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雪山登山でよく聞く用語「ラッセル」とは?雪山を登る時の装備や注意点をご紹介!

積雪期の雪山では、ラッセルという技術を使って進んでいきます。ラッセルができないと雪山登山は不可能と言われるほど重要な技術で、訓練の一環として取り入れている山岳会もあるほどです。この記事では、ラッセルという用語の意味や雪山登山に必要な装備を解説していきます。
2022年9月24日
maida0493
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目次

ラッセルは雪山登山の基本技術

ラッセルとはどんな技術?

Photo byKanenori

「ラッセル」とは登山用語で雪をかきわけ、踏み固めて道を作って進むことを指します。深い雪が積もり登山道がなくなる雪山では、道を作るためにラッセルが必須技術です。

この記事ではラッセルのいろいろなやり方や雪山登山に必要な装備、雪山を歩くときの注意点を説明していきますので、ぜひ参考にしてください。

ラッセルとはどんな意味?

ラッセルの由来はアメリカで開発された除雪車である「ラッセル車」です。ラッセル車が雪をかき分けて道を作っていく様子を見て、雪山登山での歩行もラッセルと名付けられました。ラッセルのやり方という意味で「ラッセルワーク」とも呼ばれます。

ラッセルの具体的なやり方

膝までの積雪の場合


積雪が深くなければ「つぼ足」と呼ばれる歩行で登山靴のままでも歩けます。踏み込んだときにひざ下まで沈む場合はワカンやスノーシューで上から雪面を押さえつけるようにして道を踏み固めながら進みましょう。

雪に埋まった足を引き抜き、段差を登るように大きく足を上げて雪面に踏み込むため、体力に気をつけてください。

腰をこえる積雪の場合

積雪が腰ほどに達している場合は、手に持っているピッケルやスタッフで目の前の雪を崩し、膝で段差を作るように固めてから靴でもう一度踏み固めます。動作が増えるので時間がかかり体力の消耗も大きくなるため、所要時間を多めに考えておきましょう。

パーティーで登山をしている際は早めに交代するように心がけるとパーティー全体の消耗が抑えられます。

複数人でラッセルを行う場合

複数人でパーティーを組んでラッセルをする場合は、1番最初の人が作った道を後続の人が踏み固めていきます。ラッセルは体力を消耗するため、時間や歩数での交代をあからじめ決めておきましょう。

先頭でラッセルを行っている人が交代するときは横に一歩ずれて2番目の人と入れ替わってください。後続の人たちが道を踏み固めてくれているため、最後尾につくとある程度整地された道を歩くので体力が消費を抑えることができます。

ラッセルを行う際の注意点

雪庇の踏み抜きや雪崩に要注意

雪庇とは雪山の斜面の風下に雪が溜まり、下に地面があるように見える雪の塊です。視界が悪いときはラッセルの最中にこの雪庇を踏み抜いて滑落する事故があるので、雪山では細心の注意を払う必要があります。

雪崩はルンゼやカールなどの雪崩が起きやすい場所を通行しているときに警戒しましょう。弱層テストという雪崩が起きやすいかどうかをチェックする方法もありますが、気温が低い朝のうちに危険地帯を踏破するのが基本です。


滑落停止訓練が必要

雪山は斜面で転倒するとどこまでも滑っていってしまいます。そのため、腰まで積雪がある場合に雪を崩すピッケルは滑落を停止させるにも必須の道具です。

滑落停止は滑り出したらすぐにうつ伏せになり、ピッケルを雪面に突き刺して止まります。滑落停止は時間との勝負ですので、慌てずにできるように訓練しておきましょう。

雪山登山での靴の使い分け

日本の伝統技術を取り入れたワカン

ワカンは輪かんじきの略称で、日本の伝統的な雪の上を歩くための補助具です。主に使用されているのはプラスチック製とアルミ製で、後述のスノーシューと比べて軽くて小さいため狭い樹林帯での小回りが効くほかに、傾斜のきつい場所でも使われます。

ワカンを付けたままアイゼンを付けることも可能なため、さまざまな状況に適応できるのが特徴です。一般的な雪山はワカンで対応できるので携行しておくと良いでしょう。

スノーシューは浮力に優れる

スノーシューはワカンよりも細長く、スキー板に似た形状をしています。スキーに近いため沈み込みがワカンよりも小さく、浮力に優れているため歩きやすいのが特徴です。雪原や高低差のないトレッキングを歩くのに適しています。

アイゼンは装着できませんが、スノーシュー自体に爪や切れ込みが入っていてアイゼンのように滑り止めになるものもあるので活用してみましょう。ワカンと比べると重量があるので注意してください。

ワカンとスノーシューを使い分けて進もう


ワカンは軽く小回りが利き傾斜のある場所でも使いやすい代わりに雪に沈みやすく、スノーシューは浮力がある代わりに重く小回りが利きません。雪山では必須のアイゼンを装着できるかどうかも大きな違いです。

傾斜のある場所でスノーシューを使うとスキーのように滑ってしまうため、使う場所には注意しましょう。どちらも携行するのが安全ですが、登る山の冬の特徴をよく調べて携行品を決めるのがおすすめです。

ラッセルの訓練をして雪山登山に挑もう

ラッセルという登山用語の意味とやり方、雪山での装備や注意点を中心に解説してきました。雪深い日本の冬山ではラッセルや滑落停止、低体温症にならないための装備など高い力量と装備が必要になります。

夏の道と違う場所を通る登山道もあり、雪崩や雪庇の踏み抜きなど夏とは違う事故が起きる場合もあることを踏まえて、しっかりと準備を整えて冬の登山を楽しんでみてください。

ラッセルと登山が気になる方はこちらもチェック!

雪山でのラッセルが気になる方は以下の記事もチェックしてみてください。雪山登山に必要なピッケルやスノーシューなどの靴の選び方などさまざまな記事が掲載されています。

ラッセルや滑落停止、雪洞作りなどの訓練は独学では難しいところがあります。雪山登山講習などの名前で安全に訓練が受けられるので、探してみてはいかがでしょうか。