レーキとは
レーキとは農具の1つです。地面に落ちた落ち葉などのごみをかき集めたり砂利などが広がる庭を整地したりと多くの使い方がされています。レーキとして分類されている農具の種類は多く目的や用途の応じてレーキを使い分けると庭の手入れや土作りが簡便です。
レーキの特徴
レーキと呼ばれるものには人力で動かすタイプのものとトラクターなど農機具の先端にアタッチメントのようにしてつけて使用するタイプの2種類があります。自宅における庭や畑の手入れで使われるのはもっぱら人力タイプでしょう。人力で使用するものの特徴についてご紹介します。
①形状
形状の特徴としては長い柄の先端に横に広がる刀床がついていることです。先端についている刀床の形状はさまざまな種類があり、櫛状になっているものや板状になっているものに大別されます。櫛状のものに関しては櫛の幅や深さなどによってこまかく分かれるため用途に合ったものを選ぶのが重要です。
また、板状の刀床をもつものを「トンボ(整地用レーキ)」とも呼びます。グランドの整地で見かけるものがこのタイプです。
②長さ
柄の長さにも種類があります。短い物では15cmほどの小さいものもあり、自分の手を延長するような感覚で使えるため植栽の中にたまった落ち葉や側溝の吹き溜まりのごみをかき集めるのに便利な農具です。柄が長いものでは180cmほどのものもあり、こちらはしゃがむことなく広い畑や庭を整地できます。
③素材
素材にも特徴があります。アメリカンレーキのような耐久性が高いものは刀床部分にスチールが使用されていることが多く土を耕したり中に混ざっている小石を掻き出すのに便利です。一方、日本で古くから落ち葉掃除に使われてきた熊手もレーキの一種で、竹のしなやかさによって砂利の上に落ちた落ち葉だけをかき集めることもできます。
レーキの種類ごとの用途
柄の長さや刀床の形状、使用されている素材によってさまざまあることがわかりました。ホームセンターの農具売り場に行ってもその種類の多さに驚くかもしれません。ここからは細かな種類(名称)とその用途・おすすめの使い方についてご紹介します。
【ガーデンレーキ】の用途
ガーデンレーキの用途とは畑や庭の土作りです。柄が長い物や調整できるものが多く、刀床部分は金属が使用されています。長い爪が土の深くまで入り、雑草や土を掻き出し土へ空気を送り込む便利な農具です。
刀床部分の形状は櫛状が主ですが、その反対側に草削りがついているものもあります。また、櫛状の形状をもたず草削りに特化した種類もあり、手入れの用途に応じて選べる種類が多いのもガーデンレーキの特徴でしょう。
【アメリカンレーキ】の用途
アメリカンレーキの形状の特徴とは、櫛型の刀床部分についた爪の先端部が細くなっていることと、柄と刀床部分に大きな空間が設けられていることです。ガーデンレーキと比べて爪が湾曲しているものが多いのも特徴でしょう。
固まった土を砕くといったハードな使い方をされてもものともしないタフな設計で、荒れた畑などを耕すのに向いた農具です。砂利をならしたり雑草を集めたりするのにももちろん使用可能で1本あると重宝します。
【熊手】の用途
熊手の特徴は手のような形をしていることです。しなやかな使い心地で土の中の石や雑草をかきだすような作業には不向きですが、落ち葉をかき集めたり不均一になった砂利を平らに整地したりするのに最適で、植物を傷つけるリスクも軽減できます。苔むした寺院の庭の手入れに使われるのも納得ですね。
竹製以外にもアルミやステンレス製のものが出回り、耐久性もアップしました。竹と金属の特性を知りうまく使い分けたいところです。
砂利について気になった方はこちらもチェック
熊手の目が美しくいれられた砂利道は清潔感がありとても気持ちいいですね。砂利といえば和風庭園のイメージが強いかもしれませんが、イングリッシュガーデンやナチュラルガーデンに似合う砂利も数多く販売されています。
防草シートと合わせて砂利を敷けば雑草対策にも。おしゃれな砂利の種類や敷き方などについて詳しく解説した記事は以下からご覧ください。

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【ブラシレーキ】の用途
柄の先端部がブラシの形状になっているものもあります。テニスコートの整地やコンクリートを刷毛仕上げする際に使われることが主な用途です。庭づくりの分野では、芝生の目土をならしたり、芝生の隙間に入り込んだごみを取り除くときなどにも使用されます。
ブラシ状のため、あらゆるごみをかき集めます。そのため砂利の上の落ち葉だけを掃き清めるのには向きません。
【小さいレーキ】の用途
柄が長い物が一般的なレーキですが、柄が短く小回りの利く小さいレーキもあります。小さいレーキは手が延長したような感覚で手入れに使えるのが魅力。大きなレーキでは入り込めない畑の隅や茂みの中の落ち葉を掻き出すのに便利です。
【三角ホー】の用途
三角ホーはほかのレーキに比べわかりやすい特徴があります。それは「三角ホー」という名前にもあらわれているとおり、先端の刀床が三角になっている点です。三角の頂点をしたにすれば、深く根を張った雑草をピンポイントで取り除けます。
三角を横に寝かせ、辺の部分で地面をなでるようにして使えば草削りのようにして使用することも可能。タンポポやギシギシそうなど根を残しておくと厄介な雑草を駆除するのに便利です。
レーキの選び方
レーキの種類やそれぞれの特徴についてご紹介しました。農具は選び方もとても重要なポイントです。レーキの種類ごとの特徴を大まかに抑えておくと、自分に合ったレーキを選びやすくなるでしょう。自分が庭や畑の土をどう改良したいのかを改めて考えてみるのが選び方のコツです。
選び方①用途
数々の種類があるレーキのなかから合ったものを探すのに重要なのは、何に使うのかイメージすることです。雑草が生えて土の中にゴロゴロと石が混ざっているような場所を畑にしたいのであればアメリカンレーキのような丈夫で掘り起こして集めることに長けたものを選びましょう。
一方、芝生の上に広がった落ち葉を芝生を傷つけることなく集めたいようなときや、砂利道に目を入れたいときなどはやわらかでしなやかさの熊手などを選びたいところです。
選び方②サイズ
サイズも選び方で重要なポイントです。広大な畑の土を掘り返すのであればアメリカンレーキやガーデンレーキのような大きなものが便利です。しかし、大きなものはそれだけ土から抵抗を受けるうえ、レーキ自体の重さもあるので力作業になります。
手入れする地面に対してあまりに小さいものを選べば膨大な時間が必要です。使い方と手入れする地面の面積をイメージして選びましょう。
選び方③素材と価格
素材や大きさによって価格は大きく違います。たとえば竹で作られたシンプルな熊手であれば500円前後で購入可能ですがその素材がアルミやステンレスに変わると1000円近くに。柄が伸縮するような機能が付与されているものは当然価格も上がります。
アメリカンレーキのように丈夫なものは高価ですが竹の熊手よりもはるかに長持ちします。何に使うかを考え納得できる価格のものを選びたいところですね。
レーキの基本の使い方
レーキが得意とすることは「土を砕く」「雑草を大まかに引き抜く・かき集める」「地面を平らに整地する」の3点です。肥料などを混ぜ込む作業も得意なのでレーキをうまく使えるようになると粒子のそろったさらさらとした良質な土壌が作りやすくなります。
レーキを使った土作りの方法を見てみましょう。どのシーンでどんなレーキを使うとよいのか、おすすめ商品とともに選び方の参考にしてくださいね。
使い方①雑草を引き抜く
草削りレーキ
全長 | 1200mm |
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刃渡り | 260mm |
畑や庭にうっそうと生えてしまった雑草を取り除くのには草削りレーキがおすすめです。切れ味のよい刃物が刀床についており、長さがある柄のおかげでしゃがまず広範囲の雑草を駆除できます。刃物が板状のため、軽く土をならすような動作も問題なしです。
隅の雑草には小さなレーキを
ハンドレーキ
全長 | 380mm |
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刃渡り(幅) | 100mm |
畑の四隅や植栽の根本など大きなレーキが入りにくい場所には小型のレーキを使用しましょう。このハンドレーキは人気ガーデンニングメーカーGarden Helperの1品でグリップ部分が握りやすく力が入りやすい構造が魅力。爪部分にはクロム鉄を使用し、さびにくく長く愛用できます。
使い方②雑草を集める
伸縮式ガーデンレーキ
全長 | 900~1800mm |
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刃渡り(幅) | 180~560mm |
引き抜いたり根を刈り取った雑草を集めるには、刀床が扇型に広がる熊手タイプのレーキが使いやすいでしょう。土の表面をなでるように動かせば、余計な土を逃しながら雑草だけを一か所に集められます。竹製の熊手も使えますが、地面の上を何度もかき集めるには金属製が耐久性面が高くおすすめです。
扇方タイプは収納スペースをとりますが、こちらの商品のように不使用時にはコンパクトに収納できるものもあります。
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使い方③土を砕く
アメリカンレーキ
全長 | 1680mm |
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刃渡り(幅) | 360mm |
庭や畑の中にゴロゴロと混ざる塊になってしまった土を砕くのにはアメリカンレーキがおすすめ。するどい爪に力がかかりやすい構造になっているためざくざくと爪を当てるだけで土をぱらぱらとほぐせます。もちろん、雑草を集める使い方もできるため、レーキの選び方に悩んだらアメリカンレーキをまずは1本用意するのがよいでしょう。
長時間の力仕事に自信のない方は、アメリカンレーキのなかでも刀床が小さいものを選びましょう。
使い方④肥料をすきこむ
手打ち六ツ子
全長 | 1510mm |
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刃渡り(幅) | 200mm |
雑草を取り除き、土の塊を砕いた後は肥料や土壌改良をすきこんでいきます。手打ち六ツ子は爪がほかのレーキより長く土の深いところから混ぜ込み可能。土の奥深くに混ざっている石を取り除くのにも重宝するでしょう。
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土から石や雑草を取り除き、レーキで整地していると愛着がわいてきます。土壌改良をしたとたん野菜の収量がアップしたり、庭に植えた草花の生育がよくなったりという経験ができるかもしれませんよ。土作りや肥料について詳しく解説した記事は以下からご覧ください。

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使い方⑥地面を平らに整地する
伸縮式アルミ柄9本爪レーキ
全長 | 720~1220mm |
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刃渡り(幅) | 220mm |
土の状態が整ったら地面を平らに整地しましょう。こういったときは爪の数が多いレーキがおすすめです。整地でのレーキの使い方は簡単で土の表面をなでるようにレーキを引きます。平らに整地する以外にも、砂利の上の落ち葉を集めたりする手入れにも使用可能です。
鍬との違いは?
鍬とはレーキ同様、土を耕すのに使用される農具です。深く耕すのは鍬のほうが向いていますが重く力が必要になるので広範囲の地面を鍬で耕すのは骨が折れます。レーキで土を細かく砕き、整地したあと畝立てに鍬を使用するなど使い分けると効率的です。
何に使うか考えるのがレーキの選び方のコツ
レーキ(rake)には「かき集める、ひっかく」などの意味があり、農具としての使い方が英名に表現されています。日本にも古くから同様の農具が存在し、「熊手」「細杷(こまざらい)」「手杷(しゅは)」と呼ばれていました。細杷は北海道のニシン漁でも使用され、農具以外でも重宝されてたことがうかがえます。
数あるレーキを目的に合わせて選べるようになると日常の手入れが格段に効率よくなりますよ。
レーキについて気になった方はこちらもチェック
レーキが1本あるとその便利さに驚くことでしょう。定番のガーデンレーキやアメリカンレーキは使い道も多いためぜひ1本備えておくことをおすすめします。庭づくりや畑をする際にはレーキ以外にもそろえておきたい道具がたくさん。初心者の人に参考にしてほしい必要な道具リストや簡単な使い方について解説した記事は以下をチェック!

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