ラカンマキとはどんな植物?
和風な園芸を楽しみたい方であれば、ラカンマキが気になっている方も多いのではないでしょうか。ラカンマキは大きく育つ庭木ではありますが、成長スピードが遅いので、管理の手間が少ないのが大きなメリットです。鉢花にするほどには花は派手ではありませんが、鉢花にすることも可能です。今回はそんなラカンマキの特徴や花言葉から、植え付けや増やし方などの栽培方法などを解説します!
ラカンマキの特徴
ラカンマキとは?
ラカンマキとは、マキ科マキ属に分類れる庭木です。よくお庭に植え付けられているイヌマキの変種であり、同様に育てていくことが出来ます。分布は本州から沖縄までと、寒すぎない地域に生えている植物です。高さが2~10mと大きく育つのが特徴ですが、成長速度が遅く、コンパクトなまま管理出来ます。本種であるイヌマキととても似ていますので、見比べないと、見慣れていない方は見分けられません。
ラカンマキは初心者でも育てやすい?
育て方の難易度ですが、初心者でも育てられるタイプの庭木です。耐暑性・耐寒性が高いので、寒すぎない地域であれば越冬も可能であり、強剪定にも耐えられます。また、庭木ではなく鉢花としても育てることが可能です。初心者の方も是非育ててみて下さい。
ラカンマキの開花時期
ラカンマキの開花時期は5~6月です。画像のように、マツの花に似た花を咲かせます。花は大きくありませんので、あまり観賞価値はなく、鉢花にするには適していないと言えますが、鉢花として育てることも可能です。ちなみに、雌雄異株ですので、雌雄を揃えないと花は咲いても実は付きません。
ラカンマキの実には毒がある?
イヌマキ同様に、ラカンマキも実を食べられます。画像のような実なのですが、実は黒い部分には毒がありますのでご注意下さい。食べられるのは、赤い花托部分になります。食べられるとはいえ、実を目的で育てる方は少なく、実を付けさせるには雌雄の株を揃えなければいけませんが、必ず雌雄を揃える必要はありません。
ラカンマキは生け垣に使われる植物
庭木としてよく育てられているラカンマキですが、画像のように生け垣にされることも多い植物です。成長が遅いので管理がしやすく、剪定にも耐えられる丈夫さがありますので適しています。他にも、和風の庭のシンボルツリーにしたり、街路樹に使われたり、盆栽として育てるなど、色々な育て方で楽しまれています。
ラカンマキの花言葉と名前の由来
ラカンマキの花言葉は?
育て始める際に気になる花言葉ですが、「慈愛」や「色褪せぬ恋」といった言葉があります。この慈愛という花言葉は、生垣など、家を囲うように、守るようにして植えられる機会が多かった為付けられた言葉だとされています。色褪せぬ恋は、常緑の美しい葉を持っていることから付けられています。
ラカンマキの名前の由来は?
非常に特徴的な名前をしていますが、漢字で書くと「羅漢槙」となります。羅漢とは袈裟をまとった僧侶のことであり、画像の実が羅漢に見えることから名づけられました。確かに、お坊さん、お地蔵さんのように見える形をしています。またイヌマキと同様に扱われることも多いので、「マキ」とシンプルに呼ばれることもよくあります。
ラカンマキの販売価格は?
ラカンマキの販売価格
ラカンマキ
気になる販売価格ですが、苗の大きさによって値段が変わります。大きな苗であれば3000円程度、小さな苗であれば1000円程度のものが多いです。最近では100均でも小さな苗を扱っていることがありますので、行かれる際はチェックしてみましょう。最初から庭木として立派な株を植えたい場合は、高額ではありますが、大型の株を購入して下さい。
ラカンマキの選び方
ネットショップで購入する場合は選べませんが、お店で購入される場合は、より良い株を選びましょう。葉が美しい色をしていて、生命力にあふれた雰囲気のものを選んで下さい。また、病害虫に侵されていると枯れる危険性がありますので、おかしな様子は無いか、害虫が付いていないかもチェックしましょう。害虫は他の植物にも被害が及ぶので、よく見ておいて下さい。
ラカンマキの育て方・栽培方法①環境
ラカンマキは鉢植え?地植え?
庭木として育てるのが一般的な植物ではありますが、鉢花を育てるようにして鉢植えにしても構いません。鉢植えにする場合は室内に移動させることが出来ますので、寒い地域でも育てることが可能になります。耐陰性もありますので、日光の当たる場所であれば室内で育てることも可能です。関東以南にお住まいであれば、庭木として地植えしても問題無いでしょう。
ラカンマキに適した生育環境
日光のよく当たる日向に植え付けて管理していきましょう。耐陰性はありますが、日当たりが少ないと葉が枯れる場合がありますので、なるべく日光を当ててあげます。その他に関しては特に気にする必要はありませんので、気軽に育てることが出来ます。
ラカンマキの夏冬の管理
耐暑性がありますので夏場も心配いりませんが、まだ苗が小さい時は、真夏の直射日光に負けて枯れる可能性があります。鉢花にする場合は室内に移動するか、30%ほど遮光してあげると良いでしょう。越冬は関東以南であれば放っておいても問題ありません。
ラカンマキの育て方・栽培方法②用土・植え付け
ラカンマキに使う用土
鉢花にする場合は、市販の培養土を5割に、赤玉土を3割、鹿沼土を2割の割合で混ぜて、水はけの良い土を作ってあげると良いでしょう。最後に表面を鹿沼土で覆うことで、コバエを防ぐことも可能です。庭植えの場合は、植え付け場所に腐葉土やたい肥を混ぜ込んでおいて、環境を良くしておきましょう。水はけもチェックしておいて下さい。
ラカンマキの植え付け
植え付けの適期は3月~5月、もしくは秋前の9月です。暑すぎず寒すぎずな時期に植え付けましょう。鉢植えであれば、鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷き、用土を入れ、一般的な植物同様に植えてあげます。地植えの場合は穴を掘って植えるだけですが、生け垣として何本も植える場合は、株間を50㎝程度に調整しましょう。植え付け後は水やりをして、根を活着させて下さい。
ラカンマキの育て方・栽培方法③水やり・肥料
ラカンマキへの水やり
地植えした場合は雨水がありますので、水やりはほぼ必要ありません。よほど乾燥している時のみ水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えて下さい。春~秋はこのように水やりを行い、冬時期に入って成長が遅くなったら、水やりのペースを落とします。土の表面が乾いてもすぐに水やりをせず、3日ほど待ってから水を与えて下さい。もし枯れる雰囲気があれば水やりペースを上げるなどして調整しましょう。
ラカンマキへの肥料
放っておいても育つ頑丈さがありますので、あまり肥料は必要ありません。より良く育てたい、早く育てたい方は肥料を与えましょう。地植えも鉢植えも、緩効性化成肥料を与えると良いでしょう。液体肥料でも構いませんが、緩効性の置き肥の方が手間がかからず簡単です。有機肥料はコバエが発生しやすいのでご注意下さい。冬時期は肥料は必要ありません。
ラカンマキの育て方・栽培方法④植え替え・増やし方
ラカンマキの植え替え
地植えの場合は植え替えは必要ありません。鉢植えの場合は根詰まりしますので、3~4年に1度を目安に植え替えしましょう。植え替えの適期は3~5月、もしくは9月になります。植え替えする際は一回り大きな鉢を用意し、また用土も新しく用意しましょう。株に付いている土を少し落としてから植え替えて下さい。
ラカンマキの増やし方
ラカンマキの増やし方は挿し木がおすすめです。挿し木は枝を挿すだけの増やし方ですのでとてもシンプルです。挿し木の適期も3~5月、もしくは9月になります。剪定した枝を10㎝程度の長さに切り、下葉を取り、水を30分ほど吸わせてから用土に挿しましょう。あとは明るい日陰で管理し、水を切らさないように注意します。枯れることを想定して、何本も挿し木しておくと良いでしょう。
ラカンマキの育て方・栽培方法⑤剪定・手入れ
ラカンマキの剪定
成長スピードは早くはありませんが、次第に伸びていきますので、定期的に剪定をしましょう。剪定の適期は5月あたり、もしくは9月あたりです。強剪定しても枯れることはありませんので、好みの形になるように切って下さい。大きく育てたい場合は整える程度にしておきましょう。
ラカンマキの手入れ
鉢植えにして自宅室内で育てる場合は、1日1回「葉水」をしてあげると良いでしょう。葉水とは霧吹きで葉に水をかけてあげる手入れのことで、葉水によって乾燥を防ぐことが出来ます。また、葉水は害虫を防ぐ効果もありますので、予防しておきたい方にもおすすめです。庭植えの場合でも、まだ苗が小さい間は葉水をしてあげると枯れる危険性が減ります。
ラカンマキの育て方・栽培方法⑥病害虫・その他
ラカンマキの病気
あまり病気になることはありませんが、ペスタロチア病や白葉枯れ病になる可能性もあります。これらの病気は弱っている時にかかりますので、水の管理を怠らないようにしましょう。病気になっている部分を見つけたら切除して、他の部分に広がらないようにして下さい。
ラカンマキに付く害虫①カイガラムシ
害虫も付きにくいのですが、弱っていると害虫被害にあいやすくなります。カイガラムシは、名前の通り殻を被っている害虫で、薬剤が効きにくいのが特徴です。見つけ次第補殺しましょう。また、幼虫の間は薬剤が効きますので、薬剤で予防しておくのもおすすめです。詳しい対策方法は下記記事で解説しています。

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ラカンマキに付く害虫②アブラムシ
アブラムシも植物によく付く害虫です。数匹付いた程度であれば問題無いのですが、放っておくとどんどん増えてしまい、最終的には枯れる可能性がありますので、見つけたら早めに対処しましょう。吸汁して養分を奪うだけじゃなく、ウイルスを持ってくることもあります。詳しい対策方法は下記記事で解説しています。

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ラカンマキに付く害虫③ハマキムシ
ハマキガの幼虫であるハマキムシの被害にあうこともあります。こちらは名前の通り、葉をまくのが特徴で、放っておくとどんどん葉を食べてしまいます。こちらも薬剤での対策をした方が良いでしょう。詳しく知りたい方は下記記事を見てみて下さい。
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まとめ
今回の「ラカンマキとは?植え付けから増やし方まで上手に成長させるコツをご紹介!」はいかがでしたでしょうか?大きく成長する木ではありますが、鉢植えにすることも出来ますので、色々な形で育てることが可能です。育てるのも難しくありませんので、初心者の方もぜひ育ててみて下さい。水不足になると不調が出てきますので、乾きすぎないように注意しましょう。
ラカンマキが気になる方はこちらもチェック!
今回はラカンマキについて解説させて頂きましたが、他にも植物・ガーデニングに関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。

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