サウナは健康に効くのか
雑誌やテレビ、SNSなどでもよく目にする「サ活」。「サ活」について特集が組まれることも多く、サウナブームで現在注目を浴びています。
老若男女問わずサウナが好きな方は多く、サウナに通う人を「サウナー」と呼称していることも。以前から一定のサウナ人口はありましたが、近年の急速なサウナブームには一体どんな魅力が隠れているのでしょうか。
そんなサウナの魅力や入り方、健康へのメリットや身体への効果・効能について解説していきましょう。
そもそもサウナとは
そもそもサウナの発祥はフィンランド。元々、夏でも過ごしやすい寒冷地域では健康促進としてサウナは盛に行われていました。今では世界中でサウナは利用されています。
サウナは乾式と湿式に分類されます。日本では乾式のドライサウナが主流で、フィンランド式はストーブで熱した石に水をかけて蒸気を発生させて楽しむものが一般的。
サウナの温度は70~110度に設定されていることが多く、日本では施設によって設定温度が微妙に変わってきます。
サウナの健康メリット
フィンランド発祥のサウナの歴史は古く2000年前から盛んに行われていたとされ、フィンランドでは屋外に設置され、サウナと外気浴を楽しむ方法が知られています。
フィンランドでは昔から、サウナは身体に良いと信じられてきました。日本では、1964年の東京オリンピックでサウナが持ち込まれてから一般に広がったそうです。
今では一般的になったサウナの利用。では、サウナのどんな点が健康に良いとされているのでしょうか。
健康効果1.血行促進
サウナに入ることで、身体があたたまります。身体があたたまると、血管が広がり心拍数が上昇します。
それに伴い、多くの血液が循環。筋肉に流れる血液量も増え、血流が改善し、凝り固まった筋肉が原因で引き起こされる肩こりの改善などが期待できます。
血流がよくなることで身体的機能に良い影響を与えることが多く、健康に良いメリットがたくさんあります。これが健康的な体へ導いてくれる根本と言えるでしょう。
入浴との違い
身体が温まることで血行が良くなることが、健康や身体に良い影響を与えることが分かりました。では、入浴とサウナでは何が違うのでしょうか。
それは、水圧があるかどうか。入浴でも身体は温まりますが水圧により血管が細くなるので身体に負担となります。
サウナはこの身体への負担を少なくして血管を広げてくれるのため、血行をよくするのに最も良いとされ、これが健康へと繋がって行きます。
健康効果2.発汗による疲労回復
運動で汗をかくと乳酸が溜まります。サウナでは血流が安静時の2倍。運動による筋肉疲労に効くのは、この血流の流れが良くなることで、乳酸の分解効率が上がることにあります。
これにより、疲労物質の排出が効率よく身体の中で行われることで、疲労感が早く軽減されるので、スポーツ後にサウナで汗を流すアスリートもいます。
在宅勤務やデスクワークなどが増えた昨今では、肩こりや頭痛に悩まされる方も多いのではないでしょうか。サウナで血流を良くすることで、肩こりなどの慢性的な筋肉の凝りにも効果を発揮します。
慢性的な肩こりや頭痛がある方は、サウナに入り血流をよくするだけでもこのような症状が改善される傾向にあります。健康な体を手に入れたい方はぜひ一度試してみてください。
サウナの医学的効果と健康
フィンランドの伝統的なサウナでは、健康への影響やその効果に関する論文等も発表されています。
定期的なサウナの利用は、医学的に見て、さまざまな身体への効果や効能が期待できると言われています。フィンランドの人々は健康的な体づくりにサウナが欠かせないと言えるのではないでしょうか。
サウナの医学的効果について
- 高血圧・心臓病・脳卒中のリスク軽減
- 乾癬など皮膚疾患症状の改善効果
- 風邪や感染症リスクの軽減(免疫力の向上)
- 関節症(リウマチ等)などの疾患の痛みや症状の改善
- 頭痛症状や肩こりなどの筋肉の凝りの改善
- 呼吸器疾患(喘息・慢性の肺炎など)のリスク軽減
- 生活の質の向上
高温が健康効果のカギ
サウナは、高温の室内へ入ることで身体の温度が急激に上昇。この急激な温度の上昇が、身体のさまざまな機能に変化をもたらします。
フィンランドの研究者によると、定期的なサウナへの入浴は、消化器官の機能や呼吸・心臓などの身体機能を司る自律神経を安定させてくれるそう。これらの動きが促進されることによって、健康面への効果が期待できるのです。
サウナに入ることで出る健康物質
また、サウナに入ることでヒートショックプロテイン(HSP)というタンパク質が生まれます。
HSPは、通常のタンパク質の損傷を直してくれる性質があり、身体の細胞の再生を活性化。これが、免疫力を高めてくれたりや、細胞の修復を促進してくれる仕組みです。
このHSPは健康的な体づくりに欠かせない物質とも言えるでしょう。
サウナの安全な利用法
このように、サウナにはさまざまな身体への効果や効能があり、健康へつながることがわかりました。
しかし、これは健康な状態にある人がサウナによって効果が期待できるという結果に過ぎません。サウナに入る際には、体調の良い時にするなど注意が必要です。
飲酒した後や、服用している薬による体への影響がある場合などはサウナへ入浴は避けたほうが良いでしょう。基礎疾患がある方、体調に不安のある方はサウナを控える・医師に相談するなどしてから利用してください。
サウナの健康的な入り方
サウナに健康的メリットがあるとされる理由には、サウナの「温熱効果」にあります。では、サウナの効果を最大限に引き出し、健康的に入るにはどのようなことが必要なのでしょうか。
サウナの一般的な入り方を紹介していきます。
基本の1セット
せっかくサウナに入るなら、その健康効果を最大限に引き出しましょう。サウナに入る前にはまず体の汚れを落とします。
身体の汚れを落とすことで汗をかきやすくしたり、発汗時の不快感など軽減されるからです。
サウナに入る前にはしっかり体を拭いてから入りましょう。階段になっているサウナでは、最初はサウナの下段から始めます。サウナの上段は温度が高いので自身の健康や体調を見て調整しましょう。
サウナ健康法の目安
サウナの温度によりますが1回7〜15分を目安に、じんわり汗をかいてきたら一旦外に出ましょう。水風呂や外気浴をしてクールダウンし、水分の補給などで少し休憩をはさみます。
身体が落ち着いたらまたサウナへ入って過ごします。これを2〜3回繰り返しましょう。
繰り返しサウナへ入る理由は、熱い・冷たいを繰り返すこと。これにより交感神経と副交感神経に刺激を与え、サウナの健康への効果を発揮するひとつの理由となるからです。
健康へ繋がる水風呂と外気浴
サウナに入っても水風呂は冷たく感じる方も多いでしょう。水風呂に慣れない方は四肢を冷やしたりするだけでも大丈夫。少しずつ体を水風呂に慣らしてから入りましょう。
水風呂が苦手という方は、ぬるま湯で対応したり、外気浴だけでも十分クールダウンできます。体調や自身の健康状態に合わせてサウナを繰り返す回数や、水風呂や外気浴を調整してください。
身体への負担を減らす方法
サウナは急激に温度が上昇するため、血圧などに影響することも。血圧に不安のある方などは、いきなりサウナに入るのは避けた方が良いでしょう。
お風呂で少し体を温めてからサウナに入ると血圧の急上昇を防ぎ、安全。また、サウナの後すぐ冷たい水風呂に入ると心臓に負担がかかり、血圧が上がる危険な場合も考えられます。
一気に水風呂に入ると血管も急速に収縮、それにより血流を良くする効果もありますが、健康的な入り方には十分に注意が必要です。
サウナで「ととのう」の意味
サ活を楽しんでいる人やサウナーからよく耳にする「ととのう」というワード。この「ととのう」というのはどのような状態のことをいうのでしょうか。
サウナの入り方で説明した、サウナ→水風呂・外気浴→休憩を2~3回程度繰り返すことで感じる快感やスッキリした感覚を「ととのう」と言うそうです。
サウナに繰り返し入ることで高揚感を感じたり、ランナーズハイのような感覚に近いなどという方もいるようです。
「ととのう」の効果
サウナと水風呂や外気浴を繰り返して行うことで脳内で「β-エンドルフィン・オキシトシン・セロトニン」という鎮静効果や幸福感を得ることができる3つの物質が分泌されます。
このことから、サウナで「ととのう」感覚はとても気持ち良い状態になるということが想像できます。
この気持ちの良い状態を知っている人は、虜になってしまうそう。サウナーやサ活をしている人は、きっとこの感覚に魅了されているのではないでしょうか。
サウナは健康の他にもメリットがいっぱい
医学的な面からも健康にさまざまな効果が期待できるサウナ。その多くは血行促進によるもので、サウナには健康だけでなく身体にうれしい効果や、心身に影響する嬉しい効果も期待できます。
サウナをうまく利用して健康な体を手に入れましょう。
1.美容・美肌効果
ストレスは自律神経を乱す原因。ストレスを感じることで、肌が荒れた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
サウナの温冷効果は自律神経を整える効果があり、サウナに入ることで交感神経と副交感神経のバランスを整えることが自立神経の改善につながり、それが肌荒れやニキビに効果的に作用する仕組みです。
自律神経の乱れは、健康へ直結することもあります。
HSPが肌にも効く!
サウナの高温は肌に悪いと思う方も多いかも知れません。しかし、サウナの高温はHSP(ヒートショックプロテイン)を発生させることで、細胞の修復をしてくれるので、肌荒れの改善にへ働きかけてくれます。
このHSPは肌の温度が38~40度で発生すると言われています。サウナ室温は70度以上の高い温度のため、このHSPが発生する最も適した場所ともいえるでしょう。
サウナの効果は肌荒れの他に、肌のくすみ改善・ターンオーバーの促進・肌老化の防止にも効果があると言われています。
サウナはスキンケアにもとても良い効果をもたらしてくれることが分かりました。
サウナ後は通常より乾燥しやすくなります。ここで大切なのがサウナ後の保湿。しっかり保湿を忘れないようにしましょう。
2.デトックス効果
サウナの一番の魅力と言えば「汗をかくこと」。この発汗は体の老廃物を排出するのに効果を発揮し、デトックス効果も高いとされています。
サウナで定期的に発汗をすることで、老廃物を身体に溜め込むことなく、健康的に痩せやすい体質づくりにもつながります。
サウナは健康への第一歩である、体質の改善しも一役買ってくれると言えるでしょう。
3.リラックス効果
サウナに入ることで、血流が良くなり、自律神経を整える効果のあることは前述の通り。この効果はストレスの軽減にも大いに役立つため、リラックス効果に最適です。
交感神経と副交感神経を切り替えることは自分の意思で行うことは難しく、サウナで強制的にこのスイッチを切り替えることで、自律神経を鍛えることができます。
自律神経を鍛え、整えることは心身にリラックス効果を与え、メンタルの健康にも役立つことが分かっています。
サウナの室内に充満する蒸気にはマイナスイオンも含まれています。このマイナスイオンにもリラックス効果は含まれるので、心身の健康や、うつ状態の緩和などにも効果があるとも。
サウナに入ることで感じる適度な疲労感や蒸気によるマイナスイオンには、睡眠の質を向上させる効果も期待できます。
サウナが体全体にリラックスを与え、健康にとても効果的であるということが言えるのではないでしょうか。
サウナの種類はいろいろ!
サウナと一言で言っても、今ではいろいろな種類のサウナが存在します。
一般的によく見られるのがドライサウナです。ロウリュウ(石を熱してその上に水をかける)を楽しむフィンランドサウナ・塩サウナ・アロマサウナ・スチームサウナなど施設によってさまざまな種類が楽しめることも。
アウトドアで楽しむテントサウナなども最近注目を浴びています。いろいろなサウナの種類を試してみて、自分にあったサウナを見つけ健康的な体づくりをしてみましょう。
サウナで健康になろう
サウナは心身ともにリラックスでき、健康への効果も期待できることがわかりました。正しくサウナを活用することで、自身の健康へつなげていきましょう。
また、サウナを利用する際には、水分の補給も大切なことです。汗で失ったミネラルを補給するのに、ミネラルが入った水やお茶などが最適です。
脱水症状を防ぐためにも、サウナの前後や休憩時などには意識して水分を取るように心がけ、健康的で安全にサウナを楽しみましょう。
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