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【入水時の水しぶきにご注目】飛び込み競技のルールを解説!採点基準や種目の種類も!

飛び込み競技はただ綺麗に飛び込むだけの競技だと思っていませんか?実は飛び込み競技には得点を左右するために考慮しなければならないルールがいくつも存在するのです。この記事ではそんな飛び込み競技の基本的なルールから得点を左右するようなルールまで解説していきます。
2021年8月18日
海龍
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ルールを知ればさらに感動できる飛び込み競技

Photo byclicjeroen

2021年東京での開催で今までよりも更に注目を集めるオリンピック大会。そのオリンピックの大会競技でもある飛び込みのルールについて解説します。高所からプールへ飛び込む際ダイナミックな回転と静かな入水、技の完成度などの総合的な点数を競う飛び込み競技。

水泳競技と同じくプールを使いますが、水泳とはルールや演目が全く異なった競技となっています。この記事ではそんな飛び込み競技のルールや採点方法などわかりやすく解説するのでぜひ参考にしてください。

飛び込み競技の基本的な知識

Photo by2476217

水泳競技の中の一種ではありますが、泳ぐスピードを競い合う水泳競技とはルールが全く異なります。選手が飛び込んでから入水するまでの短い時間でスリリングかつ高度な技を繰り広げる競技が飛び込み競技です。

多くの方は綺麗に飛び込んだ人が勝ち、といった簡単なルールしか把握していないのではないでしょうか。ここではそんな飛び込み競技の基本的なルールについて説明します。飛び込み競技のルールに興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

3種目に分かれる飛び込み競技

Photo by El Coleccionista de Instantes

飛び込み競技のルールは水泳競技とは違い、勝負が決まるまでが数秒とかなり短い競技となっています。その短い時間の中でさまざまな難易度の回転技を行い、入水するまでの美しさを競い合うのが飛び込み競技の基本的なルールです。

この飛び込み競技は飛板飛び込みと高飛び込みという種目に分けられており、それぞれの種目には異なったルールがあります。飛び込み競技の楽しみ方を知ってもらうために、まずはそれぞれのルールについて簡単にご説明するのでぜひ参考にしてください。

飛板飛び込み

飛板飛び込みは、プールの水面から3mの高さに設置されたジェラルミン製でしなりのある飛び板を利用し跳ね上って、さまざまな技を繰り広げ、プールに飛び込むというルールの種目です。

男性選手が6回、女性選手は5回でさまざまな演技を組み合わせた合計点数で競い合うといったシンプルなルールになっています。飛板飛び込みは、台の高さが低く入水までの時間が短いため、比較的難易度が高い種目です。

高飛び込み

高飛び込みのルールは、飛板飛び込みより更に高い10mの高さに設置された弾力性が無い飛び込み台から飛び込みます。それ以外のルールは飛板飛込みと同じく、男子選手が6回、女子選手は5回のさまざまな演技を組み合わせた合計点数で競うルールです。

基本的に飛板飛び込みよりも難易度は低いとされていますが、飛び込む高さが高いため、高さに臆さない強靭な精神力が求められます。

シンクロナイズドダイビングのルール

飛び込み競技には飛板飛び込みと高飛び込みの他にもシンクロナイズドダイビングという種目もあります。シンクロという単語からも想像できる通り、2人同時に飛び込み、息が合った演技を披露する、というルールの種目です。

飛び込む高さについては前記のルールと同様で3mと10mがあります。個人の演技では見ることができない、2人の息が合った演技が見られる非常に見ごたえがあるルールの飛び込み競技です。

シンクロナイズドダイビングの得点基準

シンクロナイズドダイビングの得点の割合は演技が40%、同調性が60%というルールになっています。そのため、いくら難易度が高い回転技を決めることができても2名のタイミングが合っていなければ高い得点を得ることはできません。

そのため、技の綺麗さはもちろんですが、2人の同調性が最大の注目ポイントといえるでしょう。

飛び込みの技の種類と型のルール

Photo by Robbie1

最近の飛び込み競技は、飛び板をしならせて高く飛び上がることにより、空中で4回転半もの回転を魅せる演技が主です。この技の種類は台の上から飛び込む時の始まり方、そして飛び込み時の姿勢といくつもの種類に分けられ、主に6つの群と4つの型に分類されています。

そして、
種類によって技の難易度や見え方が大きく変わってくるのです。その飛び込みの際の技の種類とそのルールついて解説します。

飛び込みの技

Photo by jscatty

飛び込み競技にはさまざまな技があり、その難易度によって得点が変わります。また、その技の完成度によっても得点が左右されるのです。つまり、難しい技程得点が高くなりますが、失敗するリスクが高く、簡単な技程得点は低く、失敗のリスクが低くなります。

ここからはそんな飛び込みで行われる主な技の種類を紹介するのでぜひ参考にしてください。

第1群:前飛び込み

飛び板から前方に向かって踏み切り、そのまま前方に回転しながら飛び込む飛び込み方です。ただ前に回る前転のような飛び込み方ですが、高い足場からの飛び込み方となると、その難易度は格段に増します。

第2群:後飛び込み


飛び板の先端の位置で後ろ向きに立ち、踏み切って後方に回転しながら飛び込む飛び込み方です。こちらも前飛び込みと同様に最初から最後まで一定方向に回ります。前が見えないため、飛び込む際の勇気が必要な飛び込み方です。

第3群:前逆飛び込み

飛び込み板の先端で前向きに立ち、後ろ回転をしながら飛び込む飛び込み方を前逆飛び込みといいます。前向きから後方に回転するため、難易度は前記の飛び込み方よりもやや高めです。

第4群:後踏切前飛び込み

後踏切前飛び込みは前逆飛び込みとは逆に後ろで踏み切り、前回転を行うという飛び込み方です。後ろ向きで踏み切るため、飛び込む際の恐怖心はありますが、克服さえできれば、高い点数を獲得することができます。

第5群:捻り飛び込み

前記で紹介した飛び込み方に加えて捻りを加えた飛び込み方が捻り飛び込みです。この飛び込み方はひねりの回数が多くなればなるほど、難易度が高くなるため、得点も上がっていきます。

第6群:逆立飛び込み

Photo byPublicDomainPictures

飛び板の先端に逆立ちしたあと飛び込みます。腕の力だけで、踏み切らなければならないため、難易度が非常に高い飛び込み方です。また、逆立飛び込みは10mの高さから飛び込む高飛び込みのみで行われる飛び込み方となっています。

飛び込み時の基本姿勢の型とルール

飛び込みの姿勢にも決まったルールがあります。基本的にA型からD型までの姿勢に分かれており、飛び込み方と空中での姿勢を組み合わせ、その一つの飛び込みが完成するのです。ここからはそんな空中でのフォームである型について解説します。

A型:伸型

腰や膝を曲げずに手先から足先までまっすぐの状態が伸型と呼ばれるフォームです。まっすぐになるだけなので簡単なのでは、と思う方もいるのではないでしょう。しかし実は、この伸型が最も難しいフォームなのです。

当然ですが、飛び込む際は回転などを行いながら飛び込みます。そのため、まっすぐという姿勢を維持するのは意外と難しいとされているのです。また、まっすぐの状態では宙返りを行うのも難しいとされています。

B型:蝦型

腰を大きく曲げてエビのような姿勢になるフォームを蝦型といいます。フォームの難易度は伸型よりも低いですが、回転力を得やすいフォームです。

C型:抱型

膝をそろえて腰と膝を曲げて、体全体をできるだけ小さく縮めたフォームで、つま先をよく伸ばし、ひざを抱えるフォームです。難易度でいうと最も簡単なフォームですが、最も回転力を得やすいため、多くの選手が抱型を行います。

D型:自由型

上記の他にも自由形があります。これは自由形というフォームがあるのではなく、特定の飛び込み方法の際にどのフォームを取り入れてもいいですよ、という形です。通常は競技を行う前にこの演技を行う、というように申告する必要があります。

そのため、あらかじめ自由形を申告しておけば、どのフォームを行っても減点にはならない、ということです。

飛び込み競技の判定基準

飛び込み競技は10mもの高所から飛び込みを行うため、自身の恐怖心に打ち勝つことがまず大前提となります。そして、入水までのわずかな時間で5種類の踏み切りの方法と、前後の方向に捻りを加え身体の形を組み合わせた技と入水を意識しなければなりません。

難しい技は得点が高くなりますが、少しでも失敗すると得点が低くなるので飛び込み競技は繊細な競技なのです。ここからは細かくその採点基準やルールについて見ていきましょう。

競技前に演技を申告するルール


競技者は全ての種目で競技開始の24時間前までに「演技種目申込用紙」を大会記録本部に申告し事前に行う飛び方を決めておかなければならない、というルールがあります。提出後の演技の変更はできないため、申告した演技を大会では行わなければなりません。

調子がよいからといって難易度を上げることはできない

事前に技を申告し、その申告通りの技を行わなければ、高い得点を出すことはできません。提出時よりも調子がよいからといって、勝手に技の難易度を上げて、難しい技を成功させたとしても申告通りの技でない場合は最悪0点になることもあるのです。

審査員のルール

Photo byPeggy_Marco

飛び込み競技の審判は7人おり、全員がそれぞれ採点を行います。その中の最高点2名と最低点2名の審判の点数を除外し、残りの3人の平均点に技の難易率を掛けた点数がその飛び込みにおける点数となるルールです。

入水時の基準

Photo by yto

飛び込み競技の世界大会に出場する選手たちは、入水時に水しぶきを上げることがほとんどありません。そんな静かな飛び込みには高い得点がつけられます。逆にいうと完璧な踏み切りを行い、その後のフォームも美しい演技であったとしても、入水で失敗すると高得点は狙えません。

また、飛び込み時の技の難易度が高いものになると入水の難易度もあがるため、最も注目される場面であり観客からもわかりやすいポイントとなっているのです。

入水方法

Photo byqimono

飛び込み競技の採点の半分以上を占める採点基準の一つであり、勝利の鍵ともいえる入水方法の種類についてご紹介します。入水は飛び込みにおけるもっとも重要なテクニックであり、観客を沸かせる最大の注目ポイントです。

リップ・クリーン・エントリー

飛び板から飛び込み、そして技を繰り広げ最後の入水時にプールから全く水しぶきが上がらず、泡が水面に見える入水方法をリップ・クリーン・エントリーと呼ばれています。

リップ・クリーン・エントリーは見た目も非常に美しく、得点も最も高くなっているため、完璧な入水方法だといえるでしょう。


 

ノースプラッシュ

飛び込んで技を行った後に水面に対してほぼ垂直の角度で入水し、水しぶきを上げずに入水する方法をノースプラッシュといいます。リップ・クリーン・エントリーより得点は少なくなっていますがそれでも高得点が期待できる入水方法です。

飛び込み競技の採点ルールについて

飛び込み競技の採点は審判員1人につき10点満点で、0.5点刻みで行われるルールになっています。繰り広げられる技により難易度が変わるので難しい技であれば、それに伴い得点は高くなるのです。ここからはそんな飛び込み競技の採点について解説します。

主な採点基準とルール

フリー写真素材ぱくたそ

飛び込みの採点基準について解説します。審判は0.5点単位で点数を付けるのですが、その点数によって、その飛び込みがどの程度の完成度なのか判断することができるのです。ここからはそんな審判の得点基準のルールについて解説するのでぜひ参考にしてください。

0点

完全に失敗したもの(Completely failed)でオリンピック大会ではめったに付けられることはありません。また、事前に申告した演技と異なった演技を行った場合も同様に0点となります。

0.5点~2.0点

失敗した飛び込みに付けられる点数です(Unsatisfactory)。審判がこの点数をつけていたら、この飛び込みは失敗なのだとわかることでしょう。

2.5点から4.5点


未完成な飛び込みにはこの点数がつけられます(Deficient)。この点数になってくると、おそらく素人目から見てもどこが未完成なのかわかりづらくなってくるでしょう。そんな失敗した箇所に注目するのも面白味がある観戦方法ですよ。

5.0点から6.5点

飛び込みが完成したものにはこの点数がつけられます(Satisfactory)。申告した飛び込み技が最低限出来ていることを意味する点数です。

7.0~8.0点

良好な飛び込みができた際にはこの点数がつけられます(Good)。素人目から見ればほぼ完ぺきに見えることでしょう。しかし、入水角度が少し浅かったり、水しぶきが少し立ってしまったりするとこの得点となってしまいます。

8.5~9.5点

非常に良好な飛び込みにはこの得点がつけられます(Very good)。素人目ではどこが減点なの?と思いたくなるほど完璧に近い、飛び込みです。

10点

完璧な飛び込みにはこの点数がつけられます(Excellent)。非の打ち所がないまさに完璧な飛び込みです。オリンピック大会でもほとんどこの得点は出ない、といわれる程貴重な得点ともされています。

シンクロナイズドダイビングの採点とルール

この競技の採点ルールは選手2名が同時に飛び込み、ペアを組んでいる2人の演技がどれだけシンクロしているかが審査の注目ポイントです。3m飛び板シンクロナイズドダイビング競技は男子が4回、女子は3回演技を行うルールとなっています。

審査する審判員が11人もおり、3人ずつがそれぞれ左右の選手の演技を採点し、残りの5名が選手の同調性を採点するルールです。
 

難易率

Photo byFree-Photos

難易率とは技の難しさを表した数値です。現在は1.2点から3.8点までの難易率があり、難易度が高い技程高い点数となっています。最終的にこの難易率を審判員の平均点に3を掛けた数字に掛けることで最終的な得点を出すことになるのです。

飛び込み競技は実は奥が深い

今回の飛び込み競技についての採点方法やルール説明はいかがだったでしょうか?技の種類やそれぞれのルールを知れば知るほど同じ水の競技である水泳とはまた違った見どころ満載の飛び込み競技。

選手たちは入水までのわずか2秒の演技でこれまでの全て捧げ、全力を出し切ります。飛び込み競技の奥深さを理解しながら、競技を観戦すれば、飛び込み競技がより楽しく面白いものに見えてくることでしょう。

オリンピック競技のルールについて興味がある方はこちらもチェック

今回はオリンピックの飛び込み競技のルールについて解説しました。しかし、オリンピックには飛び込み競技以外にもさまざまな魅力的な競技があります。そんな他のオリンピック競技のルールについて興味がある方はこちらの記事もチェックしてみてください。

オリンピック競技に関するルールが具体的に掲載されていますよ。ぜひ参考にしてみてください。