モンベル クロノスドーム1
コールマン ツーリングドームST
スノーピーク アメニティドームM
クイックキャンプ ダブルウォール ドームテント
雨に強いテント選びは耐水圧の確認から
雨は快適なキャンプの大敵
キャンプ道具として真っ先に名前が挙がるのは何といってもテント。キャンプ生活のベースになり、夜は寝室になるテントは、楽しく快適にキャンプを過ごすためのマストアイテムです。
それゆえ、もし雨に見舞われた場合、テントの中で安心して雨をやり過ごせるかは、とても重要なポイントになります。そのためには「雨に強い」テントを選ぶ必要がありますが、その際に欠かせないチェック項目が「耐水圧」です。
耐水圧は防水機能の目安
耐水圧とは、1平方㎝あたりどれだけの量の水の重さが加わると水が染み込むのかを示した数値です。単位は「㎜」で表され、レインウェアやテントなどの防水機能の性能表示にも使われます。
より身近な例では、一般的な雨傘の耐水圧は250~500㎜ほどだと言われています。これは500㎜なら、1平方㎝あたり500㎜(50㎝)の高さの水、つまり50g(50立方㎝)の水圧までは耐えられるという意味です。
「耐水圧」と「撥水性」の違い
生地の防水性を表すものとして、そもそも水をはじく性能である「撥水性」があります。耐水圧は素材そのものが持つ水への耐久性を表した数値ですが、撥水性は生地表面に化学的な処理をすることで生まれる性能です。
現在は、市場に出回っているテントで撥水加工がない商品はまずありません。テントでは生地へポリウレタン(PU)を塗布する処理が一般的で、記載がない場合もありますが、もし素材表示にPUコーティングとあれば、撥水加工が施されていることになります。
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雨に強いテントの選び方
①快適性重視ならダブルウォールがおすすめ
テントには、テント本体とそれを覆うフライシートで構成されるダブルウォールと、テント本体のみのシングルウォールがあります。
シングルウォールは設営・撤収の簡単さや軽量コンパクトという点では優れますが、雨対策においては、二重の壁で雨をブロックするダブルウォールがだんぜんおすすめです。
雨天時は設営・撤収に手間と時間がかかるので、選ぶ際はダブルウォールのなかでも、なるべく「設営・撤収が簡単」というのをウリにしている商品を選ぶとよいでしょう。
②結露対策はベンチレーターがおすすめ
耐水圧の強度や撥水加工の有無にかかわらず、生地に防水性能がある以上、テント内は空気(水蒸気)も密閉されるので、雨天時は不快な結露が生じます。
結露をなるべく抑える対策は主に2つ。防水性能に加え特殊な透湿性のある素材を使ったテントにするか、ベンチレーター(通気口)で換気がしっかりできるテントを選ぶかです。
透湿素材は、やや高価で本格的な登山向けの製品に多く使われますが、それでも完全に結露は防げません。それよりは、テントの構造的に通気性を上げるベンチレーターのほうが利便性が高いのでおすすめです。
雨対策に必要なテントの耐水圧の目安
テントの耐水圧のおすすめは1500㎜以上
一般的にテント本体やフライシートの耐水圧は、1500㎜あれば強めの雨に耐えられるレベルとされています。実際、アウトドアメーカーから出ているテントは、1500㎜以上がほぼ基準ラインで、それを下回るものはまずありません。
これは、通常のキャンプにおいて、耐水圧1500㎜で対応できない雨は、すでに避難や撤収を考えるべき状況の可能性が高い、ということの裏返しでもあります。もちろん耐水圧は強いほど安心でおすすめともいえますが、まずは1500㎜以上あれば、通常使用では問題ないと言えるでしょう。
フライとフロアで必要とされる数値は異なる
フロアは湿った地面と密着しその上に体が乗るので、雨が当たるだけのフライより強い圧力で水分が押し付けられます。つまり防水性能に関して、フロアはフライシートよりも大きな耐水圧が要求されるということです。
そのため、フライシートよりフロアの耐水圧が高い数値の商品も多くあります。それでも床からの浸水が心配な場合は、テントの下にあらかじめグランドシートを敷いておくと、床の防水性が高まるだけでなく、テントの底が汚れるのも防げて一石二鳥です。
ソロ~2人用:雨に強いおすすめテント2選
①設営簡単で撤収も楽々:モンベル クロノスドーム1
モンベル クロノスドーム1
素材 | 本体:68デニール・ポリエステル(撥水・難燃加工)/フロア:70デニール・ナイロン・タフタ(ウレタンコーティング・難燃加工)/フライ:68デニール・ポリエステル・リップストップ(ウレタン・コーティング・難燃加工) |
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耐水圧 | フライ:1500㎜/フロア:2000㎜ |
重量 | 2.2㎏(ペグ、張り綱、収納袋含む) |
メインポールを直角に配置するモンベル独自の設計で、広いテント空間を確保しているダブルウォールのソロ用テント。全てのポールが接続ソケットとクッションコードであらかじめ繋がっているのが特徴で、雨の日でも設営・撤収に時間をかけることなく簡単にできるおすすめテントです。
雨にも風にも強い構造
肝心の耐水圧は、フライは1500㎜、地面に接するフロアは2000㎜で性能は十分。生地の縫い目は底面の四隅角まで細部にわたってシームテープ処理を行い、徹底した防水処理がされています。前面入口は、本体生地をまくり上げてメッシュドアにできるので通気性も良好です。
フライシートはテント本体とゴム製コードで接続する構造。生地のたわみや張りをコードが吸収するので、風をともなう雨のときも安定した設営状態を保てます。天候のことを気にせず、ソロで存分にアウトドアを楽しみたいにおすすめです。
②バイカーの定番テント:コールマン ツーリングドームST
コールマン ツーリングドームST
素材 | インナーテント:ポリエステル/フロア:ポリエステル/フライ:ポリエステル |
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耐水圧 | フライ:1500㎜/フロア:1500㎜ |
重量 | 4.0㎏ |
ツーリング愛好者から大人気のコールマンのソロ用テント。一人用ですが、横幅210㎝とワイド設計なので内部は広々と使えます。重量が少し重めの4.0㎏なので、トレッキングや登山ではやや負担になりますが、名前の通りバイクや自転車、車でキャンプに出かける方にはイチ押しのおすすめテントです。
耐水圧はフロア、フライとも1500㎜の標準的な性能。通常使用には問題ありませんが、気になる方は別売りの「マルチグランドシート/210W」を併用してもよいでしょう。
雨の中でも使い勝手は良好
換気用のベンチレーションは天井にあるので、雨天時に開けておくことで結露の発生を抑えられます。
また、ツーリングドームSTの最大の特徴は前室がかなり広いこと。荷物や靴置き場のほか、雨天時もこの前室で、濡れずに火を使った食事の用意ができます。テントの素材そのものの防水性能はもちろん、使い勝手の面でも雨に十分対応したおすすめテントですね。
ファミリー用:雨に強いおすすめテント2選
①圧倒的人気のベストセラー:スノーピーク アメニティドームM
スノーピーク アメニティドームM
素材 | インナーテント:ポリエステル/フロア:ポリエステル/フライ:ポリエステル |
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耐水圧 | フライ:1,800mmミニマム/ボトム(フロア):1,800mmミニマム |
重量 | 8.0㎏ |
高品質でお手頃価格なスノーピークを代表するテントの一つ。初心者が間違えやすい「ポールとスリーブ」「インナーテントとフライ」それぞれの合わせ個所を色で対応させた設営のしやすさで、ファミリー向け2ルームテントのエントリー(入門)モデルながら、ベテランキャンパーの支持も集めるおすすめテントです。
アメニティドームの耐水圧は「1800㎜ミニマム」と、独自の表示方法になっています。
耐水圧はこだわりの独自表記
耐水圧は、一般的にはその素材の「平均値」で表示されますが、スノーピークでは「どこを計っても必ず最低1800㎜は保証できる」という意味で、このミニマムを付けた表記を用いています。
また、アメニティドームの丸みを帯びた流線型のデザインは、風をしなやかに受け流せるようになっている点もポイント。突然の天候の変化で、風交じりの雨に見舞われたとしても、不安なくテント内で雨をやり過ごせる「雨に強い」テントとしておすすめできます。
②30秒でワンタッチ設営:クイックキャンプ ダブルウォール ドームテント
クイックキャンプ ダブルウォール ドームテント
素材 | インナーテント:通気性ポリエステル /フロア:PE/フライ:190Tポリエステル |
---|---|
耐水圧 | 2000㎜ |
重量 | 5.7㎏ |
傘を開くイメージで設営できるワンタッチテントからピックアップ。ワンタッチテントと言えば、あくまで簡易的な日よけ程度のイメージもありますが、こちらは泊まりのキャンプもOK。耐水圧は、フライ、フロアとも2000㎜と十分な性能があるので雨にも十分対応できるおすすめテントです。
ワンタッチなのでテント本体のみかと思いきや、フライシートも付いたダブルウォールです。そのため雨への耐久性はポールで立てるテントにも負けていません。
ワンタッチなのにフライ付きのダブルウォール
換気用のベンチレーションもテントの上下にあるので、結露対策もしっかり考えられています。仕様では最大5人用ですが、すこし抑えて3~4人なら、雨でしばらくテント内にこもっても窮屈感はそれほどないでしょう。
収納サイズはさすがにコンパクトとはいかないので、気軽に持ち運びとはいきませんが、雨にも強いワンタッチ設営は大きな魅力。防災用に持っておいてもよいですね。
雨に強いテントでキャンプを安心・快適に!
テントを選ぶときは、サイズや収納性、設営が簡単かといった点に目が行きがちですね。しかし、野外アクティビティであるキャンプには雨がつきもの。万一に備えて、雨に強いテントという観点を優先させてテントを選ぶのもおすすめの方法です。
普段あまり目にすることのない耐水圧というスペックは、この雨に強いテントを選ぼうという際の重要な指標になります。これからテントを買おうという方は、ぜひ耐水圧などをはじめとした防水機能や雨対策にも注目して選んでみてください。
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出典:https://unsplash.com/photos/mODxn7mOzms