノの鳴き声
自然環境下でのナマケモノはジャングルに響き渡るほどの鳴き声だと言われています。飼育下での鳴き声は犬や猫と同じ程度の大きさと考えて大丈夫です。鳴く頻度もそう多くはありませんので騒音だと思われる心配は少ないでしょう。
ナマケモノは獣臭い?
ナマケモノは臭いが少ない動物です。それは生存環境によるもので体臭が強いと簡単に捕食者に見つけられてしまいます。トイレに関しても木の下でしかしない習性がありますし、頻度も少ないため臭いに関する心配も少ない動物です。
ペットショップにいる?寿命は?
ペットとしての値段・価格相場
ペットショップでもほとんど見かけることのないナマケモノは値段が希少性に伴って高価になる傾向があります。
エキゾチックペットを取り扱っているペットショップや、ネットから見つけられるペットショップごとに値段は異なりますが、70万円から95万円がナマケモノの相場となります。ペットショップでよく見かける動物と比較すると高額な初期費用が必要です。
販売ルートも確認
ナマケモノをはじめとする珍しい動物はきちんとした流通経路を通って販売されているのかをよく確認してください。違法な取引で売れると需要が高まり、次の違法取引を引き起こし続けます。
ペットショップにどのような流れで流通したのか、またペットショップ自体が動物を丁寧に管理しているかを併せて確認しましょう。
ナマケモノの寿命
ナマケモノは自然界の動物としては長い寿命を持っています。しかし捕食者に見つかることと死が隣り合わせの珍しい動物です。
また餌を十分に食べていても消化するのに時間が掛かり、エネルギーに変換されるまでに餓死してしまうと言うこともあります。ここでは自然環境下での寿命と、飼育環境下の寿命に分けて解説します。
野生環境での寿命
ナマケモノの野生環境下での寿命は、平均して20年ほどと言われています。前述したように捕食者に見つかる=死という生態ですので、寿命を全うできる個体はそう多くありません。
長く生きるほど体毛に苔が生えて擬態がより高度になることと関連して、長生きする個体と短命の個体に分かれているかもしれません。
飼育環境での寿命
ナマケモノの飼育に適した環境を整えた場合の寿命は概ね30年程度と言われています。ナマケモノは餌の質や量はこだわりませんが、餌を消化吸収するために適切な温度を保ち続けなければ餌を食べても餓死します。また、水も餌に含まれる水分で足りますので、水分が多い野菜は避けなければいけません。
ナマケモノの飼育環境
ナマケモノは究極まで生存するための機能を削ぎ落として生き残ってきました。多くのペットは餌やストレスのない環境を考えますが、ナマケモノは体の機能を維持するために適切な気温と湿度を生息していた場所に合わせることから始めなければなりません。ここでは飼育に適した環境を解説します。
温度・湿度
ナマケモノを飼育するのに最も気を遣わなければいけないのが気温と湿度です。熱帯林の樹上で暮らしているため、熱帯林のような温度と湿度を保ち続けなければ命を失います。温度・湿度の目安はそれぞれ30度・70%を維持し続ける必要があるので、ナマケモノ飼育用のスペースを作らなければいけません。
飼育場所
ナマケモノは木の上で一生のほとんどを過ごします。とまり木になる柱や木の幹を加工したものを用意して飼育場所を作りましょう。犬や猫と違って地べたでは飼育できません。必ずとまり木を用意してあげてください。
注意ポイント
飼育環境が不適切だとナマケモノはエネルギーを作り出すことができずに餓死します。温度・湿度が低ければ食べ物を消化してエネルギーに変換されるのが間に合わず、気づいたときには死んでしまいます。
逆に言うと環境さえ整備できれば人になつく、餌の手間が掛からない、トイレ掃除も少ないと飼育しやすいペットと言えるでしょう。
飼育環境の作り方1:サンルーム
ナマケモノは私たちが苦手な蒸し暑い環境でなければ生きていけません。そのため、ナマケモノを飼育する場合は私たちが蒸し暑いのに慣れるか、ナマケモノが暮らしやすい場所を作るかのいずれかを選択しなければなりません。ここでは飼育環境おすすめの作り方を紹介します。
一戸建てで庭がある方がナマケモノの飼育場所を作るにはサンルームをおすすめします。日当たりのよい場所にサンルームを建てて、そこへエアコン・加湿器を使い1年中熱帯林のような状況を作るとよいでしょう。
熱帯に向いた観葉植物を一緒に育ててみてもいいかもしれません。冬は寒くなりやすいので、断熱シート代わりに厚手のシェードを利用して温度の維持に努めましょう。
飼育環境の作り方2:専用部屋
庭はないけど部屋なら用意できる。と言う方はナマケモノのために温度・湿度を一定に保つ専用部屋を用意してあげましょう。部屋にエアコン・加湿器を設置し、とまり木を立ててあげれば大丈夫です。いずれにしてもナマケモノは環境が整えられなければ飼育できません。
ナマケモノの飼育方法
ナマケモノの適切な飼育環境を理解したところで飼い方に関することを必要なものや餌、よくなつくようなコミュニケーションの取り方に分けてそれぞれ解説します。併せてペットとして飼育する上での注意点も押さえておきましょう。
飼い方1:必要なもの
ナマケモノの飼育に必要なものは、基本的な生活場所になるとまり木をまずは準備しましょう。室内に立てるときは根元を固定しておくことと、荷重が掛かっても倒れないように天井接地面にもアジャスターを入れておきましょう。
次に欠かせないのは加湿器とエアコンです。適切な環境を保ってあげってください。トイレは猫が使用するものに猫砂を入れてとまり木の根元部分に置いてあげましょう。
飼い方2:ナマケモノの餌
ナマケモノの餌は私たちと同じものを与えても大丈夫です。なによりも1日の目安量は8〜10グラムの間となりますのでほとんど餌代がかかりません。
小松菜・人参・バナナなどの野菜、果物を毎日欠かさず少量ずつ与えてください。水は餌から取れる水分で足りますので、水入れを用意する必要はありません。
餌にしてはいけないもの
雑食と言ってもナマケモノに与えてはいけないものもあります。それはネギ類や水分量の多い野菜です。体調を壊してしまうおそれがあるため注意しましょう。
餌に掛かる値段・コストは安い
初期費用やナマケモノ生体の値段は非常に高くつきますが、飼育に関する餌代やトイレ費用はほとんど掛かりません。しかし環境維持のために使用するエアコン・加湿器の電気代は生涯続けて掛かる費用と覚えておいてください。
飼い方3:なつく?コミュニケーション方法
ナマケモノは争いを嫌う性格で人になつく動物と解説してきました。しかしペットはなつく以前に環境の変化に弱い傾向にあります。飼い始めた当初はあまり刺激しないように、そっと見守るようにしてあげてください。
様子を見ながら餌をあげたりスキンシップをしてみたりと、徐々に慣らしていきましょう。
コミュニケーション1:抱っこ
犬や猫であればおもちゃで遊んだり散歩に出掛けたりというコミュニケーションが取れますが、ナマケモノは1日のほとんどを眠って過ごすためそのようなコミュニケーションは取れません。
おすすめなのは抱っこしてあげることです。ナマケモノは赤ちゃんの頃、お母さんにしがみつく習性があるので、意外とすぐに受け入れてくれる傾向にあります。
コミュニケーション2:同じ部屋にいる
また抱っこが難しいナマケモノでも、ただ同じ部屋にいることも十分コミュニケーションになります。こちらの存在をまずは知らせることから始めてみてもいいかもしれません。こちらの気持ちばかりを押し付けないように注意しましょう。
飼い方4:注意点
ナマケモノはペットとして普及している種類の動物ではありません。それだけ飼育方法が確立していないため、未知数のことが多くなります。日頃から情報収集に努めて最新の飼育事情を日々更新していきましょう。
注意点1:動物病院
飼育を始める前にナマケモノに異変があったときに受診を受け付けてくれる動物病院があるか調べておきましょう。飛び込みで訪問しても断られる可能性がありますので注意が必要です。ナマケモノを購入したペットショップに紹介してもらうのが1番間違いありませんので、覚えておいておきましょう。
注意点2:構い過ぎない
人になつきやすい種類の動物と言っても、過度に構いすぎるとストレスになります。ナマケモノは単独で生きる習性がありますので、触りすぎたり刺激しすぎたりするのは避けるようにして適度な距離感を保ってあげるようにしてあげてください。
まとめ
ナマケモノはペットショップであまり見かけない種類の動物となっており、値段は希少性が高いため、高額なペットです。“ナマケモノ”という名前のとおり1日のほとんどを木の上で眠って過ごしますので、飼育に関する餌やトイレなどの世話は他の動物に比べると少なく飼いやすいと言えます。
しかし飼育環境を生息していた熱帯に近い状態に近づけなければ、餌を満足に与えても消化するカロリーを作り出せず餓死するので注意が必要です。環境を整えれば寿命は30年ほどと長く、ストレスを与えないような飼い方をすれば温厚な性格で人になつく動物です。ナマケモノのことを理解して、家族の一員として迎えましょう。
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