定番からアレンジ料理まで人気の料理法を紹介
ヒラメはいろいろな料理に使える食材
ヒラメは、その美味しさで愛されている魚の食材です。生食を1例にしても、しょうゆなどでいただく和風な刺身としての食べ方と、オリーブオイルをたっぷり使ったソースでいただく洋風のカルパッチョなどにアレンジする調理方法バリエーションがあります。白身魚だけに、強すぎる癖がないのが料理しやすくいろいろなレシピに使われる理由です。
ヒラメの捌き方や料理方法をご紹介
今回は人気の食材ヒラメの料理方法を基本の5枚おろしの刺身の仕方から、いつもとは違う食べ方をしたいという時に役に立つ簡単なアレンジ料理までご紹介いたします。ヒラメの捌き方が知りたい方も、変わった調理方法が知りたい方にもお役立ていただけるおすすめレシピばかりです。
ヒラメの美味しい旬の時期とカレイとの違い
ヒラメの基本情報
名前・和名 | 鮃、平目、比目魚 |
分類 | ヒラメ科ヒラメ属 |
学名 | Paralichthys olivaceus |
分布 | 太平洋西部 |
美味しい旬の時期は
ヒラメの漁は通年おこなえますが、その中でも特に美味しいのが寒ヒラメと呼ばれる冬のヒラメです。寒ヒラメが出回る旬の時期は12月から翌年の2月ころまでとなります。
この頃ヒラメにとってはエサが豊富なことと、冬の寒さで身が分厚くなることから食べごたえも感じることができ、ヒラメの美味しさを十分に堪能できる時期です。
ヒラメとよく似ているカレイの違い
ヌマガレイなど一部例外はありますが、左ヒラメの右カレイという言葉があるとおり、見た目でわかりやすいのは目の位置です。目が上を向いているようにまな板などの上に置いた場合、頭の位置が左側を向いているのがヒラメで右側に向いていればカレイといわれています。
またヒラメは肉食でとても鋭い歯を持っていますが、カレイはヒラメと違い口も小さく歯も鋭くありません。
和風洋風2通りのヒラメの刺身料理2選
1.ヒラメの刺身と捌き方
ヒラメの中骨は太く中央がぼこっと膨らんでいるので、3枚おろしではなく中骨から腹・背に向けてさばいていく5枚おろしにするのが一般的です。刺身にする場合も5枚おろしに捌いてエンガワ部分を別にしてから切り分けていくのがポピュラーな方法となっています。
ヒラメをより新鮮で美味しく捌くコツ
下処理としてウロコを取り頭を落とし内臓を取り出します。このとき頭と体の境目の部分から胸ヒレを頂点として、腹ビレまで逆くの字を描いて頭を落としていくと高級なヒラメの身を損なうことなく食べることができるのでおすすめです。
頭を落としたら引き抜くと内臓が簡単に取り除けますので、しっかりと流水でウロコと内臓の残りや血合いを洗い流しましょう。身に水分が残っていると身が痛みやすくなりますので、使用したまな板もヒラメもしっかりとキッチンペーパーで水分を拭き取ってから、5枚おろしにするのをおすすめします。
5枚おろしの方法と順番
5枚おろしは中骨に添って中央から腹、中央から背ひっくりかえして同様に中央から背・中央から腹と5枚の部位に分ける捌き方です。
エンガワ部分はやや身より薄くなっているので、包丁を下向き加減にすると無駄なくおろせるでしょう。5枚に分けられたら腹骨と薄い膜を包丁で削ぎ落とし、これで身の部分の刺身のサク取りは完成です。
ヒラメのエンガワの捌き方
エンガワはヒラメの身の中でも量が少ない貴重な部位です。無駄にせずにできるだけ大きくきれいに切り取る方法をご紹介します。エンガワと身の境目に指を入れると簡単に剥がすことができるでしょう。この時には皮が付いていますので、完璧に2枚にはなりません。
少し包丁を身側に寝かせるようにして、エンガワと身の部分を切り離していきます。こうすることで、見えているエンガワだけでなく身の下に入り込んでいる部分まで、大きくエンガワを切り出せておすすめです。
2.ヒラメの刺身のカルパッチョアレンジ
薄造りの刺身に特製ソースで美味しいカルパッチョ
刺身のサク取りができたら、あとはお好みの厚みに包丁を入れてお刺身で召し上がるのが一般的な食べ方です。ヒラメは鯛のように薄造りというごくごく薄い刺身に切る料理方法で食べられることが多い魚です。
この薄造りの刺身を、オリーブオイルをふんだんに使ったソースでいただく料理がヒラメの刺身のカルパッチョアレンジの食べ方となります。
カルパッチョソースの作り方は簡単
生トマトは、小さめのさいの目切りにして準備します。あとは材料表の中の調味料をあわせればカルパッチョソースは完成です。
カルパッチョを美味しくお召し上がりいただくために、お皿にも塩コショウ・たっぷりのオリーブオイルをまず盛り付けてその上に薄造りのヒラメの刺身を並べていきます。あとはカルパッチョソースを回しかけ、お好み香草と追いオリーブオイルをして出来上がりです。
ヒラメの薄造りは筋に対する包丁の角度を重視して
ヒラメの刺身を薄造りに切っていくにはこちらの動画がわかりやすくておすすめです。皮を引きサクの繊維と斜めに包丁を入れる角度がご確認いただけるでしょう。身が同じプリプリなサクでも、この角度で歯ごたえや美味しさが変わります。
トマト 1個
塩コショウ 適量
レモン果汁 半個分
オリーブオイル お好みの量
ディルなどお好みの香草
ヒラメを使った洋食料理の作り方2選
1.ヒラメのムニエルの作り方
ムニエルは白身魚の食べ方として非常に人気の高いレシピです。バターの香り高い風味と、それを邪魔しない白身魚の淡白な身の味わいがよく合う調理方法となっています。
材料もシンプルでご家庭に常備されているようなもので出来ますので、ヒラメの刺身に飽きたけれどまだ少し残っているという時に作ってみてはいかがでしょうか。
ヒラメのムニエルの作り方と材料・詳しい作り方動画リンク
ヒラメは皮を引き食べやすい大きさの切り身にしたものを使います。下処理として軽く塩コショウをしたらバットなどに並べてラップをし、30分ほど冷蔵庫で寝かせます。水分が出るのでしっかりとキッチンペーパーで拭き取るのがコツです。軽く小麦粉をたたいたら早めにソテーにしたいので、素早くフライパンにバターを溶かします。
皿に盛り付けた時に、上にしたい方を最初に下にして焼き目を付けるのもポイントです。火加減は中火で、火が入ってくると色が変わるので半分くらい色が変わったらひっくり返して火を通して完成となります。
ヒラメ 120〜140gを2切れ(サーモンでも可)
薄力粉
塩
胡椒
バター 60g
レモンなどの柑橘類
ジャガイモ 小5〜6個
水 1L
塩 小さじ1
にんにく
バター 20g
パセリ 適宜
2.ヒラメのアクアパッツァ
アクアパッツァはオリーブオイルと水で魚介類を煮込む西洋料理です。作り方も簡単で、魚介の旨味が出たスープもとても美味しいのでヒラメでも作ってみてはいかがでしょうか。
ヒラメのほかこちらの動画ではアサリも入れて、さらに旨味を引き出しています。ヒラメは皮付きの骨のない切り身を使用していますが、骨ごとブツに切った切り身だと骨部分からもよい出汁がでるでしょう。
アクアパッツァの作り方と材料・詳しい作り方動画リンク
最初にフライパンにたっぷりめのオリーブオイルを入れて、ヒラメの両面がきつね色の焼き色が付くまで火を通し準備しておきます。スキレットにオリーブオイルとにんにく・アサリを入れてください。
アサリが半分ほど浸かる高さまで水を加えてひと煮立ちしたら、取り出しておいたヒラメを戻しましょう。貝の蓋が開いて火が通ったら半分にカットしたプチトマトなどそのほかの食材をすべていれ最後にパセリのみじん切りを回しかけたら完成です。
ヒラメの切り身 2切れ
オリーブオイル 適量
プチトマト 個
にんにくみじん切り 適量
アサリ 13個
オリーブ お好みの量
パセリみじん切り 適量
塩コショウ 少々
ご飯に合う・ご飯を使ったヒラメ料理2選
1.ヒラメの煮付け
魚の煮付けで水を入れると味が薄まるので、水を入れないというのがこのレシピの調理方法の特徴です。白米に合う濃い味付けの魚の煮付けが食べたいという方は、こちらの方法を真似して作ってみてはいかがでしょうか。
煮付け料理の作り方と材料・詳しい作り方動画リンク
こちらはヒラメの頭と内臓・しっぽ部分を落として切り込みを入れたものに、シンプルで濃い味付けの煮汁で煮込んだヒラメの煮付けとなっています。魚のくさみとりにしょうがを入れることで、魚の味も煮汁の甘辛い味も引き立つでしょう。
身の厚い部分に切込みを入れ、アルミホイルの落し蓋をして煮込みます。そうすることで、よりしっかりと身に火が通って味がしみるようになるのでおすすめです。
ヒラメ 2尾
みりん・しょうゆ・酒 1:1:2の割合で
砂糖 多めがおすすめ
臭み取りのしょうが 1欠
2.ヒラメの出汁茶漬け
ヒラメの出汁茶漬けの方法もいろいろありますが、こちらは昆布とかつお節から取った出汁を白米に盛り付けたヒラメの漬けの上からかけていただくスタイルです。出汁の取り方とヒラメの漬けの味付けがポイントとなります。
出汁茶漬けの作り方と材料・詳しい作り方動画リンク
ヒラメ出汁茶漬け。#しほみんの漁師飯 pic.twitter.com/EMrl556s4i
— 吉野七宝実 (@Shihomi0305) November 9, 2020
ヒラメの漬けはしょうゆ・めんつゆ・酒の材料をあわせたものに、やや集めのヒラメの刺身を漬けて冷蔵庫で2-30分味を染みさせます。
出汁は水に昆布をちぎって入れ沸騰したらかつお節を表面が見えなくなるくらい入れてひと煮立ちさせましょう。あとは出汁をキッチンペーパーでこしたものを、ご飯の上に盛り付けた漬けのヒラメに回しかけていただきます。
ヒラメ 切り身
しょうゆ 大さじ3
めんつゆ 大さじ1
酒 大さじ1
昆布 1枚
かつお節 ふたつまみ
ご飯 茶碗に軽く1杯
お好みで薬味 ネギの小口切り・わさび 少々
人気の高級魚を美味しくいただこう
今回はヒラメの基本情報や旬の時期・よく似ているカレイとの見分け方から、おすすめの美味しい料理方法を6つご紹介してまいりました。いかがでしたでしょうか。ヒラメは洋風和風どちらの料理にも使えて、とても美味しい魚です。
調理方法がいろいろあるので、ご飯のおかずやお酒のときのおつまみなどにも幅広く活用できる魚となっています。今回ご紹介した中で、気になるレシピがございましたら、ぜひご自分でも作ってみてはいかがでしょうか。
魚料理が気になる方はこちらもチェック
暮らしーのではこのほかにも、バサという白身魚の正体と簡単で美味しいレシピや、夏の京都の風物詩ともなっているハモの解説や人気の食べ方などもご紹介しています。魚料理についても気になる記事がありましたら以下のリンクをクリックして、こちらもぜひご覧くださいね。
よく見る白身魚は「バサ」だった?!その正体と簡単美味しいレシピをご紹介!
バサという魚を知っていますか?たまにスーパーや鮮魚店に陳列されている白身魚に表記された「バサ」という名前を見たことがある方もいるのではないで...
ハモってどんな魚なの?その特徴や美味しく食べられる人気レシピをご紹介!
平安の都、京都の夏の風物詩的な魚として君臨する旬なハモ、食べたことありますか?加工状態のハモの身は綺麗ですが、ハモ本来の姿は想像以上に巨大で...