カヌーとはどんな形状の乗り物
東京2020大会でも正式種目!
2020年のオリンピック東京大会の種目の中に「カヌー競技」という、古来から水上の乗り物として歴史のある「カヌー」を使った競技種目があります。そこで「カヌー」という乗り物のことや、この競技のルールなどについて調べてみました。ここで使われている「カヌー」ですが実は次の二つの種類の乗り物を使います。一つは「カヤック」そしてもう一つは「インディアンカヌー」です。
カヌー・カヤックとボートの違い!
カヌーとボートの違いはと言えば、公園の池や、観光地の湖にある「ボート」は、漕ぎ手が進行方向の背を」向けてオールを左右の手に握ったオールを漕いで進ませます。これとは逆にカヌーは進行方向に向けてバドルを動かして進ませます。このバドルの形状の違いで、カヌーとカヤックに分類されます。ブレードが片面だけの【シングルブレード】を使うのがカヌーで、ブレードが両面にある【ダブルブレード】を使って漕ぐのをカヤックです。
インディアンが使ったカヌーの歴史!
インディアンやエスキモーが猟に使っていた!
一般的にカヌーやカヤックの歴史は古く、古代の先住民であるエスキモーやイヌイット達がアザラシなどの狩りを行うために使ったものがカヤックで、材料は獣の骨をカヤックの骨組みとして用い、獣の皮を張って作られています。カヌーは北米インディアン達の移動や、輸送手段として使われたのがインディアンカヌーです。アメリカメイン州の東部とカナダのノバスコシア州付近には、湖が多く点在し水路でつながっており、インディアンの乗り物だったカヌーが交通手段として利用されていました。
カヌーは時代とともに形状や大きさが変化した歴史がある!
元々は運搬や輸送に使われ、歴史的にはインディアンなど原住民の生活の足だったのカヌーです。それが近代スポーツやレジャーの道具として使われ始めると、目的により形状や大きさも変化しました。流れを楽しむ船や、荷物を積んで旅を楽しむ船、釣りや他の遊びと複合した船など形状も様々で、それぞれ特定の目的を持って作られた歴史が有ります。
カヌーは南太平洋でも使われた!
丸太をくりぬいて作られたカヌー
カヌーはまた、南太平洋のポリネシアやミクロネシアの人々が大木をくりぬいて作ったという歴史を持っています。ポリネシアやミクロネシアなどの赤道直下の暖かい、しかも島の多い海域に住む人々はカヌーを使って漁をしたり、島と島とで交易したり、原住民の男子間で戦に使ったりしました。材料は南洋の暖かい地方に生える、大木をくりぬいて作ったものです。単なる丸木舟では転覆する危険があるため、アウトリガーを取り付けて安定性を持たした形状のカヌーも有ります。
赤道付近の海流に乗って航海した!
伝説のムー大陸やアトランティス大陸の沈没から逃れた人々が、赤道反流に乗って台湾の付近まで航海し、その後黒潮に乗って日本付近や沖縄などに流れて来たかもしれないと想像すると、古代のロマンが身近な現実に感じられます。「太古の昔、南太平洋から日本にカヌーで人々が渡ってきた」と言われていますが、近年になってコラーサ号の航海など、海洋冒険小説を読むと現実に起こったことであろうと思われます。
フィールドに応じたカヌー&カヤック!
静水面・湖面・流水面で使われるカヌー
静水面で行われるカヌー競技には、カヌースプリント競技とカヌーポロ競技があり、それぞれルールに合わせた専用の船を使う歴史のある競技です。湖=カナディアンカヌー=インディアンカヌーというイメージが強いですが、長距離をこぐような場合はフォールディングカヤックや、シーカヤックと云った形状も適しています。流水域ではカヌースラローム競技やカヌーワイルドウォーター競技、カヌーフリースタイル競技などが行われます。
川の中流・下流上流域そして沿岸部で使うカヌー
主に川旅のフィールドでは、フォールディングカヤックやレクリエーショナルカヤック・インフレータブルカヤックなど種類の艇を使い、のんびりと川下りを行います。早く激しい流れをスポーティーに漕ぐために運動性が高くまた岩にぶつけても壊れにくい素材でできた船が適しています。ダウンリバーカヤックがその代表的なものです。波の穏やかな状況であればシーカヤックだけでなくシットオントップカヤックやフォールディングカヤックなどでも楽しむことができます。
東京オリンピック大会では2種目が!
オリンピック大会でのカヌー競技種目
カヌー&カヤックの技を競うのがオリンピック競技大会です。大会には静水で行われるもの、流水で行われるもの、タイムを競うもの、操船技術の正確性を競うもの、球技など様々です。日本カヌー連盟の公式競技種目は①カヌースプリントカ競技②カヌースラローム競技③カヌーポロ競技④カヌーワイルドウォーター競技⑤カヌーフリースタイル競技⑥ドラゴンカヌー競技などがあり男子、女子別に大会があります。
東京オリンピック大会ではスプリントとスラロームの2種類!
カヌー競技のルールは、水の上を一人、または複数の人数で動きのない静水の上でタイムを競うスプリント競技と、急流の中を以下に早くタイムを競うスラロームがあります。どちらの場合も早くゴールに到着するかを競うものでが、使う船でカナディアンカヌー部門そしてカヤック部門に分けられています。また乗り組む人数で「シングル」「ペア」「フォア」と分けられ、距離も200m、500m、1000mに分類され、オリンピックのスプリント競技は12種目あり男子・女子の部に分かれています。
競技で使われる用語の意味
カヌー競技種目で使われるk1やc1の意味ですが、Kはカヤック艇を指し、Cはカナディアン艇を意味しています。そして、kまたはcの後の数字は、乗り手の人数を示しています。つまいk1はカヤック艇で乗りては一人。c1はカナディアン艇で乗りては一人という意味です。c1やk1など船の種類によって、長さや重量が決まっています。
カヌー各競技艇の大きさや重量とは!
各競技ごとの大きさがルールで決まっている
カヤック艇を使う競技で使われる艇の大きさや重さは次の通りです。k1競技では520cm/12kg、k2競技では650cm/18kg、k4競技では1100cm/30kgです。またカナディアン艇を使う競技で使用される大きさや重さは次のように規定されています。c1 競技では520cm/16kg、c2 競技では650cm/20kg、c4 競技で使われる艇の大きさと重量は900cm/30kgと、競技の種類別で細かい取り決めがあります。
用艇の構造は!
用艇の構造は次のような決まりになっています。カヤック艇はラダーを一つ取り付けることができる。そしてカナディアン艇はデッキなしでも良い。競技の見所としては、コースを一気に駆け抜けるスピードが魅力の競技です。陸上競技の短距離走と同様男子選手や女子選手のゴール手前の競り合いが見ものです。
カヌースプリント競技!
スプリント競技とは!
競技のルールは、静水に設けられた一定距離のタイムを競う競技で、カヌースラローム競技と共にオリンピックの正式種目となっています。一人艇艇、2人艇、4人艇、カヤックカナディアンなどのカテゴリーがあり、世界の強豪を相手に日本選手は活躍している種目の一つです。専用艇は完全なるスピード重視の設計で、特にカヤックの形状は幅が狭く鋭いバグが特徴で、男子と女子に分かれ競技が行なわれます。
競技ルールと競技内容
競技内容及びルールは、明確に指定された障害の全くないコースを最短時間でその順位を競う競技で、公式競技種目/距離は下記のように分類されます。①距離200m、 500m、1000m の三つの距離で競技が行われる。対象は男子と女子でそれぞれ k1,k2,c2,c4の5競技②距離5000mでは、対象は男女でk1,k2,k4,c1,c2 があります。③200mリレー競技は男子がk1,c1そして女子は k1です。
カヌースプリント会場の基本情報
【名称】海の森水上競技場
【住所】東京都江戸川区臨海町6丁目 東京都江東区青海3丁目地先
【アクセス】東京臨海高速鉄道りんかい線「東京テレポート駅」下車シャトルバス乗車
※駅は追加・変更の可能性あり
※会場へのアクセスは公共交通機関を利用
※アクセシブルルートは「東京テレポート駅」の利用を想定
カヌースラローム競技!
カヌースラローム競技とは!
「スラローム」競技は、曲がりくねった川で行い、変化に富んだ川の中での回転する技を競う競技です、川の流れに沿って自在に船を操る技術が見所です。スタートは一人ずつ行い、急流の中の250~400m間隔で18~25個の設置されたゲートを、順番にくぐってゴールします。ゲート通過時の技術と、ゴールまでの所要時間を競う競技です。1人ずつスタートして、250~400mの急流のコースに設置された18~25個のゲートを決められた順番にくぐり、ゲートを通過する時間を競います。
カヌースラローム競技規則
最上流のスタート地点から順番にゲートを通過しながら降る時間を競う競技です。ゲートの不通過やポールの接触などでペナルティタイムが加算されます。ゴールまでのタイム及び、各ゲートを通過する際に接触などで生じるペナルティポイントが最も少ない人が勝ちます。ゲートに艇が触れたり、ゲートの間を通過できなかった場合は減点とされます。減点の例はゲートのポールに選手の体や艇体、そしてパドルが接触したら2秒のペナルティが科せられ、ゲート不通過でゴールしたら、ゲート1か所につき50秒のペナルティが課されます。
カヌースラローム競技用艇の種類!
カヌースラローム競技用艇の種類と規格
競技用艇の種類は、k1(350cm以上/60cm以上/9㎏)c1(350cm以上/65cm以上/10kg)c2(410cm以上/75cm以上/15kg)と決められ、コースの距離とゲート数は、(区間は150m~400mで,男子 k1が100秒でこぎ切れる長さ)が目安となっています。ゲート数は15から25で、そのうち6から7ゲートは漕ぎ上がりとします。
競技の見どころとペナルティ
ペナルティは①各ゲートには標識番号があり、番号順に通過しなければ不通過とみなされ 、50ペナルティ秒が加算されます。②ひとつのゲートでポールに接触し正しい漕行が行われた場合は2ペナルティ秒③正しい漕行が行われなかった場合は50 ペナルティ秒が加算されます。成績は【漕行タイムp+ペナルティ秒】で決まります。競技の見どころは、船体をわざと傾けたり、半分沈めたりして回転性能や運動性能を上げ、急流や荒瀬を横断しながらゲートを通過する点です。
カヌースラローム競技会場の基本情報
【名称】葛西臨海公園(カヌー・スラロームセンター)
【住所】東京都江戸川区臨海町6丁目
【連絡先】葛西陳会公演サービスセンター
【電話】03-5696-1331
【アクセス】
JR:JR京葉線「葛西臨海公園駅」下車で徒歩1分
地下鉄:東京メトロ東西線「西葛西駅(T16)より都バス葛西臨海公園行き
東京メトロ東西線「葛西駅(T17)より都バス 葛西臨海公園行き
【備考】会場の場所は東京湾に面した都立公園で、沖合には葛西海浜公園が隣接しています。
まとめ
東京2020まで1年を切ってしまっています、もうすぐ手が届く!早く、見たい!そんな気分が一杯です。今回カヌー競技について記事にしました。読んでみると大変興味がわくのと同時に、カヌーをやってみたい気分になりませんか?池や湖に、または海面に浮かんだカヌーで陸上を見上げながら進むカヌーの楽しさは格別でしょう。
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