マルフジ| T-080 改良ハモ 夜光パイプ 5号
ハモはどんな魚?
生涯を通じ、海底に生息する野生のハモの姿やその生態を、一度も目に焼き付けていないなら。そのホントの外見を知るところより、ハモの探求を始めることにしましょう。
ハモの体
現物のハモを真正面に見据えてみれば、ウナギかウミヘビかと思わせる、うろこのないにょろりと長い姿をしています。実際ハモはウナギ目に属している魚です。しかしハモの体は成長の末に2メートルに達し、普通のウナギよりかなりの巨体と言えます。
ハモの顔つき
いかにもギョロっと見開いた感情なさげな目はウナギの何倍も大きく、ウナギより口が前方に長く伸びています。ハモの口の中には鋭利な歯が、どこぞの怪獣のようにギザギザと並んでいるのが特徴です。
噛み付くハモ
磯釣りに親しんだ釣人が、ハモはちょっとアブナイ魚だと指摘するのは、ハモ捕獲時にその本能的な凶暴さが垣間見られるから。知らぬ人は驚きますが、ハモは人に噛み付き攻撃を加えるのです。そのため釣りでハモが掛かったなら、できるだけ注意が必要です。
血液の毒
さらにハモが危ない奴と視られるのは、その体内に宿す毒のせい。仮に生の刺身で食べると、血液に含まれるイクシオトキシンで体調に異変を起こします。症状は吐き気や下痢などの胃腸の症状、それに目に入ると結膜炎を起こし、万が一生ハモを多量に食べすぎると、死の危険性すらもあるほどです。
ハモはどこに住んでる?
温暖な海を好む
ハモは関東以北の冷たい海域を避け、本州の静岡より南方の、温暖な海域を好んで生きています。このことが、東日本ではハモに歴史的に馴染みのなかった理由のひとつです。また近海を離れ、遠くインド洋や大西洋などでも生息しています。
沿岸の浅い海に生息
さり気なく普段からハモがぬらりと潜むのは、深さ100メートルまでの陸地に近い海底です。昼のハモは岩場や砂地の隙間に入り込んで、意外とだらだら過ごしますが、夜になると気分は一転、食事のために海底をうねうねと活発に泳ぎ回っています。
ハモの名の由来
これでもかと極めて短く単純な響きの「ハモ」だけれど、不思議と忘れない力強さを感じます。ハモには定説的な名前の由来がある他、幾つかの仮説も存在しているようです。
噛み付きに由来する説
あろうことか人に噛み付く抵抗をいとわぬハモの特性が、ハモの名に由来するとの話が定説と化しています。それは古語で噛むことを「食む(はむ)」というから。加えて歯持ちの魚だからハモだという説も根強くあります。広島でハムと呼ぶことから、食む説の可能性の高さが伺えるようです。
マムシに由来する説
蝮(マムシ)は古来より何処の陸地でも見かけられた、にょろっとうごめく蛇ですが、その古語をハミと言いました。ハミに似た体躯をしていることから、ハモなのだという説もあります。
海鰻に由来する説
さらりと鱧(ハモ)という漢字を書けば、中国では雷魚の意味となって唖然とさせられます。中国人はハモを海鰻(ハイマン)と名付けてるので、鱧と別物なのです。ハイマンが短縮化し、日本で取り入れられてハモになった説もありますが、古代の漢字の発音の観点から見て可能性は低いかもしれません。
ハモの別名
耳にしてもさっぱり理解不能な別名も存在しました。京都の丹後地方では、ハモをバッタもん(B級)的にバッタモと呼ぶという、酷い名があります。長崎ではアナゴと同一視されてカマスアナゴ、福井では何故かウニが付いてウニハモ、徳島ではスズと呼ばれているので顔と名前が一致しません。
ハモの味
京料理の素材
関東に住む人は、ハモと耳にしたらまず高級魚な認識もあり、馴染みもないハモですが、関西の京都では極めて身近な魚です。高級とは裏腹に、京都では街の魚屋やさん、スーパーの鮮魚売り場にも並ぶ、庶民の味覚だったりするので意外過ぎます。
味の良い白身魚
食通でお喋りなのが基本的な関西人に、どうしてハモが好まれているかと言えば、それは昔からの習慣だからに加えて味の良さも特筆されます。ハモは脂身を含む白身の魚で、その火を通したあとの濃い味わいが、ウナギにも似て美味とされています。
小骨が多い
好感度や食べる頻度に大きく地域差が出てくるのは、おそらくハモを調理すれば小骨がやたらと多い魚であること、これが大きく影響しています。京都を中心とした地域では、昔からハモに骨切りを施す技術が発達し、骨切りができる職人も多かったことでハモが定着してきたのです。
ハモの旬な時期とは
ハモの本場的な京都では、夏の頃に合わせて街の料理店や小売店での取扱量が増加します。産卵前の6~7月の初夏のあたりが最盛期で、この頃がハモの旬です。釣りの旬とされているのは、産卵期が終わり、体力的に回復した夏以降から冬にかけての頃とされています。
スーパーで売ってるハモ
鱧料理には疎そうな関西以外の地方でも、小売店の鮮魚売り場でハモを販売することもあります。普通の切り身で売っているのではなく、料理にすぐ使える骨切り済み、湯引き済み、味付け済みが殆どです。ハモレシピを思案中なら、近所のスーパーでハモを探してみてください。
ハモの釣り
ハモ釣りの場所
あたたかな沿岸部に続々とハモが近寄ってきている夏は、漁港の防波堤、岩場などから、旬なハモの投げ釣りをするのが一般的です。また、釣り船の上に参加してハモを狙うとなれば、季節を問うことはありません。
打ち込み釣りや泳がせ釣りで
ウキの類いを一切使うことのない、投げ釣りの一種が「打ち込み釣り」です。最初からハモ狙いな釣りでは、かなり釣果を上げる釣法になります。また、生き餌を用いる泳がせ釣りによって、ハモを狙う釣人もいます。
ハモ釣りタックル
マルフジ| T-080 改良ハモ 夜光パイプ 5号
ハモ釣りにも支障ないスピニングロッドと専用リールなどを用意、ハモの歯にも耐えうる頑丈なワイヤーリーダー、それにハモ専用のハリ、ハモがよく引き寄せられる蛍光鉛などを使います。ルアー釣りの場合には、イワシのメタルジグを使うことで食いつきを増します。
打ち込み釣りのエサ
海底にこそりと潜んでいるハモの嗜好するエサとしては、矢張りイカ、サンマが代表格です。それぞれ鮮魚売り場で購入したら、自ら三枚におろして小さな切り身のエサとします。万能型のイソメのほうは、サンマやイカに比べてハモを惹きつける力は薄いようです。
泳がせ釣りのエサ
その一方、ちょっと残酷さを胸にしながら、生きた魚をエサとしてハモ狙いの泳がせ釣りですが、餌となるのはは小型のアジ、イワシです。アジの体をハリで固定して放流するだけだから簡単です。一先ずは新鮮な活き餌を釣り上げ、ハモにトライしてみましょう。
ハモを釣り上げた後の注意点
期待を込めて釣り上げ、それがハモだ判明したら、喜ぶ前に噛み付かれを避ける必要があります。ハリを外す時は、釣り用レザー手袋を使用するのが好ましいです。また、他の魚と一緒にすると噛みつき放題とされる可能性があるため、その場で締めるといった対応策もあります。
ハモの下ごしらえと骨切り
継承された骨切りの技工をこなせる料理人は、今では全国に存在しますが、素人にとってはハモの骨切は方法すらわからぬ未知の世界。一体どんな調理前にどんな下ごしらえするのか、かんたんにおさらいです。
①ぬめり取り
抜かり無く全身ぬるぬる状態なのは、ハモの生来の特徴でありウナギ同様です。旬なハモの調理では最初に金タワシなどで、ぬめりを全てこすり落とす必要ありです。これをやらないと、刺身などの料理がぬめぬめとして美味しさが得られないからです。
②内臓とえら取り
マムシの如く長く見えるハモの白い腹は、頭の下から腹の下までまんべんなく切り裂き、内臓とエラをいっぺんに取り除きます。この時ハモの腹の中の血合いについても、流水で完全に洗い流すようにします。
③背骨・腹骨・背びれ取り
まな板に串でハモを固定するのが、長らく継承されたハモを捌きの伝統手法ですが、打たない方法もあります。腹から背中に向けて裂いて、裏返して包丁を入れたら背骨を取り除きます。さらに腹の中骨を薄くスライスして取り除きます。一連の方法はハイレベルですが、プロの動画が紹介されています。
④背びれや胸びれを取る
延伸したハモの背びれの端っこから包丁を入れたら、邪魔な背びれを丁寧に引っ張ることで、すーっと取り去ることができます。また、腹がわの端っこには未だ胸びれが付いたままなので、これも丹念に切除することも忘れてはいけません。
⑤骨切りする
完膚なきまでに中骨と背びれの一切を取り除いたハモの身は、仕上げに骨切りによって食べられる状態にします。一定の細かい間隔に包丁を入れ、小骨を切断するのが骨切りです。身が完全に切れず、くっついた状態を維持するのが見せ所。何度も修行しないとやりこなせない高度なテクニックです。
ハモの食べ方①
ハモの刺身
仮に自らの包丁さばきで難易度最上級の骨切り調理を達成しても、そこで喜んで口にしては台無しです。それはハモがイクシオトキシンの毒を含んでいるから。旬でも旬じゃなくても、生の刺身を食べることは不可能です。湯引きを行って始めて、ハモの刺身は心置きなく食べられます。
ハモの刺身のレシピ
毒抜きをすべき骨切り完了済みのハモは、準備したした熱湯にひたして調理します。この方法は湯引きと呼ばれ、この時ハモは牡丹の花のような形状となります。同時にハモ毒は熱で分解されて、一切毒の心配のない刺身となるのです。
梅肉味やからし酢味噌で食べる
酸味が爽やか美味しい梅肉は、京都でハモを食べるときのお決まりの味です。お邪魔な種を取って、包丁で叩いた梅肉を使います。さらに違う風味では、からし酢味噌での食べ方もあります。このソースはからし、酢、味噌、砂糖を混ぜ合わせるだけで作ります。
ハモの食べ方②
ハモしゃぶ
贅を尽くしたように鍋料理としてハモをいただくなら、おすすめはハモしゃぶ。自ら湯通しするのでハモの身の変化を楽しむことができます。野菜は水菜に玉ねぎに長ねぎ、それに椎茸が定番で、豆腐を使っても美味しくなります。温まるので、秋冬の鍋料理としても最適です。
ハモしゃぶのレシピ
ジャストサイズなハモしゃぶ用鍋を用意したら水にだし昆布を入れ、日本酒大さじ2、めんつゆを加えて味を整え、ハモや野菜などを投入します。一煮立ちしたら調理は完了でハモの食べごろです。食べ方としてはポン酢、梅肉などがおすすめです。
ハモの食べ方③
ハモの唐揚げ
もう一心不乱にかぶりつけて、ハズレは皆無に近いハモの食べ方としては、旬を味わうハモの唐揚げも絶品です。骨切りのハモを準備すれば唐揚げ調理の手間をかけず、カリッ&じゅわっとしたハモの味わいを楽しめます。
ハモの唐揚げのレシピ
風味を上げる生姜と醤油、または定番塩コショウにより、ハモに適度な下味をつけても構いません。片栗粉をまぶし、ハモを揚げる油は170度を維持します。ひと味変えるレモンを絞ったり、丹念に叩いた梅肉を乗せてみたりすれば、ハモの美味しさを引き立てます。
ハモの食べ方④
ハモのお吸い物
夕食時、なにやら無性に魚系スープが一品恋しくなってきたならば、骨切り・湯引き済みのハモを使った、あっさり仕立てのお吸い物を推奨します。調味料も材料も単純で構わないこともあって、骨切りのハモさえあれば素早く調理は完了しています。
ハモのお吸い物のレシピ
愛用お鍋にお湯を準備したなら、骨切りハモをすかさず湯引き。花のように開いたらお椀に取っておきます。湯引きの茹で汁はスープとなるので、捨て去ってはいけません。お椀に白だし醤油とハモの身を置き、茹で汁を注いでミツバなど香草を乗せれば、ハモのお吸い物の出来上がりです。
ハモ食べてみよう
まずは簡単な食べ方から
ずっと朧気だったハモの全体像が、何やら把握できるようになってきました。巨大なハモは危険で下ごしらえも難関だけれど、スーパーで骨切りしたハモを入手できます。レシピには単純な刺身からお吸い物まで様々なハモ料理を取り入れて、ハモのハーモニーを奏でてみませんか。
京都が気になる方はこちらもチェック!
京都祇園観光のおすすめスポット14選!見所が満載の祇園エリアを徹底紹介!
京都は日本を代表する観光スポットとして有名ですが、その中でも最も京都らしい雰囲気に浸れる場所が祇園で、今も昔も京都を代表する所として知られ海...