ルンゼなどの登山用語を徹底解説!
用語を理解して安全な登山ルートを歩こう
日本での登山は修験道や武将の軍事行動が多く、現在のように娯楽のための登山が始まったのは明治時代に入ってからです。日本アルプスや上高地などが外国人によって紹介されたため、登山用語には多くの外国語が登場します。
登山ルートの上で有名な岩壁や岩の割れ目、尾根には「八本歯のコル」や「P3ルンゼ」のような登山用語を用いた名前がついているため、ルートを間違わないためにも地形と用語を覚えておきましょう。
危険な箇所を事前に調べておこう
ルンゼやゴルジュ、スラブなどは通行するのに特殊な装備や技能が必要になる場所です。登山地図や山行記録などにこれらの言葉が出てきた場合は危険箇所のため、初心者のうちは特に気をつけましょう。
地形の形から落石や雪崩、鉄砲水が多いこともわかるので、安全な登山のためには登山用語の知識と理解が必要です。歩いている場所が正しい登山道なのかどうかの判断にもなりますので、覚えておいて損はありません。
間違いやすいゴルジュとの違いとは?
ルンゼは岩壁の割れ目のような地形
ルンゼは岩壁が雪解け水などの水の浸食で削られて割れ目のようになった地形のことです。登りやすいため登山ルートによく選ばれますが、岩壁が削られているため落石が多いので必ずヘルメットを被りましょう。
冬になると雪で埋まるためアイゼンが必要になります。残雪期は日が当たらないので凍ったままになることが多く、転倒や滑落の危険があり、さらに雪を下に落としてしまうと雪崩を引き起こす可能性があることも注意してください。
ゴルジュは渓谷の中の細く狭い地形
ゴルジュとは両岸が高い岩壁などに囲まれている渓谷の中でも特に細く狭い地形です。地形図や登山地図には谷と記載されている場所で、道迷いなどで迷い込むと見通しがきかないうえに脱出が困難になる危険箇所でもあります。
通常の登山ではゴルジュをルートに選ぶことはなく、沢登りをする場合に通る地形です。細く狭い地形のため雨による増水や鉄砲水に遭遇すると逃げ場がないので天候には注意しましょう。
そのほかのよく聞く登山用語
スラブは滑らかな一枚岩のこと
スラブとは、ロッククライミングなどを行うような手足を掛けられる場所の少ない滑らかな一枚岩のことを言います。通常の登山道にあるスラブは傾斜が緩く登山靴などしっかりとした摩擦のある靴を履いていれば歩けますが、雨天では滑りやすくなっているため注意しましょう。
登山靴ではなくスニーカーなどの摩擦が足りない靴では滑って登れないので、スラブがある山の登山計画を立てる時は装備を確認してください。
コルはピークの間の窪んだ地形
日本の山には必ずといっていいほど谷が複数存在します。その谷と谷の間の標高の高い地形を尾根、山頂と山頂の間を結ぶ尾根を稜線と呼び、特に稜線の中でも低く窪んだ地形をコルと呼びます。
馬の鞍のような曲線に見えるため鞍部と呼ばれることも多いです。同じ地形にある道として峠がありますが、峠はコルをまたいで山の反対側へ下りる道という違いがあるので間違えないようにしましょう。
ルンゼなどの登山独自の用語を覚えよう
ルンゼをはじめとした登山でよく聞く用語や地形の解説をしてきました。岩壁の割れ目など言葉を聞いただけでは想像しにくい地形も、地形図と写真を合わせて調べるとどのような登山道なのか検見当がつけられます。
中にはコルと尾根、稜線などわかりにくい用語もありますが、正しく理解することで地図を読む読図能力も上がります。実際に登山に行ったときはぜひ地形図と見比べて用語の意味と実際の地形を比べてみてください。
ルンゼが気になる方はこちらもチェック!
登山にはこの記事で紹介した用語以外にもいろいろな専門用語があります。特殊な地形の成り立ちや地図の読み方など、どれも登山では覚えておいた方が良い知識ですのでぜひ記事を読んでみてください。
山の地名は地形を反映したり事故が多いことへの注意喚起として名付けられたりと参考になるものが多くあります。道迷いなどの事故を防ぐためにも写真や説明文を見比べながら覚えていきましょう。
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