ヒガンフグは食べれない地域もある毒魚
フグは高級な食用素材でドラマや映画・テレビ番組などの映像では、フグの刺身を箸で一気に取るシーンを贅沢の演出として使われる食材です。
食用のフグにもいろいろな種類がありますが、その中にヒガンフグも含まれます。このヒガンフグは強い毒性を持ち、食用にできない地域もあるほどですが、食べるととても美味しい魚でもあります。
今回はそんな食べると美味しいヒガンフグの基本情報や見分け方、旬の時期や気をつけたい猛毒を持つ部位の説明と、ヒガンフグに合った食べ方をご紹介いたします。
ヒガンフグとは
ヒガンフグの基本情報
| 名前 | ヒガンフグ |
| 科・属 | フグ科トラフグ属 |
| 学名 | Takifugu pardalis |
| 獲れる地域 | 北海道以南地域 |
| 代表的な獲り方 | カットウ釣り |
ヒガンフグの名前の由来
一般的には春の彼岸の時期に産卵期を迎える種類のフグということでヒガンフグと呼ばれますが、ヒガンフグには地域によってさまざまな呼ばれ方をしています。
また、ヒガンフグのヒガンとは春のお彼岸を差すというのが通説ですが、毒性が高いことから彼岸につれていかれる(亡くなってしまう)ため彼岸河豚と呼ばれるようになったという説も存在しています。
地域による呼び名の違い例
| ヒガンフグ | 神奈川県三崎、山口県下関、福岡県柳河、福岡県志賀島 |
| アカメフグまたはアカメ | 秋田県男鹿、関東、熊本県天草、京都府丹後地方 |
| オンビキ | 兵庫県明石 |
| サンガツ(3月)フグ | 宮城県松島 |
| モガンバまたはモフグ | 長崎県雲仙市小浜(ガンバとは長崎でフグの意味)、香川県 |
ヒガンフグと似たフグとの見分け方
ヒガンフグのように背中に斑点のある似た姿をしている種類として、コモンフグ・クサフグがあげられます。またショウサイフグはヒガンフグと同類扱いをされることもありますが、正式には別の種類のフグで大きさも違います。
わかりやすい見分け方としては大きさが重要で、ほかの似たフグが最大でも30cmほどなのに対して、ヒガンフグは大きくなると40cmほどにもなります。
ヒガンフグの釣れる時期と食べごろの旬の時期
大きさも充実して身の脂ものっているおすすめの時期は出産前(春のお彼岸)前の時期です。脂ののり具合だけでなく、大きさの違いは可食部分も多くなるため重要となります。
ヒガンフグの食べ方・毒と部位
フグを食べる時に一番注意しなくてはならないのが、毒による中毒です。フグ毒は死亡してしまうケースも少なくないため、絶対免許のない人がさばいて調理しないでください。ここではそんなフグ毒の危険性や、発病までの時間などについて解説いたします。
ヒガンフグの毒であるテトロドトキシンについて
ふぐ毒はテトロドトキシンと言い身体の麻痺を起こします。
フグ毒はテトロドトキシンとよばれる毒性の物質で、その症状は体の麻痺であることから深刻です。指がしびれるという軽度なレベルからはじまり、最終的には呼吸中枢が麻痺して息ができなくなり死亡します。
フグ毒は加熱しても消えない
フグ毒は加熱によってなくなることはありません。それだけでなく酸で破壊されたり水溶性の性質もないことからドレッシングをかける・水に晒すといった毒の無効化もできないです。そのためフグの毒部分は絶対に食べないでください。
毒の多いヒガンフグの部位
ヒガンフグは岩手県越喜来湾、釜石湾、宮城県雄勝湾地域で漁獲されるものについては、身にも毒性が含まれており釣れても食べることができない魚に指定されています。
その地域を除いて特に毒が強いといわれる部位は、真子・肝臓・エラ・目・皮膚・腸です。
毒を含むヒガンフグの部位
ヒガンフグは筋肉以外は毒がある魚といわれるので、ほかの部位も弱くても毒を含みます。白子・くちばし・頭は、間違えて可食してしまうことの多い弱毒を含む部位として注意が必要です。
フグ毒の発病時間や経過による症状の変化
フグ毒は食べてから早くて20分、遅い場合は3時間ほどで症状が現れます。まずは指先や唇など末端のしびれからはじまり、体のちからが入らなくなり運動麻痺・言語障害と経て、呼吸困難から顔色が変わるチアノーゼが確認できると呼吸できない状態まで症状は進んでしまっています。
ヒガンフグの調理には免許が必要
ヒガンフグはフグの免許があればさばくことができる
ヒガンフグもフグの仲間ですから、食べるためにはフグ調理の免許が必要です。この免許を持っていれば釣り上げたヒガンフグを刺身で食べることも可能となります。
フグの調理師免許は都道府県により個々に発行されるものです。多くは魚の調理を職業とする方で、実務経験が必要な場所が多く、個人では取りにくいこともあります。
個人的にフグの調理免許を取るのは難しい？
個人でフグ免許をとってさばいて食べたいと思っても、免許取得は地域によっては難しい場所もあります。個人の免許に対して寛大な地域であったとしても、危険な毒を含む魚であるため、十分な知識を必要とされるのはどの都道府県においても同じです。
ヒガンフグ調理は必ず免許のある人がさばいた身を使うこと
美味といわれるヒガンフグですが、免許がないため食べられないと諦めることはありません。そんな方は漁師さんが釣り上げたフグをさばいた身欠きフグとしてスーパーや鮮魚店に並んでいるものを購入してみてはいかがですか。
ヒガンフグは天然物だけなのでいつでも手に入るというものであはりませんが、まったく手に入らない魚でもありません。タイミングよく手に入った方は、以下のおすすめの食べ方をぜひ試してみてください。
ヒガンフグを美味しく食べる調理方法
最後になりますが、フグの美味しい食べ方を2つご紹介いたします。定番のふぐ刺しでの食べ方と、少し変わった洋風な調理方法です。このほかにもふぐの肉は、ふぐは天ぷら・刺身を漬けにしてお茶漬け・たたきでいただくなどの料理方法もお試しいただけます。
ヒガンフグの刺身
ヒガンフグ身欠き 2匹
ヒガンフグには小骨がないので刺身にするのも簡単で美味しくいただけます。中骨に沿って3枚におろし、薄くスライスしてお好みの薬味やしょうゆなどで召し上がってください。
フグの刺身の盛り付けのコツ
フグの刺身といえばその美しい盛り付けの見た目も重要な美味しさのコツです。上手にふぐ刺しを盛り付けたい人は大きめの色の濃い皿を用意し、外側から円を描くように並べていくときれいに仕上がります。
ヒガンフグのムニエル
ヒガンフグ身欠き
3匹
にんにく
1片
バター
5g
オリーブオイル
大さじ1
塩
適量
ブラックペッパー
適量
片栗粉
適量
フグの身は洋風な調理方法にも合います。身欠きフグの身に塩コショウで下味を付け、片栗粉の薄衣をまぶしたらバターの風味を効かせて焼いてください。
そのままでも、仕上げに少ししょうゆを垂らして風味づけすれば、ご飯にも合う美味しいおかずが出来上がります。
フグをさばくのには免許を。市販の身欠きフグは誰でも調理可能
サイズが大きく成長するヒガンフグは可食部分も多く刺身にしても食べごたえのある美味な魚です。ただしとても強い毒をもっているので免許のない方はさばくことはできません。
そんな方でも漁獲シーズンであれば時折り店先に身欠きフグとしてヒガンフグの身が並ぶことがあります。これらを利用すれば自分でさばけない方でも美味しくヒガンフグの料理を味わうことが可能です。
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今回はヒガンフグの毒性や毒の部位・美味しい調理方法などをご紹介しまたが、暮らしーのではこのほかにも珍しい魚の美味しい調理方法やレシピをご紹介しています。気になる魚の食べ方も暮らしーのにおまかせください！
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