シンセイ 防虫ネット180cm×100m 1mm目合い
住友化学園芸 ベニカS乳剤
住友化学園芸 スミチオン乳剤
住友化学園芸 STゼンターリ顆粒水和剤
住友化学園芸 GFオルトラン粒剤
はじめに
ハマキムシの生態・種類から退治方法まで
ハマキムシは1年のうちに何度も繁殖と発生を繰り替えして葉を食べて、最悪枯らしてしまう害虫です。果樹や観賞用の植物など幅広いものに発生するのが特に厄介。最後の一匹までしっかり退治しないと、その生命力で大切な植物を弱らせてしまいます。葉の中に隠れているのも困り物ですね。この虫の生態から、殺虫剤など農薬での駆除方法をご紹介します。
ハマキムシについて
ハマキムシの基本情報
科:ハマキガ科という蛾の幼虫
代表的な種類:チャハマキ、チャノコカクモンハマキ
発見の目安:餌とする植物の葉を糸を出し丸めたり2枚の葉をくっつけたりして中に住み着くので、この名前で呼ばれます。
チャハマキ蛾とは
ハマキガ科の昆虫。大きさはオスとメスで違いがありますが、オスの方が大きくて15mmくらい。幼虫の餌にするために、バラなどの花や広葉樹の葉に卵を生みます。春~秋まで繁殖を繰り返しますが、一番活動が活発なのは関東地方では5月~7月くらい。
チャノコカクモンハマキ蛾とは
幼虫は葉だけでなく、果実にも入り込み食害する。果実が腐ったりして落ちる場合、チャノコカクモンハマキの幼虫の可能性も。糸が張られた葉や果実を見つけたら、すぐに取り除き処理しないとまた卵を産み被害を増やすので要注意。成虫は7~9mm程度の大きさ。果樹にも付くことから越冬は葉だけでなく、樹皮の内側になることもあります。
ハマキムシの生態
ハマキムシの成虫(蛾)は食害はしないですが、ガーデニングで一番困るのは食害する幼虫。ここでは特に幼虫の生態を中心に見ていきましょう。
ハマキムシの生態①体の様子
日本にいる代表的なハマキムシの種類のひとつ、チャハマキの幼虫の場合は約20~25mm。もうひとつ被害にあうのが多いチャノコカクモンハマキの幼虫になると、チャハマキよりも少し小さく約18~20mm程度の大きさ。大きく成長すると、どちらの種類の幼虫も1.0~1.5cmの蛾になります。
ハマキムシの生態②発生時期
この虫の生態の特徴として、とても活動期間が長いのがあげられます。真冬以外なら卵から幼虫、成虫のサイクルを年間で4回ほど繰り返して、そのたびに数が増えたら植物に大きな被害がでることに。ハマキムシが活動しはじめ発生するのは、気温があがってくる4月~5月ころ。中でも一番活発に発生するのは、夏の暑い時期です。寒くなる11月頃には、越冬するために葉を丸めてその中にこもります。
ハマキムシの生態③繁殖期
ハマキムシは卵から2週間程度で孵化して、幼虫でいる期間は長くて1か月くらい。その後サナギから成虫の姿になり、また卵を産んでと繰り返します。一番長期間過ごす姿は幼虫の形。このときに葉や果実、花などを食害するので、見つけて駆除しないと、住みつかれた植物が攻撃され続けてどんどん弱っていきます。
ハマキムシ被害の種類
どうしてこのムシが害虫と呼ばれているのか、なぜ付くと困るのか。その被害にどんな心配があるのか、問題となる害虫被害の種類を3つご紹介します。
ハマキムシ被害の種類①見た目の悪さ
ハマキムシ被害は幼虫による食害だけではありません。その名前ともなった生態の特徴である葉を丸めてその中に住むということから、植物の見た目を大きく悪くしてしまいます。葉だけでなく花も食べますので、せっかく育てた花がきれいに咲かず楽しめないことも。
ハマキムシ被害の種類②光合成ができなくなる
葉を丸めるだけでなく蛾の幼虫は糸を吐いて葉同士をくっつけたりもします。このことによって、光合成しにくくなり小さな株だと絶えてしまう場合が。
ハマキムシ被害の種類③実が落ちる
ハマキムシの幼虫が食べるのは、葉や花だけではなく若い実も。食べられてしまった実は成熟を待たずに落果します。そのために植物のその世代だけでなく次世代にも大きな影響が現れ、駆除してしまわないととても厄介な状況に。
ハマキムシ対策と予防
害虫が心配なら付かないようにする予防も大切です。付いてしまっても初期に対策すれば、被害も最小限に収まるでしょう。ハマキムシ対策と予防の方法には、どのようなことがあるのか見ていきましょう。
ハマキムシ対策
ハマキムシを見つけたらできるだけ早めの駆除が大事です。繰り返し繁殖して大量発生になると、葉の全てが巻かれて中から食害を受けるでしょう。放置しておくと植物が枯れる場合もあります。
ハマキムシ予防①ネット
シンセイ 防虫ネット180cm×100m 1mm目合い
駆除だけでなく成虫が飛んで卵を生むのを予防するのも良い対策です。産卵予防には防虫ネットが役に立ちます。繁殖期である4月前に守りたい植物を囲める大きさの防虫網を用意して覆うと成虫が産卵する場所を失います。もしネットで防護する前に卵を生まれたら中で発生する場合もありますが数はずっと少ないです。内側で見かけたらすぐに取り除くようにすると簡単に退治できます。
ハマキムシ予防②明かりを置かない
成虫が卵を生むならできるだけ寄せ付けないことも大切です。ハマキムシの成虫は蛾ですので光に集まる習性があります。そのポイントは成虫に近づいて欲しくない植物の近くに明かりを置かないこと。これで他の明かりに行ってしまい、あなたの植物には卵を産み付けなくなります。
ハマキムシ予防③休眠中に取り除く
ネットをかけたり明かりをつけないようにしてもハマキムシが付いてしまった。そんなときは冬の休眠中の時期を利用して翌年の被害を対策しましょう。1年の中で冬だけはムシが繁殖しないのでここで根絶やしにして春にしっかりネットをかけて防げばさらに大きな効果が期待できます。
ハマキムシに効果的な薬剤
観賞用の花ならハマキムシを駆除するのにも薬剤を使うのも手です。殺虫剤は植物やムシの種類によって効くものが変わります。種類による使う殺虫剤をご紹介しましょう。
花のハマキムシ用殺虫剤
住友化学園芸 ベニカS乳剤
ムシに効く薬剤は同じような殺虫剤効果があっても、使う植物によって変える必要があります。〇〇用と書かれたものはより効果が絶大です。花についたハマキムシを駆除するにはベニカS乳剤やスミチオン乳剤を使います。主に1年草や球根、宿根草などの花観賞用の草花への効き目があります。
洋ランのハマキムシ用殺虫剤
住友化学園芸 スミチオン乳剤
花の中でも洋ランには別の薬剤が用意されている場合も。ハマキムシに関しては、草花用の殺虫剤でも効果があります。チューリップやビオラなど球根や種で増える草花と同じくスミチオンやベニカを使用してください。
庭木のハマキムシ用殺虫剤
住友化学園芸 STゼンターリ顆粒水和剤
地植えの庭木についたハマキムシにはできるだけ他の樹木に影響のないオーガニックな薬剤がおすすめです。農薬として野菜にも使用できる殺虫剤STゼンターリ顆粒水和剤を使います。他の薬剤で耐性がついてしまった幼虫にも高架がります。花が咲く花木の場合はスミチオン乳剤も効くでしょう。何度も同じ薬剤を使っているとムシに耐性がついてしまい効き目がなくなります。そんなときは別の薬剤を試してみましょう。
ハマキムシに効く農薬はある?
口に入る農作物に使う薬剤が農薬です。野菜や果実、ハーブなど食べる作物に使う薬は選び方や使い方に十分気をつける必要があります。ハマキムシ用の農薬はあるでしょうか。
野菜につくハマキムシ用農薬はない
実や葉を口にする野菜に使うハマキムシ用の農薬はありません。野菜用の薬剤は残留成分が気になります。食害をする害虫に効く農薬は人への影響も無視できません。野菜についてしまったら手で捕殺する方法で退治しましょう。
果樹用の農薬にはSTゼンターリ顆粒水和剤
果実を食べる果樹のハマキムシ。こちらはオーガニックなSTゼンターリ顆粒水和剤がおすすめです。そのほか、一部の果樹にはベニカやスミチオン、マラソン乳剤も使えますのでパッケージの対応植物欄を参考にハマキムシ退治したい木に効果のある薬剤を選びましょう。
一部のハーブのハマキムシにはベニカS乳剤を
口に入れる草には野菜以外にハーブもあります。ハーブについてハマキムシに使うなら、ベニカやスミチオンベニカベジフル乳剤です。シソ、茶などの一部ハーブがこの薬剤に対応しています。残留回避のために散布してから規定の日数経過してから収穫してください。
ハマキムシ用殺虫剤の使い方
口に入る物でなくても、薬剤の使用はハマキムシに効かなかったり他の植物に影響が出てもとても困ったことになりますね。花木に使う薬品の使い方注意について見ていきます。
散布薬剤の使い方
殺虫剤はムシにかからないと効果がありません。ハマキムシの幼虫は葉を丸めてその中に隠れています。葉の上から薬剤をかけても効いて欲しい相手に届かない場合も。しっかり巻かれた葉を開くなどして直接散布する必要が。
浸透性薬剤の使い方
住友化学園芸 GFオルトラン粒剤
浸透性の薬剤はムシに直接かけるのではなく、植物に浸透させそれを食べた生き物を殺虫する薬剤。数日間薬効成分が継続するのが特徴で、そのためにすぐにムシが死なないことがあります。口に入る植物には特に量を多くしすぎないことが重要。水で薄めるタイプはしっかり分量を守ってください。
ハマキムシの天敵は
ハマキムシに勝てるもの、ハマキムシを捕食する生き物がいれば農薬に頼らなくても数をへらすことができます。それが天敵です。ハマキムシを安全な方法で駆除してくれる天敵には、どんなものがいるでしょう。
ハマキムシには天敵が多い
口にする実や葉につくムシには農薬などの薬剤を使わないで絶やしてしまいたいと誰もが思います。草花などの観賞用でも耐性がついてしまっていざというときに効果がなくなるのも避けたいですね。そんなときには、そのムシの天敵となる生き物を花壇や畑に放つという方法もあります。ハマキムシは意外と天敵となる生き物が多いです。
ハマキムシの天敵
ハマキムシを退治してくれる生き物はクモやアリ・ハチ。カマキリにカエルとテントウムシもムシ退治に一役かってくれます。
まとめ
ハマキムシ退治には薬剤と天敵利用を
ハマキムシは1年に何度も卵から成虫へと繁殖を続け数を増やしていきます。駆除せずにおくとどんどん数が増えて大切な植物を枯らす場合も。守りたいものにあった薬剤を使用したりネットなどで予防したり、冬の間の捕殺も行い根絶やししましょう。ひとつの方法ではなくていろいろな対策を重ねて行うのがコツ。天敵になる生き物を放つのもその方法です。
害虫駆除が気になる方はこちらもチェック
暮らし~のではガーデニングに役立つ害虫駆除の方法や薬剤について、個別の害虫に対する細かい解説も用意しています。気になることがあれば検索窓も使えるでしょう。問題解決にお役立てください。
観葉植物に発生する虫10選!小さい害虫の虫除け対策と駆除方法含めてご紹介!
観葉植物の虫にはどんな種類があるのか。小さい虫はつい見逃してしまい、被害が大きくなってから気づくものです。早目の対策が必要で、見つけにくい小...
植物を食い荒らす害虫「マメコガネ」とは?その生態や駆除方法までご紹介!
集団で植物を食い荒らす、マメコガネの駆除方法や予防方法をまとめました。マメコガネの被害を減らすためには、その生態を知り、効果的な駆除対策をし...
植物の害虫「ヨトウガ」の駆除・予防対策を解説!被害を防ぐ方法はコレだ!
葉がなにかに食べられていても食べた幼虫も姿が見えない時はヨトウガを疑ってみるといいでしょう。ヨトウガを駆除するには早期の対策が必要です。ヨト...