雨飾山の登山コースをご紹介
雨飾山(あまかざりやま)は、長野県北安曇郡小谷村と新潟県糸魚川市にまたがる日本百名山の一座です。標高は1963mで、夏には高山植物が可憐に咲き、秋には紅葉がすばらしい人気の山でもあります。
そんな雨飾山の登山道には、一部、女性の顔に見える場所があることでも知られています。ぜひその姿をフレームに収めてみてはいかがでしょうか。今回は雨飾山の登山コースのご紹介です。登山口までのマップや登山ルートの周辺情報なども合わせて参考にしてください。
山頂からのパノラマと紅葉の景色が魅力
雨飾山は、その山容に特徴があることで有名です。山頂は双耳峰で、猫の耳という別称を持っています。北峰には石仏が祀られ、南峰には三角点を見ることが可能です。そんな山頂からは360度の展望が広がり、日本海から中央アルプスまで見渡すことができます。
また、山頂直下から流れる荒管沢の奥壁にあたる巨大な白い岩壁は布団菱と呼ばれ、秋の紅葉時期には美しい姿に変わります。10月に入ったらはじまる紅葉は半ば以降が見頃です。
日帰りで登れる最短ルートも
雨飾山への登山口は、基本的にふたつあります。長野県側にある登山口は小谷温泉に位置し、新潟県側にある登山口は雨飾温泉のそばです。最も人気のあるのが小谷温泉登山口からのコースですが、雨飾温泉の登山口からのコースは日本海の景観がすばらしいコースとなっています。
また、もうひとつ、あまり知られていないコースで、日帰りで最短の登山コースとなっているのが大綱登山口からのルートです。こちらは沢渡などもある静かなコースとなっています。
雨飾山周辺には温泉などの立ち寄りスポットも豊富
雨飾山は、登山口付近に温泉があるなど、周辺に立ち寄りしやすいスポットがあることで知られています。キャンプ場も近くにあるため、アウトドアを思い切り満喫することも可能です。
また、いずれの登山口からも日帰りが可能です。のんびりと過ごしたい方は宿泊しながらキャンプを楽しみましょう。なお、本稿は2022年4月14日現在の情報を元に作成しております。
長野県側からの登山コース
最短で人気の小谷温泉登山口までのルート
長野県側の雨飾山登山口は小谷温泉登山口です。国道148号線の小谷温泉口交差点から車で30分ほど上った先にあります。登山口の前に40台ほど駐車できる無料の駐車場があり、駐車場のすぐ隣に雨飾高原キャンプ場があるため、多くの登山者が利用するルートです。
公共交通機関でのアクセスは、JR大糸線の南小谷駅から小谷村村営バスで雨飾高原バス停まで向かいます。そこからキャンプ場までは徒歩1時間ほどかかりますので、時間には気をつけるようにしましょう。
登山口~山頂までのコースタイムは4時間
このルートの歩行時間はおよそ4時間です。登山口から平坦な道が続き、ブナ林の登りへと入ります。ブナ林が終わると荒菅沢となり、ここからがきつい登りです。この沢は7月下旬ごろまで雪に覆われているため注意しましょう。
尾根に出て笹薮の笹平を下り、最後の急なガレ場を登り切れば山頂となります。山頂からは北アルプスから日本海まで、大パノラマの景色と出会うことが可能です。なお、山頂から笹平の登山道を眺めると女性の横顔のように見えますので、ぜひ確認してみましょう。
下山後の周辺立ち寄り情報:小谷温泉
雨飾山の登山口がある小谷村には塩の道の街道跡を整備した散策コースがいくつもあります。登山だけでは飽き足らない登山者は、宿泊しながらさらに散策するという楽しみ方もおすすめです。
また、登山口そばの雨飾高原キャンプ場ちかくに小谷温泉があります。村営の露天風呂は夜9時まで利用できますので下山後の立ち寄りとしてチェックしておきましょう。
小谷温泉
- 住所〒399-9511
長野県北安曇郡小谷村中土 - 電話番号0261-85-1220
- 公式サイトURLhttps://www.vill.otari.nagano.jp/kanko/spa/
姫川妙高線の林道は路上駐車禁止になることも
雨飾山は紅葉がとても美しいことから、紅葉シーズンになると多くの登山者が訪れます。しかし、ガレ場などで下山者の渋滞が発生し、下山時間などに支障をきたすこともあるため、2021年には登山口がある雨飾荘から鎌池までの林道(姫川妙高線)が路上駐車禁止規制対象区間となりました。
また、午前8時以降の雨飾山入山も規制されましたので、こちらも合わせてマップなどで確認しましょう。
雨飾高原キャンプ場
- 住所〒399-9511
長野県北安曇郡小谷村中土18926-1 - 電話番号0261-85-104
- 公式サイトURLhttps://www.amakazari.com/
- アクセスJR大糸線南小谷下車おたり村営バス「雨飾高原行き」終点「雨飾高原」下車、徒歩3km(約1時間)中央道~長野自動車道・安曇野インターから国道147号大町・国道148号白馬経由90分
北陸道・糸魚川イン...
新潟県側からの登山コース
急坂だが最短で登れる雨飾温泉登山口までのルート
新潟県側の雨飾山登山口は、雨飾温泉のそばにあります。最寄りの山寺上入口バス停から徒歩2時間もかかるため、マイカーがおすすめです。「雨飾温泉」や「雨飾山荘」を目指しましょう。
ちなみに、公共交通機関ではJR北陸本線の糸魚川駅からアクセスします。駅からバス停までのバスの本数は一日5~8便と少ないため、しっかりとした登山計画が必要です。なお、駅からタクシーを利用する場合、所要時間はおよそ45分ほど、料金は7000円ほどとなります。
登山口~山頂までのコースタイムは4時間
こちらのコースは、歩行時間が4時間となりますが、急な登りが続くコースです。登山口には明治時代創業の古い山小屋である雨飾山荘があります。度道中、「難所のぞき」や「一ぷく処」などの休憩スポットを過ぎ、「中の池」まで急で狭い尾根道です。
梶山分岐を過ぎると、笹平となります。笹平では高山植物や景色を楽しみながら山頂へと向かうことが可能です。雨飾山北峰の山頂には、阿弥陀三尊、大日如来、薬師如来、不動明王の石仏像が糸魚川方面に向いて奉納されています。
下山後の周辺立ち寄り情報:雨飾山荘
登山口のすぐそばにある雨飾温泉は、日本秘湯を守る会に名を連ねる温泉です。登山客はもちろん秘湯ファンも訪れる名湯で、雨飾山荘では宿泊することもできます。混浴露天風呂である「都忘れの湯」は風情がある湯で、もちろん男女別の内湯も完備です。登山の疲れをゆったりと癒してから帰路に着きましょう。
雨飾山荘
- 住所〒949-0544
糸魚川市大字梶山字広道倉1870 - 電話番号(09090)16-3212
- 公式サイトURLhttps://www.amakazarisanso.com/
- アクセス山寺上入口バス停から徒歩2時間国道の根知谷から山寺橋を渡り、ほぼ道なりに峠を越えて一旦下り、上り返して右手に駐車場が見えたら到着
雨飾山荘の周辺の駐車場を利用
マイカーでアクセスする場合、雨飾山荘(梶山新湯)近くの道路脇に10台ほど、林道を進んだすぐ先の沢沿いにも駐車スペースがあります。こちらの駐車スペースを利用しましょう。また、登山道は急坂なので、雨の後などは滑りやすくなっています。沢や岩場、はしご場など、ケガなどをしないように十分に注意を払いましょう。
大網登山口からの最短登山コース
大網登山口までのルートは閉鎖されることも
こちらの登山口は、小谷温泉と姫川温泉を結ぶ姫川妙高林道の途中にあります。ただし、この林道は冬季に閉鎖しますので、お出かけの際には必ず確認するようにしましょう。
大網登山口までのアクセス方法は、JR 大糸線平岩駅から姫川温泉、大網地区の奥の笹野集落を姫川妙高林道へと登山口に向かう方法と、小谷温泉から湯峠を経て至る方法があります。
登山口~山頂までのコースタイムは最短の3時間半ほど
こちらのルートは、あまり多くの登山者が訪れないため、落ち着いて歩くことが可能です。ただし、横川の支流である前沢を渡渉し、3mほどのアルミ製のはしごを登るなど、注意が必要な個所もあります。
また、ブナの林が大変美しい区間もありますが、登山道は草木に覆われている箇所もあるため、注意が必要です。西尾根に出ると景色が広がり、美しい高山植物を目にすることができます。歩行時間はおよそ3時間半です。
下山後の周辺立ち寄り情報:姫川温泉
小谷村と糸魚川市の境にある姫川温泉は、マイカーで訪れる登山者におすすめの立ち寄り温泉です。湯量が豊富で無色透明の湯は、日によって緑色や黄色になることもあります。JR平岩駅からほど近く、国道148号線からのアクセスもわかりやすいのもポイントです。しっかりと温泉で疲れを癒してから帰路に着きましょう。
瘡の湯(姫川温泉)
- 住所〒399-9601
長野県北安曇郡小谷村北小谷9922-2 - 電話番号025-557-2120
- 公式サイトURLhttps://www.vill.otari.nagano.jp/kanko/spa/himekawaonsen/
- アクセス大糸線 平岩駅 より徒歩5分国道148号線より「平岩」の信号を東に進み2分ほど
登山口までのアクセスがわかりにくい
小谷温泉から湯峠を経由して登山口にアクセスする場合、車道のゲートが閉まっていることがあるというコメントが散見されます。この場合、湯峠(大渚山登山口 )から大網登山口まで2時間ほど歩くことになりますので、最新のアクセス情報やマップなどを確認するようにしましょう。
なお、登山口には10台程度の車が駐車できるスペースがあります。お出かけ前に必ずマップで確認しましょう。
雨飾山周辺のグルメスポット3選
かき氷が名物のカフェ:十三月
雨飾り高原キャンプ場の近くにあるカフェ十三月は、築140年の古民家を利用したレトロ風カフェです。自家製のコーヒーが自慢のカフェですが、夏の登山でぜひいただきたいのがかき氷で、夏季限定メニューとなっています。口コミの人気も高いカフェでぜひ登山の疲れを癒しましょう。
café 十三月
- 住所〒399-9511
長野県北安曇郡小谷村中土11738 - 電話番号0261-85-1780
- FacebookページURLhttps://www.facebook.com/profile.php?id=100063608108270
- アクセス国道148号線より雨飾高原キャンプ場へ向かった県道のトンネルを抜けたところ
くるみダレ蕎麦が美味:蕎麦屋蛍
行列ができるそば屋蛍では、二種類の麺から選べるボリュームたっぷりのそばをいただけます。オリジナルのタレがくるみダレで、すり鉢のクルミを各自がつぶしていただくというものです。予約はできませんが、登山がてら、周辺を散策しようという方はぜひお立ち寄りを。
蕎麦屋蛍
- 住所〒399-9511
長野県北安曇郡小谷村大字中土16588 - 電話番号0261-85-1810
- FacebookページURLhttps://www.facebook.com/hotaru2016/
- アクセスJR南小谷駅より小谷村営バス雨飾高原行きバスで「高地坂下」下車徒歩5分JR大糸線と並行して走る国道148号線から114号線を小谷温泉方面に向かい、途中のお店の看板に従って少し側道に分け入ったところ
地元の素材を活かしたジェラード:オタリアンジェラート
蕎麦屋蛍のオーナーが開いたジェラート屋さんがこちらです。小谷村や長野県産の素材をふんだんに使ったジェラートが自慢で、酒粕、そば、新米、焼きなす、とうもろこしなどめずらしいジェラートがいただけます。こちらも冬季休業期間がありますので注意しましょう。
オタリアンジェラート
- 住所〒399-9511
長野県北安曇郡小谷村中土16107 - 電話番号0261-85-1810(「蕎麦屋 蛍」呼び出し)
- アクセスJR南小谷駅より小谷村営バス雨飾高原行きバスで「高地坂下」下車JR大糸線と並行して走る国道148号線から114号線を小谷温泉方面に向かったところ
雨飾山ですばらしい景色を楽しもう!
雨飾山は日本百名山の一座で、山頂の景色がすばらしいと人気の山です。日本海からアルプスの山々まで、360度の絶景を満喫できます。
長野県側からも新潟県側からもアクセスでき、周辺には温泉などの立ち寄りスポットも充実しているため、大自然に囲まれながらのんびりと過ごしたい方におすすめです。とくに紅葉シーズンが美しいと人気の雨飾山、ぜひ次の休日に目指してみてはいかがでしょうか。
もっと雨飾山の登山コースが気になる方はこちらもチェック!
今回は雨飾山の登山コースについてご紹介しました。さらに雨飾山の情報について知りたいという方は、こちらの記事にもぜひ目を通してみてはいかがでしょうか。
雨飾山の登山ガイド!登山コース情報や気になる難易度などを解説!
紅葉で有名な長野と新潟の県境にある雨飾山。この山は日本百名山の一角に数えられるほどの絶景で知られています。そんな雨飾山へのアクセス方法から無...
山頂からの景色は圧巻「雨飾山」の登山コースガイド。日帰りで登れる最短ルートも!
妙高山系の西の端にあって日本百名山にも数えられている雨飾山は名前も個性的なのが印象的な山。2,000mに満たない標高ですが、山頂からは360...