はじめに
日本は山登りに最適な国
日本は山登りに適した国だと言われています。春夏秋冬でいろいろな模様へと変化を重ねる日本の山は、まさに天然の芸術品。そんな山のなかでも「雨飾山(あまかざりやま)」は豊かな自然とシーズンにより変わる色彩が楽しい、山登りには最適な場所の一つです。
雨飾山は四季を楽しめる山
春から夏には緑から香る新鮮な香りが登山客を楽しませ、秋には紅葉でグラデーションがかかった林の色合いが視界に広がります。冬には雪で澄み渡った空気が登る者の肺を満たして心を洗ってくれます。
準備は怠るべきではない
そんな楽しい雨飾山ですが、この場所に限らず登山に向かう前には必ず行わなければならない準備があります。それは「登ろうとしている山の情報確認」です。雨飾山はそこまで難易度の高い山ではありませんが、決して侮るべきではありません。
雨飾山(あまかざりやま)を楽しもう!
遭難などの危険を回避し、楽しく山登りをするためにも当サイト「暮らし~の」で雨飾山の情報を手に入れ、またこの場所の魅力をチェックしてから登山へと出発しましょう!
雨飾山とは
長野と新潟の県境に位置する
長野県と新潟県の合間にかけてそびえ立つ山が、この雨飾山です。この場所の周辺にはキャンプ場や温泉が豊富にあり、レジャースポットとしても有名です。これらの施設は、妙高戸隠連山(みょうこうとがくしれんざん)国立公園の管轄化にありますので、ご利用の際にはそちらの方へお問い合わせください。
日本百名山
日本百名山という選定をご存知でしょうか。日本には本当にさまざまな山が存在しています。そんな場所のなかで、「品格」と「歴史」と「個性」を重視して選定された名山らが、「日本百名山」です。雨飾山も、そんな日本百名山の一角として数えられています。
雨飾山へのアクセス.1キャンプ場登山口
どちらのルートでも国道158号線を通る
この場所へのアクセスは二通りの方法が存在します。高速道路北陸道の糸魚川(いといがわ)インターからのルートと、同じく高速道路長野道の安曇野(あずみの)インターからのルートです。どちらのルートを選択した場合でも、国道の158号線から脇の道に進み、登山口へと入っていきます。
南小谷駅から村営バスが
長野県側からのアクセスでは、雨飾山周辺にある高原キャンプ場を目指して出発します。JR駅である長野県の南小谷駅まで行けば、そこから村営のバスが運行しています。このバスを使えば、雨飾山の登山口付近のバス停までアクセスできるので大変便利ですが、このバス停からさらに1時間ほど徒歩で移動する必要があります。
自家用車がおすすめ
また、このバスは本数が一日に数本と、お世辞にも多いとは言えない運行状況なので、やはりアクセスには自家用車などを使用した方がよいでしょう。
駅からタクシーで登山口まで
他には、小谷観タクシーや中央タクシーなどを使用して雨飾山周辺の駅から登山口まで向かうアクセス方法もおすすめです。
所要時間は40分前後
南小谷駅から高原キャンプ場の登山口までならば、おおよそ40分前後の時間で料金は7000円程度です。3~4人程度の人数で向かうのなら一人当たり2000円前後の費用で済みますので、複数人で登山へと向かう場合にはご利用を検討してもよいでしょう。
登山客用の無料駐車場
マイカーでのアクセスとなると、気になるのは駐車場の存在です。このキャンプ場の周辺には、登山客用の無料駐車場が併設されているので、そちらを利用するのをおすすめします。
80台が駐車できるスペース
30台分のスペースがある駐車場と、50台分のスペースがある駐車場の二箇所の無料駐車場がありますが、どちらの駐車場も高原キャンプ場登山口から数分の立地にありますので、登山客らに大変重宝されています。
登山シーズンはとても混雑する
しかし、季節が秋へと移り変わると、紅葉を目当てに雨飾山を訪れる方が増えますので、シーズン中には早朝の時点で駐車場が混雑するほどの盛況ぶりです。そのため、駐車場が一杯となり、路肩に駐車して登山へと向かう方たちも多くいます。
路肩を利用する登山客も多い
付近の道路は幅が広いので、駐車場と合わせれば150台程度の車が駐車できるだけのキャパシティはありますが、余裕をもって早めに出発しておくとよいでしょう。
雨飾山へのアクセス.2薬師尾根登山口
薬師尾根登山口へはマイカーがおすすめ
新潟県側からのアクセス方法としては、薬師尾根登山口を目指すことになります。こちらの場合には基本的にはマイカーでのアクセス方法がおすすめです。JR糸魚川駅から薬師尾根登山口に一番近い停留所まで、一応バスが運行しているのですが、このバス停からさらに2時間ほど歩かなければなりません。
雨飾山荘が拠点となる
新潟県側から自家用車でアクセスするとして、やはり気になるのは駐車場の存在です。薬師尾根登山口の付近には、雨飾山荘という宿泊施設があります。温泉が湧き、さらに山から流れる清水で作られた料理はどれも絶品という人気の隠れ宿です。
無料駐車場は二箇所ある
この宿の入口に登山客も利用可能な無料駐車場があります。そして、そこから倉沢方面に50メートルほど上がった場所に、さらにもう一つ無料駐車場が存在します。
駐車スペースは広くない
ただ、長野県側からのアクセスの際にご紹介した駐車スペースほど、敷地が広くないので駐車できる台数はせいぜい25台ほどと言ったところでしょう。
路肩を上手に利用しよう
こちらも道路の幅が広くなっており、路肩に駐車できるスペースがありますので、もしも駐車場が一杯である場合には、路肩に駐車して登山へと向かう方も多いです。
雨飾山の登山口と難易度
登山口は二つ
雨飾山の登山口は二つあります。長野県側から入山する場合には、「雨飾高原キャンプ場登山口(小谷温泉道)」から。反対側の新潟県側から入山する場合には「薬師尾根登山口(梶山新湯道)」から進んで頂上を目指します。
初級~中級は雨飾高原キャンプ場登山口から
登山口によって登山ルートや難易度が変わってきます。大まかに説明しますと、長野県の雨飾高原キャンプ場登山口から入山するルートの方がメジャーで難易度も低いです。
中級~上級は薬師尾根登山口から
その反対の新潟県側、薬師尾根登山口から入る場合の方が登山客の数も少なく、難易度も高い上級者ルートとして区別されます。
雨飾山の初級~中級コース.1
キャンプ場付近の休憩小屋から
雨飾高原キャンプ場登山口からの登山コースの場合には、駐車場付近にある休憩のための小屋で、登山のための届出をします。ここには、トイレなどの施設も用意してありますので、登山に向かう前には、用を足しておきましょう。
雨飾山は標高1963m
初心者の方の場合には登山にかかる時間は頂上での休憩時間も入れて、往復で8時間程度は見ておきましょう。雨飾高原キャンプ場を出発してブナ平、荒菅沢、笹平と進み、頂上へと到達というコースです。登山口から頂上までは片道で4kmほどです。400メートルごとに、目印となる立て看板が置かれているので、遭難の危険は少ないです。
まず広がるのは草道
出発して、まず広がるのは湿地の草道です。秋には眼前に広がる紅葉を眺めながらのハイキングが楽しめます。雨が降った翌日などは、足元が大変すべりますので、注意しましょう。
自然を感じながら楽しもう!
登山の前半は森林のなかで少しずつゆるやかな傾斜を感じながら進んでいきます。森の自然を感じながらの登山は、初心者の方から熟練者の方まで十分に楽しめることでしょう。
雨飾山の初級~中級コース.2
ブナの群生林
登山口から三分の一ほどコースを進んでいくと、ブナの木の群生地に入ります。ブナの木たちもまた季節により色彩が美しく変化する植物なので、登山客の目を楽しませてくれます。
清水が流れる荒菅沢
ブナの林に入って、約30分程度進むと荒菅沢です。ここまで登ると、だいぶ山の全貌が見えてきます。荒菅沢は、文字通りの河原で山から染み出る水が岩の間を縫うように下へ流れます。
荒菅沢でちょっと休憩
ここは空気も澄んでおり、休憩にはピッタリの場所なので、岩に座って暖かいお茶やコーヒーなどで一服してから頂上へ向かう登山客が多いです。
木がなくなり始めたら山頂はすぐそこ!
ここからが登山の本番です。山登りらしい急な斜面がポツポツと出始めます。コースの一番の難所ですが、頂上はもうすぐなので深呼吸しながら進みましょう。林が少なくなってきたなら標高1800m以上まで登った目安です。視界が一気に開けますので、雨飾山周辺の山たちの横顔が目に映ることでしょう。
木製のハシゴと階段が目印
だんだんと雨飾山周辺の山たちを見おろすようになってくると、いよいよ木で作られたハシゴが見えてくるはずです。このハシゴを登り、そして同じく木製の階段を登っていくと尾根である笹平に到着します。
笹平の黄色い標識
「山頂まで40分」の標識が立っていますね。ここまででおおよその所要時間は3時間前後と言ったところでしょうか。
雨飾山の初級~中級コース.3
細道では譲りあいが肝心
林もないので、もう頂上が視界に見えることでしょう。途中で新潟県側のコースと合流します。頂上までの道は狭くなりますので、他の登山客の方とすれ違う場合には少しだけ時間がかかります。山登りは譲りあいが肝心です。眼前に広がる、糸魚川市や日本海の光景を見ながら他の登山客が通過するのを待ちましょう。
山頂を表す黄色い看板
最後の小道を登れば、そこが雨飾山の頂上です。頂上を表す黄色い立て看板が目印。ただ、この立て看板は年季が入っているのでだいぶ汚れています。頂上はそこまで広いスペースはありませんので、休憩する場合には石仏がある北峰で一服しましょう。
北峰の石仏は雨乞い祈祷のため
雨飾山は、もともと「雨乞いのための山」だとされています。北峰にあるこの石仏は雨乞い祈祷のためのものだという説が有力です。ただ、下山の最中には雨は降らないでほしいものですね。
雨飾山の中級~上級コース
雨飾山荘で記帳しよう
薬師尾根道コースは新潟県側から入山する際に、通ることになるコースです。雨飾山荘に登山者が記帳する帳簿があります。長野県側から登山する場合と比較して難易度が高いのが特徴です。
山道はきつい斜面が続く
ただ、登山にかかる時間はこちらのコースの方が少しだけ短くて済むのもまた特徴と言えます。頂上までの登山にかかる時間が短いというのはすなわち頂上までの道のりに急な斜面が続くということです。
ハシゴは慎重に
薬師尾根道コースは登山口からいきなり坂道が続きます。森林の間に細く通る登山道を登っていきましょう。斜面を越えるためにハシゴなどが設置してあります。しっかりと手でハシゴを握り、慎重に登りましょう。
体力を消耗する登山コース
笹平まで行けば、あとは長野県側のコースと合流して頂上まで目指して登っていきます。このコースはとにかく体力を使うコースです。登山に慣れた方でも、下山する頃にはヘトヘトになる場合が多く、気軽に紅葉を楽しむなどの目的ではあまりおすすめできません。
山頂に早く到着したい方にはおすすめ!
例えば登山に慣れた方や、体力がある方が雨飾山の頂上からの眺めをじっくりと楽しみたいなどの目的であれば、効率よくズンズンと進めるこちらのコースの方が適しています。
まとめ
登山コースで難易度がガラリと変わる
雨飾山は秋に紅葉を目当てに登る方が多くなる人気の山です。ただ長野県側からのコースと、新潟県側からのコースで登山にかかる難易度がガラリと変わる山でもあります。
雨飾山の絶景を楽しもう!
しかし、事前にしっかりと準備をしておけば恐れることはありません。日本百名山にその名を連ねる雨飾山の絶景を是非皆さんの目で楽しんでください!
登山関連の情報はコチラをチェック!
当サイト「暮らし~の」では雨飾山の他にも、登山におすすめの山についての情報が用意してあります。おすすめの記事をいくつかピックアップさせていただきました。是非そちらもご覧ください。
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