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園芸に欠かせない「軽石」とは?通気性を高める成分や、鉢底石としての使い方も解説!

園芸用の軽石とは何か、産地ごとに特徴を解説します。軽石とはパミスとも呼ばれ、火山噴火のとき水分などが空中に出た後できる淡色の塊。多孔質で排水性に富むので、優れた土壌改良材です。園芸用軽石の鉢底石としての使い方もお伝えしますので、参考にしてください。
2021年8月18日
bluesky77
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目次

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軽石とは?はじめに

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軽石とは何?と聞かれたら、何を思い浮かべるでしょうか。ボディーメンテナンス用軽石や鉢底石を思い浮かべるかもしれません。軽石とは「パミス(pumice)」「浮石(ふせき)」とも呼ばれ、密度が低いので水に浮かべるとたいてい浮く塊です。きめ細かく穴のあいた軽石(パミス)はボディケアに、他は園芸用などに用いられます。

今回は火山国日本で豊富なパミス、つまり軽石とは何かについてみていきましょう。

軽石とは火山爆発のあとできる多孔質な塊

出典:photo-ac.com

天然の軽石とはどのようにしてできるのかご存じですか?軽石とは火山爆発のとき「揮発性成分」が泡になって空気中に出ていき、マグマが冷えてできる多孔質な塊のこと。揮発性成分とは水や二酸化炭素のことで、マグマが地表に近づくと圧力が弱まり、揮発性成分の体積がふくれあがり気化しやすくなるのです。

軽石とは二酸化珪素成分が多く白系統の色

軽石とは、色が白系統のものをいい、黒系統のものはスコリアと呼んで軽石とは区別します。色の違いは二酸化ケイ素(SiO2)の量に関係しています。二酸化ケイ素はケイ素が酸化したものでシリカとも呼ばれ、この量が多いと淡い色になり、少ないと黒系統の色になるのだそうです。

軽石とは?特徴

特徴①軽石とは優れた土壌改良材

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園芸用軽石とは土壌改良材によく選ばれます。たとえば植物栽培の用土に、軽石を混ぜ合わせて植物が好む土壌へと調節させることが可能です。例えば砂質土壌(さしつどじょう)のように保水性と保肥性が低い用土に、軽石(パミス)を加えることで、保水性と保肥性を備えた用土へと改善できるのです。

特徴②軽石とは無機質なもの

軽石とは無機質な成分でできているものなので、つぶれたり分解したりせず長持ちし、水洗いすれば再利用できます。軽石の鉢底石は鉢の中で用土とまじりあっていたら、まずフルイにかけて用土と軽石とは別にします。次に軽石を水洗いしてから、天日干しにすれば再利用可能です。

特徴③軽石とはサボテン類の自生地を再現できる

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軽石とはサボテンや多肉植物栽培に向き、砂漠や山岳地帯で自生していた植物に最適な用土です。多肉植物が好む軽石とは鹿沼土や日向土のような軽石で、赤玉土に小粒の軽石を2割程度混ぜて使用してみてください。

軽石は挿し木の「挿し床」にも向き、軽石間に若干空間ができるので挿し木の根が隙間をぬって育つといわれています。

特徴④軽石とは中性で植物栽培に向くもの

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植物が好む用土の酸性度はPh5.5~6.5、中性から弱酸性の用土が向きます。たしかにブルーベリー、シャクナゲ、スズランなど一部の植物は酸性用土を好みますが、他の多くの植物は中性でよく育ちます。雨の多い日本では土中のアルカリ成分が流れ出たり、化成肥料も酸性であったりするので土は酸性に偏りがちです。

その点軽石の酸性度は中性ですから、幅広い植物栽培に向いているといえるでしょう。

特徴⑤軽石とは虫や病気が寄りつきにくい

軽石とは無機成分からできているので、虫を寄せつけない効果があります。腐葉土など有機質の用土はどうしても害虫が卵を生みつけ、幼虫がわくのが悩みです。無機質な軽石を、基本用土や土壌改良材として使用すると防虫効果が期待できるでしょう。

軽石とは?種類

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日本にはいくつかの軽石産地があり、だいたい産地名が名称にもなっています。軽石共通の多孔質で空気が通りやすいという特徴のほかに、産地ごとにどのように違うのかその特徴をみていきましょう。

栃木県鹿沼市で採れる軽石とは「鹿沼土」

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ガーデニングをする方は、鹿沼土(かぬまつち)を園芸用品店で見かけたり、名前を耳にしたりするのではないでしょうか。鹿沼土と呼ばれる軽石とは、栃木県の赤城山が何万年も前に爆発したときにできた火山灰がもとになっているといいます。草花や植物の「基本用土」となる重要な軽石で、再利用が可能です。

鹿沼土の基本情報


産地 栃木県鹿沼市
乾いているときはベージュ、水分を含むと黄色みを増す。
Ph 4.5~5.0の酸性
大粒 10~30mm 鉢底石
中粒 5~10mm ツツジ、サツキ盆栽
小粒 1.5~5mm 挿し木、基本用土

使い方

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鹿沼土は水分を与えると黄味が増すので、水分含有の有無がとてもわかりやすいのが特徴です。特にサボテンや多肉植物の表土にすると、水分コントロールの目安となるでしょう。鹿沼土のPhは酸性ですから、ツツジ、シャクナゲ、ブルーベリー栽培に向きます。

宮崎県都城市で採れる軽石とは「日向土」

特徴

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宮崎県南部にある霧島系火山帯にでは優れた軽石が採れます。その軽石とは日向土(ひゅうがつち)と呼ばれ、色は淡い赤銅色~ホワイト系統の色までさまざま。別名「ボラ土」のボラとは地元で「役に立たない」という意味ですが、実際は大変優秀な軽石です。日向土(ボラ土)の基本情報をみていきましょう。

日向土の基本情報

産地 宮崎県都城市
赤銅色~ホワイト
Ph 6.0前後の弱酸性
大粒 10~30mm 鉢底石、洋蘭
中粒 5~10mm 洋蘭、観葉植物
小粒 1.5~5mm 盆栽、山野草、サボテン

使い方

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軽石とは排水性が特徴ですが、なかでも粒状の日向土は高い排水性に恵まれています。そのため保水力・保肥力は低いものの、多肥を嫌う多肉植物には絶好の用土です。軽石は無機質で、雑菌量が少ないので植物の根腐れ防止効果も期待できるでしょう。

日向土という軽石とは、いったいどのような用途があるのか、詳しく知りたい方は次の記事を読んでみてください。

群馬県桐生市で採れる軽石とは「桐生砂」

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群馬県桐生市一帯で採れる桐生砂(きりゅうずな)は赤城山系火山砂礫(されき・しゃれき)で、鉄分を多く含んでいます。火山砂礫とは火山砕屑物が風化して山砂になったものをいい、質感が硬いのが特徴。粒サイズは多様ですが、通販では「ふるい分け桐生砂」などの名前でサイズごとに販売されているようです。

800度の高温焼成した商品は、病害虫が発生しにくく再利用が可能で汎用性がありますので、基本情報をみていきましょう。

桐生砂の基本情報

産地 群馬県桐生市
黄色、褐色
Ph 6~7(中性)
大粒 12~25mm 鉢底石
中粒 7~12mm 東洋ラン
小粒 3~7mm 山野草

使い方

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桐生砂はかなり風化している上に、固いので崩れにくく長期間使え、じっくり育てる松の盆栽などに使われます。桐生砂が他の軽石とは少し違うのは比重があり、棕櫚竹や観音竹など背の高い観葉植物を植えても安定感がある点です。東洋ランや山野草の用土としてもいいでしょう。

青森県十和田湖で採れる軽石とは「十和田水砂」

特徴

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その名のとおり青森県十和田湖周辺で採れる、淡い黄色の細かくて比重の低い軽石です。軽石とはたくさん穴があり、保水性は低くなりがちですが、十和田水砂は吸湿力がなんと70%もあるのだとか。要らない水分は排水され、耐久性も備えています。

十和田水砂の基本情報

産地 青森県十和田湖
淡い黄色
Ph 6.4(中性)
大粒 10~20mm 鉢底石、マルチング
中粒 6~10mm オモトや山野草の植え込み材
小粒 3~6mm 水耕栽培の資材として

使い方


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十和田水砂の乾燥時比重は0.38と軽いので、ハンギング用土や屋上緑化資材に向いています。他の用土ともなじみ、鹿沼土と半々に混ぜて盆栽に、微粒のものは種まき用土におすすめです。

北海道日高地方で採れる軽石とは「蝦夷砂」

特徴

北海道日高地方で採れる軽石とは、火山噴出物で蝦夷砂あるいは日高砂と呼ばれる山砂。排水性と保水性、通気性を備え『北海道の鹿沼土』とも呼れます。鹿沼で採れる軽石とは見た目も似ていて、混合して水をかけると見分けがつかないほどです。

蝦夷砂の基本情報

産地 北海道日高地方
淡い茶色
Ph 6.2(微酸性)
大粒 8~20mm 鉢底石
中粒 4~8mm ラン類の植え込み材
小粒 2.5~4mm ランや山野草栽培、水耕栽培

使い方

蝦夷砂は風情ある山野草やサツキ、そしてラン栽培に向いていて、鹿沼土より硬く崩れにくく、無菌で水洗いして繰り返し使用可能です。蝦夷砂というので「砂」を想像しますが、大粒のものもあり、通販サイトでは水洗い商品が流通しています。

軽石とは?鉢底石について

鉢底石の効果

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鉢底石は排水性や換気の効果が期待できるので、鉢底石の分量や使い方お伝えします。ただ、すべての鉢植えに鉢底石が必要というわけでなく、排水機能のあるプランターや小型の植木鉢には不要です。

鉢底石の分量は鉢の高さ1/5

鉢底石の分量は、鉢の高さの5分の1、深鉢なら高さの3分の1を目安にします。植えようとする植物の根張りを把握しておくと、鉢選びの参考になるでしょう。例えばユリのように背の高い植物は、根も深く張るため深鉢を使用します。逆にアザレアやバーベナなど横に広がる植物は、根も浅く横に広がるので浅鉢がおすすめです。

代用品

発泡スチロール

出典:photo-ac.com

ランなどの鉢底に発泡スチロールが入っているのをみて、驚いたことがあるかもしれません。発泡スチロールは梱包材の役目が終わると捨てることも多いのですが、鉢底石の代用となる優れものです。サイズは2~3cm角ぐらいに割って使いましょう。

コルク

出典:photo-ac.com

コルクはコルク樫の木からはがした樹皮のことで、鉢底石の代用になります。コルクの産地はポルトガルが有名で、比重はなんと約0.2という軽さです。水に溶けにくく腐りにくいのが特徴で、ワインなどのコルク栓がある場合は、鉢底石に代用してみてはいかがでしょうか。

ヤシガラチップ

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バークやヤシガラをマルチング材に使用している方も多いのではないでしょうか。ヤシガラをキューブ状にカットしたものは「鉢底石がない!」というときに格好の代用品となります。

軽石とは?通販のおすすめ軽石6選

おすすめの軽石とは①鹿沼土


グリーンプラン 基本用土 上質鹿沼土5L

出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon

軽石とは排水性や通気性といったメリットがありますが、鹿沼土を使ったユーザーからは「コバエがいなくなった」「軽くて扱いやすい」といった口コミがあります。鹿沼土をはじめて使う場合は、使い切ることのできる5Lから試してみてはいかがでしょうか。

おすすめの軽石とは②日向土

日向土 小粒 2L

出典:楽天

排水性と通気性が高いけれど保肥性が低い日向土と呼ばれる軽石とは、砂漠に自生するサボテンや多肉植物栽培向いた用土です。なぜならサボテンや多肉植物は肥料を与え過ぎると、葉の色が悪くなったり根が傷んだりしますが、日向土は保肥力が低いので多肥で失敗することはあまりありません。洗って再利用できます。

おすすめの軽石とは③桐生砂

桐生砂 3L

出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon

桐生砂が褐色をしているのは鉄分が含まれているからで、ナチュラル感が魅力の軽石です。扱いやすい3L袋入りで、松盆栽や山野草に向いています。赤玉土や腐葉土に桐生砂を2割程度混ぜて使用するといいでしょう。

おすすめの軽石とは④十和田水砂

十和田水砂(厳選5L)

出典:楽天

十和田水砂は単体でも、他の用土とミックスしても使用でき、明るい色合いが室内空間を明るい印象にしてくれます。この商品は粒の大きさを選べ、比較的軽く扱いやすいので、用土の重さが気になる方や初心者の方にも扱いやすい点がメリットです。

おすすめの軽石とは⑤蝦夷砂

蝦夷砂 中粒 17L

出典:楽天

蝦夷砂の中粒は主に高山植物やラン類に人気があり、ユーザーからは「粒に角があり、ザクザク感が気に入っている」という口コミが見られます。多用途がメリットですが、17Lだと約8kgありますので通販サイトで注文し、届けてもらうと便利です。

あると便利な鉢底土ネット

アミ袋鉢底ネット

出典:Amazon
出典:楽天
出典:楽天
出典:Amazon
出典:Amazon

鉢底石は専用ネットに入れて使うとメンテナンスがとても便利です。好みの軽石を入れて使うのがおすすめします。軽石を効果的に使い、ガーデニングを楽しい時間にしましょう。

軽石とは?まとめ

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パミスの名前で知られる軽石とは何か、特徴や使い方をお伝えしました。鉢植えで楽しむ観葉植物や多肉植物、盆栽には、軽石とはどのような使い方があるか知っていると役立ち、植物が好む環境を再現するという新たな楽しみが生まれるでしょう。産地ごとの軽石とはどのような特徴があるのかを知れば、土壌改良がもっと身近な作業となるでしょう。

観葉植物の土や鉢底石についてはこちらもチェック

軽石とは植物栽培に役立ち、再利用もできるエコなものだとおわかりいただけたでしょうか。観葉植物の土や土壌改良についてもっと知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。