春日大社は日本有数のパワースポット
「春日大社(かすがたいしゃ)」は、奈良県奈良市春日野町にある神社で、全国に約1000社ある春日神社の総本社です。
貴重な春日山原始林が残る春日大社は32万坪(東京ドーム22個分相当)の神域を誇る神社で、ユネスコの世界遺産に「古都奈良の文化財」の一つとして登録もされています。
春日大社の摂社では若宮神社が人気
春日大社は「本殿」と、良縁のご利益が人気の「若宮神社」がとくに有名でよく知られていますが、その他にも春日大社に関連する摂社と末社は全体で61か所あり、広い境内のみならず奈良駅近くにも点在しているのです。
一之鳥居から本殿まで2km弱の立派な参道があり、春日大社は周辺含め、見どころが多くパワースポットも多数あります。
パワースポット春日大社の歴史
春日大社の起源は、平城京へ遷都が行われた時期に、春日大社の近くの「御蓋山(みかさやま)」の山頂に、常陸国(茨城県)の「鹿島神宮」から「武甕槌命(たけのみかづちのみこと)」をお迎えしたことと伝えられています。
春日大社のご祭神は4柱
その後、奈良時代後期の神護景雲2年(768年)に、称徳天皇の勅命により、藤原一族が現在の境内地に社殿を建立し、この地に武甕槌命をお祀りしました。それが、今の春日大社の創建の由来とされています。
さらに、香取神宮から「経津主命(ふつぬしのみこと)」、枚岡神社から「天児屋根命(あめのこやねのみこと)」と「比売神(ひめがみ)」を合祀し、現在の四柱の神様をお祀りする春日大社になりました。
「式年造替」で神殿が蘇る
春日大社には20年に一度「式年造替(しきねんぞうたい)」と呼ばれる、神殿や御神宝などを造り替え、修繕を行う儀式があります。
式年造替を行うことで、1300年前から代々受け継がれる建築技術が伝承されています。次世代まで優れた技術で神殿そのものの初期の姿が保たれる、大変貴重な行事になっているのです。
現在の本殿は江戸時代末期の文久3年(1863年)に建築されたもの。それ以降の式年造替は修理が行われ、しっかりした管理で150年以上美し姿が保たれています。
春日大社の参道と回廊内のパワースポット10選
広大な境内を誇る春日大社には、2km近い参道があり、広いスペースが必要となる鹿園や萬葉植物園まであって、他にも境内各所にパワースポットとなる施設が多数あります。
そのどれもが歴史を誇り、パワースポットとなるだけの由緒をそなえているのです。そんな春日大社の参道や本殿がある回廊内のパワースポットを紹介します。
パワースポット①:南門
春日大社の「南門」は春日大社の南回廊にあり、表参道から回廊内に入る時にくぐる門です。高さが12mあり、鮮やかな朱色の格調高い荘厳な造りで、春日大社内では最大の楼門になります。
元々南門は、鳥居だけでしたが、治承3年(1179年)に楼門として創建され、現在は国の重要文化財に指定されています。
パワースポット②:伏鹿手水所
「伏鹿手水所(ふせしかのてみずしょ)」は、二之鳥居を入った祓戸神社の脇にある金属製の伏せた鹿の手水所です。ここで手と口を清め、祓戸神社に参拝した後に御本殿にお参りします。
古より「神の使い」として大切にされてきた「鹿」をモチーフにした珍しい手水所は、子供たちに人気です。神様の使いとされる、鹿の口から水が出る伏鹿手水所はパワースポットといえます。
パワースポット③:幣殿・舞殿
南門をくぐると正面にある建物が、幣殿(へいでん)と舞殿(ぶでん)です。東側2間が幣殿、西側3間を舞殿といいます。幣殿は天皇陛下のお供え物である御幣物を一旦納める建物です。舞殿は字のごとく、御神楽を行うための建物であり、また雨天時に神楽や舞楽を奉納する場所になります。
パワースポット④:神石
南門の正面に「神石」があります。春日大社境内に複数ある「磐座(いわくら)」の中でとりわけ有名なパワースポット。柵で囲われ大切にお祀りされています。
神石は、神様が降臨するための憑代(よりしろ)としてお祀りされているだけでなく、摂社の若宮神社のご祭神・赤童子がこの地から出現した「出現石」とも言われているのです。それだけパワースポットとして抜群の認知度を誇っています。
パワースポット⑤:影向の松
一之鳥居をくぐってすぐ右手にある「影向の松(ようごうのまつ)」は、春日若宮おん祭の際に、この松の前で「松の下式」が行われるのです。
古来から、松は芸能の神の依代で、歌舞伎や能の舞台の背景に描かれている松の絵は、この影向の松に由来しているとも言われています。芸能向上のパワースポットといえそうです。
パワースポット⑥:回廊
重要文化財の回廊は、春日大社本殿やその他主要な建造物の四方を巡る建物です。南回廊は南門を中心に東西両方向に21m広がり、東回廊は約37mの長さで、ほぼ中央にあるのが影向門。西回廊は約57mあり、南から慶賀門、清浄門、内侍門の3門がほぼ等間隔で並んでいます。
朱塗りの柱が規則正しくずらりと並ぶ光景は、ただただ目を見張る美しさ。春日大社の偉大さが理解できる建造物で、本殿をお守りする壮大なパワースポットです。
パワースポット⑦:本殿
春日大社の本殿は、一間社春日造、檜皮葺。文久3年(1863年)に造替されています。国宝に指定されている貴重な建造物で、切妻造・妻入の「春日造」の社殿です。
注意点として、本殿は正面からその姿を撮影することは一切できません。撮影ができるのは本堂正面の「中門」・「御廊」と呼ばれる一帯のみとなっています。また、本殿はすぐ近くまで接近することも出来ません。
パワースポット⑧:直会殿
春日大社の「直会殿(ならいでん)」は、南北8間、東西4間の広大な建物で、素木造(しらきづくり)の重要文化財です。直会殿で毎朝9時から行われる「朝拝(ちょうはい)」は誰でも無料で参加でき、約30分間お参りができます。(注:1間≒1.82m)
パワースポット⑨:砂ずりの藤
春日大社の「砂ずりの藤」は、西回廊の慶賀門を入った所の棚造りの藤です。5月初旬頃に花房が1m以上にも延びる藤で、地表の砂にすれるということから「砂ずりの藤」と呼ばれるようになったと伝わっています。その樹齢は700年以上、藤そのものがパワースポットと言えそうです。
また、境内の参道の途中にある萬葉植物園には「藤の園」があり、20品種、約200本の藤が植えられています。シーズンになると一斉に咲き、垂れ下がる藤の花が楽しめるのです。
パワースポット⑩:燈籠3000基
春日大社には、約2000基の石燈籠、約1000基の釣燈籠があり、合わせて約3000基の燈籠が立ち並んでいます。
春日大社の燈籠は歴史的に大変貴重な資料として、重要なものが数多くあるのです。現存する室町時代以前の燈籠の6割以上が春日大社にあるといわれるほど、貴重な燈籠の宝庫になっています。
徳川綱吉公奉納の灯籠もある
中でも、関白・藤原忠通奉納の1136年の「柚木燈籠」や、藤原頼通の寄進と伝わる1038年の「瑠璃燈籠」から、徳川5代将軍・徳川綱吉公や宇喜多秀家などの武将から奉納された燈籠もあります。
2月の節分、8月14日・15日の年3回、すべての燈籠に浄火をともす「春日万燈籠」が行われ、その時はまさに3000の燈籠が神秘的にきらめくパワースポットになるのです。
春日大社の回廊外のパワースポット6選
春日大社は藤原氏に関係深い神社で、輝かしい歴史を誇るだけに、摂社や末社の数が多く、その数、61社。また、その61社それぞれが由緒ある神社で、強力なパワースポットであり、多彩な御利益が期待できます。
さらに、東京ドーム22個分の広大な敷地は、すべてが神域として伐採が禁止され、現在も原生林が残り、大自然のパワースポットそのものです。そんな、春日大社の自然と摂社、末社のパワースポットを紹介します。
パワースポット①:御蓋山浮雲峰遙拝所
春日大社のご祭神である武甕槌命が、鹿島の地から白鹿の背にお乗りになり最初に天降られたのが、神の山・御蓋山(みかさやま)頂上の「浮雲峰」です。
「御蓋山浮雲峰遙拝所(みかさやまうきぐものみねようはいじょ)」は、浮雲峰から春日大社本殿を通り、当時の平城京大極殿まで続く線上にあります。
「神の山・御蓋山」へ向けて祈りを捧げる空間で、通常一般参拝者は立ち入ることが出来ない御蓋山に「最も近づける」場所です。パワースポット御蓋山遥拝でお祈りしましょう。
パワースポット②:若宮十五社めぐり
春日大社本殿の南門を出て北方向(左側)に行くと、春日大社の摂社、末社などさまざまな神様が15社お祀りされています。
その地に鎮座されるご利益満載の神様と、ご縁を結べるのが「若宮十五社めぐり」です。人の一生で遭遇するであろう、さまざまな艱難辛苦をお守りいただける神々様がお祀りされています。まさに、密集したパワースポットといえそうです。
一生分のご利益を祈願できる
「天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)」をお祀りする第1番納札社の「若宮(わかみや)神社」や、国生みの「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」と「伊弉冉尊(いざなみのみこと)」をお祀りする第7番納札社の「三十八所(さんじゅうはっしょ)神社」など、ご利益豊富な神社が15社もあります。
ご利益も、縁結びから、健康・長寿に家内安全や人生開運に金運アップなど、多種多様な、一生分の御利益が祈願できるエリアといえそうです。
パワースポット③:夫婦大國社
春日大社の「若宮十五社」の中で、縁結びの人気が高いパワースポットといわれているのが「夫婦大國社(めおとだいこくしゃ)」。
縁結びの神様・大國様ご夫婦をお祀りしている神社です。そこから、縁結びはもちろん、夫婦円満、家内安全、良縁成就を願う方がたくさん訪れています。良縁を求めるなら、春日大社の「夫婦大國社」には入念にお参りしておきましょう。
パワースポット④:春日大社の大自然
春日大社の神域として古来から狩猟や伐採が禁止され、そのままの姿で保護されている春日山原始林は、奈良市内でありながら貴重な自然がたくさん残り、自然のパワースポットといえます。
そもそも、現在の春日山原始林になるまでのとてつもなく長い時間は、人間の寿命では遠く及ばない年月です。それだけ大自然の生命力のすばらしさを感じるパワースポットといえます。
パワースポット⑤:春日大社の貴重な植物
春日大社には、生育している樹木のほとんどがマキ科の常緑高木の「竹柏(なぎ)」の木だけという純林が多く見られます。そのような極めて稀な自然が認められ、大正12年(1923年)に天然記念物に指定されました。
また、幹周が約11.5mあり、奈良県下で1、2を争う巨木の「若宮の大楠」や、花弁が不ぞろいな八重咲きの椿など、見どころいっぱいの自然があります。手付かずの自然はそのまま強力なパワースポットなのです。
パワースポット⑥:鹿苑
春日大社のご祭神・武甕槌命は、鹿島神社から白鹿に乗って奈良にやってこられました。そんな経緯から、春日大社では鹿は神の使いとして昔から手厚く保護されています。
鹿は春日大社だけでなく、近くの広大な奈良公園にも野生のまま多数生育しているのです。そんな鹿たちは天然記念物として大切に保護されています。多くの野生の鹿が集まる場所はパワースポットといえそうです。
春日大社のパワースポットおすすめの巡り方
春日大社巡りは、まっすぐ伸びた長い参道から始まります。入り口は、重要文化財の朱色の一之鳥居です。鳥居をくぐり、少し行くと右手に「影向の松」があります。
参道をまっすぐ歩き続け、萬葉植物園を通り過ぎて、最終的に本殿まで約1.7km。徒歩で20分~30分ほどかかるので、歩きやすい靴がおすすめです。
巡り方①:「伏鹿手水所」で必ずお清め
一之鳥居をくぐり、春日若宮おん祭で行われる「競馬」のスタート地点になる「馬出橋(まだしのばし)」を過ぎて、「萬葉植物園」や鹿が主役の「鹿苑」を通り過ぎると、もうじきニ之鳥居です。
ニ之鳥居をくぐると左手に「伏鹿手水所」があります。必ず、伏鹿手水所で手と口を清めて、すぐ横にある「祓戸神社」を参拝しましょう。本殿を参拝する前に穢れを取り払うのです。ここらから参道の両脇に石燈籠が並び始めます。
巡り方②:春日大社社殿などは有料
南門をくぐるとすぐに「幣殿」と「舞殿」があります。春日大社のさらに奥の区域に入るためには、「特別参拝入口」で特別参拝料金500円が必要です。
そこから、燈籠がみごとな東西の回廊や、中門・御廊など春日大社の荘厳な社殿を眺めましょう。本殿裏には樹齢が1000年近い高さ25mの大杉もそびえ立っています。
お参りや回廊内の見学を終えると回廊を出て、「御蓋山浮雲峰遙拝所」で遥拝を忘れないこと。そこから先に若宮十五社が並ぶのです。
巡り方③:一生分の祈願ができる「若宮十五社めぐり」
春日大社の「若宮十五社めぐり」は、まず、夫婦大國社で受付をします。そこで、各神社や遙拝所で納める玉串札という木札が入った袋が渡されます。
十五神社をめぐりながら玉串札を納め祈願するのです。しっかりと祈願するため、遥拝所を含め16か所全部回るのに1時間ほどはかけましょう。
最後の納所が夫婦大國社で、十五社満願の奉告をして「おしるし」を拝受できます。一生分の祈願が約1時間でできそうです。強力なパワースポット巡りを1時間で行ったことにもなります。
春日大社の基本情報
春日大社
- 住所奈良県奈良市春日野町160
- 公式サイトURLhttps://www.kasugataisha.or.jp/
- 電話番号0742-22-7788
- アクセスJR大和路線/近鉄奈良線「奈良駅」からバス、「春日大社本殿」下車すぐ。
- 営業時間1月1日0:00~20:00、1月2日~3日6:30~19:00
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