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靴底の張替え方は?減りや破れなど自分でできる修理の仕方とキットをご紹介!

登山靴の靴底張替えは原則的には職人に頼みます。それでも、最初の靴底張替えやそれ以前のすり減りや破れ等は、キットを利用すれば自分でも修理出来なくはありません。ただし、ミッドソールまで傷つたり、縫い糸が擦り切れてしまうと、自分での靴底張替えは不可能となります。
2020年8月27日
栗鼠の森人
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この記事で紹介しているアイテム

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自分で使う登山靴の靴底張替えについて

登山の基本的な道具である登山靴は、自分の足に合い、自分に満足できる登山靴を使うのが原則です。このため、登山靴職人に自分の足に合わせて注文制作して貰うことが理想です。しかし、現在では殆どの市販品が既製登山靴です。その中から満足は出来なくても自分で許容できる登山靴を探して、出来るだけ調整して貰うか、又はその靴にインナー(中敷き)や靴下を工夫して使い、自分の足に合わせて行きます。このため、亀裂・減り・剥がれ・破れが出来ても可能な限り靴底を修理したり張り替えたりして、愛着を持って長く使うことをおすすめします。

登山靴の靴底張替え時期

靴底が凸凹に減り滑る様になったら、グリップ力が落ちたら、つま先やかかとがミッドソール近くまで減ったら、靴底に亀裂、剥がれ・破れなど生じたら、などの物理的な劣化があれば、ソールを張り替えます。しかし、この他にも経年劣化を考えて5年程度経ったらソールを張り替えます。高山や厳冬期用の革製重登山靴は、靴底張替えが可能ですが、キャラバンシューズやトレッキングシューズの様な軽登山靴ではアウトソールの張替えが出来ないものタイプが多く、出来ても1回くらいが限界です。

靴底が張替え出来る登山靴と張替え出来ない登山靴

張替え出来ない登山靴とは靴底に亀裂・減り・剥がれ・破れなど生じたら、買い替える設計のポリウレタン底などのモデルや靴底がゴム製でもミッドソールまですり減った登山靴です。それでも靴底を交換してくれる靴修理の職人もいるので、ピタリと自分で足に合ったと思える登山靴であれば、亀裂・減り・剥がれ・破れが生じていても、一度は職人に相談するのがおすすめです。但し、料金は応分に高くは成ります。

靴底など登山靴を自分で点検

登山に先立って、登山靴は必ず自分で点検します。靴紐、フックやDリングの異状、縫い糸のほつれ、かかとのすり減り、ミッドソール、アウターソール、サイドラバーの亀裂・減り・剥がれ・破れなどが主な点検事項です。異常があれば先ず修復してから登山に使います。長年山行を続けていると不時の亀裂・減り・剥がれ・破れなどに備えて自然と予備の登山靴を持つように成ります。しかし、初心者の場合は、替え靴がないので先ず靴を修理してから登山に出かけることをおすすめします。

靴底など登山靴を自分で手入れ

下山後に登山靴をそのまま放置する泥や汚れが原因でひび割れたり、カビが生えたりします。また、使わなくても経年劣化が起こります。この為、登山靴は山行ごとに亀裂・減り・剥がれ・破れなどを点検し、手入れを怠らない様にします。また、経年劣化による亀裂・減り・剥がれ・破れなどが生じる可能性もありますので、山行に先立って登山靴を再度点検することがおすすめです。その際に防水スプレーをかけておくと下山後の手入れでの泥や汚れの除去が割合と容易く成ります。

ナイロン製登山靴の手入れ

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ナイロン製登山靴は汚れの程度が軽ければ、陰干しした後に柔らかめのたわしやブラシで汚れを除き、硬く絞った雑巾や非アルコール性の厚めのウエットティッシュで拭いておきます。汚れの程度が重い場合は靴紐と中敷きを外して、靴の内側に水が入らない様に養生して水洗いします。どうしても取れない汚れは中世洗剤を使い、汚れを落とした後、十分に水洗いします。アウターソールの汚れは歯ブラシや箸などを使って除きます。その後は、直射日光を避けて2日以上日陰干しします。乾いたら防水スプレーをかけておきます。

革製登山靴の手入れと保管

重登山用靴や革製登山靴では、先ず靴紐と中敷きを外して水洗いします。雑菌が溜まりやすい場所なので、軽く消毒すると効果があります。アウターソールの汚れは、同じく歯ブラシや箸などを使って除きます。汚れがひどい場合は中世洗剤を使いますが、その後は十分に水洗いします。洗い終わったら、通気性の良い場所で陰干しします。保管は、湿気を良く取り除いて、内部に新聞紙などを詰めてから風通しの良い場所で行います。箱やビニール袋などに入れて密閉することは避けましょう。

革製の登山靴本体の手入れ


革製の登山靴本体は靴ブラシや歯ブラシで十分に汚れを落とし、汚れがひどい場合は汚れ落としクリーナー・キットを使い、汚れが落ちたらぼろきれなどで良く拭き取り、保革クリームを塗ります。バックスキンの場合は汚れ落とし専用ゴムブラシを使います。その後、専用コンディショナーを使います。バックスキン用のスプレーを使うことをおすすめします。キットになった製品もあります。

自分で使う登山靴の靴底などの経年劣化

軽登山靴(キャラバンシューズ)やトレッキングシューズの多くはミッドソールにポリウレタンが使われています。ポリウレタンは軽くて、摩耗に強く、衝撃を緩衝出来る性質(クッション性に富む)があり、登山靴用として優れた材質です。反面、カビや湿気に弱い上に加水分解による経年劣化は避けられません。このためポリウレタン製ミッドソールは年限が経つとポロポロに破壊しますし、接着剤に使われていると接着面が剥がれ落ちます。又、登山靴にサイドラバーが使われていると経年劣化で硬化剥離を起こす可能性もあります。条件によりますがポリウレタンの寿命は製造してから5年が目安です。

重登山用靴や革製の登山靴の経年劣化

重登山用靴や革製の登山靴は、登山の基本的な道具であり、亀裂・減り・剥がれ・破れなどで壊れることもあると考えて、日ごろから手入れをしましょう。基本的には皮は長持ちしますが、もっと長く使えるように、使い始めて5年近くなったら、特に悪い個所が無くても剥がれや縫い糸のすり切れ等が起きています。登山靴専門の修理職人に補修して貰い、経年劣化に備えることをおすすめします。

シリオは目的に応じた靴選びをしていただくためにレベルで分類しています。

靴修理に関しては「After Service」を参照してください。

自分で使う登山靴の靴底などの構造

登山靴の靴底は地面を踏むアウトソールと足を入れる上部構造(アッパー)の間にミッドソールが設けられている三層構造になっています。ミッドソールの材質にはゴム製、EVAとポリウレタン製があり、重登山用靴や革製登山靴のほとんどはゴム製です。一方、軽登山靴(キャラバンシューズ)やトレッキングシューズはEVAやポリウレタン製です。一般的にはミッドソールは交換せずにアウトソールのみの交換が靴底の交換とされています。

自分で使う登山靴のタイプ

昔から使われて来たダシ縫いタイプ、ミッドソールにはEVAを使ったEVAタイプ、カップ形状のウレタンやラバーのソールを下からはめ込むカップタイプ、ポリウレタン製ミッドソールを使ったウレタンタイプ、アイゼンを装着する為のコバとも呼ばれる凹みがつま先とかかと部に付いているアイゼンタイプ、スカルパ社などの製造しているプラスチック製タイプ(不時の亀裂の報告もあるのでよく吟味しましょう)に加えて、ナイロンと革を併用したタイプ等があります。ただ、アウターソールには殆どがビブラム社のゴム製を採用しています。

自分で使う登山靴のミッドソール(中板・中靴底)張替え交換

ダシ縫いタイプの靴にはミッドソールがあります。材料としては革・合成板・ナンポウ・EVAなどが挙げられます。ミッドソールの亀裂・減り・剥がれ・破れなどの損傷は、外見から交換の必要性が分かる場合もありますが、アウターソールを剥がしてみないとその必要性が分からない場合もあります。ミッドソールの交換ではダシ糸の交換も必要となるので登山靴の修理できる職人に頼むことをおすすめします。

「靴は履きこまれてこそ価値が出る」と言う信念

靴が修理に戻ってくることが何よりの喜びとして修理に応じています。

自分で使う登山靴のアウターソール(靴底表面)の張替え

直接地に触れるアウターソールの張替えには基本、ビブラム社のゴム製ソールが使われます。同社は長年の経験や高地。極地を含め、多岐多様な事績を持っています。摩耗性とグリップ性に加えて履きやすさや安定感などの機能に優れていてほぼ独占的に使われています。モンベル社の様に張替え可能な自社製ソールを使っているメーカーでも、高山や厳冬期用の登山靴にはやはり、ビブラム社のアウターソールを使用している程です。

ビブラム社のアウターソール


ビブラム社が生み出した特殊ゴム素材です。登山用靴底として耐摩耗性と制動性(ブレーキ力)が程よく調和した高品質のゴム材です。長い経験に培われた優れた性能は殆どのブランドがビブラムゴムをアウターソールに使っていることからも十分に証明されています。ビブラム社のアウターソールは「黄色いマーク」がトレードマークで、特許料ではありませんが、使用は提携メーカーに限られ、利用料が必要と成ります。

自分で使う登山靴の保護ラバーの張替え交換

保護ラバーは登山靴本体を岩等との擦りで傷つかない様に保護しているゴム製の膜です。ソール全体についているラウンドラバーと足先についているトゥガードがありますが、いずれも経年劣化での硬化で亀裂・減り・剥がれ・破れなどを生じるので、ソール交換の時期と合わせて交換するのがおすすめです。ソール用ゴム板にはビブラム社製でも幾つかの種類があるので登山靴に合わせて選びましょう。

自分で使う登山靴の靴底張替えなどの修理を依頼できる業者

登山靴はキャラバン、シリオ、ゴローやモンベルの様に自社製の登山靴のみを調整・修理してくれますが、「ICI 石井スポーツ」や「靴修理大好き工房 ナカダ商会」の様にどの登山靴でも調整・修理に応じてくれる業者もいます。アウターソールの張替えには原則的にビブラム社のゴム製ソールが使われますが、モンベルでは原則的に自社製のソールを使用しています。多くの業者は、キャラバン・リペアールーム、モンベル・カスタマー・サービス・シリオアフターケア工房、「ICI登山靴技術研究所」、靴修理大好き工房など専門分野を設けています。

オールソール交換専門店

ポリウレタン製ソールの交換も相談に乗ってくれます。

自分で使う登山靴の靴底張替えなどの修理代

登山靴の修理は基本的には革製が基本ですが、プラスチック製やウレタン製でも相談に乗ってくれる場合もあるので取りあえずッは業者と相談してみましょう。ビブラム社のゴム製品でのソールの交換は8,000円から15,000円程度、ラバーランドやトゥガードの交換は3,000円以上、D環やフック交換は1,000円~1,550円以上ですが、ミッドソールと上部構造(アッパー)の修理は20,000円以上になります。注文は直接修理窓口に持ち込むか、宅配などで送るなどして、予め見積もりを取ってそれを承認して注文することをおすすめします。

靴底が剥がれた登山靴の自分でも出来る応急処置

登山中に靴が破損したり、ソールが剥がれたりした場合は、自分でテープ・針金・細いロープなどで応急的に補強して出来るだけ早く登山口まで下山します。針金が一番丈夫で固定もしっかりできますが、滑り易いのが難点です。細いロープもしっかりと固定できますが、緩みやすいので注意します。テーピングも固定に使うのに問題ありません。キネシオロジーテープの様に伸び縮できるテープの方が有効です。ただ、ソールのギザギザを覆うので滑り易く成るのが難点です。

登山靴の靴底を自分で張替える

ミッドソールまですり減ったり、縫い糸がする切れたりするなど縫合が必要な場合や古くなった登山靴のソールの張替えは専門の職人をもつ業者に依頼します。しかしながら、アウトソールのかかと部分やつま先部分など一部の取り換えやアウトソールを接着材で張替えるなどは、自分でも出来なくはありません。ただ、登山靴には他にも目に見えない経年劣化がありますので、アウトソールは自分で張替えずに業者に依頼するのがおすすめです。

石井スポーツには、「登山靴技術研究所」という看板を下げた製靴工場があります。登山靴を中心とした修理・製造全般を行っています。

修理工場と研究所を兼ねているので登山靴修理についての全てを相談できます。

登山靴の靴底かかと部分を自分で張替え修理する

基本はすり減ったアウターソールのかかとを削って、市販の補修用当てゴムを貼り付け、余分な部分を削り込むという作業なので根気とサンダーがあれば、自分でも十分に可能です。かかと修理用には、例えばRunLife(ランライフ) シューズ補修材かかとタフ ・キットSKT-4M6M+SG (接着剤付き)などの補修材と接着剤の便利なキットが市販されています。。補修用に整形されたゴム版の厚さは、スリ減り具合を見て選別して置きます。

実践!ビブラムソールのかかとを補修する方法 ここからは、ビブラムソールのかかとのすり減りを補修する方法を、図を踏まえつつ実施していきます。

手順を詳しく説明してありますのでご参照ください。

自分での張替え修理に使えるキットをご紹介


靴修理用のキットは底板と接着剤を一緒にしたキットは余り多くは無く、登山靴までを含めた修理キットは上述のRunLife(ランライフ)にほぼ限られています。このシリーズは大阪のプロダクトプロ社が制作販売して居り、トレッキングシューズや登山靴の踵修理キットも含まれています。ビブラム社製のゴム底のキットは、『靴底補修・滑り止めシート』のみが市販されて居り、登山靴用にはビブラム社製アウターソールと接着剤および補修材を自分でそれぞれ調達する必要があります。

前処理

まず、登山靴のアウターソールの汚れをきれいに落とします。次にサンダーですり減った部分を平らに削ります。男性の場合はかかとの外側、女性の場合はかかとの内側がする減り気味になりがちなので注意しましょう。サンドペーパーを登山靴の幅程度の厚めの板に巻き付けて削ると靴底のカーブに沿って平らに仕上がります。電気サンダーがあれば、能率的で仕上げもきれいにできます。#80で粗削りした後、#120で接着面がスムースになるまで細かく削ります。

タフの貼り付け

接着面が仕上がったらかかとにすり減った部分を中心にしてタフを貼り付けます。接着材は片面だけに塗布してから接着面に隙間が出来ない様に全体的に均等に押さえつけます。靴底補修材としてはセメダイン 靴用補修剤 ・キット(シューズドクターN ブラック 50ml ブリスター HC-003)、サンスター技研「ペンギンシールくつ底補修材」キット、、ボンド「くつピタ 靴用接着剤」キット、コロンブスからは「シューグー」キットなどが売られ、ヘンケルジャパン株式会社の『ロックタイト(LOCTITE)』・キットでは靴用の強力瞬間接着剤を使っています。

靴用補修材の埋め込み

次に靴用補修材を溝、隙間や段差に埋め込みます。これらに水が入り込むと剥がれる原因となるので少し盛り上げて押し込むように空気だまりや隙間が出来ない様に丁寧に埋め込みます。靴用補修材はアッパーや靴底のひび割れの補修にも有効なのでその様な個所を目止めすることがおすすめです。接着剤が乾くまで丸一日は日陰で埃の来ない風通しの良い場所に置いておきましょう。接着剤が乾いたら再びサンダーで余分な補修材を削って仕上げます。

登山靴の靴底張替え方と自分で出来る修理のまとめ

登山靴は経年劣化するので、使っても使わなくても靴底張替えは、必要になります。その場合、手持ちの登山靴が修理可能なタイプか使い捨てのタイプかによって修理の可否が変わって来ます。また、アウターソール全体の取り換えは、靴底修理用のビブラム社ゴム製靴底キットも市販され、自分で出来なくはありません。しかし、登山靴アウターソールの交換時期には、ミッドソールやアッパーにも修理箇所があると思えるので業者に任せることがおすすめです。自分で行う修理は、アウターソール全体の取り換えに至るまでのかかとやつま先などの補修に止めましょう。

 

靴底の張替え方や自分でできる修理の仕方が気になる方はこちらをチェック!

登山を始めて間もない初心者には靴底の張替えや修理よりは、登山靴を正しく手入れして登山靴に性能を保ち、劣化を防ぐ事の方が大切です。まずは登山靴の手入れの仕方を参照することがおすすめです。登山の回数も増えて靴底の張替えを含む登山靴の修理を専門の職人に依頼することとなります。時間もかかりますので、出来る範囲は自分でも修理することもできます。「靴底修理おすすめ店舗と自分でやる時の方法は?」は、その様な手順を詳しく説明しています。