覚えておきたいロープワーク
ロープワークはテントやタープの設置でも活躍
キャンプやアウトドアでテントやタープを設置する時、一般的にはロープや紐で固定します。ロープを使わない自立型のテントなどもありますが、これからキャンプを始めたい方や、アウトドアに興味のある方には基本のロープワークを覚えておくことがおすすめです。
テントなどを固定するロープワークは、「ひと結び」やひと結びを2回続けて作る「ふた結び」などの止める結び方が基本となります。更にストッパーがなくても自由に長さを調整できる「自在結び」と、いくつかの種類の結び方を覚えることでさまざまな状況にも対応できるようになります。
自在結びはよく使うロープワーク
ロープの結び方は、一端を止めて固定する結び方だけでも「ひと結び」「ふた結び」以外に「ねじ結び」や「巻き結び」などのたくさんの結び方があり数えきれないほどです。
ただ、キャンプやアウトドアシーンではたくさんの結び方の中から、止める結び方と、よく使う結び方を覚えれば初心者でも状況に応じて簡単に止めたり、補強したり、固定するなどの設営が可能となります。次の3つが特によく使う結び方なのでまとめてみました。
初心者にもおすすめのロープワーク
①自在結び(トートラインヒッチ)
②巻き結び(クローブヒッチ)+ひと結び、ふた結び(ツーハーフヒッチ)
③もやい結び(ボーラインノット)
キャンプなどに欠かせないロープワーク
ストッパーが要らない自在結び
テントやタープを張り、キャンプサイトを設営する時、雨や風の状況で付属のガイロープ(張り綱)だけでは不安になることがあります。そのような時にはガイロープの本数を増やし、ストッパーの要らない自在結びでしっかり固定すると安心です。
また、ストッパーがなくてもピンと張って使えるロープワークなので、サイト周りに洗濯ロープを作るときや近くの立木にロープを張りランタンを下げたい時などでも活躍します。
結び目を動かして長さを調整
自在結びはロープ本体に結び目を2つ作り、その2つを交互に動かしながらロープを長くしたり、短くしたりできます。ストッパーを使わなくてもロープをピンと張ったり、弛めたりできる結び方です。
止める時はロープをピンと張って、テンションの掛かった状態にしてテントやタープを固定します。調整も2つの結び目を動かして締めたり、弛めたりします。
ロープワークで使うロープの呼び名
ロープでいろいろな結び方の形をつくる時のロープには呼び名があります。結ぶために動かす先端を「端(はし)・先(さき)」、ロープ本体の長い部分を「元(もと)・本体(ほんたい)」、曲げた部分を「曲げ(まげ)」、曲げて重ねた部分を「輪(わ)」と言いますので覚えておきましょう。
自在結びはロープの端をもって、元に反時計回りに4回の輪をつくることでできる簡単な結び方になります。
ロープワークの1つ・自在結びの作り方
1回目と2回目はひと結びで輪をつくります
1回目はロープの端をもって元のロープの下側から反時計回りに回し、ひと結びして輪をつくります。2回目では同じようにひと結びしますが輪は長めの楕円になるようにします。
1回目も2回目も元の下から回る反時計回りなので確認しながら作ります。画像は2つ目の長めの輪をつくり、わかりやすいようにロープの端を上に向けて止めたところです。
作り方のポイントは3回目の輪
自在結びの作り方のポイントは、この3回目の輪を作る時に2回目の輪に端をくぐらせるところです。長めの楕円に作った2回目の輪に、元の下から反時計回りで回した端を差し入れて引き出します。
この時、元のロープはまっすぐなので1回目、2回目、3回目の輪が反時計回りになっていることも確認しておきます。
最後4回目は1回目2回目と同じように輪をつくる
最後の4回目の輪は2回目と同じようにひと結びでつくります。曲げて輪ができたら結び目が弛まないようにするために2・3回目の結びと4回目の結びから出た端を掴み、引き締めて完成です。
引き締めが足らないと摩擦が効かず張りが弱くなるのでしっかり引き締めます。
これでバッチリ!自在結びのコツ
結び方のコツは3回目の輪
自在結びの結び方のコツは4つの輪を作る時、元(本体)に対して反時計回りに同じように端を曲げる事。2つ目の輪を長めにとる事と、3回目の端を2回目の輪に入れて引き出し、ひと結びするところです。3回目を間違わなければ簡単にできあがります。
また、2つ目の結びの引き締めが足らないと摩擦が効かず、ロープを張った時にテンションのかからない張り綱になってしまいます。そうすると長さの調節ができなくなってしまうので、しっかり引き締めます。
ロープの長さを調節するコツ
前述していますが、長さの調節は4回目でできたロープの2つ目の結び目と、1回目でできた結び目を交互に押さえて動かすことで調整します。コツは結び目を少しずつ交互に動かしながら結び目の締めを弛ませないことです。
そうする事で、長さを変えてもロープを締めたり弛めることができテントやタープもしっかり固定できます。結び目の動かし方をマスターすれば、さまざまな状況であってもテントやタープを固定できますからしっかり練習してみましょう。
PPロープ紐などで応用するロープワーク
自在結びはキャンプ以外でも使える応用の効く結び方となります。画像は保管中のDIY材料を動かないようPPロープ紐で押さえているものです。打ち付けた釘にロープ紐を「もやい結び」でかけて、反対側は自在結びで調整してでピンと張り、押さえつけて動かないようにしたロープワークとなります。
また、洗濯物が多い時などは家屋内外でPPロープ紐を使い臨時の洗濯物干しを作ることも簡単です。さまざまな状況にも対応できる応用の効く自在結びはいろいろな所で使えるロープワークとなります。
自在結びと一緒に使いたい!便利な巻き結び・もやい結び
一端の結び目を巻き結びにする
自在結びは長さを自由に調節できますが、結び目の締めが弱いと弛むことがあります。そのような時には、ロープの一端の結び目を弛まない「巻き結び」にすると強い結び方ができます。また、両端の結び目を巻き結びにすれば、張りの強いロープが作れ、テントやタープを強い風雨から守るロープワークになる結び方です。
巻き結びの結び方は、ロープをひと巻きして元の下を通します。もうひと巻きして元の上から通し、2度目に巻き付けた輪に端を通して引き締めます。更にひと結びを加えて結びを安定させてできあがりです。
一端にもやい結びを使うと簡単便利
「もやい結び」も長さを調節できる自在結びと一緒に使うと便利ですし、ロープワークの幅が広がる基本の結び方です。作った輪が動かないのが特徴で、ロープ紐の輪が弛むことなく固定できます。ペグにガイロープをひっかける、逆にテントのグロメット(はとめ)に輪っかを作り、反対側を自在結びにするなどの使い方をします。
もやい結びの結び方はロープに輪をつくり、輪の中に端を通して元の後ろを回します。元の輪の中にもう一度通して引き出して結び目を作り、引き締めてできあがりです。
参考になる3つのロープワーク動画です
ここまで、自在結びを中心に、巻き結び、もやい結びを解説してきましたが、3つの結び方のわかりやすい動画がありましたので掲載します。参考にしてください。
ロープワークを覚えて安全で楽しいキャンプ
キャンプサイトの設営では、キャンプ場やテントやタープを設置する場所によってそれぞれの状況が違います。一般的に行われるのは自在結び、巻き結び、もやい結びなどのロープワークを使いながらのサイト設営です。
中でも自在結びのロープワークをしっかりマスターすればさまざまな状況に直ぐに対応できるようになります。自在結びの結び方のコツや長さの調節をしっかり覚えて安全なキャンプを楽しみましょう。
自在結びが気になる方はこちらもチェック
自在結びを解説してきましたが、ロープの結び方やロープワークをマスターしておけばキャンプや日常生活のあらゆるところで役に立ちます。Kurashi-noには他にもキャンプの参考になる記事がありますのでご紹介します。是非、ご覧ください。
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出典:ライター撮影