から揚げはおかずの定番だけど…
嫌いな人は居ないであろう揚げ物料理の定番「から揚げ」ですが、自分で作るとなると手間が掛かるものです。なので、特に一人暮らしをしている方は「から揚げが食べたい」となると、スーパーの惣菜コーナーに直行するという人が多いのではないでしょうか?しかし、実はから揚げは結構簡単な料理なんです。
スーパーのから揚げを美味しく食べるには
スーパーで買ってきたから揚げを食べるとき、レンジで温めるという人が多いのではないでしょうか。レンジ出温めたから揚げは、衣が水分を吸ってふにゃふにゃになり、美味しいとは言えません。なので、レンジではなくオーブントースターで温めてみてください。衣がカリッとして、まるで揚げたてのようになります。
から揚げの基本レシピ1:下ごしらえ
レシピの基本は下ごしらえにあります。から揚げの下味は、まず塩コショウを振るところから仕込みが始まります。目安はお好みですが、大体数回振り掛けるイメージで良いです。こうすることで鶏肉の臭みが取れます。そしてその後、10分程度寝かせるのです。たったこれだけのことなのですが、この一手間だけで美味しいかどうかが変わってきます。
塩は少なめという声も
下味の味付けにおいて、塩コショウを振る際は塩は少なめという方も居ます。から揚げはこの後つけタレに漬け込みするありますし、味付けが濃くなりすぎるのを防ぐという理由からなのだと思います。
特に高血圧な人の場合は、塩を少なめにする作り方のほうが良いでしょう。逆にコショウは、多めでもかまわないです。なぜなら、タレに漬け込む際に付着したコショウがタレに移っていくからです。とはいうもののコショウの振りすぎは体にも良くないので注意しましょう。
から揚げの基本レシピ2:漬け込みタレ
から揚げのレシピにおいて重要な行程が、この漬け込みです。作り方の中でも味付けを決める部分でもありますからね。漬け込み用のタレに使うのははにんにく・生姜・醤油・酒・ミリンがベースです。
調味料は、醤油と酒とミリンを3:2:1にするのが基本です。この漬け込み用のタレに5~6時間漬け込むというのが基本的な作り方なのですが、人によっては一晩は漬け込むという人も居ます。一晩漬け込むことで、より味が染み込んで美味しいということなのでしょう。
にんにくは苦手という方
中にはにんにくが苦手という方や、あるいはにんにくの匂いを避けたいという人も居るでしょう。そんな方におすすめなのが、たまねぎを少量摩り下ろしてタレに入れるという方法です。
こうすることで、にんにくと同じような食欲が沸き立つ風味を演出してくれます。また、たまねぎに含まれる消化酵素が肉をやわらかくしてくれるという効果も期待できます。それでいて匂いはきちんと抑えられているので、おすすめの味付けです。
から揚げの基本レシピ3:粉
次の工程では、タレに漬け込んだ肉に粉をまぶしていきます。粉のレシピは、片栗粉と小麦粉を1:1でブレンドするのが基本です。中には小麦粉のみの作り方もありますが、片栗粉が入っているほうがカリッと上がって美味しいです。
味付けの行程に比べると幾分かは楽ですが、漬け込み時間を一晩という長時間漬け込んでいる場合は粉がつきにくいという場合があります。その場合は、漬け込んだ状態の肉に直接粉を振り掛けましょう。そうすると、粉とタレが混ざり粉がつきにくいという状態は回避できます。
あまった粉はきちんと払うのも下味のうち
肉に粉をまとわせてから、ある程度払う必要があります。一部の居酒屋さんでは、こうして粉を払う作業も下味のうちだと教えているのだとか。
粉が余分についたままあげてしまうと白っぽく変色してしまったり、中まで日が通りにくくなってしまいます。さらに下味をして臭みをとったのにも関わらず、粉が油を吸いすぎて今度は油の臭みが出てしまうのです。
から揚げの基本レシピ4:揚げ方
レシピの最終工程ですね。揚げ方は、基本的にはやや強火が良いと言われています。そして上げ時間は5~6分です。不安であれば、中火で10分ほど挙げれば問題ないでしょう。ここまでが基本的な作り方です。
味付けや漬け込みの時間など、まあ一晩以上漬け込むのが基本とする場合もありますが、この基本レシピを守れば美味しいから揚げが出来ます。お弁当に入れる場合や写真に撮る場合は二度揚げすると、見栄えが良くなる上味がいっそう染み込みます。
下味は千差万別
粉をつけて揚げるまでの作業は、実はほとんどどのレシピにも違いは有りません。やはりタレに漬け込む下味で美味しさに差が出るのです。一晩中着けるのが良いのか、それとももっと短い時間の方が良いのか、それは作り手の考え方でまったく異なるのも面白いところです。
そして、下味に調味料もさまざまあります。中にはバーボンのようなお酒を下味に使うというレシピも存在するのですが、アルコール度数の高いお酒を下味に使うとかなり油がはねて危険なので、今回は割愛させていただきます。
から揚げの下味その1:下味を柑橘で
から揚げの基本レシピに加えて、下味に柑橘類を少し入れてあげると風味がグッと上がります。作り方の最初の段階、つまり肉を切って味付けをする前に柑橘類の汁をもみこむのです。そのまましばらく漬け込み、そして調味液を入れるとやわらかく美味しいから揚げになります。
酸味が効いているのでさっぱりした味わいですが、揚げることで熱が加わり余計な酸味は飛んでおり、非常に食べやすくなります。また、こうすることで「から揚げにレモンをかけるべきか否か」という論争に終止符を打つことも出来ます。
下味にオススメの柑橘
レモンやライムなど、酸味の強い柑橘で下味をつけるのが基本です。甘すぎる温州ミカンを使う場合は、先述の酸味が強い柑橘類と組み合わせて使うと、風味がいっそう上がり美味いのでおすすめです。
基本のレシピに一手間程度の工夫ではありますが、そんなに時間が掛からない上に普段の味付けにプラスするだけなので簡単というのも良いですね。
から揚げの下味その2:出汁をプラスして漬け込む
しょうゆや酒で下味をつけるというレシピ基本が基本ですが、そこに出汁を加えるといっそう美味しくなります。作り方もめんつゆを作る要領ですのでそんなに難しくありません。ただ醤油と酒に出汁を加えるというだけです。
この味付けは漬け込み時間が長ければ長いほど美味しいので、大体一晩を目安に漬け込みましょう。また、出汁は多少水分を飛ばしたものの方が良いです。
濃い下味の味付けが苦手という方にオススメ
から揚げのレシピの基本を見ると、作り方のはじめのほうに塩や胡椒で味付けをするという仕込みをするというのが多いです。こうすることで肉のぬめりや臭みが取れるので重要なのですが、ここでさらに醤油や酒といった調味料も加わるので、結構味が濃くなってしまいます。下ごしらえは大切ですが、味が濃いのが苦手という方も居るでしょう。
そこで、今回のように出汁を加えることで濃さが薄まり、さらに味わいが深くなるのです。漬け込み時間が長いので手間は掛かりますが、いままで「味が濃くてから揚げを美味しいと感じたことが無い」という方でも食べられるようになります。
から揚げの下味その3:豆板醤を加える
から揚げは辛い味付けでも美味しいです。しかし、ただ辛い味付けですと旨みが無い為おいしくありません。ですので、旨みがちゃんとある辛味調味料の豆板醤をプラスしましょう。豆板醤はそら豆を発酵させて作られているので、旨み成分が豊富に含まれて居ます。また発酵食材なので肉を漬け込む際に利用するとやわらかくする効果もあります。
味噌を下味に使うのもアリ
辛いのは苦手な方でも、発酵食品を利用して肉をやわらかくする方法はあります。それは「味噌」を使うという方法です。味噌は大豆を発酵させたものなので、豆板醤と同じように肉をやわらかくする効果があります。
一番最初の、下ごしらえをする段階で塩の代わりに味噌を使うと良いでしょう。このとき、出汁入りの味噌を使うと風味が格段に上がりますのでおすすめです。
から揚げの裏技:穴を開けてやわらかくする
肉に爪楊枝や剣山などで穴を開けてからタレに漬け込むと、味がよく染み込む上に肉質がやわらかくなります。これはかなり手間が掛かるのですが、例えば消費期限が迫っているような、硬くなり始めている肉に使うとかなりの効果が期待できます。
また、モモ肉でなくムネ肉のように量が多い代わりに肉質が硬い部位に使っても良いです。
フォークを使うと簡単
この裏技を使う人の大半は爪楊枝で行うのですが、はっきり良いますと恐ろしく時間が掛かる上、かなり疲れます。また剣山は楽なのですが、わざわざから揚げのために剣山を買うというのも面倒です。
そこでおすすめなのが、フォークを使うという方法です。フォークですと、どのご家庭にもあります。また連続して刺しやすいという利点もあります。ぜひお試しください。
から揚げの漬け込み時間、基本は短い方がいい
「一晩漬け込むのは面倒だから、時短レシピは無いのか」と気になる方もいるかと思います。実は、から揚げは時短に適した料理なのです。
どういうことかといいますと、肉を塩分の多いタレに長時間漬け込んでいると、肉が塩分によって硬くなってしまうのです。もちろんこれはあくまでも一説によるところではあるのですが、確かに肉を塩につけると肉の水分が抜けていき、硬くなるのは事実です。
ですので、から揚げはタレに漬け込むことなく絡めた状態のものを揚げたほうがやわらかく美味しいといえます。しかし、タレに漬け込むとその分味が染み込んで美味しくなることもまた事実ではありますので、どちらが優れているかというのは個人によるところが大きいと思います。
揚げ時間と温度
から揚げを早く揚げたいからといって、強火で豪快に揚げてしまうのはダメです。なぜかというと、強火にしすぎると肉が硬くなってしまうからです。肉のエキスが一気に蒸発してしまいますからね。では、どのくらいの火力がちょうど良いのでしょう。先述のように、一般的には中火で揚げていくのが基本です。
ですが最近ではごく弱火、油の温度が120度前後の状態で少しずつ肉に火を入れていくのが良いとされています。こうすることで、肉から水分が一気に出て硬くなってしまうのを防いでいるのです。しかし弱火であるため、通常よりもかなり時間が掛かってしまうという難点があります。もしこだわりのから揚げを作ってみたいという方は、ぜひ一度お試しください。
から揚げレシピのまとめ
今回は、から揚げのレシピについて語ってきました。から揚げはお弁当の王道的料理であり、また普段のご飯のおかずとしても定番です。さまざまなレシピがありますが、今回は私が過去に試してみた下味をご紹介させていただきました。下味は料理の味を決める上でも重要な要素ですが、特にから揚げにとっては「下味こそすべて」といっても過言ではありません。
また、私が個人的に驚いたのが「油の温度は低めが良い」という説が出てきている点です。から揚げというと、どうしても中華のイメージがあるので高温で一気に火入れをしてしまうという風に考えてしまうんですよね。今後も、さらにさまざまなから揚げレシピが考案されるかも知れませんね。
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