宮島の弥山でハイキングを楽しもう
宮島の弥山とはどんなところ?
弥山は広島湾に浮かぶ宮島に位置する島内最高峰の山です。名前の由来は諸説ありますが、その一つはインド神話のスメール山(須弥山)に似ていることから弥山と呼ばれたと伝えられています。この山は弘法大師空海が開山した真言密教の修験道場として伝えられたため、信仰を集め多くの参拝者が訪れてきました。
弥山の原始林は世界遺産に認定れて、山頂の展望台からは瀬戸内の島々や広島方面の街を眺望することができます。このように弥山は低山のため、厳島神社などと一緒に日帰りできる観光スポットとして一年中旅行客で賑わう山です。(この記事の情報は2023年10月10日現在のものです)
弥山のハイキング
弥山は宮島ロープウェイに乗れば、それほど時間と体力を使わなくても山頂までアクセスができます。しかし、弥山の見どころは山頂からの眺望とともに、国の天然記念物に指定されている「瀰山原始林」や重要文化財の寺院、史跡などです。
そのため、弥山のハイキングは無料で見学できるスポットを巡りながら山頂を目指すルートがおすすめです。弥山は初心者向けから史跡を巡るコース、原始林が満喫できるベテラン登山者向けのコースなどがあるので、ご自身の体力や到着までの時間を考えてコースを選びましょう。
弥山
- 住所広島県廿日市市宮島町
- 電話番号0829-44-2011(宮島観光協会)
- アクセス宮島桟橋より徒歩約2時間
- 公式サイトURLhttps://www.miyajima.or.jp/sightseeing/ss_misen.html
弥山ハイキングコースへのアクセスと服装
おすすめの服装
弥山は山頂までのルートが整備されてはいますが、登山に適した服装で臨みましょう。道は舗装されていないので服装は動きやすいパンツスタイルに、靴はスニーカーやトレッキング用など歩きやすいものが必要です。
天候が変化しやすい季節は雨宿りをできるところがほとんどないため、雨合羽などは忘れずにしましょう。また、山頂は海風が強く吹くことが多いため、冬場なら厚手のジャンバーと手袋があると寒さを防げます。必要な道具は体にフィットするリュックサックなどにまとめると楽です。
弥山ハイキングの必需品
弥山は登山ルートに入ると売店などはありません。ハイキングとはいっても水分補給のための水や軽く食べられる食品などを携帯しましょう。その他にも万一の場合に備えて、緊急時の連絡用として携帯電話があると安心です。
弥山はロープウェイを利用すれば比較的簡単に頂上まで行くことができますが、安全なハイキングをするために最低限必要なものは持っていきましょう。
ハイキングに最適なシーズンはいつ?
弥山は標高がそれほど高くない山なので、ハイキングは1年中通して可能です。その中でもおすすめの時期は桜が見ごろを迎える4月初旬と、紅葉が色づき始める11月の中旬になります。
どちらの時期もハイキングに適した温暖な気温なので、弥山の自然の美しさを堪能しながらハイキングを楽しみましょう。
弥山登山口までのアクセス
弥山へのアクセスは広島市からはJRや広島電鉄の宮島口駅で下車して、宮島口桟橋からフェリーに乗って約10分で宮島桟橋に到着します。
ハイキングコースの出発地点は「厳島神社」の近くですが、コースによって異なるので宮島桟橋からは徒歩で出発地点を示す看板に沿って向かってください。
初心者におすすめのハイキングコース2選
徒歩で最も登りやすい!紅葉谷コース
このルートは後半にやや急な階段がありますが、全体に坂が緩やかで初心者でも登りやすいハイキングコースです。厳島神社の裏手にある紅葉谷公園のロープウェイ乗り場の横からスタートして登山ルートに入ると、紅葉やカエデなどが見られ、渓流が途切れたところに天然橋が現れるので、そこからはやや急な石段が少し続きます。
さらに少し歩くと、ロープウェイの獅子谷駅からの道と合流する紅葉谷分岐点に到着して、さらに20分程歩くと弥山本堂と山頂が見えてきます。このハイキングコースの所要時間は1時間半を目安にしましょう。
紅葉谷コースの見どころ
弥山のふもとに位置する紅葉谷コースが始まるところに入園無料の紅葉谷公園があります。公園の入口には朱色の「もみじ橋」は紅葉シーズンは人気のフォトスポットです。ここで橋をバックに撮影してみてはいかがでしょうか。
11月中旬から下旬にかけては、イロハカエデをはじめとした約700本の色づいた紅葉は絶景そのもの。紅葉の時期以外にも春には桜が咲き、初夏には緑が広がるなど1年を通して美しい景色が堪能できるスポットです。
宮島・紅葉谷公園
- 住所〒739-0557
広島県廿日市市宮島町幸町東浜 - アクセスJR山陽本線宮島口駅宮島口桟橋よりフェリーを利用。宮島港から徒歩で約20分
体力に自信のない方向け!宮島ロープウェイコース
体力に自信のない方におすすめなのが、宮島ロープウェイで登り、徒歩で下るハイキングコースです。紅葉谷公園駅から獅子岩駅までの乗車時間は約25分で、駅をでて階段を上ると獅子岩展望台があります。ここからは、遮るものが何もないので瀬戸内海や遠く連なる山々などの景色を堪能しましょう。
下りは原始林の中に佇む史跡を巡るハイキングが楽しめます。所要時間は2時間ほどですが、旅行シーズンはロープウエイが混み合うので、時間に余裕を持ちましょう。
宮島ロープウェイに乗ってみよう
弥山山麓の紅葉谷駅から獅子岩駅までアクセスするロープウェイです。紅葉谷公園からは無料送迎バスが出ているので、体力を温存したい方はこのバスを利用しましょう。ここで大切なのは下りもロープウェイを利用する方は最終の時間確認が必要なのでお忘れなく。
宮島ロープウェイは大人数で乗れる交走式と少人数で乗る循環式で運行しています。窓から瀬戸内海や紅葉の絶景を見ながらロープウェイの旅を堪能すると終点の獅子岩駅に到着です。ここからは、獅子岩展望台と弥山山頂に道が続きます。
宮島ロープウェイ
- 公式サイトURLhttp://miyajima-ropeway.info/ropeway/
- 電話番号(0829)-44-0316
- 営業時間9:00~16:00
登山に慣れた方におすすめのコース
石段が多めの登山道!大聖院コース
宮島桟橋から徒歩20分の大聖寺の仁王門がハイキングコースのスタートです。このコースには弥山登山道に、道標石造物の丁石があります。まずこの丁石を登って中間地点の賽の河原を目指しましょう。
賽の河原で一休みしたら後は一気に山頂を目指して登ると三叉路に出ます。左が山頂で右が大元コース、中央が奥の院に続く道です。体力に余裕があれば奥の院でお参りをしてから山頂を目指してみてはいかがでしょうか。このコースは約120分の道程ですが、無料で見学できるスポットが多いので時間は余裕を見ましょう。
弥山の丁石とは?
弥山登山道には山上にある寺社への参詣道に一丁(109m)ごとに示した石造物があります。これを丁石(町石)と呼んでいて、単に距離を示すだけのものでなく、一丁登るごとに聖地に近づくと考えられている石造物です。
道標は当初木製の塔婆を立てられていましたが、石造物に立て直されたと考えられています。現在残る丁石は、弥山道・紅葉谷道・大元道・奥の院への登山道で合計77基です。
大聖院コースの見どころ
大聖院コースは2,000段の石段があり、古くからの石仏が残っていて、展望のよいスポットがたくさんあるコースです。スタート地点には真言宗御室派の総本山で、豊臣秀吉が九州に向かう途中に立ち寄り、連歌の会を開いたと伝えられている宮島で最も歴史のある大聖院があります。
登山道を上がると白糸川にかかる高さ14mの美しい滝は宮島八景の一つです。標高166mの里見茶屋跡は厳島神社の大鳥居などを望む大聖院コース絶景ポイントなので、一休みして雄大な景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。
大聖院
- 住所〒739-0592
広島県廿日市市宮島町210 - 公式サイトURLhttps://daisho-in.com/
- 電話番号0829-44-0111
- アクセス宮島棧橋から徒歩で約20分
弥山の原始林を散策!大元コース
弥山の原始林を巡る最も体力が必要なハイキングコースです。厳島神社を通り越した宮島水族館先の大元公園が出発地になり、まずは石仏群や蛇石などを眺めながら1時間半ほどで到着する大師堂を目指します。
次の目的地は大聖院コースと合流する駒が林分岐です。そこまでの道程には弁財天石碑や岩屋大師などのパワースポットがありますので、ここから奥の院に進み、お参りしてから弥山山頂を目指しましょう。山頂までの所要時間は最も長く、2時間半から3時間が目安です。
大元コースの見どころ
大元コースは山の木々や大岩や壮大な瀰山原始林が間近に感じられます。スタート地点の大元神社は厳島神社より歴史があり、杮(こけら)葺屋根は日本で最も古いと伝えられて、現存するのはここだけです。鬱蒼とした原始林の間を登っていくと風吹き岩と言われている隙間から冷たい風が吹き、苔やシダが生えている岩の中には弘法大師を祀った小さなお堂があります。
さらに登ると、弘法大師が修行をしたと伝えられる巨岩があり、岩の中は空洞で弘法大師や不動王などの仏像が祀られています。
大元公園
- 住所〒739-0588
広島県廿日市市宮島町大元 - 公式サイトURLhttps://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/site/kanko/52151.html
弥山をもっと知りたい
国の天然記念物!瀰山原始林
古くから信仰の対象として、そして手つかずの自然が残る弥山の北斜面にあたる厳島神社の後背地のエリアは、厳島神社の森として特別の保護を受けてきた常緑針葉樹や常緑広葉樹が生い茂っています。このエリアには本土ではあまり見ることができない樹木が分布しているため、国の天然記念物に指定されました。
瀰山原始林の植物は海抜300mを境に異なる種類が生息しています。その中でも南方系・高山植物のミミズバイの群落が、温暖系の針葉樹であるモミの木の周りに自生しているのは、宮島以外では見られない珍しい環境です。
弥山に伝わる民話
弥山には古くから言い伝えられてきた、七不思議と呼ばれている弥山の自然物が七つあります。しかし、残念ながら現在見ることができるのはそのうち消えずの霊火、干満岩、曼荼羅岩の3つのみです。
七不思議を知ることで、弥山の不思議とロマンがより強く感じられるでしょう。ハイキングの途中にこれらの自然物に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
弥山の七不思議
- 消えずの霊火:空海が修行をした時の護摩の火が、約1200年消えずに燃えている
- 干満岩:弥山山頂近くにある大岩にあいた穴の水は潮の満ち引きで増減する
- 曼荼羅岩:弥山本堂南側の大岩に空海の書される梵字や文字が刻まれている
- 錫杖の梅:空海が立てかけた錫杖が、根を張り八重紅梅になったと伝えられる
- 時雨桜:晴天の日でも、時雨のように露が落ちていた桜
- 龍燈の杉:旧正月初旬の夜、海面に灯火が現れる
- 拍子木の音:人がいないのに深夜拍子木の音が聞こえる
弥山ハイキングで宮島のパワーを感じよう
宮島の霊山弥山のおすすめハイキングコースを紹介しましたがいかがでしたでしょうか。弥山は、歴史的な建造物や原始林、弥山にまつわる言い伝えなどがあり、古きよき魅力とパワーが感じられる山です。
弥山のハイキングコースは初心者向けから登山のベテラン向けまで多彩で、ハイキングの途中にある建造物や史跡などは無料で見学できます。このように海の中に浮かぶ神秘的な山でのハイキングは、心に残る思い出になるのではないでしょうか。
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