摩擦系ノットは強力!やり方をご説明
SCノットとは
SCノットとは道糸とリーダーを結ぶときに使われる結び方の名前です。正式名称はショックアブソーブド・キャプテンノットといい、その頭文字のSとCからSCノットと呼ばれています。
この結び方を最初に考案されたのが釣り船アシストクラブ金進丸の船長で、素早く結べる・やり方が単純で憶えやすい・その割に強度が高くリーダーと道糸がほどけにくいとメリットがたくさんある結び方として広がり、今では多くの方が使っている結び方となっています。
摩擦系ノットとはどういう結び方か
SCノットは摩擦系とも呼ばれる結び方に分類されていて、ほかの似た結び方も存在します。摩擦系とは簡単にいうと道糸にリーダーであるPEラインを食い込ませることで摩擦を起こして、結び目はごくごく小さいのに、はずれにくい・ガイドの通りがよいとされるいくつかの同系統の結び方を差す言葉です。
摩擦系ノットの種類とSCノットの結び方を解説
今回の記事はこの摩擦系ノットの中でも最強といわれることも多い、SCノットについてのピックアップして解説いたします。そのほかの摩擦系ノットの種類やそれとの違いや、実際にSCノットを結ぶやり方レクチャーなどをお届けします。はずれにくいリーダーの結び方案として、ぜひあなたの釣りシーンにお役立てください。
なぜSCノットが必要なのか?その使い道
道糸とリーダーを結んで糸切れしづらくする
リールから伸びている糸は道糸ともいわれていますが、PEラインを使うことがほとんどです。その先にリーダーというラインを結ぶのに使うのがSCノットなどの結び方なのですが、初心者の方はここで道糸の先に仕掛けを付けてはいけないのかという疑問を持たれるでしょう。
PEラインよりも耐摩耗性が高く切れに強いリーダー(フロロカーボンやナイロンライン)を使うことによって、魚の歯や岩などに当たった時の糸の切れを防ぐ役割りがあります。
市販の仕掛けがリーダーだから
リーダーに針が付いているあらかじめ出来ている仕掛けを使う場合は、それを道糸に結んであげる必要があります。その時にもSCノットなどの結び方を使います。この市販の仕掛けにリーダーが使われているのも、理由は上と同様の理由です。
リーダーを使うことで魚からバレにくくなる
道糸に使われる素材よりもリーダーに使われる糸・素材の方が水中で魚から見えにくくなっています。そのため切れにくいだけでなく、SCノットなどを使って道糸の先にリーダーを結びつけることによって釣果があがる期待が高まります。
道糸とリーダーを結んで使う釣りは
リーダーは糸か切れにくく魚からバレにくくなる仕掛けの作り方ですが、全ての釣りで使うわけではありません。イカやタマンなどの大物のルアー釣りや、キスの様な小型でも刃の鋭い海水魚を釣る際にもこの道糸とリーダーを使った仕掛けが使われます。
SCノットに向くPEラインとリーダー
リーダー
SCノットもほかの摩擦系の結び方も使うものは一緒ですが、SCノットはラインの太さによって巻きつける回数を変えて、しっかり強度を付ける結び方です。リーダーの太さ決めは道糸となるPEラインの太さも関係あります。
使う糸は狙う魚に合わせて選ばれる方がほとんどですが、これがあまり細いものはSCノットには向きません。それが具体的にどの程度であるのかは、PEラインと一緒にご説明いたします。
PEライン
PEラインはリーダーと結んで道糸となるものです。ただし、このPEラインが0.5以下になると、SCノットではすっぽ抜けが多くなるとの口コミが非常に多くなってきます。
初心者の方がSCノットノットを使う場合はPEとリーダーはPE0.6号以上で、それに合わせてリーダーは3号前後(12lb前後)以上の太さになる仕掛けの際に利用するのがおすすめです。
SCノットの簡単で強度の高い結び方
SCノットの結び方をロープで見やすく説明
実際のPEラインとリーダーは細かったり半透明であったりと見えづらい・何をしているのかわかりにくいこともあります。このような太いロープだと、とてもわかりやすいのでぜひ参考にしてください。
まずはPEライン(赤いロープ)を20cmほどのふたつ折りにして、リーダー(白いロープ)とクロスさせた状態にしたら準備は完了です。
1.PEラインをリーダーに巻きつけていく工程
まずリーダーの長い方を左手の小指と薬指で固定して、動かないようにします。右手はリーダーとPEラインがクロスしたあたりを、親指と人差し指で固定してください。
あとはさきほど折り返したPEライン(赤いロープ)を2本一緒にリーダーに巻きつけていくだけです。回数は通常20回といわれていますが細い糸の場合は30回程度まで増やしてください。注意点として、PEライン同士が重ならないように気をつけます。
2.引き締めとハーフヒッチ4回で補強して完成
20回ほど巻き付けが終わったらPEラインの輪にした部分にリーダーの端糸を通し口に咥えます。リーダーと道糸の本線を直線になるよう意識して引き締めていきます。引き締まるとPEラインの色が変わりますので、そうなったら引き締めは終了してください。
あとは残ったPEラインの端糸で、ハーフヒッチを4回ほどしたらSCノットは完成です。不要な部分ははさみでカットし、先をライターであぶって焼きこぶを作ればさらに強度が増します。
ハーフヒッチの結び方についてはこちらも参考に
結び方動画内でハーフヒッチの結び方を見せてくれていますが、わかりにくい方はこちらの暮らしの内の、ハーフヒッチの詳しい結び方解説記事もお役立てください。
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SCノットの2つのデメリット
デメリット1.結びこぶが多少大きい
前述であまり細いPEラインを使ってSCノットを結ぶとすっぽ抜けが起こりやすいというお話をいたしました。太めのPEを使うこと・またその結び方がハーフではなく2本を巻きつける形であることから、どうしても結び目は同じ摩擦系のFGノットと比べるとふっくらと大きく感じてしまいます。
そのため、ガイド部にノットを巻き込んで投げるようなスタイルでは、多少結び目のひっかかりが気になることもあります。
SCノットの結び目と比較してみよう
最初の画像はFGノットで結んだもので、上の画像はSCノットでの結び目になります。PEの太さが違うため結び目だけでなくPEとの差でその太さを判断してください。
明らかに糸が2本で巻き付けているためみっちりと隙間なく太く結ばれているのがわかりますね。これがキャスティングしたときのガイドへのひっかかりの原因となるのです。
デメリット2.結束をマスターするのに練習が必要
PEラインとリーダー(釣糸)、切ったら捨てないで。ポケットかバッグに入れるだけ、自然 水辺・釣り場はゴミ箱ではありません。捨てないで。 #釣り人が居れば水辺は綺麗になる #釣り人による清掃活動 pic.twitter.com/QgfXLSGPZw
— シマ (@simabass) February 21, 2022
巻き方はただぐるぐると巻いていけばよいだけでとても簡単なのですが、それだけに最後に結束するときにしっかりと固定するため練習が必要となります。
結束の仕方は結び目の強度にも大きく関わってくるところなのですが、引きすぎるのもいけません。上記画像の結び目付近のリーダーが折れ曲がっているところにご注目ください。
SCノットの結束で引きすぎてはいけない理由
摩擦系はリーダーに道糸(PE)を締めて、その摩擦でしっかりと固定する結び方であると最初にご紹介いたしました。そのため、結束の時に強く引きすぎてしまうと食い込んだPEでリーダーが潰され・変形して切れやすくなってしまいます。
そうなったリーダー例が上の画像です。このように変形しないよう結束の力加減を何度か練習して、きれいにつぶさず結べるようにしてください。
道糸とリーダーを簡単に素早く結ぼう
今回は最強といわれるSCノットの結び方についてそのやり方の解説・気をつけたいデメリットなどをご説明してきましたがいかがでしたでしょうか。SCノットは強度もあるかわりに、多少のデメリットもありますが練習次第ではそれらが起こるのを減らすことができます。
1度試してうまくいかなくても、どの結び方でも習得するまで何度かの練習が必要です。何度か試してSCノットを自分のものにしてみましょう!
強度の高い結び方が気になる方はこちらもチェック
暮らしーのではSCノット以外にも、釣りによく使われる人気の高いFGノットや漁師結びというリーダーと道糸の結び方の解説記事も発信しています。どちらも強度の高い結び方といわれるものばかりですので、こちらも是非合わせてご覧ください。
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出典:https://unsplash.com/