キツネはペットにできる?
愛くるしい表情やモフモフとした毛が特徴的なキツネを、ペットに迎えたい人が近年、増加傾向にあります。
実際に海外では、キツネを犬や猫と同じようにペットとして飼育している人もいたり、ペットショップでもキツネを取り合うショップがあったりもして、身近にキツネをいる環境が整われつつあります。
しかし、キツネをペットにすると言っても犬や猫とは違う動物のため、どのように飼えばいいのか、どこで購入できるのかなど、分からない人が多いことでしょう。この記事では、キツネをペットにするための方法や疑問を徹底解説していきます。
キツネの生態や特徴とは?
キツネはネコ目イヌ科に属していますが、猫や犬のように人と生活ができるような性格ではないので、キツネはペットには向いていない動物と言えます。
キツネは、団体行動ではなく単独行動を好み、一生を決まったパートナーを過ごし、家庭を築いたら家族で生活をする人間らしい動物です。
犬にように上下関係がないので、しつけや芸を覚えさせるのは出来ず、動物を飼うというより1人の人間が家族に加わるというような感覚でキツネをペットに迎えるのが良いでしょう。キツネを飼う前にまずは、キツネ本来の生態や特徴について知っておく必要があります。
キツネの生態や特徴
①:性格
②:寿命
野生のキツネは、臆病な一方、好奇心旺盛な性格をしています。初めての場所や人が近くにいるような場所には近づかない臆病さがあり、用心深く周囲を確認してから行動をします。
また、好奇心旺盛な性格も持ち合わせています。初めて見るものや、人の持っているものなどにも興味を持ちます。キツネは、猫っぽさと犬っぽさの性格を持ち合わせているのです。
野生のキツネの寿命は約10年ですが、野生のキツネは事故にあったり、天敵に襲われたりするため、寿命を迎える個体は少ないです。そのため、野生では10年以下となってしまうのです。しかし、飼育環境の整った状況であれば、10年以上も長生きできます。飼育下でのキツネの寿命は10年から15年とされています。
③:餌
キツネは雑食の動物で野生では小動物、爬虫類、昆虫類などから木の実や果物、野菜まで幅広い物を食べています。特に人間の生活圏は野生のキツネにとっては最高の餌場となるため、楽に餌を手に入れられるので、人間の近くに巣を作る場合もあります。野生のキツネは餌を求めて1日中動き回っています。
キツネをペットにするには?
ペットショップ
珍しいカエルやヘビなどの変わった動物が販売されているエキゾチックペットショップにキツネが販売されています。
珍しい動物を扱うペットショップでは、珍しい動物に関する流通に詳しいため、エキゾチックペットショップに販売されていなくても交渉すれば力になってくれることでしょう。また、知識も豊富なため、心配なことがあった時の相談もできるので購入後も安心です。
ブリーダー
キツネはペットとしてあまり流通していません。そのため、日本ではブリーダーは少なく、購入は難しい状況です。しかし、フェネックは専門のブリーダーがあるので、交渉してみると良いでしょう。
出産の時期の春にはベビーの販売が行われるので、小さい頃から人と過ごすことでフェネックでも飼いやすく信頼関係も築きやすくなります。
また、ブリーダーの中でもキツネの質や性別、一度に生まれたベビーの数によっても値段が変わります。質の良いブリーダーから気に入った子を家族にむかえましょう。
キツネの値段
キツネの値段はおおよそ60万から100万円ほどで販売されています。ペットショップでは90万~100万円ほど、ブリーダーでは60万~90万円ほどの値段で販売されています。エキゾチックアニマルであるキツネは高額販売されている場合が多いく、ペットショップでもブリーダーでも高い値段で販売されていることを覚えておきましょう。
キツネを飼うための条件
キツネはエキゾチックアニマルですが、特に必要な書類や条件は必要ありません。ただ、犬や猫のように飼いやすい性格ではないので、キツネを飼ってみて想像とは違い手放してしまうことは許されません。一時の感情でキツネを飼うと決意しないで、よく検討し寿命を迎えるまで面倒見るのがキツネを飼うための最大の条件です。
ペットにできるキツネの種類とは?
キツネのペットと言えば「フェネック」というほど、メジャーで近年では日本でも飼育している人がいたり、取り扱いが多い動物となっています。
しかし、ペットにできるキツネの種類はフェネックだけではありません。日本にも生息しているアカギツネや色違いのギンキツネなどキツネの種類は豊富です。
ここでは、ペットにできるキツネの種類や、それぞれのキツネの性格、飼い方や購入方法、値段など気になる情報について紹介しています。是非、キツネをペットに迎えたいと考えている人は、キツネの種類や性格、飼い方、値段などを参考にしてみて下さい。
ペットにできるキツネの種類①:フェネック
フェネックの性格
非常に人気の高い種類です。性格は臆病で警戒心が強く、神経質などの特徴があり、ペット向きではありませんが、人と生活をともにしているような個体であれば、人になついたり犬のように感情表現をしたりする場合もあります。
ただ、臆病な性格も持ち合わせているのでいきなり触ったり、驚かせるようなことをすると噛みつかれることもあるので要注意です。
フェネックの飼い方
フェネックは臆病なので、外からの大きな音に過剰反応する場合があり、防音対策や隠れ家を作ってあげることが大切になります。また、アフリカの砂漠地帯出身の動物なので日本の暑さや寒さに弱いので、温度や湿度の管理には注意が必要です。
さらにフェネックの排泄部は臭いが強いので、気づいたらトイレを交換したり消臭剤を活用するなどして臭い対策を行いましょう。餌は1日2回キャットフードやドックフードを主として与え、バランス良く野菜や果物を与えると良いでしょう。
フェネックの販売場所と値段
エキゾチックアニマルペットショップでもブリーダーでも購入できます。ペットショップでの値段は約100万円、ブリーダーでの値段は60万から80万円ほどの値段で販売されています。また、無償もしくは有料で里親募集をしているケースも多いのでペットショップと専門のブリーダーの他にもチェックしてみると良いでしょう。
ペットにできるキツネの種類②:アカギツネ
アカギツネの性格
アカギツネは北半球に生息する一般的なキツネで、日本にも生息しています。北海道では、野生のアカギツネが多く生息しているので野生のアカギツネを見る機会も多いです。アカキツネは人懐っこい性格をしていますが、キツネ本来の臆病さや好奇心旺盛な性格も持っています。海外ではアカギツネをペットとしている人も多くいます。
アカギツネの飼い方
フェネックと同様に隠れ場所を作り、温度や湿度管理に注意が必要です。また、好奇心旺盛でもあるので慣れた環境であれば色々な物に触れ、走り回ったりするので、運動できる場所を設けたり家の中ではゲージに入れるなどをしましょう。
アカギツネも排泄物が臭いため、こまめにトイレを変える必要もあります。アカギツネも栄養バランスの取れたドックフードやキャットフードに肉や野菜、果物などを時々与えてあげると良いでしょう。
アカギツネの販売場所と値段
日本ではアカギツネを取り扱っているペットショップやブリーダーはなかなか見つかりません。エキゾチックペットショップに交渉するか、海外のブリーダーやペットショップから輸入するかが一番確実な方法でしょう。アカギツネの値段は販売場所によって違うため問い合わせてみて下さい。
ペットにできるキツネの種類④:ギンギツネ
ギンギツネの性格
ギンギツネはアカギツネの毛が黒い種類のことを言いますが、飼いならされた種でもあります。アカギツネは野生っぽさが残っている種類ですが、ギンギツネはなつきやすく、犬っぽい性格を持っています。主にロシアではペットとして飼われていることも少なくありません。
ギンギツネの飼い方
アカギツネの飼い方と同様で寒い地域に生息しているため日本の夏の暑さに弱く、夏は温度や湿度の管理には気を付けましょう。
飼いならされたギンギツネは臭いが弱い特徴があります。排泄物の臭いは臭いので気が付いたらトイレは変えるようにしましょう。臭いままにしておくと環境が酷くなってしまうので、臭い対策、トイレ掃除はこまめにして下さい。
ギンギツネの販売場所と値段
ロシアのブリーダーやペットショップに交渉するのが一番良いでしょう。個人では海外のショップやブリーダーと交渉しにくいというのであれば、エキゾチックペットショップで交渉を手伝ってもらったりするのも1つの手です。値段は少なくとも100万円はかかると考えておくと良いでしょう。
ペットにできるキツネの種類⑤:ナレキツネ
ナレギツネの性格
ギンギツネを改良して犬っぽくしたのが「ナレギツネ」です。一般的な野生のキツネよりも顔が丸く、耳も短かったりと顔つきが優しく犬っぽい見た目をしています。性格も犬っぽいので、人に甘えたりもします。また、キツネには見られない集団行動もできます。改良を重ねたナレギツネであれば、比較的飼いやすい種類と言えるでしょう。
ナレギツネの飼い方
飼い方は他のキツネと同じです。餌も栄養バランスの取れたドックフードを主体をして与える他、鹿肉や鶏肉などの肉類や新鮮な野菜や果物を与えることでキツネの肉食性や雑食性を満せます。ナレギツネはロシアで改良されたキツネのため、野生のキツネ独特の臭いやトイレの臭いは軽減されているので飼いやすいです。
ナレギツネの販売場所と値段
ナレキツネは主にロシアで取り扱われているので、ロシアのショップやブリーダーに直接、問い合わせ見ると良いでしょう。ナレキツネが気になる人はメールで問い合わせるのがおすすめです。また、ナレギツネの値段はロシアのブリーダーやエキゾチックペットショップとの交渉によって変わります。
キツネをペットにするために必要なもの
犬や猫を飼う時に事前に準備をしておくように、キツネをペットに迎えるなら事前に準備しておかなればいけないものが、いくつかあります。
動物を飼うなら、まずは動物が安心して生活できるような環境づくりが大切になります。キツネの性格上、臆病で好奇心旺盛なので安心できない場所でないと自分で落ち着ける環境を探し、生活してほしい場所とは違う場所で生活を始めてしまう場合があります。
そのため、キツネの飼い方やキツネをペットに迎える上で必要なものを事前にしっかりを揃え、キツネが安心して生活できる環境を作っていきましょう。
ゲージ
犬と同じで家の中を動き回られると困るという場合にはゲージが必要になります。ゲージのはある程度、動き回れるような広さのあるものを選ぶと良いでしょう。ペットにするキツネの大きさを良く把握してゲージのサイズを選んでください。
基本的にキツネはよく動く動物なので犬以上に運動が必要です。可能であれば家の中でも動き回れるスペースで放し飼いをし、寝床や隠れ場所などを確保できれば一番良いです。
トイレ
キツネはトイレをほとんど覚えません。放し飼いにするとそこら中にトイレをします。キツネの排泄物は非常に臭いのでトイレをしたらすぐにトイレを掃除をしなければいけません。
放し飼いにする場合は、どこでもトイレをしていいと決めてしまいましょう。ケージの中でのトイレはシートではなく、下に排泄物が落ちる構造のトイレすると掃除が楽で臭いも軽減されます。
餌と飲み水
キツネの餌は基本的にバランスの取れたドックフードかキャットフードで賄えます。時々、お肉や季節の野菜や果物なども餌として与えると良いでしょう。1度に餌を与えるのではなく複数回にわけて与えるの良いとされています。飲み水は水道水で問題ありませんが、清潔面を考えて1日に1回か2回は新しい水に変えましょう。
キツネをペットにする上での注意点
キツネは本来は野生で生きており、狩りをしたり食べ物を探して1日中動き回るような生活を送っている動物です。
もともと、犬もオオカミから改良されて今の形になっていますが、キツネはまだまだ野性味のある動物なので、ペットにはあまり向いていない動物と言えます。そんな野性味のあるキツネをペットに迎えるなら気をつけなければいけない点を知らなければなりません。
キツネのことを良く知り、安全にペットとして迎えられるよう飼い方だけなく病気や鳴き声など近隣に迷惑をかけてしまうかもしれない注意点も把握して、しっかりと対策をしておきましょう。
夜によく鳴く
キツネは高い声で鳴くため、女性が叫んでいると勘違いされる場合もあります。キツネの鳴き声は甲高く、よく響くので騒音対策をしておきましょう。また、キツネは夜に活動的になることもあるので動きまわったり、夜の鳴き声対策をしっかりと行いましょう。
小動物と一緒に飼わない
野生のキツネは小動物を狩り餌として食べる習性があります。ペットとして改良されたキツネでも狩猟本能はあり、小動物を見ると追いかけたり狩りをしたりします。そのため、キツネと小動物を一緒に飼うと獲物にされてしまう場合があるので、一緒に飼わないようにしましょう。
病院を探しておく
キツネは一般的な動物病院では見てもらえない可能性があります。そのため、キツネでも見てくれるエキゾチックアニマルを取り扱う病院を探しておきましょう。万が一、エキノコックスや狂犬病などの感染病になった場合に対応してくれないと人にまで感染が広がってしまう恐れがあるため、必ず病院の確保はしておいてください。
キツネはペット向きではないけど飼える!
キツネは人に甘えたり、なついたりするような動物ではないため、犬や猫が好きな人からすると想像とは違う性格だったり、思い描いていた生活とは違う路感じてしまうこともあることでしょう。
しかし、キツネはキツネの性格があり、キツネだけの魅力をもっています。犬や猫のように可愛いからと言ってペットに迎えるのではなく、キツネの性格や生態、特徴など正しい知識を持つことが大切です。
それでもキツネをペットにするなら、小さい頃からたっぷりと愛情を注ぎ、キツネが安心して生活できる環境で一生大切にしてあげてください。是非、キツネとのハッピーライフを送りましょう。
珍しいペットの飼い方が気になる方はこちら!
海外では、キツネもペットになりつつある動物です。どんな動物でも小さい頃から愛情は注いで育てれば、良好な信頼関係を築いていけます。他にも珍しい動物をペットにしたい人は、以下の記事もおすすめです。
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