ハスクバーナ 薪割りクサビ ツイステッド
薪の需要は高い
薪を使うところ
これまで薪を使うと言えば薪ストーブや暖炉が主でしたが、昨今のアウトドア人気で焚き火やバーベキューに薪を使う人が増えてきました。薪は最寄りのホームセンターやキャンプ場などで購入することができますが、意外と値段が高いです。
そのため、自分で作った方がコストを抑えることが可能です。そこで今回は、初心者にもわかりやすい薪の作り方をご紹介します。
薪作りは意外と簡単
薪作りは木を切る・丸太を割るといった重労働で体力を使いますが、作り方の工程そのものは簡単です。そのため、一度作り方を覚えて作業に慣れてくれば、木からよく知る薪の形になるまであっという間です。よく乾燥させるために1~2年ほどかかりますが、翌年以降も楽しむためだと思えば苦にならないでしょう。
最適な木の種類
常緑針葉樹のヒノキ
針葉樹は薪ストーブや暖炉に使うには不向きな種類です。広葉樹と比べて比重が軽く、ヤニが多いので煙突にススが溜まりやすいでしょう。また、燃えやすい反面火持ちが悪いです。ですが、アウトドアでは充分使えます。
キャンプなどで焚き火をするなら、針葉樹の方が着火しやすく、扱いも簡単です。中でもヒノキは植林に使われる木なので手に入りやすく、同じ針葉樹のスギと比べて火持ちがいいので着火用の薪としておすすめできます。
常緑広葉樹のクスノキ
薪にするなら広葉樹のほうが針葉樹より人気です。身近に多い木は針葉樹なので、広葉樹は手に入りずらそうに感じるでしょう。ですが、庭木に使われているものは常緑広葉樹も多く、入手しやすい木もあります。
常緑広葉樹はいい燃え方をする薪になるので、点けた火を長時間キープしたいときにおすすめです。常緑広葉樹の中でもクスノキはもっとも割りにくいと言われていますが、その分どう攻略するかという楽しみ方ができる面もあります。
落葉広葉樹のクヌギ
一番薪にしやすいのは落葉広葉樹です。葉が枯れ落ちたあとは光合成をしないため冬の幹は含水量が少なく、乾燥させやすいという特徴があります。その反面落葉するので落ちた葉の片付けをしなければならず、面倒に感じる人もいるでしょう。
ですが、落ちた葉で焼き芋をすることもできます。そんな落葉広葉樹の中でも、クヌギは特に人気のある木です。薪として使うのはもちろんですが、カブトムシやクワガタなどのファンが多くいます。
作り方の工程
立ち木を伐採して運びやすい大きさにする
薪作りの最初の手順は、チェーンソーでの立木の伐採です。販売目的の伐採など、仕事として使う場合は資格が必要ですが、そうでない場合は特別な資格は必要ありません。危険な作業なので、ここは林業の知識がある人や専門の業者に依頼すると安心です。
伐採したら薪割りがしやすいように適当な長さに切って丸太状にし、軽トラなどに積み込んで薪割りしやすい場所に運びます。積み込みは重機があっても重労働なので、数人のグループで作業するようにしましょう。
玉切りをする
丸太の枝を切り落として、一定の長さになるように切り分けましょう。目安としては45cmくらいです。この作り方の工程を玉切りと言います。周辺が木屑で汚れますし、チェーンソーの音はかなり響くので近所迷惑にならないところで作業しましょう。
硬い木の場合、乾燥させて軽くした方が次の工程の薪割りをしやすくなります。玉切りをした丸太を風通しのいい場所で縦に並べて、乾燥させてから薪割りをするのもひとつの手です。
薪割りをする
次は薪作りの醍醐味とも言える薪割りです。勢いよく斧を振り下ろして玉切りした丸太を割り、火にくべやすい大きさに割っていきます。斧がない場合は、金づちとクサビを使うと薪割りすることが可能です。
また、一度に大量の薪を割る場合は電動の薪割り機があると便利でしょう。玉切りした丸太を乗せてスイッチを押すだけで割れるので身体への負担が少なく、それほど大きな音もしないのでご近所に迷惑をかけずに済みます。
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必要な道具と薪棚の作り方
チェーンソーの選び方
薪ストーブや暖炉を使い始めたばかりの人には、チェーンソーはケガをしそうで怖いと感じる人もいるでしょう。ですが、薪の作り方には必要不可欠なアイテムです。初心者のうちはできるだけ扱いやすいチェーンソーを選びましょう。
太い木を切るときには馬力があるチェーンソーを、直径が20cmほどまでであれば重量の軽いチェーンソーが使いやすいです。また、使うのに慣れてきたからと言って油断してケガをしないよう注意してください。
斧の選び方
薪割りをするアイテムにはさまざまなものがありますが、薪作りの定番アイテムと言えば斧でしょう。ホームセンターではさまざまな斧が販売されていますが、おすすめは洋斧です。洋斧はエラが張っているため、丸太を割るのに適した形をしています。
斧のヘッドは、重さが2.5Kgほどのものを選ぶといいでしょう。ヘッドの重さを利用して薪を割る仕組みなので軽いと力が足りず、逆に重すぎると薪に当てにくくなるので割りにくいです。
薪棚の作り方
薪は割ったらすぐ使えるわけではなく、水分が残っていると火を点けても燃えないので風通しのいい場所で乾燥させなければなりません。含水量を下げるため、雨に濡れず風通しがいい場所で乾燥させましょう。
また、薪を使い始めるとどのくらい使ったのか分からなくなりがちですが、薪棚があれば空きスペースで使用量が目に見えて分かります。薪棚は薪を作るのにとても重要なので、風通しのいい場所に木材を組み立てて作ってみましょう。
作り方の注意点
原木の入手は大変
薪作りで一番大変なのが、原木の入手ルートの確保です。近所に山や林があればそこから持ってこようと考えるかもしれませんが、誰かの私有地であることが多いので勝手に木を伐採することはできません。
自分で山や林などの土地を持っている場合はそこの木を使えますが、そうでない場合は役所の土木課や山林・農園を持っている人に声をかけてみましょう。伐採した木の処分にはお金がかかるので、使うのならと譲ってくださることがあります。
充電式のチェーンソーの押し売りに注意
充電式のチェーンソーは薪作りには不向きです。一番の理由はバッテリー切れで、薪にちょうどいい木を入手するせっかくの機会なのに作業ができないなどバッテリーによって作業が制限されてしまうことがあります。
親切な人がいるならチェーンソーを貸してくれたり、伐採した木を分けてくれることもあるでしょう。ですが、中には詳しくない初心者なのをいいことに充電式のチェーンソーを売りつけようとする人もいるので注意してください。
夾竹桃(きょうちくとう)は薪にしてはいけない
夾竹桃は葉が竹に、花が桃に似ているのが名前の由来になった木です。6月から9月にかけて開花するので、夏にピンク色のかわいらしい花を見かける人もいるでしょう。実はこの夾竹桃、経口毒性がとても強い植物です。
その毒性はなかなかに徹底していて花や果実だけでなく枝や根、葉など全てに毒があります。さらに、周辺の土壌や燃やしたときの煙にまで含まれ、摂取すれば嘔吐を始めとした中毒症状のほか最悪の場合死に至るほど危険です。
夾竹桃について
- その危険度は、花言葉の「用心・危険・油断しない」からもわかります
- 決して薪にはせず、鑑賞するだけにとどめましょう
手作りの薪でアウトドアを楽しむ
今回は薪の作り方や、注意点などをご紹介しました。薪の作り方には難しい技術や資格は必要なく慣れれば簡単ですが、大きな丸太から作るには伐採や乾燥など時間と体力が必要になります。そのため、電動の薪割り機やチェーンソー、クサビがあると便利です。
自宅に暖炉や薪ストーブがある方は、自分で作った薪でその暖炉やストーブに火を点けることもできるでしょう。薪の作り方に興味のある方は、ぜひ一度体験してみてください。
薪割りに使う斧が気になる方はこちらもチェック!
今回は、薪の作り方についてお話してきました。薪を作るときには、使いやすいサイズにするために斧などの道具が必要です。暮らし―のでは、そういった薪割り用の道具に関する記事も多数掲載しています。薪割り用の道具が気になる方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。

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出典:unsplash.com