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自作ナイフのブレード
様々な鋼材で作られる自作ナイフのブレード
自作ナイフのブレードは様々な刃物用鋼材で作られています。それぞれの使い方やデザインによってそのブレードの形や鋼材が変わってきますが、物によっては機能的にデザインされていることもあって色々な工夫がなされています。その中でもブレードの表面仕上げには大きな効果があります!
ブレードの仕上げ方?
ブレードの仕上げ方とはブレード表面の研磨具合や特殊な処理のことです。自作ナイフはブレードを削り出して最終的に細かい紙やすりで傷を消していきます。その工程でできる表面の傷の具合で荒仕上げやヘアラインフィニッシュなどという分類に分けることができます。仕上げ方によって機能や見た目に変化が出るので重要なポイントです。
自作ナイフのブレードの仕上げ方
ヘアラインフィニッシュ
ヘアラインフィニッシュとは大まかに#600~#1000番の紙やすりで表面を仕上げる方法です。ブレードに沿って紙やすりの傷が髪の毛のように薄く細かくつくことからこういう名称がつきました。完全には傷が消えてるわけではなく薄く傷が見えるので金属感が強く出ます。一般的な仕上げではこのヘアラインフィニッシュが定番ですね。
黒色酸化処理
黒色酸化処理はブレードの表面に酸化鉄、つまりは黒いサビをあらかじめ付けることで腐食することを防止します。サビといっても私たちがよく見る赤サビと違って黒サビは安定したサビで、悪い腐食を防止してくれる効果があります。正しく使うことで腐食防止、反射防止など様々な効果を与えてくれます。家庭でも扱うことができる薬品で酸化処理が出来るので自作ナイフでも加工できます。
ミラーフィニッシュ
ミラーフィニッシュとは鏡面加工仕上げのことで、その名の通りにブレードの表面を鏡のように綺麗な状態にする仕上げ方です。ミラーフィニッシュをすることによって見た目的に非常に綺麗になるほかに、汚れが付いても簡単に落とせる、錆びにくいなどの効果が得られます。自作ナイフでも道具さえ揃えば比較的簡単にミラーフィニッシュが出来るのでおすすめです!
ミラーフィニッシュとは?
その名のとおり鏡のような仕上がり!
ミラーフィニッシュをすることでナイフのブレードとは思えないほどに綺麗な表面に仕上がります。映り込みはまさに鏡のようで、デザインナイフなどのナイフに使うことでより美しさが上がって芸術品になります。機能的にもブレード表面の傷が少ないおかげで汚れがつきにくく、錆びにくくなる効果が得られます。フィッシングナイフなどにはおすすめの表面処理ですね!
自作ナイフで出来るのか?
ミラーフィニッシュは自作ナイフにおいても道具さえ揃えば出来る優秀な表面処理です。ミラーフィニッシュにする方法は大まかに2種類ありますが、どちらも良い部分と悪い部分があるので自分に合った方法でやってみるのがいいでしょう。出来のいいミラーフィニッシュに仕上げられるとハマってしまうかもしれませんね。
自作ナイフのミラーフィニッシュ方法!
コンパウンド仕上げ
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コンパウンドとは研磨剤の粒子が入った液体や粉末で布やバフ等に染みこませたりして使うものです。コンパウンドの種類は多くて工作用コンパウンドから工業用コンパウンドまで幅広いコンパウンドが存在します。一番有名なのは「ピカール」と呼ばれるコンパウンドで、幅広く使われています。コンパウンドの研磨力はそこまで強いものではないので完璧なミラーフィニッシュはできませんが、コンパウンドでもそこそこ綺麗な表面を仕上げることができます。
青棒仕上げ
自作ナイフのミラーフィニッシュにはいくつかの方法があって1つは青棒という固形の研磨剤を使った方法です。両頭グラインダーやボール盤などの高速回転する電動工具にバフと呼ばれるフェルトを取り付けて、研磨剤の青棒をこすりつけながら研磨する方法です。メリットには力強く研磨出来るのである程度の下傷ごと消せることと、研磨剤の価格が安いことが挙げられます。逆にデメリットは鏡面の具合がある程度綺麗にしかならないところです。
ダイヤモンドペースト仕上げ
ダイヤモンドペーストによる仕上げは高クオリティのミラーフィニッシュを可能にします。ダイヤモンドの粒子によって研磨するので非常に細かく綺麗な表面で仕上げることができます。リューターと呼ばれる小型の電動工具を使う事によって作業するので机の上などで簡単に作業することができます。メリットは美しいミラーフィニッシュができることで、デメリットとしては少し値段が張ることです。
自作ナイフのミラーフィニッシュに必要な道具!その1
両頭グラインダー
コンパウンドや青棒などをバフをつけて作業するので必要です。大型の物があれば安定しますが、一般家庭では難しいので卓上や小型のものでも良いですね。両頭グラインダーがない場合は少し強引な方法になりますが、ボール盤などでも代用することができます。
リューター
リューターは小型の電動工具で小型ですがパワフルな工具です。リューターの先端にバフをつけることでコンパウンドも青棒も、ダイヤモンドペーストも扱うことができます。価格についてはピンからキリまであるので、自分の予算にあったものを選びましょう。先端のフェルトには種類があるのですが、リューターを垂直に押し付けるタイプのものが綺麗にミラーフィニッシュすることができます。
バフ
先端のフェルトには種類があるのですが、リューターを垂直に押し付けるタイプのものが綺麗にミラーフィニッシュすることができます。フェルト式のバフがミラーフィニッシュには必要なので、ホームセンターやカスタムナイフショップで探しましょう。青棒のバフも基本的にはフェルトバフで問題ありませんので、百円均一のものでも良いでしょう。
自作ナイフのミラーフィニッシュに必要な道具!その2
青棒
青棒は酸化クロムや界面活性剤などの化学薬品を固形にまとめた油性研磨剤です。フェルト製や布製のバフと呼ばれる工具にこすりつけて使います。青棒にもいくつかの番手があってより高番手のモノの方がミラーフィニッシュに適しています。比較的に安めで大容量なので長くコストパフォーマンスよく使えます。
ダイヤモンドペースト
ダイヤモンドペーストは人工ダイヤモンドの粒子を練りこんだペースト上の研磨剤です。非常に研磨力が強くて細かい粒子があるので綺麗なミラーフィニッシュに仕上がります。本当に綺麗なミラーフィニッシュをするのならダイヤモンドペーストは欠かせないですね。しかし、綺麗に仕上がる分、価格が少し高めなのと商品の容量が少ないことが挙げられます。
自作ナイフのミラーフィニッシュのやり方!No.①
下傷を消しておくのがすごい重要!
綺麗なミラーフィニッシュをするには、今までの下傷を残さずにしておくことが重要です。ヘアラインフィニッシュなどでは見つからないような小さな傷もミラーフィニッシュにすると非常に目立つようになります。ですので、段階ごとの下傷は残さないようにしっかりと研磨しましょう! ヤスリ目は十字に交差するよりも斜めに交差する方がスポットがなくなって綺麗になります!
バフは番手ごとに取り替える!
研磨剤をつけるバフは一部のものが水洗いで汚れと研磨剤を落とせますが、非常に細かい粒子は残ってしまいます。粗めの粒子が付いたバフで細かい番手の研磨剤を使うと下傷がいつまでたっても消えないので、かならず研磨剤ごとにバフは交換するようにしましょう!
自作ナイフのミラーフィニッシュのやり方!No.②
まずは低い番手から!
ダイヤモンドペーストはいくつかの番手で表記されていますが、おおよそ#3000ほどからがおすすめできます。どの研磨にも当てはまりますが、低い番手ほどよく研磨できるので形を崩さないように気をつけましょう! この段階で下傷があると絶対に消えないのでよく注意してください!
ダイヤモンドペーストはブレードに点々と
ダイヤモンドペーストをつける量はブレードに一定距離で米粒程を乗せれば良いです。リューターによる高速回転で摩擦による加熱が起きてペーストが溶けるとブレード全体に研磨剤が広まるはずです。少なかった場合は少しだけ追加してください。ペーストが広がっている状態ではブレードがよく見えなくて研磨できているか確認しづらいですが、しっかりと研磨できているはずです。
自作ナイフのミラーフィニッシュのやり方!No.③
あまり押し付けないで
研磨している最中はついついリューターごとブレードに強く押し付けてしまいがちですが、強く押し付けても変に傷が付く可能性があるのでやめておきましょう。強く押し付けなくてもダイヤモンドペーストは強い研磨力があるので十分に研磨できています。注意するのはきちんとバフで全面を当てられているかなのでよく確認しながら研磨しましょう!
次の番手に行く前に砥粒を洗い流そう
研磨が終わったら次の番手のペーストを付ける前に水やアルコールで洗い流しましょう。前のペーストがついていると巻き込んでキズが残る原因になります。洗い流したあとはキムワイプなどの毛羽立たないものでよく拭き取りましょう。強く拭くと傷が付く可能性があるのでほどほどにしましょうね。
自作ナイフのミラーフィニッシュのやり方!No.④
加熱しているので注意
ある程度研磨しているとブレードがかなり加熱してきます。ペーストの溶けが良くなって研磨自体は非常にやりやすくなるのですが、ペーストを拭き取る時などはやけどしないように気をつけましょう。また、余りにも加熱しすぎると今度は焼付を起こして表面が酸化してしまうので、たまには冷ますことも必要です。
高番手ほど優しく
高番手のペーストで研磨するほどに少しの研磨痕でもミラーフィニッシュに影響が出てきます。仕上げの高番手ペーストを使う際にはなるべくソフトにブレードの表面を研磨するように心がけてください。前後などには動かさず、一定の方向からブレード全面をなぞる様に研磨すると綺麗なミラーフィニッシュになります。
ミラーフィニッシュのやり方!No.⑤
どの程度の番手で仕上げればいいのか?
最終的な番手は人によって変わりますが、およそ#30,000くらいのものが最終仕上げに適している番手になります。これ以上ですと効果の変わり具合がなくなるので意味がありません。この番手で研磨するとうまくいっていればほぼ研磨痕も見えないレベルでミラーフィニッシュになりますので、成否の判断も簡単につきます。
どうしても研磨痕が残る場合
最終番手で研磨してどうしても研磨痕が気になる方はどこかの番手で研磨不足だったか、鋼材そのものがミラーフィニッシュに適していなかった可能性があります。鋼材によっては組織が大きいものがあるのでミラーフィニッシュにすると逆に目立ってしまうものもあるのです。
自作ナイフのミラーフィニッシュのまとめ
自作ナイフのミラーフィニッシュのまとめ
ミラーフィニッシュの仕方はお分かりいただけましたか? ミラーフィニッシュをすることによって作品のクオリティが上がったり、機能の向上につながったりするのでおすすめです。まずは廉価な青棒によるミラーフィニッシュから試してみるのをおすすめします!
自作ナイフが気になった方はこちらもチェック!
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