日本の伝統的な竹細工の歴史
日本で身近な竹細工がいつからどこで始まったのか、よくよく考えてみれば、実はわからないことばかりです。竹細工の歴史から迫ってみましょう。
縄文時代からあった竹細工
日本列島は真竹やササを始めとして、古来より竹の種類が繁殖しやすい温暖な土地でした。2万年前から数千年前、大陸から渡ってきた縄文人は、すでに竹細工の原型となる工芸品を作り出していました。縄文時代の竹カゴは歴史教科書にも載っているので有名です。日本の竹細工が、はるか昔の縄文人から脈々と受け継がれていたのです。
縄文人が作った竹細工とは
縄文人が生み出した竹細工でもっとも有名なのが、青森県三内丸山遺跡から出土した、縄文ポシェットと呼ばれる竹カゴ。繊細に編んだ竹カゴは、現代人がバッグとして使っていてもおかしくない出来栄えを見せてくれます。4千年も前に手作りされたものですが、漆塗りと竹の防腐性によって、現代でも現物を見ることができます。
日本に根付いた竹細工の伝統
江戸時代、現代に至るまで、竹細工は日本に不可欠な道具となって行きました。落語の演目に「米揚げ笊(いかき)」、「ざる屋」など竹細工のざるを題材にしたものがあり、安来節のどじょうすくいは、竹細工のざるの動きが基本にあります。茶道具、ざるそばなど日本食文化にも竹細工はなくてはならぬものです。
竹細工にはどんな種類があるのか
日本には626種類の竹植物が存在します。竹の種類が多いと同時に使用の歴史も長いだけに、竹細工は生活のいろんな道具に見られます。古代から脈々と作られ続けたと考えると、竹細工に対する見方が変わりそうです。
料理に使う各種の竹細工
日本の料理や食事に使う竹細工は、最も身近に感じる種類です。料理の水切りやざるそばに使われるざる、流しそうめんの筒、竹の器や湯のみ、茶道具の茶筅や柄杓、お弁当箱になるカゴ、水筒、竹箸、スプーン、ナイフなど。伝統的な道具だけでなく、今ではいろんなモダン竹細工が生み出されています。
生活用品としての竹細工
竹ぼうきや熊手は今も生活の中や仕事の現場で良く見かけるし、ちりとりとしてのカゴも同様です。竹細工のバスケット、耳かき、くし、扇子は使っていますか。今では使われない、釜で使う火吹き竹、楽器にもなった食器洗いのささらも竹細工です。和傘は伝統的な職業や、観光のお土産として活用される道具です。子供の水鉄砲も竹で作られたものがあります。
園芸品としての竹細工
日本の美を表現する日本庭園は、歴史的に生み出された大きめな竹細工が随所に見られる空間です。スコーンと響く添水(そうず)は鹿威し(ししおどし)の一種ですが、いつしか水が溜まると音を出す優雅な道具として好まれるようになりました。竹でできている竹垣、竹の塀、よしず、すだれは、日本家屋を表現するための代表的なエクステリアです。
日本で竹細工が有名な地域とは
竹細工の手作り製品は全国で作られていますが、どこの土地で、どんな手作り名産品が作り出されているのでしょうか。経済産業大臣指定伝統的工芸品に選ばれている、有名な産地を見てみます。
西日本の竹細工の有名どころ
宮崎の都城大弓は江戸後期に盛んに作られた大弓で、弓道には必須の道具です。大分は「日本書紀」で竹細工が登場する最古の土地で、今ではバッグやインテリアなど多様な別府竹細工が有名です。岡山の勝山竹細工は竹カゴで知られています。大阪金剛簾(すだれ)は室内装飾や日よけすだれの一級品です。奈良の高山茶筌は、茶道具の製造で500年の歴史を持っています。
東日本の竹細工の有名どころ
静岡の駿河竹千筋細工(するがだけせんすじざいく)は、非常に細く加工した竹を用いて、カゴや行灯など様々な道具を手作りで生み出す伝統工芸品です。東京の江戸和竿は、江戸時代から作られている竹製の釣り竿です。磯釣り、ヘラブナ釣り、渓流釣りなど釣りの色んな種類に合わせた釣り竿が作られています。
竹細工を学べるスポットはどんな場所?
竹細工を学びたい、体験したいとなったとき、どんな場所に行けば良いかは分かっていますか。全国にはいろんな施設がありますが、これだ!と感じる行きたい施設を探してみましょう。
竹細工の専門店に行ってみる
全国の竹工芸の専門店のなかには、市民に対して手作りの竹細工教室を開いているお店が、必ず見つかります。竹細工の専門店なので、教室ついでに販売している商品を手にとったりと、一流の人気な竹細工に触れる機会にも恵まれるはずです。
各種の博物館や文化施設の教室でも体験できる
伝統の継承や楽しみの普及を目的としている施設は、今では全国いたるところに見つけられます。それは例えば博物館や記念館だったり、体験型施設だったり。道の駅にも手作り体験コーナーがあったりします。そうした伝統工芸の体験施設では、竹細工を取り扱っていることがあります。これからそうした施設も含めてご紹介します。
1・九州のおすすめ竹細工体験
鹿児島県の柚木竹細工工房
柚木竹細工工房の腕かごは深さもしっかりあり、収納力抜群です。こちらは一番大きいサイズで直径33cm。底上げになっているので通気性もよく、茶器入れや、野菜カゴなど多用途に使えます。「鹿児島の竹細工」展は3/28までの期間限定企画です。どうぞお早めに!t.s pic.twitter.com/xmXcPYdFFS
— D&D KAGOSHIMA (@d_d_KAGOSHIMA) March 10, 2017
九州南部の鹿児島県は日本一の竹林面積を誇る、竹の一大産地です。柚木竹細工工房は、鹿児島湾に面した姶良市、凱旋門通り近くにある工房です。この工房のワークショップでは詳しい解説も含め2時間ほどをかけ、盛りカゴの手作り体験もすることができます。参加の料金は1人あたり3,000円で、事前に予約を入れる必要があります。
熊本県の道の駅そよ風パーク
3/4 阿蘇―美里町ツーリング
— ノブ@Vスト650 (@V65010) March 4, 2018
大津~長陽大橋~高森~道の駅そよ風パーク~道の駅清和文楽~道の駅美里佐俣の湯 pic.twitter.com/YsrjY685RA
雄大な阿蘇山麓の大自然のなかに、泊まれる道の駅そよ風パークがあります。この施設はホテル、コテージ、バーベキュー、スポーツができる複合リゾート。その中に竹細工体験もできる自由工房があります。竹馬、竹とんぼ昆虫など、思い思いに竹細工が楽しめます。予約しての通年利用可能で、料金は1作品につき1,000円です。
大分県の別府市竹細工伝統産業会館
室町時代からの歴史ある伝統工芸品、別府竹細工は、実相寺中央公園に隣接する別府市竹細工伝統産業会館にて体験学習ができます。歴史あるかわいい竹鈴、おめでたい四海波などを手作り体験します。小学校中学年以上が対象で、料金は1,000円以下の格安です。1週間前までの事前予約が必要になります。
2・中国地方のおすすめ竹細工体験
鳥取県の伯耆しあわせの郷
伯耆しあわせの郷は鳥取県倉吉市の学習、スポーツ、健康を目的としている複合施設です。竹細工教室は施設内の和室にて、年に12回、第一・第三木曜日に開催されています。ここでは花かごや、小物入れ作りが体験できます。受講料は6,600円です。
岡山県の平松竹細工店
岡山県真庭市にある平松竹細工店は、有名な伝統工芸品、勝山竹細工の体験ができる専門店です。体験は文化往来館ひしおで開催され、六ッ目鍋敷や四海波籠など様々な種類の勝山竹細工の作り方を、解説付きで受講できます。申し込み予約は1週間前から、料金は2,000~3,000円程度です。
3・四国のおすすめ竹細工体験
香川県のうちわ工房 竹
香川といえばうどんが一番に思い浮かぶ人が続出な中で、竹製の真ん丸な丸亀うちわも有名です。そんな竹細工のうちわは、丸亀市のお城の近くのうちわ工房竹にて製作体験ができます。竹の骨を製作して紙を張って、自分だけのうちわを目指してください。完全予約制で料金は1本あたり1,000円です。
高知県の山岸竹材店
高知県須崎市の観光協会では、各種の体験プログラムを用意しています。その中に虎斑竹(とらふだけ)という珍しい種類の竹を使った竹駕籠づくり体験があります。地元の山岸竹材店の部屋にて2~3時間の作業です。一般も学生も珍しい竹細工に出会ってみましょう。
4・近畿のおすすめ竹細工体験
京都府の三木竹材店
今日は茶道部のみんなで茶杓作りしました結構いいものができたかな(笑)
— けいちゃん (@nekokeigo) July 11, 2015
三木竹材店さんお世話になりましたorz pic.twitter.com/GvPuMZlQvL
京都市の桂川そばの三木竹材店では、京都市の伝統産業である京銘竹を使って、箸を作ることのできる竹細工体験ができます。箸置きも貰えるので得した気分になります。レクチャーを受けながらの安全な作業で、箸は簡単な種類の竹細工なので、4歳児からの参加が可能です。予約は不要で、料金は1人1500円です。
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和歌山県の産品販売所 黒竹の里ぴかいち
和歌山県日高郡日高町の産品販売所 黒竹の里ぴかいちでは、黒竹を使った空飛ぶおもちゃ、竹とんぼの竹細工体験ができます。参加料金はわずか540円で、予約の必要はありません。この施設では地元原谷のお米と野菜も購入できますので、竹細工体験とお土産の両方とも楽しんでください。
兵庫県の淡路島つくろう館
淡路島の南あわじ市には、竹細工や木工でおもちゃやオブジェなどなんでも作れる、淡路島つくろう館があります。子供から高齢者まで、自由に発想した竹細工してみてください。いろんな竹細工を鑑賞したり、大ゴマ回しなどの遊び道具もあります。利用の場合、事前予約が必要になります。
5・東海のおすすめ竹細工体験
静岡県の駿府匠宿
静岡県の伝統産業と歴史をテーマにした駿府匠宿では、竹染工房にて国の伝統工芸に指定されてかなり有名な、駿河竹千筋細工の体験ができます。予約をすれば、虫カゴ、花器、小物入れなどを、1,000~2,000円台で手作り体験できます。土日や祝日は、職人の実演も見れるので一番おすすめな日です。
岐阜県のインディアンビレッジTWO-SPIRITS
竹細工だけじゃなく、戦国時代風料理も楽しめる体験プランが、岐阜県山県市にあります。ここは織田信長の義父斎藤道三の縁の地。竹細工の食器を作って、竹筒炊き込みご飯も楽しめます。インディアンビレッジTWO-SPIRITS(トゥースピリッツ)敷地で開催され、1人あたり料金は6,600円、予約不要です。
6・北陸のおすすめ竹細工体験
新潟県の五頭山麓うららの森体験学習館
新潟県の五頭連峰を背後にする五頭温泉郷では、温泉に浸るついでに竹細工の体験も叶います。五頭山麓うららの森体験学習館という施設で、おぼろ豆腐、そば打ち、木工など種類豊富な体験のなかに、六つ編みの一輪挿しの竹細工体験が含まれます。毎週日曜、料金は1,700円で、1人でも参加可能です。
石川県の加賀伝統工芸村ゆのくにの森
北陸加賀のアート、陶芸、美味しい伝統料理まで、あらゆる芸術に触れられるのが、小松市のゆのくにの森。輪島塗、九谷焼、お菓子づくりなど50種類物もある体験の中に、越前竹細工の体験があります。竹を切削して、かっこいいカブトムシやトンボなどの昆虫の人形を作ってみてください。越前竹細工体験の料金は1,600円です。
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7・南関東のおすすめ竹細工体験
神奈川県のよこはま里山研究所NORA
横浜市南区のよこはま里山研究所NORAは、里山を活かす様々な活動をしています。ここで竹林保全作業と共に、竹細工教室を受講できます。指導ありは毎月第二土曜日のみ開催で、事前要約が必要で料金は2,000円です。指導員なしの竹ひご材料づくりは、第三木曜・第四土曜に1,000円で参加できます。
千葉県の竹もりの里
千葉県長生郡長南町で、里山の竹林の保全をしているNPO法人竹もりの里には、カゴや弁当箱など、竹細工は何でも作る竹もり工芸部があります。毎月第一土曜に、長柄町炭焼き小屋にて教室が開催されています。会員になるなら3,000円、半年なら1,000円で参加できます。
東京都の田中製簾所
浅草の浅草寺から徒歩10分、台東区の田中製簾所は、江戸時代より300年の歴史をもった老舗のすだれ店。田中製簾所では、一般や学生に向けた工房の見学・体験コースを用意しています。各種の竹細工のすだれを作ってみませんか。予約をしてから現地に向かい、参加費用は4,000~5,000円台です。
8・北関東のおすすめ竹細工体験
茨城県の笠間いわま竹工房
ツクルイエ45Banchさん2階
— 河村ユキ (@YukiKawamura7) May 17, 2017
「笠間いわま竹細工工房」の一角
かご以外にも可愛い竹細工がたくさん... https://t.co/3b3bW26U90
:herb:
@45banchi
GWの思い出。#笠間 #ツクルイエ45banchi #竹細工 #笠間いわま竹細工工房 #gw pic.twitter.com/otvM8Djzto
笠間市の笠間いわま竹工房は、伝統技法を取り入れたモダンな竹細工のお店です。体験教室では講師の解説を交えつつ、四つ編みカゴなどの製作ができます。体験教室の料金は飲み物付きで4,000円、また本格的な竹細工のカルチャースクールも用意されています。
群馬県のたくみの里
昔懐かしい古き良き伝統的な風景に出会える、そんな場所が群馬県利根郡みなかみ町のたくみの里です。グルメもお宿もたっぷり充実しますが、色んな体験の中に竹細工体験が用意されています。伝統家屋の中で、竹とんぼやケンダマ作りができます。1,200円の料金を支払えば、予約はご無用です。
9・東北のおすすめ竹細工体験
岩手県の鳥越もみじ交遊舎
岩手県一戸町の鳥越は、昔から竹細工が受け継がれる土地として有名です。鳥越もみじ交遊舎は、鳥越竹細工の伝統継承と魅力発信の施設であり、手提げバッグや小物入れなど、竹細工の手作り体験もしています。竹細工工芸室は予約制で、たったの200~300円で参加することができます。
宮城県の竹工芸館
米どころ、大崎市岩出山では、しの竹細工と呼ばれる伝統工芸品が今に伝えられてきました。甲冑が展示されている広い空間で指導員に教わりつつ、フォトフレームや一輪挿し、竹とんぼなどを作ってみませんか。1週間前までに予約し、当日はわずか300円を支払って体験を開始します。
10・北海道のおすすめ竹細工体験
北海道の北の竹工房
「チルチンびと広場」ギャラリー・工房に北海道『北の竹工房』がオープンしました。https://t.co/ixkZbxxJC4 pic.twitter.com/ZRuzSjB2Lz
— チルチンびと広場 (@chilchinhiroba) November 25, 2016
大雪山連峰のお膝元な、上川郡比布町にある竹細工の工房です。地元で取れる千島笹という種類の竹で、竹カゴを製作しています。北の竹工房の竹細工体験は、旭川市の道新文化センターにて、毎月第二、第四金曜日に開催されています。指導を受けつつ、綺麗な竹カゴを手作りしてみましょう。
学んだら竹細工でアイテムを自作しよう
全国各地に点在している竹細工の体験教室の中で、体験してみたい種類は見つかりましたか?近所の体験教室を探したり、観光のときに訪れても楽しい時間になります。単なる思い出にするだけじゃなく、竹細工を生活に密着した趣味にするのはどうですか。歴史ある伝統的な竹細工でも、まったく自己流竹細工でも良いので、毎日使えるアイテムを創造してみてください。
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