ゴーヤって沖縄じゃなくても育つ?
はい、育ちます! 沖縄のゴーヤチャンプルーに代表される熱帯アジア原産の野菜ですが、ポイントを押さえればプランターでも地植えでも自宅で栽培できるのです。
実はたくさんあるゴーヤの種類
日本名はツルレイシ。ゴーヤやニガウリと呼ばれることが多いですが、その種類は細長いもの、丸みを帯びたもの、白いものなどたくさんあります。
ずんぐりした形が可愛い、これぞ沖縄のゴーヤ。苦みがマイルドで肉厚、そして実の付きも良いので人気の品種です。
見た目も美しい白いゴーヤ。苦みも少なく、色々なお料理に適しています。緑の葉に白い実が鮮やかなので、グリーンカーテンとして栽培しても素敵ですね。
濃い緑でさわやかな苦みがある品種。地植えに向いていますがプランターでの栽培も可。種まきの時期を見極めて上手に栽培しましょう。
ほんの一部をご紹介しましたが、まだまだたくさんの種類があります。目的に合わせて種や苗を選び、上手に摘芯(摘心)してたくさん収穫しましょう。
自宅でも出来る育て方
さて、ゴーヤを選んだところで種まきから苗の選び方、摘芯(摘心)などの栽培方法について見ていきましょう。
ゴーヤの種まきの時期
ゴーヤが発芽するには25℃以上必要です。 種まきをする場合には時期や地域によって、暖かい室内で発芽させるなとの工夫がいることも。6月にはプランターや畑に定植させたいので、地域によりますが3月下旬から5月いっぱいまでには種まきをしましょう。
種まきの仕方
種をそのまま土に植えてもよいですが、ひと手間かけて発芽率を上げましょう。 写真を見てもわかるように、ゴーヤの種は固い殻で守られています。まず、先の尖った部分をほんの少しやすりや爪切りなどで削ります。中の種に傷が付かないように気を付けてくださいね。 その後、トレーやお皿などに種を置き、種が沈んでしまわない程度の水を張ります。キッチンペーパーや脱脂綿などにたっぷり水を含ませても良いでしょう。 種は自然環境に近い、暗い所で発芽します。新聞紙や黒いビニールで覆うなどして直射日光を防ぎ、時期によって25度以上の環境を作ってください。発砲スチロールの箱なども使えば保温も兼ねられますね。こうして10日ほどすると根が出てきますので、根を下に向け小さいポットに植え替えて保温を続けます。 発芽気温に達しないまま水に漬かっていると種が腐ってしまうこともありますので、水分と温度に気を付けて。
発芽してからの育て方
双葉が生えてきたら明るい場所に移しましょう。ここでも温度管理は必要です。 双葉の次に生えてくるのが初生葉という丸みを帯びた葉です。その間から本葉が伸びていきますので、本葉が4~6枚ほど付いたら定植時です。
ゴーヤの苗からの育て方
寒い地方にお住まいの方や、園芸初心者の方は種まきよりも、苗からの栽培のほうが確実かもしれません。 良い苗を選ぶには、品種などのラベルがきちんとついていることを確認したら、葉の裏側などを見て害虫がいないがどうかチェックしましょう。そして、双葉の間からしっかりした茎が生えていて葉の色も濃く、本葉と本葉の節の間が徒長していなく短いものを選ぶこと。本葉は4~5枚ほどついていればよいでしょう。なるべく株元がしっかりしてグラグラしないのもがしっかり根の張っている証拠です。
ゴーヤを植える場所
ゴーヤ栽培に大切なのは、とにかく太陽と水と栄養。どこに植えるにしても、日当たりと栄養のある土壌が大事です。プランター栽培の場合は市販の肥料入り野菜用の土を使うと簡単です。
プランターでの育て方
ゴーヤは条件が合えば5m以上も育つ元気な野菜ですので、それなりに大きなプランターが必要です。根詰まりを起こすと成長が止まってしまうので、深さ30cm、幅は60cm以上はほしいところ。 苗と苗の間隔は30cm~40cm空けましょう。プランター上部には水やりのスペースとして3cmほど残しておいてください。
このサイズのプランターで2株が目安です。とにかく、大きく成長しますのでプランターの置き場所にも注意しましょう。グリーンカーテンを作るには市販のネットを使うと簡単です。自作する場合は風で倒れたりしないようにしっかりと固定し、ネットが緩まないようにしっかりと張ってください。マンションのベランダで栽培する場合など、上の階にまで成長してしまうこともあるので気を付けてくださいね。
地植えでの育て方
特に寒い地域でない限り、ゴールデンウィークを過ぎた時期から定植できます。その前にしっかりと肥料を混ぜ込むなど土の準備も忘れずに。 植える3週間ほど前には、1㎡に対して2kgほどの有機堆肥と苦土石灰100gを混ぜてよく耕しておきます。そして1~2週間ほど前になったらさらに配合肥料を加えて混ぜ、高さ20cm幅1m程の畝を作りましょう。 マルチフィルムなどで覆うと害虫や病気の予防にもなります。 のびのびと育てるために、植え付ける際は苗と苗の間を50cm以上空けてください。
地植えの場合の支柱の立て方
植える場所に余裕がある場合は棚仕立てやトンネル仕立てにしてもよいでしょう。ゴーヤは水平に伸びるつるに着果しやすいそうなので、ゴーヤの収穫も簡単ですね。地植えの場合も伸びてきたつるは誘引してネットに均等に絡ませましょう。
ゴーヤのトンネルができるかも。
簡単に組み立てられるキットもありますが、自分で支柱を組み立てるのもそこまで難しくはありません。大きく成長するので180cmほどの高さで組むこととつるを誘引するためのネットを忘れずに。誘引はなるべく水平に。支柱は風で倒れたりしないようにしっかり地中に埋め込みましょう。
思い切って摘芯(摘心)を
実をより多く収穫したり、プランター栽培でグリーンカーテンを形良く這わせるために摘芯(摘心)をしましょう。
実を収穫するための摘芯(摘心)と育て方
ゴーヤには雄花と雌花があり、実を付けるのはもちろん雌花。雌花は花が咲いたときにすでに小さい実が下についていますのですぐにわかります。この雌花、一番最初に双葉の間から成長する親づるよりも親づるから伸びる子づるや、子づるから伸びる孫づるにつきやすいという性質があります。本葉が5~6枚になったら思い切って親づるの先をはさみで切り落として摘芯(摘心)してしまいましょう。 次に子づるが生えてきたら横に誘引して上の方の元気なつるを4~5本ほど残し、残りは摘み取ります。そのうちに子づるから孫づるが生えてきますが、孫づるは自分でネットに絡んでいきますのでそのままにしておいて大丈夫。ネットからはみ出したつるは剪定してすっきりさせましょう。
グリーンカーテンに仕立てるための摘芯(摘心)と育て方
つるを伸ばし、葉をたくさん茂らせたグリーンカーテンは夏の強い日差しを遮るナチュラルな日よけとして人気です。グリーンカーテンからそよぐ風は室内の気温を下げてくれるだけでなく、癒しのひと時を与えてくれるはず。 つるを伸ばすには、本葉が8枚ほどになった頃に親づるを摘芯(摘心)します。そして、伸びてきた子づるを均等に垂直方向に誘引しましょう。ネットからはみ出た子づるはどんどん切って構いません。そこから孫づるが伸びてどんどん葉を茂らせていきます。株がある程度大きくなるまでは雌花を摘み取り、つるの成長に養分を使ってもらいましょう。
受粉してみよう
ゴーヤの雄花
ゴーヤの雌花。小さい実がすでに付いていますね。
自然界では蜂などの昆虫が自然に受粉の役割をしてくれますが、高層階などのベランダ栽培などの場合は虫が来にくいこともあるかもしれません。雌花が咲いているのに花が落ちてしまったり、実が大きくならない場合は自分で受粉をしてみましょう。 まず雌花と雄花が咲いていることを確認したら、花粉が出やすい午前中に雄花を摘み、真ん中にある花粉が付いた黄色い部分を、雌花の中心部分に軽く押し付けます。
真ん中の黄色い部分が花粉です。
水やりの回数
ゴーヤはお水が大好きです。ただ、成長段階や時期によって量は変わってきます。土が乾いていたら、が原則。ずっと湿ったままだと根が腐ってしまいます。 夏の暑い時期は朝夕2回水やりを忘れずに。まだ日が照っている暑い時間に水やりをすると根が傷むことがあるので、涼しい朝夕にしましょう。真夏のベランダなどではプランターに直射日光が当たると根が熱くなり痛むことがあるので注意が必要です。
肥料は必要?
大きく育ち、たくさん実をつけるゴーヤに肥料は必要です。ある程度までは植え付け時に混ぜ込んだ肥料で十分ですが、実をつけ始めるとつるの勢いも増してくるので肥料不足になってしまいます。
追肥も忘れずに
葉の色が黄味を帯びてきたり、つるが伸びなくなってきたら肥料切れかもしれません。最初の実がついたころから追肥をしていきましょう。プランター栽培の場合は2週間に一度、野菜用の液体肥料を水やりの際に与えます。 地植えの場合は、置き肥を根元から40cmほど離れた場所に軽く漉き込んでもよいでしょう。
ゴーヤにつく害虫や病気について
一般的に害虫が付きにくいと言われるゴーヤですが、虫食いの跡を見つけた時や生育が悪い場合はよく注意して見てみましょう。
ゴーヤにつきやすい害虫
土の中にはコガネムシの幼虫、ネキリムシ、ダンゴムシやヨトウムシなどの害虫がいることもあり、他にも畑にはナメクジやアブラムシなどもいます。 まず土づくりの段階で土をふるいにかけたり、黒いビニールで覆って太陽の光に当てて高温で消毒すると土の中にいる幼虫や害虫を除去することができます。
ヨトウムシに食べられた苺の葉
害虫を見つけた際はすみやかに取り除き、それでも被害が収まらないようであれば木酢液や野菜専用の薬品で対処しましょう。
ゴーヤがかかりやすい病気
ゴーヤがかかりやすい病気としてウリ科の植物に共通して、カビが原因のうどん粉病、べと病、つる枯れ病、つる割れ病、炭疽病などがあります。高温多湿を避けるために日当たりの多いところに植えるのはもちろんのこと、葉が生い茂ってきたらつるを剪定するなどして風通しを良くすることを心がけましょう。 病気にかかった部分はすぐに切り取り、カビの胞子が飛ばないところで処分してください。そして、病気に合った薬剤を散布しましょう。
粉が吹いたようになるうどん粉病
収穫の時期とタイミング
いよいよ収穫です。
これくらいが収穫時
品種によって大きさも変わってきますが、色艶が濃くなりイボのでっぱりが大きくなってきたらOK。最盛期には成長も早いので、実が横に大きくなり始めたら成長が止まったサインです。
実を収穫したつるは切って、次の実に養分をあげましょう。成熟しきった実からは赤い種が弾けてくるので、それを乾燥して翌年に植えることも出来ます。
完熟したゴーヤと種。赤い種は甘みがあり食べることもできます。
まとめ これで完璧ゴーヤの育て方
種まきから収穫までの流れをご紹介しましたが、いかがでしたか? ゴーヤはビタミンCをはじめ、栄養が豊富で一部では癌や糖尿病に効くという噂も。たくさん採れたら、冷凍保存や乾燥保存も出来ます。是非、皆さんもご自宅でのゴーヤ栽培にチャレンジしてみてくださいね。
実をたくさん収穫したい人向け。それぞれの葉の付け根から実が付きます。 地植えでもプランターでも。