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時代と共にスタイルが絶えず変化・発展し続ける!スケートボードの歴史をご紹介!

東京オリンピックの正式種目として決定したスケートボード。そのスケートボードの歴史はどのようにして現在のかたちに進化したのか、海外でのスケートボードの歴史、日本でのスケートボードの歴史を紐解きながら、スケートボードの歴史の発展やスタイルの変化を紹介します。
2021年9月28日
suitekisekisen
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はじめに

Photo byRainer_Maiores

今やメジャーなスポーツとして認知され、オリンピックの正式種目にも選ばれたスケートボード。しかし、スケートボードの源流はどのようなものか、なかなか知られていません。ともするとスケートボードと聞いてあまりいいイメージを持たない方も少なくなく、日本でも公道の邪魔者、迷惑行為としての認識が強い感じる方も多いです。

この記事では流行の最先端になりながらも公道の邪魔者と煙たがられるなど不遇の歴史を乗り越え、アメリカと日本でスケートボードがどのように根付いて発展していったのか、その歴史を紹介します。
 

アメリカのスケートボードの歴史

Photo byLux_Aeterna

スケートボードを語るうえで外せないのがアメリカでのスケートボードのスタイルの変遷。サーファーがスケーターにどのようにして変わり、レジェンドスケーターたちはどのような影響を与えてトリック(技)を発展させていったのか、年代ごとに紹介します。

1960年代:スケートボードの歴史の源流

出典: https://unsplash.com/photos/YG42Bic3rqI

1960年にカルフォルニアのサーファーたちの間で、波のない時期や、陸上での練習のためにスケートボードが登場。スケートボードと言っても、板に車輪を付けた簡易的なもので、主にサーフィンのバランス感覚を鍛練するために使われていました。

1970年代:Z-BOYSの登場

Photo bytaniaferreiralourenco

カルフォルニアのゼファーサーフショップが、ポリウレタンのウィールをドッグタウンのサーファーたちに広め、それによってサーファーからスケーターに転向した若者がZ-BOYSを結成。

Z-BOYSはサーフィンの技術を応用して水を抜いたプールを滑り、スケートボードを競技へと進化させ、多くのサーファーに影響を与え、サーファーは次第にスケーターに移行し始めます。

アラン・ゲレファンドによって考案されたオーリー

Photo byPexels

現在では一般化したオーリーの原型、ノーハンドエアリアルがZ-BOYSのアラン・ゲレファンドによって考案され、スケートボードの空中技の進化が始まり、スケートボードの歴史に名を残します。これによってスケートボードの歴史は一変。

Z-BOYSの影響により、スケートボードはサーファーたちの練習道具から競技として定着し始め、スラローム、ランプなどの競技が生まれます。

1980年代:フラットランドオーリーの誕生

出典: https://unsplash.com/photos/mmaURUv-ULs

トニー・ホーク、クリスチャン・ホソイ、バートランプ(ハーフパイプ) で活躍。そしてロドニー・ミューレンが、今までのようなランプ上でのオーリーではなく、現在一般に浸透している平地でのオーリー(フラットランドオーリー)を考案。

オーリーの影響は大きく、スラロームやランプ中心だったスケートボードの競技にストリートの要素が加わり、スタイルが大きく発展します。

ロドニー・ミューレンによるトリックの洗練化

Photo byJimoody8

キックフリップのようなスケートボード自体を縦や横に回転させるトリックもロドニー・ミューレンによって考案され、スケートボードの人気は加速し、優秀なスケーターにはスポンサーがつき始めます。

それに伴ってスケーター専用モデルも開発され、デッキのテールに反りがつきデッキを跳ね上げやすく改良され、デッキ自体の進化が加速していったのでした。

1990年代:多様化するスケートボードの歴史

Photo bySanta3

ロドニー・ミューレンによって開発されたオーリーから派生したキックフリップ、ヒールフリップが浸透し始め、次第にオーリーは基本の必修トリックに定着。フリップ、ショウビットのようなボードを回転させるトリックも誕生し、自由度の高いフリースタイルとストリートスタイルが洗練されていきました。

デッキの改良によるトリックの多様化


Photo byGadini

回転系のトリックが浸透したことにより、デッキのテールの反りも前部分のノーズと呼ばれる場所にもつき、現在のスケートボードの形に到達。前と後ろが同じ形状なためグーフィースタンスが登場し、右利き、左利きともに楽しめるものになりました。

歴史を変えたZ-BOYSの誕生を描く映画

Z-BOYSの歴史を知るには、2005年に公開されたスケートボード界では歴史に残る名作、ロード・オブ・ドッグタウンという映画がおすすめ。スケートボード界の発展に貢献し、多くのスケーターに影響を与えたZ-BOYSの中核メンバー、ジェイ・アダムズ、トニー・アルヴァ 、ステイシー・ペラルタを中心に物語が展開。

ジェイ・アダムズ、トニー・アルヴァ 、ステイシー・ペラルタが、カルフォルニアのサーファーからZ-BOYSに至るまでの成功と挫折の物語です。

Z-BOYSのステイシー・ペラルタによる緻密な脚本

Photo byolilynch

脚本は歴史的偉業を残したZ-BOYSのステイシー・ペラルタが担当しており、キャストもジェイ・アダムズ、トニー・アルヴァ 、ステイシー・ペラルタのメンバーに瓜二つの俳優を選出。中でもステイシー・ペラルタ役のジョン・ロビンソンは生まれ変わりと思うくらいにそっくりです。

ジョン・ロビンソンの華麗なスラローム

Photo by2341007

この映画ではステイシー・ペラルタ役を演じるジョン・ロビンソンの、繊細かつバリエーション豊かで華麗なスラロームを見ることができます。サーファーとしてのスラローム、まだポリウレタンウィール入手前のスラローム、ポリウレタンウィール入手後のスラローム、Z-BOYSとして競技に出た時のスラローム。

未熟な状態からZ-BOYSとしてスラロームスタイルを確立するまでの感情の変化に沿ったスラロームが感動的です。

Z-BOYSの歴史とスケートボードの技が楽しめる!

Photo byArtTower

この頃はスケートボードのスラローム、パーク、ストリート等のスケートボードの歴史の黎明期。スラローム、パーク、ストリートに欠かせない、現在ではスケーターの必修技のチックタックも随所で見られ、Z-BOYSの歴史も楽しみながら基礎のトリックも楽しめてとてもお得です。

Z-BOYSのメンバーの知られざる苦悩と友情物語

Photo byninocare

この映画はサーファーたちのスケーターへの転身、スケートボードがアメリカンドリームとして認知されていく様と同時に、その苦悩も描かれています。一般受けするアイドルのようなスタイルへの強制変更への反発、友人のシドとの友情など、Z-BOYSの知られざるエピソードが満載。

ドキュメンタリー映画としても見ごたえがあり、スケーター以外の方にもおすすめです。
 

X Gamesの登場による歴史的変化

Photo by G155

今ではエクストリームスポーツスポーツの祭典として広く知られるようになったX Games。X Gamesがどのようにスケートボードの歴史に影響を与え、スケートボードがプロスポーツとしての地位を確立したのかを紹介します。

本格的なプロスポーツへと進化

Photo by SheaDayGraffix

Extreme Gamesが1995年にX Gamesと名称を変え、多額の賞金を出すようになったのです。その額は各種目の優勝者に対して5万ドル(512万円)。スケートボードの種目はパーク、ビッグエア、ストリートなどスタイルを網羅し、どのスタイルのスケーターにも一攫千金のチャンスが生まれ、スケートボードへの意識が変化し、スケーターがこぞって参加し始めます。

プロスポーツとしてのスケートボードの歴史が本格的にスタートしたのでした。

エクストリームスポーツという新しい分野を確立

Photo by TheAustinot

X GamesはBMXやスノーボードなど他のエクストリームスポーツの発展にも貢献しました。その結果、プロスケーターなどのスケートパーク新設の波が波及していき、プロを目指すスケーターが増え、今までのスケートボードのイメージをストイックに取り組むものへと大きく変化。スケートボードの新時代の歴史の幕あけです。

ショーン・ホワイトによるアメリカンドリームの体現


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スノーボード、スケートボード界の歴史で最も成功し、歴史を塗り替え、歴史的な偉業を成し遂げた男、それがショーン・ホワイト。彼は13歳でスケートボード、スノーボードともにプロデビュー。

そして2003年から2006年にかけてスノーボードで4年連続金メダルを獲得、2008年から2013年にかけては6年連続金メダルを獲得するという歴史的偉業を成し遂げます。
 

ダブルマックツイストで世界の頂点に立つ

Photo by JonasSnow Photography

ダブルコーク1080やダブルマックツイストという空中で自身の体を縦横無尽に回転させる技を開発し、スノーボードの歴史を一変させます。それをスケートボードにも応用し金メダルを取り、スケートボードとスノーボードの歴史の融合に成功。スケートボードの発展に貢献し、その名をスケートボードの歴史に刻みました。

日本のスケートボードの歴史

Photo byStockSnap

海外ではサーフィンを源流とし、Z-BOYS、ロドニー・ミューレンがデッキやウィール、オーリーなどのトリックを発展させ、その歴史は着実に進化していきました。源流を持たない日本で、スケートボードがどのように流行り、スタイルが変化し、どのような歴史をたどっていったのか、各年代別に紹介します。

1980年代:日本のスケートボードの歴史の始まり

Photo byxegxef

1976年に創刊された雑誌ポパイの影響により、1970年代後半、1980年代中盤にかけてスケートボードは日本で流行。1980年代の日本のスタイルはZ-BOYSの影響が色濃く、スラローム主体でヘルメットやプロテクターを身に着けてスケートボードをするのが若者の間で流行しました。

しかし1980年代後半からローラスケートの流行で、スケートボードの人気は下火になっていきました。

1990年代:歴史的大不況下での変化

1980年代のバブル景気は一気にはじけ、日本の経済状況は歴史的な大不況へと変化。若者の心境も変化し、一気に閉塞感を感じるようになります。塞ぎ込んでいた日本の若者の目に飛び込んできたのが、ヒップホップやストリートファッション。

それとともにスケーターファッションに影響を受け、若者のファッションも大きく変化します。

スケーターの急増と事故の多発

Photo bypaulsbarlow7

自分の服に合わせてデッキやウィールを選べるファッション性の高さから、ストリートファッションとともにストリートスタイルが日本でも流行。ちょっとヤンチャな若者の間で流行し、スケートパークも充分になかったため、路上で滑るようになりました。

路上で通行人にぶつかるなど事故に発展し、日本でもスケートボードは煙たがられる存在になってしまいました。

再注目される日本のスケートボード

Photo byFree-Photos

路上での迷惑行為や事故の印象から長らく低迷していたスケートボードの歴史を救ったのは、ソチオリンピックで活躍したスノーボード選手。どのようにして低迷の歴史から一転、急速にスケートボードが歴史的な発展をするようになったのか、その要因を紹介します。

ソチオリンピックによるスケートボードへの印象の変化

Photo bystux

スケートボードが低迷していた2000年代、2014年のソチオリンピックで男女ともに銀メダルを取る歴史的偉業を成し遂げたのが平野歩夢選手と竹内智香選手。平野歩夢選手はスノーボードハーフパイプ、竹内智香選手はスノーボードパラレル大回転で銀メダルを獲得しました。

再注目されるスケートボード

Photo bylimitrofe

ソチオリンピックで銀メダル獲得後、平野歩夢選手と竹内智香選手の特集がテレビで放送されるようになり、オフシーズンのトレーニングはスケートボードを使っていたいうエピソードから、スケートボードが一躍脚光を浴びます。

これにより、ヤンチャな若者の趣味、カルチャーと思われていたスケートボードがスポーツとして認知され始めて行きます。

平野歩夢選手の活躍で一気に身近に


Photo byPublicDomainPictures

平野歩夢選手はX Gamesにも出場しており、ショーン・ホワイトとも親交があったことが取り上げられ、本人の実力も相まって一気に注目を浴びます。平野歩夢選手のオフシーズンの練習で自身のスケートパークでスケートボードをする姿がテレビで放送されると、その影響で一般の人々にスケートパークが認知されていきます。
 

平野歩夢選手の活躍でスケーター人口増加

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日本で低迷していたスケートボードの歴史は一気に動き出し、平野歩夢選手やスケーター、ムラサキスポーツなどの働きかけによって全国にスケートパークが開設されます。スケートパークで練習することによって、ストリートで練習するスケーターの数は減少し、スケートボードの技術レベルも向上していきました。

東京オリンピックで注目の選手

Photo by7089643

日本での長い低迷と不遇の歴史のトンネルを抜けて、公道の邪魔者からついにオリンピック正式種目として選出されたスケートボード。注目選手との魅力をオリンピック競技種目のパークとストリートの種目別に紹介します。

パークの注目選手:平野歩夢選手

Photo byFree-Photos

東京オリンピックのスケートボードのパークに出場するのは、日本のスケートボードの歴史の発展の象徴になった平野歩夢選手。スノーボードで培ったバランス感覚と打点の高いオーリー、スノーボードの技を応用した回転技が最大の魅力です。

ストリートの注目選手:堀米雄斗選手

Photo byraulplatino

堀米雄斗選手は東京オリンピックのスケートボードのストリートのメダル最有力選手。ハイスピードな滑りの中でのオーリーからキックフリップ、テールフリップなどの回転技、トラックやウィールで手すりを滑走する姿は圧巻。思い切りのいいジャンプと細やかな足使いが魅力です。

まとめ

Photo byrandy7

今まで見てきたように、アメリカのカルフォルニア州のサーファーを源流として、各年代ごとにアメリカと日本にスポーツとして浸透し、変化と影響を与えていったスケートボード。現在では昔のような公道の迷惑行為、邪魔者としてのイメージは払拭されつつあります。

今後はオリンピック選手の活躍でさらに日本に浸透していき、新たな歴史が紡がれるでしょう。歴史を知り、興味を持った方は一度スケートボードを体験してみてはいかがでしょうか。

他のスポーツの歴史が気なる方はこちらをチェック!

東京オリンピックの正式種目として選ばれたことは、スケートボードの歴史、日本のスポーツの歴史を変えたといっても過言ではない出来事です。東京オリンピックでは他にもさまざまな種目の試合が開催されます。スケートボードの歴史でなく、ほかのスポーツの歴史を知りたいと思った方はこちらを要チェックです!