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剱岳の登山ルートを難易度別に解説!初心者にはちょっと危険?

剱岳は北アルプス北部の盟主に相応しい岩峰です。その美しい姿は登山者の憧れです。剱岳は一般道でも難易度の高い山で、カニのヨコバイやカニのタテバイなど岩壁をクリアしなければならないなど、初心者にはちょっとハードルが高く感じる存在です。
更新: 2021年4月27日
エルドラド
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剱岳の位置

剱岳は富山県中新川郡上市町と立山町の境にあります。地図でいうと、富山県の真ん中の東の端あたりにあります。中部山岳国立公園の北アルプス立山連峰にある山です。冬期は日本海側からの季節風の影響を強く受けます。そのため降雪量はとても多いです。

地図で確認

出典: http://kami1tabi.net/access/images/map_wide_t.png

地図で見てみましょう、剱岳は立山黒部アルペンルートの北側にあり、東側には黒部川が流れ黒部渓谷を形成しています。

剱岳について

日本尺名山のひとつです。標高2,999m、岩と雪の殿堂と呼ばれる岩稜からできている山です。日本で一番険しい山とされています。谷には夏でもたくさんの残雪があり、「岩と雪の殿堂」と呼ばれています。日本では数少ない氷河がある山です。登山規制のため、冬期(12月1日から翌年5月15日まで)は事前に許可がないと入山できません。

劔岳の魅力

剱岳の魅力は、その姿を見ればわかるように近寄り難い堂々とした姿にあります。どこから見ても岩がそそりたった姿は、登山者に畏敬の念を与えます。難易度は一般道でも相対的に高いです。初心者が挑む登山ルートからベテランの登山者が楽しめるバリエーションルートまで難易度の異なるルートがあります。それぞれのルートからそれぞれに違った姿を楽しむことができるのが剱岳の魅力です。

剱岳登山の難易度

一般ルートしては難易度が高いレベルに分類されています。剱岳頂上までのアクセルルートには、はしごや鎖のある岩場を登る個所があります。落石事故は多発しています。ヘルメットを装備に加えてください。

地図から考える難易度

地図を見ると等高線が立て込んでいるのがわかります。等高線が立て込んでいるということはそれだけで急な斜面だと連想できます。そのことから難易度も高いということが連想できます。

初心者には危険な山か

剱岳というと毎年遭難者が出ているなど危険な山のイメージがあります。危険なイメージがありますが、登山者にとっては憧れの山でもあります。装備を整え、身体を鍛えたなら初心者でもアクセス可能な山です。初心者はまずはベテランに同行してもらいましょう。登山地図にある危険な個所をあらかじめ調べ、危険な個所をクリアできるようにイメージトレーニングして、出発に備えるのもひとつの手段です。

剱岳登山の装備

バリエーションルートでの登山でない限り、標準的な登山の装備(防寒具、雨具、地図、コンパス、ヘッドライトなどを含む)で問題ありません。剱岳は岩場の連続です。落石や滑落への対策として、ヘルメットは用意しておいたほうが安心です。劔岳アタックのときは、必要な装備だけを持って、その他の装備は山小屋やテントに置いてアタックするのがいいでしょう。バリエーションルートの装備はどこを目指すかにもよりますが、ロッククライミングをする装備が必要になります。雪渓を登るならピッケルやアイゼンも必要になります。

剱岳への2つのアクセスルート

剱岳登山には、大きく2つのルートがあります。別山尾根を登るルートと馬場島から早月尾根を登るルートです。どちらも鎖やはしごがあります。装備にヘルメットを加えることをおすすめします。初心者には別山尾根のルートをおすすめします。早月尾根は技術的には別山尾根のルートよりも難易度が下がるかもしれませんが、距離のあるルートですので、体力勝負になるルートです。

剱岳へのアクセスルート①(別山尾根)

剱岳への一般ルートとされています。初心者ならこのルートから劔岳へアクセスすることをおすすめします。カニのタテバイやカニのヨコバイなど初心者にとっては難易度の高い岩場があります。途中で上りルートと下りルートに分かれているところがあります。岩場では地図を広げている余裕もありませんが、鎖場に番号が振られていてプレートも設置されているため初心者でも迷うことはまずありません。夏場のはハイシーズンはかなりの人で渋滞が予想されます。早めに劔沢を出発するようにしましょう。

剱沢から頂上まで(上り)


剱沢から剣山荘までは約30分です。剣山荘から最初のピークである一服剱までは約30分です。ここまでは特に危険という感じのところはありません。一服剱から前剱までは約50分です。一服剱から前剱の手前までは緩やかな尾根を進みます。前剱の手前から急な斜面になり、最後のほうに鎖場があります。前剱からカニのタテバイまでは約45分です。カニのタテバイは別山尾根からのアクセスルートの中でも難所と呼ばれている場所です。前剱から平蔵の頭を越えてカニのタテバイに取り着きます。カニのタテバイをクリアできれば、剱岳山頂までは、特に危険な個所はありません。

頂上へ

カニのタテバイから剱岳頂上までは約30分です。標高標高2,999mの剱岳の頂上に立ったときには初心者から少し成長できた自分に向き合うことができるでしょう。頂上に着いたら地図の出番です。遠くに富山の街並み、東に後立山連峰の鹿島槍や白馬を望み、南東方向には八ヶ岳や富士山、南には槍ヶ岳など360度パノラマを楽しんでください。

頂上から劔沢まで(下り)

剱岳頂上からカニのヨコバイの取り着きまでは約30分です。上りのカニのタテバイと並んで、別山尾根アクセスルートのもう一つの難所であるカニのヨコバイににやってきます。カニのタテバイよりもカニのヨコバイのほうが下りということもあり難易度が高いかもしれません。カニのヨコバイから前剱までは約50分です。カニのヨコバイをなんとか通過した後にも、ハシゴや鎖場が続きます。危険と言われている個所を通過後のほっとしたタイミングで滑落するという事故がよくありますので、気を抜かずに進んでください。前剱まで来たなら剣山荘までは約1時間、剣山装から劔沢までは30分ほどです。

剱岳へのアクセスルート②(早月尾根)

地図で見る早月尾根

出典: https://www.town.kamiichi.toyama.jp/hp/kanko_turugi/tizu.jpg

上市町ホームページより

馬場島から2240mの高度を登り詰め剱岳へアクセスします。地図を眺めても分かるように、北アルプス三大急登のひとつといわれています。技術も必要ですが、急登を登れる体力が必要です。距離が長いので、途中の早月小屋で1泊して劔岳へアクセスするプランをおすすめします。

馬場島から早月小屋まで

標高750mの馬場島から標高2,200mの早月小屋まで一気に登り詰めます。馬場島荘から早月小屋までは約5時間です。登り初めから樹林帯の中の急登が続きます。道に迷わないように、地図を見ながら慎重にコースを選んでください。

早月小屋から頂上まで

早月小屋劔岳頂上までは約3時間です。2800mくらいからカニのハサミと呼ばれる鎖場があります。カニのハサミを過ぎると別山尾根ルートトの合流点になります。合流点から頂上まではもうひと息です。

剱岳のバリエーションルート

剱岳へのアクセスルートには、別山尾根や早月尾根以外にもバリエーションルートと呼ばれるロッククライミングの経験が必要なルートがあります。こちらは初心者には難易度が高いルートです。装備もロッククライミングのためのものが必要になります。

三ノ窓、小窓からのアクセス

池ノ平小屋から小窓、三ノ窓といった稜線を縦走して剱岳山頂を目指すルートです。岩登りの基本技術をマスターしていることが前提となり、初心者には難易度が高いルートです。バリエーションルートなので、別山尾根のように鎖やはしごが整備されていませんので、危険個所が随所にあります。滑落や道迷いなど遭難事故も数多く発生しています。

長次郎谷からのアクセス

八ツ峰と源次郎尾根にに挟まれた谷です。映画点の記で舞台となったところです。長次郎谷出合から熊ノ岩、長次郎ノコルを経て剱岳山頂へ至るルートです。谷を登るルートで装備としてピッケルやアイゼンのが必要です。また、滑落等の危険もあるため装備としてヘルメットは必須です。初心者には難易度が高いルートです。

裏剱から水平歩道へ

距離の長いルートになります。剱岳の違った姿を見ることができます。

仙人池からの劔

剱沢から平蔵谷出合~長次郎谷出合~真砂沢を経由すると仙人池にたどり着けます。仙人池までは約6時間です。仙人池と八ツ峰のコントラスト、仙人池に八ツ峰の姿が映り、逆さ八ツ峰の美しい姿を眺めることができます。仙人池から阿曽原温泉までは約6時間30分ほどかかります。途中の真砂沢か仙人池で1泊することになります。


阿曽原温泉を経て欅平へ

阿曽原温泉から欅平までは約5時間です。水平歩道は黒部ダム建設の資材を運ぶために黒部渓谷の岩肌をくり抜いた道です。絶壁の中を進む感じです。途中に150mほどの手彫りのトンネルがあったりしますので、昼間でもヘッドライトは必需品です。装備の中に忍ばせておいてください。道が狭いです。人と対向する場合は、充分に注意して行動してください。滑落すると一気に黒部の渓谷の中と吸い込まれてしまいます。

剱岳の山小屋

剣山荘

一服剱の下部、標高2475の場所にあります。こんな場所の山小屋なのに、シャワーが使えます。開設時期、収容人数、利用料金などはホームページを参考にしてください。

剣山荘ホームページ
剣山荘ホームページ

剱沢小屋

剱沢の標高2535mにあります。別山尾根から劔岳を目指す登山者に前進基地です。こんな場所の山小屋なのに、シャワーが使えます。開設時期、収容人数、利用料金などはホームページを参考にしてください。

剱沢小屋ホームページ
剱沢小屋ホームページ

剱御前小舎

別山乗越の標高2750mにあります。立山、剱岳登山の中継地点になります。開設時期、収容人数、利用料金などはホームページを参考にしてください。

剱御前小舎ホームページ
剱御前小舎ホームページ

真砂沢ロッジ

剱沢と真砂沢の出合、標高1750mにあります。剱沢を下って阿曽原温泉方面への中継地点です。開設時期、収容人数、利用料金などはホームページを参考にしてください。

真砂沢ロッジホームページ
真砂沢ロッジホームページ

池ノ平小屋

仙人峠の西約1kmの標高2050mにあります。剱岳北方稜線から剱岳山頂へアクセスするときの前進基地になります。なんとお風呂がある山小屋です。開設時期、収容人数、利用料金などはホームページを参考にしてください。

池ノ平小屋ホームページ
池ノ平小屋ホームページ

仙人池ヒュッテ

仙人峠の東の標高2100mにあります。開設時期、収容人数、利用料金などはホームページを参考にしてください。

Information - 仙人池ヒュッテ

仙人温泉小屋

出典: http://sennin.serveftp.net/photo/1412/IMG_4272_thumb_1.jpg

仙人谷左岸の標高1450mにあります。開設時期、収容人数、利用料金などはホームページを参考にしてください。ただし、本年(2018年)の営業はしないとのことです。

仙人温泉小屋ホームページ
仙人温泉小屋ホームページ

阿曽原温泉小屋


黒部川阿曽原谷右岸の標高900mにあります。温泉に入れます。欅平へは、下ノ廊下(水平歩道)を通ります。下ノ廊下の通行可能時期はその年によって異なります。よくご確認のうえ計画を立ててください。開設時期、収容人数、利用料金などはホームページを参考にしてください。

阿曽原温泉小屋ホームページ
阿曽原温泉小屋ホームページ

早月小屋

早月尾根の標高2200mにあります。早月尾根から劔岳へアクセスするときの中継地点となります。開設時期、収容人数、利用料金などはホームページを参考にしてください。

早月小屋ホームページ
早月小屋ホームページ

馬場島荘

上市駅から車で約40分、標高750mにあります。早月尾根からの劔岳へアクセスするときのベース基地になります。駐車場には約100台車を停めることができます。開設時期、収容人数、利用料金などはホームページを参考にしてください。

馬場島荘
馬場島荘

剱岳のテント場

テント場は主な小屋の近隣にあります。テント泊を希望される場合は、テントの設営が可否、設営可能数、利用料金などを各小屋(剱沢は剱沢野営管理所)に問い合わせのうえ利用してください。

剱岳登山のベース「室堂」

標高2433mの室堂ターミナルへは立山黒部アルペンルートを利用して入ることができます。ベテラン登山者から初心者、さらには一般の観光客まで様々な人々が立山の雄大な自然に触れることができる場所です。バスでここまで入ることができます。ホテルや山荘、レストラン、みやげ物店などがあり立山観光の中心地となっています。みくりが池や雷鳥沢などの観光スポット点在します。別山尾根から剱岳を目指す登山者もここ室堂を出発地点とします。

後立山連峰から見た剱岳

後立山連峰の唐松岳や鹿島槍ヶ岳からの剱岳もまた素晴らしいものがあります。黒部渓谷を挟んだ向こう側に見える切り立った岩峰は、ひと目で剱岳だと分かってしまほど堂々とした佇まいです。朝日に照らされた剱岳の雄大な姿もまたとても美しいです。

まとめ

剱岳は初心者には難しい山で危険な場所も多い山ですが、万全の注意を払えば登れない山ではありません。落石や滑落に注意して挑んでください。こうして危険な箇所をクリアして頂上に立ったときの感動はきっと言葉で表せ切れないものがあるはずです。剱岳に登ったという自信は初心者から一歩前に進めた気分にさせてくれるでしょう。

登山事故を起こさないためにこちらもチェック

危険な個所に万全の注意を払うのはもちろんのことですが、地図など必要な装備のチェックもお忘れなく。