イタチはペットにできるのか?イタチ科の飼い方を詳しく紹介
イタチというと昔は農作物を荒らす害獣としてあまり好まれてはいない動物でしたが、現在はそのかわいらしい姿をテレビやwebで見かけてペットとして飼いたいとペットショップに足を運ぶ人も増えている注目の動物。
しかし実際にイタチを売っているのを見た方はいらっしゃらないのではないでしょうか。日本でも野生の種類が複数いるイタチ科の動物たち。
その生息地や特徴や生態・飼いやすいおすすめの種類などイタチと生活をしたい方の気になるポイントと、エサやしつけ・大きさや寿命・値段など飼育する上で参考になるイタチ情報をご紹介します。
イタチの特徴やエサ・寿命など
日本にいるイタチの種類や生息地
イタチは日本にも野生種が存在する動物です。その種類はニホンイタチという日本のみを生息地とする固有種を代表として、エゾオコジョ・シベリアイタチ・外来種から帰化したアメリカミンクなど細かく分類すると8種類存在します。
生息地は種類によって異なり北海道から九州まで分布するものと北海道飲みを生息地とするものもさまざまです。
イタチの大きさや特徴や性格
種類によって大きさはとても異なり北海道から東北の限られた地域を生息地とするニホンイイズナは大きくても15cm程度ととても小型。大きなものですとアメリカミンクで45cmほどにもなる個体が確認できることも。
見た目の特徴として丸い顔に細長い胴体と愛らしい姿は共通していますが、その性格はほとんどの種類が他の生き物を狩ってエサとしており攻撃的な一面を見せ大人しい動物とはいえないでしょう。
イタチは古くから人のペットとされてきた動物
上記は野生種としてのイタチの仲間ですので、ペットとして人と暮らしてきたイタチの仲間すべてが荒々しい性格で手に負えないかというとそうでもありません。ヨーロッパケナガイタチは海外でステップケナガイタチを改良した品種で人間のペットとして3000年以上昔から飼われています。
イタチは何を食べる?エサは
イタチは雑食で甲殻類からウサギやネズミなどの小動物の肉などを採って食べます。また民家の近くを生息地としているものはゴミ箱を漁って人の食べ残しなども食べてしまいます。野生種でも人の家の中まで入ってきてエサを探すことも。
イタチの寿命
寿命も種類によって大きく差があり、短命なのがニホンイタチで1-2年ほどしか生きられません。寿命が長いものとなると先程のペットとして飼われている品種のヨーロッパケナガイタチで、平均寿命でも14年と長命な種類。
イタチはなつくのか?飼育は可能な動物か
野生のイタチは許可なく捕獲飼育はできない
日本を生息地としており昔から日本人の目によく触れる機会も多かったニホンイタチ。この種類は狩猟免許がある人しか捕獲・飼育できないという決まりになっています。
短命ということもあり保護の観点もあるのでしょう。しかも狩猟免許があり許可を取ったとしても飼育して良いのはオスに限られています。
オコジョは天然記念物!罰せられることも
北海道が雪に覆われるころ見かけられる、冬毛の美しい別名「白い天使」と呼ばれるイタチの仲間のオコジョ。こちらは一般では狩猟や飼育すら許可されていない天然記念物の動物です。
もし見かけたとしても捕まえようと怪我をさせたり、うっかり殺してしまったりしたものなら罰せられることもある貴重な種類です。遠くから眺めるだけにしましょう。
ペット用に改良された品種ならイタチ科でも飼育可能!
それでは飼える種類はヨーロッパケナガイタチしかいないの?ということになりますが、ここでおすすめしたいのはフェレットの種類。これは日本でも比較的流通も多くなってきたイタチの仲間。
ペットとして改良されていますので、ペットショップでも取り扱われており購入すれば誰でも飼うことができるでしょう。
イタチ科の動物はなつくが時間が必要
ペットとして飼育するなら気になるのがその動物が人になつくかというところでしょう。ただエサをあげてケージの中にいるイタチを見るだけでは寂しいですね。触れ合ってお互い楽しく遊んだりしたいと誰もが思うはずです。
イタチは人になつくまで少し時間はかかりますが、ペット用として幼いころから人に飼われているものであれば、よほど飼い主と馬が合わないことがない限りなつくといわれています。
イタチ科のフェレットをペットにするのがおすすめ!
フェレットとイタチの違い
日本でイタチの仲間をペットにするなら、お店で購入することができ飼いやすいフェレットが人気。野生のイタチとの違いは人になつくことと寿命が長いこと。
それもそのはずフェレットは前述のヨーロッパケナガイタチの品種改良種。名前にこそフェレットとされていますが、れっきとしたペット用のイタチということができますね。
フェレットはペットショップで買える!
日本の九州までを生息地とする野生のニホンイタチも、狩猟許可があり狩りと飼育の許可があれば飼えないわけではありません。どうしても飼いたい方は免許を取得して飼うことも不可能ではないでしょう。
しかし1年一緒に暮らせるかわからないこのような種類よりも、飼いやすく寿命も長いペットショップで安定した値段で売られているフェレットの方がより愛玩向け動物といえますね。
イタチ科の動物の飼い方1.準備するもの
それではフェレットを含むイタチの仲間を飼育するための解説をご覧いただくことにしましょう。まずは買う前か購入時に一緒に用意してもらう必要なものから。
ケージ
体が細く狭いところが大好きなイタチはケージの網が大きすぎると脱走します。フェレット用ケージか網目の細かいものを用意してください。
寝床
イタチは体を丸くして寝ている姿を見かけることもあるでしょう。そのためハンモック型の寝床が寝姿にフィットするため推奨されています。宙に吊るすタイプだけでなく置型もありますので、季節や個体の好みによって使い分けられると良いですね。
トイレ・エサ箱・給水器
どれも洗いやすくて清潔に保てるものがおすすめ!トイレはケージに入れずに部屋の隅に設置する飼い主さんも少なくありません。特に外で遊ばせていることが多いご家庭の場合はその方がケージの中よりも飼い主さんがお世話しやすいというメリットもあるからです。
トイレトレーニング中は特にイタチの様子を見ながら出るタイミングでトイレに運ぶ(部屋のあちこちにニオイ付けをさせない)のにも役立ちます。
一人暮らしの家ではおもちゃも用意
ネズミやウサギを狩って暮らしている野生のイタチ。活発に運動させてあげた方がストレスもたまりにくいでしょう。ケージの中でジッとしているという動物ではありません。
飼い主があまり遊んであげられないご家庭であれば、その間の遊び相手であるおもちゃが必要になる場合も。参考にしたいおもちゃでの遊びは後述で動画をご覧いただきながら解説しますのでそちらもご参照ください。
イタチ科の動物の飼い方2.エサとエサ箱
飼育用エサはショップと相談して
エサは個体の成長度合いでより適したものが市販品で用意されています。最初はそれまでペットショップで与えられてきたものと同じものを用意するのがおすすめ。年をとるに従ってより消化がよいものであったり、必要な栄養素を含んでいて健康の助けとなるようなエサに替えていくのが良いでしょう。
値段と栄養バランスのよいフェレット用エサ
フェレットの需要が増えてきたことからイタチ用のエサ・コスパのよいペレットも数多く作られています。
普段の食事として与えるのであればこのペレット類をメインとして、しつけ時のごほうびや病中病後の栄養補給用として高カロリー・栄養度の高いペースト状のエサを時々与えるとするのが良いでしょう。
エサの回数と時間
フェレットは内蔵が小さくあまり大食いではありませんが、その分腸も人よりもずっと短くて消化も早いので1日に何度もの食事が必要となります。回数目安としては1日5-10回。
量は大きさや個体差・与えるペレットによって変わってきますのでまずは買ってきたエサ袋の量目安を参考に与えてみて足りなそうなら増やして、いつも余らせるのであれば減らして良いでしょう。
エサのタイミングが難しい場合
与えるタイミングが取りにくいという方は2-3回分をお皿にあげてかまいませんが、1日に3度程度は古いエサは捨て器は洗って新しいエサと交換してください。
イタチ科の動物の飼い方3.トイレのしつけと置き場所
トイレはケージの隅に置く
動物は外敵に備えるため後ろの安全を気にして隅で用を足します。ケージの中に入れる場合も部屋に置く場合もトイレは隅にが基本。
トイレのしつけに困ったら
イタチは消化器官も短いので頻繁にトイレをおこないます。また出そうになったらすぐ出てしまいます。最初は気にせず失敗した場所の消臭をこまめに!
トイレトレーニングは少し大変かも知れませんが、トイレをしたいような様子(ふんばったり動いていた子が急に止まったり)を見せたらすぐにトイレに連れていき場所を覚えさせてください。特に遊んでいる最中だと粗相をしてしてしまうことも。
外に出しているときはトイレトレーニングにも注意が必要でしょう。
イタチ科の動物の飼い方4.しかり方
悪いことをしたら叱ろう
人や物を噛むなど悪いことをしようとしたら声と態度で叱ってください。どの動物にも共通することですが、即座に態度で示さないと相手に伝わりません。
動物をしつける場合のしかり方
しかる時は必要以上に大きな声は不要ですが、普段とは明らかに違う声と口調で短く「だめ!」などと言います。しかり方はしつけと一緒におこなうことも多いので、より詳しいしつけに通じるしかり方を次で紹介しましょう。
イタチ科の動物の飼い方5.トイレ以外のしつけ
フェレットの行動で直したいこと
人にこまる行動として噛み癖がよくお悩みにあげられます。遊びがエスカレートする場合とストレスでイライラして噛む・狩猟本能が抑えられずに襲おうとするなど噛む行為に至るパターンも様々。この他狭いところにもぐる行動も飼い主さんによっては困る行動となるのではないでしようか。
しつけに困ったら:噛み癖を直す方法
先程のしかり方の流れでおこないたい、しつけに役立つちょっとしたイタチにとって嫌なこと。イタチたちは鼻先が弱点なので人を噛んだりしたらすぐに指先で軽く鼻をピンとはじきながら注意を与えます。
すぐには治らなくても繰り返すうちに嫌なことをされるのでだんだんと気持ちを抑えることができるようになってくるでしょう。
イタチ科の動物の飼い方6.フェレットと遊ぶ
早くなつくようになる!フェレットとの遊び
遊ぶことで体を動かし、ストレスを発散させることもできます。飼い主が遊んでくれるとわかれば早くなつくようにもなるでしょう。
ボール遊び
狩猟をする動物ですので動くものを追いかけるのは好きです。イタチがアクションをすると動くようなおもちゃがおすすめ。安価に手に入り楽しんでもらえるおもちゃとしてボール遊びはいかがですか。
動画ではビニール製のビーチボールを使っていますが、噛むと破裂してしまう恐れが。選び方は小さすぎず噛んだとしてもすぐに細かくならないような素材(どちらも誤飲を防ぐため)が向いています。
手ひらひら遊び
動くものが好きということでおもちゃがなくても飼い主さんが手をひらひらさせるだけでもイタチたちは楽しそうに追いかけてきます。狩りのような少し下がって相手の出方を見るなどの行動もして楽しいですよ。
100均おもちゃも使い方次第で楽しく遊んでくれる
安いおもちゃで楽しく遊べたら飼い主さんもイタチもお互いハッピーになれますね。100均のマスコットなどでもそのまま与えて自由にさせるのではなく、近づけたり離したりと動かしてみてください。動画のように紐がついているものであれば、それを使って回したり揺らしてみるのも良いでしょう。
イタチ科の動物の飼い方7.飼い方注意点
飼い方解説の最後は注意する点をいくつか見ていきましょう。イタチにとっても飼い主さんにとっても、意識しておきたいことばかりです。
1.慣れるまでペットのペースで
迎え入れたばかりのイタチはあまり構わず相手のペースで生活させてあげてください。環境が変わってとまどっていて遊ぶという気持ちになれない子がほとんどです。余計なストレスが溜まってしまいます。
2.かかりつけ医を探す
動物病院には診られる動物の種類が決まっているものです。多くの動物病院は看板などでその種類を表示していますが、それだけではよくわからない場合は電話やホームページがあればそれも確認して。
3.予防接種と去勢はおすすめ
かかりつけ医が見つかったら予防接種と去勢はしておいた方が良いでしょう。人がかかるインフルエンザ・犬がかかるジフテリアにイタチもかかったという記録があります。また去勢をすることでイタチのニオイが抑えられるので部屋の臭さが気になる方はこちらもぜひ。
ペットにおすすめ!人気のフェレットの種類
種類1.マーシャルフェレット
マーシャルフェレットは日本でも手に入りやすい一般的なフェレットの種類です。値段と性格・飼いやすさのバランスがよく愛されています。
マーシャルフェレットの特徴や寿命・大きさと値段
この種類の特徴は大きさが小柄であまり噛まないおだやかな子が多いこと(一般的なフェレット体長は平均38cmですので大きさはこれを参考にしてください)。寿命は7-10年。値段は40000-60000円ほどとなっています。
種類2.パスバレーフェレット
パスバレーフェレットも大きさが小さめの種類です。カラーバリエーションが豊富で個体差が付けやすいので多頭飼いしたい人におすすめ。
パスバレーフェレットの特徴や寿命・大きさと値段
特徴は少し落ち着きがない性格で噛み癖が目立つ場合があること。値段は安めで30000-50000円程度。寿命は5-10年ほど。
種類3.マウンテンビューフェレット
マーシャルフェレットと性格も色合いも似ているので、はじめて飼う方ならこのふたつのうちどちらかが良いでしょう。逆にマーシャルフェレットが欲しかったけれどピンとくる子がいなかったという時はこちらから探しても。
マウンテンビューフェレットの特徴や寿命・大きさと値段
特徴はとても大人しくて人と暮らすことをあまりストレスと感じない子が多いことです。初心者でも飼いやすいでしょう。寿命は5-8年で値段も40000円程度からとなっています。
なつくとかわいい!イタチの仲間をペットにしよう
いかがでしたでしょうか。愛らしい姿と丸く愛嬌のある顔つきが人気のイタチの特徴や種類による大きさの違い。初めての人が気をつけたい飼い方ポイントからペットショップで扱われる値段の目安などもご紹介してきました。
少々やんちゃで活発な動物ですがフェレットなら寿命も長くずっと一緒にいるうちにだんだんとなついてくると一緒に遊ぶ楽しさなども感じられるペットとなってくれるでしょう。
なつくペットが気になる方はこちらもチェック
長くお世話をしてエサをあげたり快適な環境を整えてくれる飼い主に対してほとんどのペットはなつくでしょう。もっとなつきやすく飼いやすい同居動物を探したい方はこちらの記事が参考になります。
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