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魚の干物の作り方は?うまい一夜干しを簡単に作る方法をご紹介!

日本の朝食には魚の干物がよく合います。アジにサバ、イワシにカマス、いろいろな魚をいろいろな作り方で味わえるのが干物です。塩分濃度や干し方でも味わいは変わります。元々は保存食として作られてきた干物ですから、当然自家製もアリです。干物の作り方を覚えてみませんか。
更新: 2023年2月22日
kuma10
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干物はなぜうまい?

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魚は、干すことによって旨味が凝縮すると言われています。もちろんその通りなのですが、ただそれだけではありません。水分が抜けることによって、旨味成分の対重量比が増えるだけであの旨味は出ません。

干すことによって魚の表面が乾き、食感がよくなると共に、その内側でタンパク質が分解され「イノシン酸」という旨味成分が増えます。また漬け込む時の塩分も、重要な旨味の元になります。味付けはもちろん、魚の筋線維の平均化を進め、歯ごたえを出します。干すことにより、旨味と食味の両方がアップするんです。

干物に適した魚

淡白なうま味の白身魚

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淡白なうま味の凝縮された「白身魚」の干物は、時に高級食材になります。アマダイ・タイ・ヒラメ・カレイ・キンメ・キンキ・キス・カマスなどがそうです。干物は基本的に皮は曳きません。ウロコすら剥がずに干す場合も多いのですが、特にアマダイなどは、わざわざウロコを付けたまま干します。

一方、フグやカワハギなどは、例外的に皮を剥いて干物にします。身質のしっかりした魚だからこそ、できる干し方と作り方ですね。

おかずにピッタリな青魚

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白身魚が高級食材になる一方で、「青魚」は大衆食材として活躍します。アジ・サバ・イワシ・サンマ・ニシンなどですね。特にアジ・サバ・イワシの干物は、朝食には欠かせない干物であるとおっしゃる方も多いのではないでしょうか。

白身魚に比べて、その青い部分のために腐敗が早く、そのために釣れたてを船で開き「風干し」にしながら帰港する漁船が、昔はけっこういました。またその青い部分が旨味の素でもあるため、青魚の干物は特別なコクが生まれます。

簡単な一夜干しの作り方①「切り方」

3パターンの切り方

一夜干しのレシピその1は、「開き方」からです。まずは動画を見ていただき、開き方の種類を覚えて下さい。最初の開き方は「背開き」で、アジの開きでよく使います。次が「片袖開き」で、身の細いキスやカマスなどに適した開き方になります。

最後が「腹開き」で、腹皮の柔らかい大羽イワシやサバなどの開き方になります。おおむねこの3種類の開き方ができれば、家庭での一夜干しにはことかきません。作り方のコツは、身を傷めないように、内臓や血合いをきれいに掃除すること。魚は優しく扱いましょう。

イカは開いて

一夜干し用の魚の開き方で特殊なのは、「イカ」の開き方です。腹側(エンペラや甲骨)のない方に包丁を入れ、身を開いたら左右の目を外します。スミ袋を割らないように、内臓と甲骨を抜いたら後は干すだけです。

この動画の方は、イカの「食腕(長い腕)」を上手く使って、洗濯バサミの代わりにしていますね。ご家庭で干す場合は、風通しのよい場所での「洗濯物干し」が適当ですよ。干物作りで一番簡単なのが、イカかもしれません。


簡単な一夜干しの作り方②「塩分濃度」

干物の最適塩分とは

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いろいろなレシピ本やレシピサイトに、干物の塩水濃度のことが載っていますが、その作り方を鵜呑みにしてはいけません。実はこればかりは決まりがないんです。塩分濃度を決める指針には魚の身の厚さ、身の質、脂のノリ、などの他に一番大切な「自分がうまいと思う濃さ」があります。

これに季節によって外気温や湿度の違いなどが絡みますから、一概に「この作り方がよい」とは言い切れません。今回は、基本のレシピとして干物の一般的な塩分濃度と漬け時間を紹介しておきますね。

塩分濃度基本レシピ

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干物を作るにあたっての、よく言われている塩分濃度のパーセンテージは、10%から13%です。これが「一夜干し」に限ると15%と言われます。しかし漁師さんに聞くと、「釣れた海の海水」で漬けるのが一番うまいと言います。海水の塩分濃度は約3.5%。この違いはどこから来るのでしょう。

それは海水に含まれる各種のミネラル分によります。それを漬け汁に混ぜるのは無理ですが、15%がしょっぱすぎるのは分かると思います。一夜干しの基本塩分濃度は、「身の薄い魚が10%」「身の厚い魚が12%」くらいでよいと思います。

漬け時間について

魚は塩水に漬けることによって、腐敗を止めたり味を深めたりします。また浸透圧によって、水分を抜くことにも塩水は貢献します。ですから逆に漬け過ぎは、しょっぱくなったり、硬くなったりしますのでよくありません。一夜干しの場合、20分目安で漬け込みましょう。

簡単な一夜干しの作り方③「干し方」

陰干し

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一夜干しレシピの最後は、「干し方」です。一夜干しは「生干し」とも呼ばれる干物の干し方で、完全に水分を抜くのではなく、半生の状態で完成とします。干す時間は6~12時間ですが、干す魚の大きさによって時間を調整します。

干し網に入れて、風通しのよい日陰を選び乾かしますが、風のない湿度の高い日などは腐敗の可能性もあります。そんな時は「冷蔵庫干し」という干し方もあります。バットにすだれを敷き、魚を並べて24時間冷蔵庫に入れておくだけで、簡単に一夜干しができますよ。

天日干し

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干物の作り方で「天日干し」という干し方は、一夜干しの場合では基本しません。イメージでは「日光消毒」や「旨味成分増大」など、よいイメージがあると思いますが、実は天日干しには腐敗のリスクがあります。

ですから、どうしても天日干ししたい場合(湿気が多いなどの理由で)は、魚の表裏を30分ずつくらい干し、表面が乾いたら陰干しにしましょう。また、陰干しをして表面の水分が抜けきらなかった場合、朝日に30分くらい当てるくらいにしましょう。

その他の干物の作り方①

干物の王様「くさや」


焼くさや(青むろアジ・瓶詰め)

出典:楽天
出典:Amazon

くさやの干物を食したことがありますか。何とも言えないうま味が口いっぱいに広がる絶品干物です。ムロアジがほとんどですが、時期になるとトビウオのくさやも出回ります。焼く時に驚くほどの臭いが出ますから、集合住宅などでは近所迷惑になりますから、なかなかおすすめできないのですが、年に何回かは「食べたいなあ」と思いを巡らせます。

最近は、焼いた物を真空パックなどにしての販売もありますので、まだ口にしたことのない方はぜひ一度試してみて下さい。

くさやの干物の作り方

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くさやの干物は、「くさや液」という塩水に魚を漬け込んで干す干物です。ですから、くさや液がなければ、くさやの干物は作れません。

くさや液も、もともとはただの塩水だったのですが、一説によるとその塩水を取り換えるのがおっくうだった干物屋さんが、使いまわしているうちに発酵が始まり、現在のくさや液ができあがったそうです。

塩と水の継ぎ足しだけで、百年以上使っている塩水もあるそうです。近いものでよければ「ナンプラー」を2~3倍に薄めて、24時間漬け込んでから、2日ほど干してみて下さい。くさや風干物ができますよ。

その他の干物の作り方②

「煮干し」も干物?

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煮干しは、お味噌汁の出汁や、おやつにうってつけの干物です。おやつの時間に「カルシウム」とか言われて、食べさせられた思い出を持つ方もまだおられると思います。「煮干し」といえば「カタクチイワシ」が主ですが、堤防釣りなどで釣れた小物(一夜干しにも小さいような)も煮干しになります。

実際に、アジの煮干しやトビウオの煮干しなども、干物屋さんで見かけますよね。煮てから干すから、煮干しなのですが、簡単ですのでサビキ釣りの獲物などを煮干しにしてみませんか。

煮干しの作り方

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釣ってきた、または手に入れた新鮮な小魚を掃除します。カタクチイワシなど、小さなイワシならば、バケツに張った水に入れてぐるぐる回すだけでOKです。ウロコがきれいに取れますよ。次に4%ほどに調整した塩水を沸かします。

沸騰した泡で魚が暴れないように、少し差し水をして「ザルなどに入れて」魚を茹でます。約3分茹でたらそっと上げ、新聞紙やキッチンペーパーなどに優しく広げます。風通しのよい場所で4日ほど干したら、密閉袋に入れて冷凍保存しましょう。

その他の干物の作り方③

イワシの干物は「丸干し」

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いわゆる朝食に出てくる「メザシ」と言われる干物が「丸干し」です。ウルメイワシの食べ方で、一番うまい食べ方がこれだとおっしゃる方もおられます。それには理由があり、丸干しは自分で作った場合、いろいろなタイミングで楽しめます。

たとえば、お昼くらいから3~4時間干したものを「生干し」として晩酌のお供にしたり、翌日の朝取り込んで「一夜干し」として朝食にしたり、また4日ほど干して完全な「丸干し」にして保存用干物にしたりと、さまざまな楽しみ方できます。

丸干しの作り方

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新鮮なイワシ(ウルメイワシかマイワシ)が手に入ったら、新鮮なうちにウロコを剥がします。剥がし方は、カタクチイワシと同じでよいですが、少し手で擦ってあげましょう。

きれいにウロコが落ちたら目を抜きますが、案外竹串など使いづらいので、おすすめは「ストロー」です。ストローで両目を抜いたら、そのまま一本のストローに5匹くらいずつ刺して行きます。

15%ほどの塩水に3時間くらい漬けたら、風通しのよい場所で陰干ししていきます。後は前述したように、好きなタイミングで食べていきましょう。うまい干物ですよ。

干物作りに必要な道具

干物網

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干し網は、陰干しには必須です。形は丸型や角型のものがほとんどで、大きさはさまざまです。値段は、100均のものから2000円くらいのものまでいろいろありますが、家族の人数や干物にする魚種なども考えて購入しましょう。

選び方のコツは、何段かに分かれている干し台が、個別にファスナーで開けられるようになっているかが重要です。一つのファスナーですべての段が開いてしまうものは、時間差での取り込みや干物の大敵、小虫の進入に難があります。使い勝手のよいものを選びましょう。

包丁

動画で紹介しているアジの開きで使っている包丁は、いわゆる「出刃包丁」です。慣れてしまえば、一番使いやすい包丁ですが、和包丁の本出刃は、大きすぎて慣れるまでが大変です。

硬い頭骨を持つ鯛などの魚を兜割りにするのであれば、本出刃包丁をおすすめしますが、干物用には、これより二回りほど小さい「小出刃包丁」をおすすめします。ちなみに小出刃包丁は、「アジ裂き」や「アジ切り」「アジ割り」などと呼ばれることもあるんですよ。

塩はこだわらず

最近はうまい塩がたくさん出回っていて、どんな塩を使っていいのか目移りしちゃいますよね。しかし干物に使う塩は、あまりこだわらなくてよいと思います。塩の大きな役割は「防腐」「脱水」であり、「味付け」はメインではありません。

味は魚本来のうまさにまかせておけばいいと思います。簡単なレシピでうまい食べ方ができるのが干物のよい所です。あまり材料費がかからないのもよい所です。また、天然塩に含まれる成分で、干物に腐敗が起きる可能性もありますので気を付けましょう。

釣れすぎた魚で干物を作ろう!

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堤防釣りや防潮堤釣り、イカダ釣りなど、サビキなどを使っての五目数釣りは楽しいものですよね。しかし釣れすぎて、食べきれなくなるほど釣れてしまうこともあります。そんな時はこの記事の「簡単干し方レシピ」を思い出して、干物を作ってみましょう。釣れた魚一匹も無駄にすることなく、美味しくたべてあげましょう!